09/06/28 06:56:30 n6Gj4jKt
そして二階のジュンの部屋へ。
ガチャリとドアを開けると、雛苺はぱぁっと顔を輝かせた。
雛「すごーい!かわいい!きれーい!」
春の襲式目である柳桜を基調とした、ドールサイズの十二単がそこにあった。
和人形が着る正式な十二単とは違い、アンティークドールである雛苺に合わせた華やかな色合いに、
裾や袖に繊細なレース、リボンをあしらった、洋風アレンジの愛らしいデザインである。
JUM「人間が着る本物の十二単は10kgあるんだとさ。でも作るのも着せるのも脱がすのも苦労するし、何より動けなくなるだろ?」
JUM「だから軽量化と簡易化のために、裳の下の11色の布はふちに重ねて縫いつけただけなんだ」
JUM「まぁ、見た目はレイヤードルックで十二単っぽい、ゴテゴテした浴衣みたいなもんだな」
雛「ほぇ~、難しいことはよくわからないけど、ちょっとの時間でこんな可愛いお着物作っちゃうなんてすごいの…」
雛「真紅が言ってた通り、ジュンの指は魔法の指なのね!まえすとろなのよ」
JUM「はは、大げさだな。ほら、着せてやるよ」
雛「え?ヒナが着てもいいの?」
JUM「はあ?当然だろ?お前のために作ったんだからな。雛祭やりたいんだろ?」
JUM「さっきのお礼だよ。雛人形は見せてやれないけど、お雛様にはしてやれるかなってね」
雛「ジュン…あ、ありがとうなの!ヒナ、可愛いお雛様になるようにがんばるわ!」
JUM「おう、期待しててやるよ」