09/07/07 23:25:48 Pb2Tvz9e
「…うん、クリームも生地と馴染んだみたいだし…食べ頃ね」
冷蔵庫からマカロンの入った容器を取り出し、お皿に1つ1つ丁寧に並べていく。
「雛苺…喜んでくれるかな」
マカロンは思ったより手のかかるお菓子であった。完成後しばらく冷蔵庫に保存し、翌日まで待たなければいけない工程があったのだ。
そのせいで少し寝不足ではあるものの、雛苺の嬉しそうな顔を想像すれば、自然に微笑が浮かんだ。
「そろそろ起きる頃ね」
ふと時計を見ると、丁度いつも雛苺が鞄から出てくる時間だった。
「ふぁあ…ともえ…おはようなの」
雛苺が寝ぼけ眼を擦りながら和室から出てきた。
「おはよう雛苺、今朝はご馳走よ」
「ふえ…?…あーっ!マカロンだぁー!!すごいのー!」
「そうよ、雛苺、この前テレビ見てて凄い興味津々だったから…」
「これ、ぜーんぶ巴が作ったの!?」
「雛苺のために頑張ったんだから」
「うわーい!巴大好きー!!」
「ふふ…遠慮せずに食べてね。あ、でもいきなり甘いものっていうのもね。朝ごはん食べたら、デザートにしよ?」
「うんっ!楽しみなの!巴、ありがとう!」
朝食を済ました雛苺の前に、マカロンが並べられたお皿と、紅茶が置かれる。
「さ、お待ちかねのマカロンよ。初めてにしては美味しくできたと思うんだけど」
「美味しくないわけないの!じゃあ…いっただきまーす!色がいっぱいで可愛くて迷っちゃうの!」
雛苺は目を輝かせながら食卓に身を乗り出し、カラフルなマカロンに目移りしていた。
「うゆ…じゃあまずこのピンク色のマカロンを食べるの!」
「はい、召し上がれ」