09/01/21 01:17:56 c6oHYUxo
さて滅法寒さが身に凍みるこの季節。
情けない事に「風邪」を引いてしまった。
朝目が覚めたら咳は出る鼻水は酷い頭痛がする上に体がだるい。
それでも無理して学校に出てきたのだがそれがいけなかった。
如何やら1時限目の最中の意識を失ってしまったようだ。
何故そう思うかというと目の映るのが「見慣れた天井」だからだ。
ってかここ俺の部屋じゃないか!
で慌てて起きようとしたが何やら体の上に乗っかっている
はて?シャミセンでも乗っかってるのかと見てみると
見慣れて黄色いリボンが見えるじゃないか。
いかん!如何やら未だ意識がハッキリしていない様だ。
居るはずの無いハルヒの幻覚を見てしまうなんて。
「…う~ん」
うお!
そう思って身を捩った所で幻覚の筈のハルヒが身動ぎをした。
おいおい、幻覚にしてはやけに感触がリアルじゃないか
本当にハルヒが居るみたいじゃないか。
【…呆れた、本当にそう思ってるの?】
更に大変だ。今度か此処に居るはずの無い奴の声が聞こえるぞ。
確かこの声の主は"一応"カナダに逝ってる事に成ってる筈だ。
何?字が違うって?良いんだよ、大体同じことだろ?長門に情報連結を解除されたんだから。
【う~ん、でも意外と思念体って状態なら存在できるみたいなんだけど】
…あ~やっぱり朝倉さん?
【ええ、そうよ】
何故此処に?ってか思念体?所謂幽霊?いやいや、そんなモノは存在せん
そう、アレだ"スタンド"だよ"スタンド"
【まぁそう思って貰って良いけど。それより貴方、涼宮さんに感謝した方が良いわ】
何故だ?って俺さっきからコレばっかりだな。
【授業中に意識を失った貴方を看病して、家まで運んだの彼女なのよ】
何と!男の俺を担いで此処まで運ぶとは!流石ハルヒ、力士も顔負けのパワーだな
【何言ってるのよ。タクシーで運んだに決まってるでしょ?それよりもちゃんと目が覚めたら感謝しなさいね】
…何故に今スタンド朝倉と話せてるのか、そもそもコイツが本当に朝倉なのか。
今はこの際如何でも良い事だ。確かなのはハルヒが此処まで俺を連れてきたという事実だけだ。
それだけ考えても確かに感謝しないとな。
【じょあ、そろそろ私行くわね。正直余り長居すると長門さんに又消されそうだし】
良い機会がこの際綺麗に消してもらえ。
【それ無理。だって私、何時も貴方の背後で見詰てるもの】
…何気に今怖い事言ったよこの人(?)
【もうそろそろ私と話すことは出来なくなるから、目が覚めたら涼宮さんにちゃんとお礼言う事。じゃあまたね】
………
……
…
気が付いたら俺は自分の部屋のベッドで寝ていた。如何やら無理に学校に言ったわいいが意識を失ってしまったようだ。
それからの記憶は曖昧だが、何故かアノ委員長に説教された様な気がした。
身を起こしてみると、ベッドの傍らで突っ伏したようにハルヒが寝ていた。
如何やら此処まで俺を連れて来てくれた様だ。
携帯を見ると、長門や朝日奈さんや古泉からメールが来ていたがソレ等を見る前にやる事があるな。
「…お疲れ様。ありがとうハルヒ。」
835:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 01:19:04 c6oHYUxo
こんな感じの夢を見たような気がした
…ってハルヒが喋ってねぇ~~~~~~~~!!!!!
もう寝るでわ
836:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 01:42:37 NV+glGGh
だが寝顔が可愛ければいいんだぜ
837:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 01:52:07 DEKqjlIq
>>834
GJ!出来れば朝倉が憑いたキョンは続けて欲しいなw
何か独り言が多くなったキョンを見たハルヒが霊感が付いたと目を光らせるとか色々ネタに使えると思うし
838: ◆RAXLFIwrP6
09/01/21 01:52:17 R6u8NqTy
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| /'"  ̄`ヽ
| { {ハヾ从)) ピーター・パンって 知ってます?
| ノ イj|^ヮ゚ノリ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| _
| , ^ `ヽ She can change. Don't let her do.
| イ fノノリ)ハ Yes, you can.
| リ(l|゚ -゚ノlリ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 〃`⌒ヽ
| 彡//~ヾゝ 今夜の アメリカ大統領の演説、
| レ;´ヮ`ノリ 涼宮さんに決して聞かれないよう お願いします!
\_______ _________________
/______/| |/
|Ll__=__| :|
|Ll__=__| :| ______
|Ll__=__| :| ,. ‐-ー- 、 .[.
|Ll__=__| :| ノ / ヽ __/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/|L|__=__|/ ノハハハハハ !. r~~~~~~
. [>|─ ─;iリ)! / ::';
○.、~ ノル´ /
イマカラ オレ ニ [>} |: ,{つ / __ _ . _ _
. ドウシロ ト…? !~T ~i レ'´ `´ `´ `´
〈_,八__〉 '|
.  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
839:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 03:03:05 Y+JKCvF9
ゆっくり療養してね!GJ!
>>838
スマンネタがわからんw
おやすみ!
840:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 03:56:23 nBDPqNfZ
流れ読まんでスマソ
ハルヒのアニメ延期の理由を喰霊のラジオ(14回)でプロデューサーが言ってる
841:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 05:48:03 Fm3s8EpT
夜中に突入しろと、そういうことですねw
842:SS
09/01/21 08:54:50 gmCZojCQ
「か、勘違いしないでよね!>>807と>>817を見て書いたわけじゃないんだから!」
>>810 の続き
また一つ、いつもの道を一つずれる。
前を歩くキョンにのんびりついて行く春の放課後。
「しっかしこんな道があったなんてなぁ」
「桜並木って言うのかしらね、こういうの」
有希と古泉くんとみくるちゃんにも見せてあげたいなぁ。
「お前がいきなりこっちの道に来たからはぐれたんだろうが」
「いいじゃない!あたしはこっちの道を歩いてみたかったのよ!」
◇◆◇◆◇
「と、言うわけで今日は写真大会を行うわ!」
みんなに一つずつインスタントカメラを手渡してあたしは高らかに宣言をする。
「写真大会って…何を撮ってくりゃいいんだ?」
「好きなもの撮ってきなさい!『好きこそものの上手なれ』って言葉があるくらいなんだから、好きなものにはきっと不思議も隠れてると思うのよ!」
「わ、私はこの格好で行くんですか?」
「当たり前じゃない。みくるちゃんのそのメイド服はSOS団の公式ユニフォームなんだから!」
さて、天気も良いしさっそくいきましょう!
と、意気込んで外に駆り出したのは良いものの、冒頭のキョンの台詞からわかるようにあたしが勝手に横道にずれたせいで三人とはぐれてしまったのだ。
「まぁ写真を撮ったらみんな戻ってくるでしょ!」
「…やれやれ」
「で、何であんたはあたしの方に着いてきたの?」
「お前1人だと危なっかしいからに決まってるだろうが」
843:SS
09/01/21 08:55:20 gmCZojCQ
何よ。失礼ね。
あんただって普段ボケーッとしてるじゃない!
もうちょっと目先のことを考える努力をしなさいよね。
「へいへい、善処するよ」
「まともに返事しなさい!」
全く、せっかくキョンと2人で歩いてるのに…これじゃいつもと変わらないなぁ。
まぁ夢で会うよかマシかしら。
なんとなくあたしは桜に向けてカメラのシャッターを切る。
「ん?桜が好きだったのか?ハルヒ」
「んーん、何となく。綺麗だったから」
「そうか。なら俺も桜でも撮るかな」
「ちょっと!真似しないでよ!」
「いいじゃないか。減るもんでもないし」
はぁ…まぁいいわ。
「…そういやあんたって何だかんだでSOS団にずっといるわよね」
「何だ、いたら悪かったのか?」
「そうじゃなくて、最初はずっと文句ばっかし垂れてたからさ」
「あのなぁ…そりゃ今でも文句を言いたくなるときは山ほどあるさ。でもな、それに嫌気がさしてるならお前が俺をSOS団に引っ張り込んだ時点で全力疾走で逃げ出してるさ」
そう言うと恥ずかしそうにキョンは先を歩いてく。
髪のことを似合ってるって言われるのも嬉しいけど、キョンがそう考えてたって聞けたのも嬉しいな。
844:SS
09/01/21 08:55:53 gmCZojCQ
私はもう一度カメラを構える。
『好きなもの撮ってきなさい!』
まだそこまで大きな感情ではないけれど
「キョン!こっち向きなさい!」
「ん?」
キョンがこっちを振り向いた瞬間、静かにカメラのシャッターを切った。
…その後、みくるちゃんと古泉くんと有希の持ってきた写真を見て、赤面したのは良い思い出。
「…いつの間にあたしとキョンが二人で歩いてる写真なんか撮ったのよ」
おわり
845:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 09:04:45 NV+glGGh
やっぱりそれを撮るのかw
846:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 09:16:57 hWV6P8x6
>>840
なんであれ情報が出てくるようになったということは一応進展してるってことかな。
>>844
GJ!
いいさじ加減だ。こういうの好きだぜ。
847:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 10:47:34 nt2leNQW
長門「・・・明日1月22日はカレーの日」
キョン「・・・またアレを繰り替えすのか?」
ハルヒ「何言ってるの!22日は夫婦の日でしょ!」
848:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 11:59:52 Y+JKCvF9
俺の電波が具現化しとる……GJ!!!
なんか頭の中に映像が流れてきたよ。GJ!だいじなことなので(ry
849:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 12:40:08 vRytL23L
夫婦でカレーの日、だと…?(*´д`*)
ちょっとコンデジ持って公園に写真撮りに行ってくる!
850:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 12:43:06 lA7BnW8S
ハルヒのカレーがあまりに辛くて気絶、消失を再体験するキョン
851:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 16:00:29 vRytL23L
どんなカレーだよw
852:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 16:21:06 Y+JKCvF9
>>849
俺もちょっと夫婦撮影してくるわノシ
853:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 18:13:10 p1CIyL6P
ハルヒは ふしぎなおどり を おどった!
URLリンク(www.hobbystock.jp)
854:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 18:41:03 nt2leNQW
流石MAX!余所ではやらないような事をやってみせる!
余所ならバニーや萌えなポーズでごまかす常呂をこのポーズ他にはないよ
855:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 18:49:38 p1CIyL6P
しかしあれだ、発売後はfigmaドアラと絡ませる奴たくさんいると思うw
856:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 19:21:49 wz5Pf4HU
, -―- 、 -― - 、
/ ,_ -―‐- _ \
/ ,ィ/_ -―- _ヽ ヽ
/ ,.-/ /´ / \ \`ヘ ヽ. ',
/ rイ / 〃./::.{:. l:. ヽ:.ヽ:.ハ fヘハ
/ 〉i,'./:{{:..{:. ハ:..:. !:.... !:ヽ..',::i| |ヽ>',
┏┓┏━┓ / く/| l.::ij>k{八::.:{\:::..};ィ匕}:i| |_∧ハ. ┏━┓
┏┛┗┫┏┓┃ ,' i:ヽ| l.::|ィfチ必`\ヽ くfチ必メ'! L!Nハ ┃ ┃
┗┓┏┫┗┛┃┏━i ! .::l.::{| ヽト, r'_;;ソ r'_;;ソ l |:: l:..i i━━┓┃ ┃
┏┛┗┫┏┓┃┃ | ! !::::! ::i.:: ム ´ _' ___ ` ハ :j:: j:: l | ┃┃ ┃
┗┓┏┻┛┃┃┗━| ! !::::!::∧:: {ヘ { } ,イ,' /::: ,':::::i |━━┛┗━┛
┃┃ ┃┃ ヽ!ハ::::ヽ:::ヽ:.',::>,、 ゝ._ _ノ , イ::/ / ::./:i!::::!:l ┏━┓
┗┛ ┗┛ ,‐<゙ヽ=、{ヾヽ f,/>ー<{_1`/ / :::/_ノ}::リ/ ┗━┛
/ /⌒ン<ヽ \ ト、_ _,, レ/ {::/ }}ヽ〈'
/ / / | `! V‐===-V ヽ }} l ヽ_
〈_ ' ' j ! V ̄ ̄ V / / } ヘ≦\
/ ヽ,、 / i! i! / / / j ヽ
r‐ '― / `~ ∧ i! i! / / / / }
/ /. ∧ ヽ ! rtz ! ./ / / / /\
857:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 19:23:09 3AbD/oZl
くっ……MPが吸い取られるっ!
…でも…ハルヒに吸い取られるなら、本望だ……!
858:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 20:17:13 K7DKFclR
まさかこのポーズが再現される日が来ようとはw
859:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 20:33:02 DEKqjlIq
親しかった仲間が皆去った後の部室の団長椅子にひとり座るハルヒ
860:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 21:10:00 CVXveXup
最終皇帝ハルヒ
861:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 21:43:01 K7DKFclR
>>853
ぶっちゃけネタが無いんだろうけど、クオリティを維持してくれんならいくらでもカモンだぜ。
射手座のエネルギー注入!とか出してくれたら毎朝元気になれそうだ。
862:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 21:57:46 nn0cm/dY
こんばんは、「親父」書きです。
また、すこし長いのを書いたので、投下します。
863:SS ハルヒと親父2-おとまり
09/01/21 21:58:29 nn0cm/dY
「あのね、母さん。明日、映画見に行ってくるから」
「そうなの。じゃあ、シャンペン抜きましょう」
「な、なに言ってんの!?」
「あら、和風がよかった?お赤飯にする?」
「そんなんじゃないわよ!」
「そんなのじゃないって何が?」
「あう」
「ただ映画行くだけなら、わざわざ前日に言って行かないでしょ」
「それはその、5本立てオールナイトだから、帰るの次の日の朝になるし……」
「ゆっくりでいいわよ。朝帰りはかえって『お泊りしてきました』って言ってるような
ものだし」
「……////」
「合宿のときは、平気で泊まってきたじゃない」
「あの時とは、ちょっと、事情が違うというか……」
「それだけ聞けば十分。あまり聞いても話したくなるだけだから聞かないわ」
「……うん。そ、それとね」
「お父さんでしょ? 明日、明後日と珍しく家にいるから」
「う、うん」
「心配いらないわ。母さんに一任してちょうだい」
「あの、母さん」
「ん?」
「あ、やっぱりなんでもない」
「……じゃあひとつだけ」
「は、はい」
「ハル、欲しいものは欲しいって言わないと手に入らないわ。言ったからって、手に入
るとはかぎらないけど」
「……」
「なぞかけになっちゃったかしら? ごめんね。母さん、引出しが少なくて」
「ううん、そうじゃない」
「ありがと。やさしい娘でよかったわ」
*****
864:SS ハルヒと親父2-おとまり
09/01/21 21:59:46 nn0cm/dY
「おや、ハルヒさん、おでかけで?」
「たまの休みにモンハンやってるような中年に話すことはないわ」
「ほら見ろ。パーティ全員女の子だぞ」
「どうせネカマでしょ」
「それは父さんだ。ちなみに中学生ということになってる」
「ほかに時間の使い方はないわけ?」
「じゃあ、駅前で中学生でもナンパしてくるか」
「イタ過ぎ。そんなこと、やってるの?」
「ケーキセットおごって、お話するだけだぞ。おまえもやるか?」
「誰がやるか!」
「今ので信じるとは、ハルヒ君もおちゃめだな」
「あんたとは二度と話しない」
「せめて披露宴で『花嫁の手紙』だけはやってくれ」
「ぴーぴー泣かせてやるから覚悟しなさい!」
「『花束贈呈』で返り打ちにしてくれる」
「ハル、お父さんと遊んでて時間はいいの?」
「あ、やばい。行ってくるね!」
「母さん、うちのドラ娘だが、今日はいまひとつ切れがなかった。どこへ行ったんだ?」
「帰りは明日になるみたい」
「えーと、聞いてする後悔と、聞かないでする後悔は、どっちがまし?」
「もう、後悔してるって顔ですよ」
「そのとおり」
「すぐ顔に出るところもそっくりね」
「隠そうとして、全然隠せてないのが、ツンデレの真髄なんだ」
「そのアヒル口も。ほんと親子ね」
「また合宿か何かか?」
「それとは事情が違うらしいわ」
「う。母さん、深刻なダメージだ」
「察しがいい親も考えものね」
「ハルヒに話すなって言われてないのか?」
「ええ。お父さんの動きを止めればそれでいいみたい」
「ふう。じゃあ投了だ。勝てる気がしない。勝てた試しもない」
「私たちも出掛けましょうか?」
「育つもんだな、子供ってのは」
「娘時代には、母親なんて何がおもしろいんだろうと思ってましたけど、どうしてどう
して」
「楽しそうだな、母さん」
「悲しそうね、お父さん」
「ま、あんな凶暴な娘になるとは思ってもいなかったが」
「あんなやさしい娘になると思ってましたよ」
「俺たちも出掛けるか?」
「わたしたちも、お泊りにしませんか?」
*****
865:SS ハルヒと親父2-おとまり
09/01/21 22:01:14 nn0cm/dY
その日の待ち合わせは午後だった。
おそい朝食を食べた後、いつもの2倍の時間をかけてお風呂に入り、昨日から悩みぬ
いて選びぬいたコーディネートのうちから、天気予報と温度予報を考慮に入れつつ、ひ
とつを選んで着替えた。このあたしが、あらゆる意味において、勝負に手を抜くなんて
ことは有り得ない。あいつの趣味はいまいちわからないから、子供っぽくない程度に大
人っぽい、普通におしゃれでかわいいという程度だけどね。それと髪型は言うまでもな
いわね。
着替えるとそれだけでアドレナリンが出て、臨戦モードになる。へんな言い方だけど、
「さあ、どっからでもかかってらっしゃい!」という状態。「矢でも鉄砲でも持ってこ
い」という感じね。
そう、今回は事情が違う。
あいつが、はじめてちゃんと誘ってきた。
「今週の土日空いてるか?」
「空いてるかって、このところ毎週あんたの顔見てるように思うんだけど、気のせいか
しら。まあ、一回ぐらい土曜の市内探索はお休みにしても構わないわ。で、何?」
「たまには、デートってものをやるのも悪くないと思ってな」
「それはかまわないけど。デートって?誰と誰が?」
「おれとおまえが」
「あんたとあたしが?」
「駄目ならいい」
「あんたね、それはむしろ礼儀を欠くってもんだわ」
「おまえに言われると新鮮だな」
「ほんとに失礼なやつね。で、どこへ行くの?」
「安心しろ、プランはある。あと予約を入れなきゃならんところがあるんで、あらかじ
め聞いたんだ。OKってことでいいか?」
「いいけど。……あんた、土日って言った?つまり土曜と日曜ってこと?」
「ああ」
「……」
「……黙るなよ」
「……あたしだってたまには黙るわよ」
「……そうか」
「……オールナイトの映画でも見ることにしとくわ」
「え?」
「アリバイよ、アリバイ。必要でしょ? そりゃ、あんたは要らないかもしれないけど……
」
「ああ……すまん」
「あやまるな」
「すまん」
「んっとにもう」
言い方は、あいかわらず遠まわしでヘタレだったけど、それはどうだっていい。
いままでも「そういうこと」がなかった訳じゃない。どさくさというか、雰囲気に流
されてというか、相手の過剰な反応にこれまた過剰に反応してしまってというか、「キ
ス以上、○○未満」みたいなことは何度かあった。そりゃ同じクラスに同じ部活、登校
時は家まで迎えに来る、部活後は街で一緒にすごして家まで送らせる、時々はお互いの
家へ行って部屋にあがりこみ、帰ったらいつもの長電話。月火水木金土日、おはようか
らおやすみまで、起きてる時間の大部分をいっしょにいるのだから、そうならない方が
不思議なくらいだ。
その度にあたしたちは踏みとどまった、正確にはどちらかが「ぶちこわし」にした。
(あたしが)相手をつきとばしたり、ぶんなぐったり、(主にあいつが)冗談にしたり
謝ったりで、なかったことにした。
866:SS ハルヒと親父2-おとまり
09/01/21 22:02:26 nn0cm/dY
「ハル、あなた見た目はいいんだから、もっと自信持ちなさい」
自信は、あるにはあるけど。それと「見た目は」って親に言われると少しへこむわよ、
母さん。
「ちょっと私の言いたいこととは違うけど。そうね、すごく具体的に言うと、たとえば、
こう腕で自分を抱いて上目づかいで言ってごらんなさい。一発だから」
母さん、母娘でこの破壊力。やばいって。
それにね、なんて言うか、それじゃ意味がないの。それをしていい相手なら、あたし
はきっと悩んでない。
私がしたいのは、あいつと取引したり、あいつを籠絡させたりすることじゃないの。
あいつは、あたしが、そんなことしないと思ってる。それは、あたしの勘違いかもしれ
ないけれど、勝手な願望かもしれないけど、あいつは確かにバカキョンのエロキョンだ
けど、それにあたし自身が報いたいと思ってる。……まるっきり空回りかもしれないけ
ど。
「ふふ。誰に似たのか、頑固者ね。ハルのそういうところ、好きよ。母さんも本気でさっ
きのをお勧めしたい訳じゃないわ。ただ、自分のやり方に素直なことと、自分の気持ち
に素直なことは、時々反比例するのよね」
何故だか、こんな会話をあたしは思い出していた。
****
ハルヒは約束の30分前には来ていた。というのは、俺が着いたのが30分前だった
からだ。本当のところ、こいつが何時からここにいたのかはわからん。1時間前ではな
いと思う。1時間前に俺が来たときは、こいつの姿はなかったからだ。ああ、言いたい
ことはわかる。そろそろふたりとも、待ち合わせには時間通りに着けば良いのだと学ん
でもいい頃だろう。
「はぁはぁ。 おそい、罰金!」
息切らせて何言ってるんだろうね、こいつは。
「で、どこ行くの?」
二人分の切符を買い、俺たちは、いつも街へ出掛ける時とは反対方向のホームへ向かっ
た。
「そういや、おまえ、親のこと、『親父』『母さん』って呼んでたな」
「それが何?」
「いや、何でもないが」 そう、本当に何でもないことなんだが。
「そう。で、あんたは?」
「うちは、『父さん』『母さん』だが」
「まあ、あんたが『パパ』だ『ママ』だって言ってた日には、この手で地球を壊したく
なるわね」
「やめてくれ」 頼むから。
「何言ってんの?」
「おまえこそ、パパ、ママって柄じゃないだろ?」
「うっさいわね。……小さい頃はそう言ってたみたいだけど、物心ついたら変わったわ」
「何故だ?」
「まあ母さんは『ママ』でもいいと思うけどね。……あんたも会ったでしょ、うちの親
父」
「ああ」
「あんた、あれを『パパ』なんて呼べると思う?」
「……無理だ」 いろんな意味で。
「めずらしく意見が合ったわね。ま、そういうことよ」
そう言ってハルヒは「ふう」とため息をついた。
「どういう訳か、あんたのことは気に入ってるみたいだけど。まったく、どこがいいの
かしらね」
全然分からんが、あの人を敵にまわすよりは数百倍ましな事態だってことは俺でもわか
る。いろんな意味でな。
****
867:SS ハルヒと親父2-おとまり
09/01/21 22:03:31 nn0cm/dY
あたしたちが降りたのは坂の多い街の駅だった。というより、街自体が坂にあると言っ
た方が正しい。
果たして、それは普通のデートだった。
あたしたちは並んで歩き、時にはかわるがわる手を引いて、バカな言い合いをしなが
ら、お店をひやかし、ハイスコアを塗り替えたり、小さなぬいぐるみをゲットしたり、
ご飯を食べたりした。
「おじさん、大盛りちょうだい。ツン抜きで」
「ひょっとして、つゆ抜きか?」
「うっさい。わざとよ、わざと」
「わざとはいいが、いつも通りの『ツン』だぞ。正直、その方が何故だか安心するが」
「あんたを安心させるようじゃ、あたしもおしまいよ」
こいつは、ほとんどいつも通りに見える。いつも通りにやる気なさげで、それはそれ
でむかついたけど、ほっとしたのも事実だ。そして、いつもなら、さすがのこいつでも
しないような失敗をいくつかしでかして、あと普段なら聞いてなさそうで聞いているあ
たしの話を、何を考え込んでるんだか、何度か聞き逃して、そういうなんでもない出来
事があたしの気分を少しだけましにした。
****
「この店、まだあったのね」
「覚えてるか?」
「お父さんに会ってから、忘れた思い出はひとつもありませんよ」
「……君、あの月を彼女にプレゼントしたいんだが」
「グラスをお持ちます。ラ・グランド・ダムの1985年でよろしいでしょうか?」
「結構。……母さん、当たり年だ」
「ええ。今の方は?」
「ああ、あのオーナーの娘さんなんだ。オーナー、亡くなってな。この店も人手に渡っ
たんだが、なんやかんやで、彼女が継ぐことになった」
「『なんやかんや』の解決って、お父さん得意だものね。時々いつ仕事してるんだろうっ
て思うけど。……ほめてるんですよ」
「わかってる」
「それで今日はお祝いなのね。3人で来ようと思ってたの?」
「ガキに飲ませる酒はないが、シャンパンぐらい付き合わせても構わんだろ」
「お月様、ほんとはハルにあげたかったのね?」
「そんな役は彼氏に譲るさ。アホ娘には『頭になんか湧いてんじゃないの?』と言われ
るのがオチだ」
「次は4人で来れますよ。シャンパン・グラス越しに月、ってルビッチの映画?」
「ああ、『極楽特急 Trouble in Paradise』(1932)だ」
「何に乾杯します?」
「バカ娘のあわれな彼氏に」
「じゃあ、お父さんのアヒル口に」
*****
868:SS ハルヒと親父2-おとまり
09/01/21 22:04:27 nn0cm/dY
そうしているうちに、あっという間に日が暮れて、街に夕闇が訪れた。あたしたちは
肩を並べて、今日何度もそうしたように、ゆっくりと坂を上った。
夕食は、とても小さなレストランで、こいつが選んだとは思えないほど趣味がよく、
料理もおいしかった。
あたしたちからすれば、祖父にあたるくらいの歳に見える人が、絵に描きたくなるよ
うな所作で給仕をしてくれた。料理が終わって挨拶に来た女性が料理長(シェフ)で、
長年別のところで働いていたが、数年前ようやく二人だけでこの店を始めたのだと話し
てくれた。二人は夫婦だった。
「よくあんなお店、知ってたわね」
「探したんだ。ハルヒ、おまえの母さんの話をしてくれただろ?」
「え?ああ、母さんが若い頃、小さなレストランをやってたって話ね」
「そういうのがいいな、と思ってな」
「そうなんだ」
「ああ」
*****
「お父さん、キョン君を気に入ってるのね」
「どっちかっていうとニガ手なタイプだけどな。ありゃ普通の奴だろ?」
「ふふ。そうね」
「右も左もわからなくて、いきがってた若い頃な、自分じゃ危ない橋も渡ったし、それ
なりに甘いも酸いもかみわけたと思ってたバカの鼻っ柱を折ったのは、ああいう奴だ」
「……」
「10回やれば奇策を弄するこっちが8,9回は勝てるだろうがね、ああいう奴に本気
になられたら最後の1回は負ける。こっちは、それが致命傷になる。だから歳とって知
恵がついてからは、6回勝てたら引き上げて、あとの勝ちは譲ることにしてる。譲られ
た勝ちでも、ちゃんと受け取ってくれるんだ。あいつらにとって大事なのは勝ち負けじゃ
ないからな。勝ち負けでないものの価値をちゃんと知ってるというか」
「ハルに本気になってくれる人がいて、よかったわ」
「いなけりゃいないで、かまわんがな。母さん、ありゃ、ちょっと美人に育ちすぎたぞ。
惜しくってたまらん」
「ふふ、親バカね」
「バカ親父だよ」
「めずらしく酔ってますね。こういうのも楽しいわ」
「これくらいの酒で酔うものか。ちょっと夜景が揺れてはいるが」
「はいはい」
「だが酔ってるのは俺じゃない」
「ん?」
「夜の方だ」
******
869:SS ハルヒと親父2-おとまり
09/01/21 22:05:32 nn0cm/dY
最後にあたしたちは、坂の上の洋館がある通りに出た。
「ここなんだが……」
「へえ、あんたが選んだにしちゃ、ずいぶんマシなところね。泊まれるの?」
「この洋館だけはホテルになってる。というか元々そのために建てたもんらしいが……」
「そう。なにしてるの? はやく行くわよ」
「おい、ハルヒ」
「入り口に突っ立ってちゃ、いい迷惑よ。話があるなら内で聞くわ」
部屋は予約してあった。週末の、こんないい場所なら当然だろう。
予約までして、女を連れてきて、それをまだ何を迷うのだろう。あんたがそんなだか
ら、あたしはこんなに不安なのに。わかってんのかしらね、このバカ。
「おい、ハルヒ」
なによ。
「つれてきた俺がこんなこと言うのは、おまえのいう『失礼』ってやつだと思うが、……
おまえ、わかってるのか?」
あたしは激高した。気づくとこのバカのえりもとを絞め上げ、ぶん投げようか絞め殺そ
うか、そのどちらでもできるよう、腕に力をこめた。そして、どちらかを決めてる途中
で、やっと声が出た。
「あたしはあんたとちがってバカでも暇人でもないの! 女をホテルに連れ込んで『わ
かってるのか』ですって? ふざけんのもいいかげんにしろ!! あたしはね!!」
だけど、襟をつかんだのは失敗だった。両手がふさがってしまう。顔を、目から流れ落
ちるものを、隠せやしない。
「……あ、あたしは、あんたと、そういうことになっても、いいと思ってる」
どれだけの時間、泣いていたのかわからない。
気づくと手を放して史上最低のバカの胸に額をつけていた。顔を隠そうとしたのだと
思う。
バカはあたしの背中に手をまわして、ぽんぽんとあやすようにしていた。でも、今欲
しいのは、こういうやさしさじゃない。どうして何も言わないの? あたしの一世一代
の告白を何だとおもってるんの? 女に、ううん、あたしにここまで言わせておいて、
何でこいつは黙っていられるの? こいつはバカだ。救いようがない阿呆だ。
誰かの声がしたような気がして、あたしは我に返った。次にしたことは、自分の体を
こいつから引きはがすことだった。そうして、こいつの顔を覗きこんで、その目を見た。
目の中に顔を真っ赤にして泣きはらした女が映っていた。
「ハルヒ?」
名前を呼ばれて理解できた。目の中に映っているのはあたしだ。それから、今こいつ
はあたしにやさしくしてるんじゃない、あたしがこいつに甘えてるだけなんだ。
こいつはあたしの意思を「尊重」しようとした。あたしはそれを「優柔不断」だと思っ
て怒った。こいつがあたしに、この「大切なこと」を決めさせようとしてると感じたか
ら。そのあたしは、こいつに決めさせようとして、そこから逃げたと、なじっているの
だ。
一気に冷えた頭は猛スピードで考え始めた。あたしはこいつをどうしたいのか?こい
つとどうなりたいのか?そのためになにをやったのか?やろうとしたのか?こいつはあ
たしにとって何で、あたしはこいつにとって何なのか?あたしに決められるのはどれで、
決められないのはどれか?何故このどうしようもないバカのことを、わたしはこんなに
も好きなのか?
870:SS ハルヒと親父2-おとまり
09/01/21 22:06:28 nn0cm/dY
「……まだ、あたしのターンよね?」
違ってても、あんたの沈黙を1パスとみなすわ。それと、こいつはあのアホキョンの
ニブキョンよ。へたに「手加減」して「期待」した、あたしが間違ってたのよ。話して
通じる相手じゃないと知ってたわ。まさか、ここまでとは思わなかったけどね。だった
ら手加減抜きで、やるしかない。本気にさせたあんたが悪いんだからね!覚悟しなさい!
「耳かっぽじってよく聞きなさい! 『あんたとそうなってもいい』って? 冗談じゃ
ないわ! あんたじゃなきゃ嫌! あんたじゃないと駄目! 今日のこと、あんたが誘っ
てくれたとき死ぬほどうれしかった。今日一日、おかしくなりそうなくらいドキドキし
たけど、生まれてから一番ってくらいに幸せだった。自分が自分じゃなくなっちゃいそ
うで、一日中、ううん、あんたに会ってから、あたしはずっと不安だった。でもそんな
ことは、もうどうだっていいの。あたしはあんたが好き。もう、どうしようもないくら
い。言えっていうなら、100万回だって言ってやるわ。あたしはあんたが好き! あ
たしはあんたが好き!!」
体中の酸素を使いきって、あたしは息が続く限りまくしたてた。もう駄目だ。酸欠と
恥ずかしさとで死にそう。いや、死んでやる。キョン、あたしが死んだら、お墓はいら
ないわ。鶴屋山の、この町が見下ろせるあの場所に立って、一年に一度でいいからあた
しを思いだして泣きなさい。それから・・・。というバカな心の声は、あの「やれやれ」
と言ってるみたいなため息に中断した。
「おまえにはかなわん」
って、今何か言ったわ。よくわからない。怖くて顔が見られない。足に力が入らない。
ちょっと、部屋が傾く、床が近づいて来……。
「ハルヒ!」
呼び止められ、抱き止められた。一瞬、気が遠くになって、向こう側が見えた気もする
んだけど。どうやら、あたしには、まだこの世ですることがあるらしい。そうだよね、
キョン?
「おい大丈夫か?」
「ちょっと酸欠。今、少し天国と天使が見えたわね」
「告白して失神する奴があるか」
「だったら……少しは、普段から、やさしくしなさい。危機一発じゃないと助けに来な
いヒーローなんてお呼びじゃないわ」
「呼ばれなくても、ずっとそばにいてやる。こんな危なっかしいやつ、放っておけるか」
「あんた、生意気よ。ちゃんとあたしに惚れてるって言いなさい」
「ああ、惚れてるさ。会った時からずっとだ。何度押し倒そうと思ったかわからん」
「へたれキョン。エロキョン」
「見た目も頭も、性格以外は最高で、道行く男どもは、みんなおまえを見る。俺がどん
な気持ちだったか分かるか?」
「バカじゃないの? あたしはあんた以外、目に入らなかったわ。集中力を欠いてるの
よ。あたしの気持ちに気づかなかった当然の報いね」
「おまえこそ、俺の気持ちを信じなかったくせに。それから、俺にも言わせろ」
「溜めこんで、それ以上バカになったら困るから、特別に聞いてあげる」
「ハルヒ、おまえが好きだ」
「おそい!! どれだけ待ったと思ってんの?」
「……人の告白に駄目出しするなよ」
「これはあたしの恋路よ。誰の文句も受け付けないわ」
「俺の恋路でもあるだろ。この唯我独尊女!」
「ま、惚れた弱みもあるし、聞くだけ聞いたげる。次!」
「おまえが世界で一番好きだ!」
「比較の問題じゃないでしょ。次!」
「俺にとっておまえみたいなめちゃくちゃな奴は宇宙でたった一人だ!」
「長い!それに今は『ツン』はいらないの!」
「そういうおまえの態度はどうなんだ?」
「うるさい!次!」
871:SS ハルヒと親父2-おとまり
09/01/21 22:07:49 nn0cm/dY
「ずっといっしょにいてくれ」「あんたがそばにいてくれるんじゃなかったの?次!」
「おまえがいない人生は考えられない」「いっしょにいるだけじゃ駄目よ!次!」
「おまえの笑顔がずっと見せてくれ」「あたしが泣いたらどうすんの?次!」
「俺を逃がしたら、これ以上の男は現れないぞ」「それはこっちのセリフよ!次!」
「俺にはおまえが必要だ」「あんただけじゃない!次!」
「愛してる」「気持ちだけじゃ駄目だって言ってるの!次!」
「おまえは俺が守る」「無理!」「そうだな」「そうだな、じゃないでしょ!次!」
「付き合ってくれ。断られても、この言葉は二度といわない」「それじゃ脅迫よ!次!」
「俺のファーストレディになってくれ」「オバマか?次!」
「結婚しよう」「ちゃんと手順を踏みなさい」「そんな普通のことでいいのか?」「じゃ
あ、かけ落ちしてあの親父から逃げきれるの?」「無理だ」「次!」
「駄目だったらクーリングオフしてくれ」「笑いもボケもいらない。次!」
・・・・
・・・
・・
・
「はぁはぁ。……なんでそんなセリフがポンポン出てくんのよ?ヘタレのくせにスケコ
マシね」
「はぁはぁ。……おまえが言わせてるんだろうが。日ごろの努力の賜物だ。ずっと考え
てりゃこれくらい出てくる」
「へー、あんた、そんな努力してたんだ?ずっと考えてたの?」
「……」
「そこで黙るから、あんたはヘタレなのよ」
「やれやれ。もう言葉は打ち止めだ」
「なにす……うぷ」
こいつの唇があたしの口をふさぐ。ようやく、やっとのことで。ほんと手が掛かる。本
気であたしに魅力を感じてるのかしらね。
「ムードないわね、あたしたち」
「そんなものは、どうにでもなる」
「……ちょっとは言うじゃない」
「惚れなおしたか?」
「言っとくけど、恥ずかしいセリフは、あたし以外には禁止だからね」
今度はあたしがこいつの口をふさぐ。
*****
事が終わって、あたしたちは眠り、目覚めた。
世界は相変わらず退屈でままならなくて、あたしたちは相変わらず不器用で素直じゃ
なくて、そして一緒だった。
「……ほんとよく寝るよな」
「……何よ、最初にダウンしたの、あんたの方じゃない。その間抜け面見てると、こっ
ちまで眠くなったのよ」
「ふう、でも悪くないな」
「そうね、悪くないわ。おはよ、キョン」
「おはよう、ハルヒ」
それから、お互いに腕をまわして体温を確かめ合った。その心地よさにまどろみなが
ら、あたしたちはもう少しだけ眠ることにした。
*****
872:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 23:18:41 NV+glGGh
支援?
873:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 23:20:41 nt2leNQW
支援
874:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 23:21:41 rfDrlGbS
支援?
875:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 23:25:22 mh7Ae6MW
さるったようですな。
876:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 23:28:52 rCI4skKN
のんびり待つかw
おいでハルヒ、いっしょにコタツ入ろう
877:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 23:33:02 CVXveXup
にゃあ
878:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 23:33:57 lA7BnW8S
湯を注いだカップ麺が出来上がるのをパワーを込めて見つめるハルヒ
879:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 23:34:14 K7DKFclR
にゃる
880:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 23:36:43 mh7Ae6MW
そしてできあがったカップ麺は、あまりのパワーのために……
パワーのために、どうなったんだろう??
1) 凄腕料理人も真っ青の究極の麺になっていた
2) 食べると変身するアイテムになっていた
3) 食べると目の前にいる人間を好きになってしまう惚れ薬が注入された
4) 水の沸騰温度から考えるとあり得ない温度まで上がってしまった
自分の発想力に限界を感じる今日この頃。
881:SS ハルヒと親父2-おとまり
09/01/21 23:41:05 nn0cm/dY
その後の事で、語るべきことはあまりない。
遅い朝食を食べ、坂を降り、バカな言い合いをしながら駅へ向かって、電車に乗り帰
途に着いた。途中、母さんの「朝帰りうんぬん」の発言を思い出したので、こいつに振っ
たら、予想以上の狼狽ぶりだったとか、それを見て大笑いしてやったとか、どうでもい
い話だ。こんなことでは、今回のあたしの貸しはちっとも減らないしね。もう一生かけ
て回収してやるしかないわね。
そういう訳で、あたしは大いにしかめっ面をして家のドアを開けた。
「おかえりなさい、ハル。 ん、どうかしたの?」
「どうもこうもないわ。あいつに何か期待する方が間違ってんのよ」
「何かって、何が?」
「何もかもよ! まったく、あたしだったから、よかったようなものの……」
「あら、よかったの。よかったわね」
「よくないわよ! まあ、よくなくなくもなかったけど……って何言わせるのよ!」
「ふふ。お父さん、ドンペリ入りまあす!」
「な、何言って……げ、親父、どうしたの、その顔? 縦線入ってるけど」
「ああ、おかえり……」
「死にそうね。ちょっと大丈夫?」
「ああ、おかえり……」
「駄目だ、こりゃ。ねえ、母さん、何かあったの?」
「私たちは、何もなかったわよ」
「なんか母さん、今日、ちょっと親父入ってるわよ」
「だって、お父さん、あの調子だもの」
「その分、母さんがご機嫌なのが、少しこわい」
「ほら、ハル」
「ドン・ペリニョン! しかもロゼ?」 いくらするのよ?
「ホストクラブじゃあるまいし、何十万もしないわ。子供が生まれた年のお酒を買って
おいて、っていうのが昔流行ったのよ。それにハルの生まれた年はシャンパーニュの気
候も、1990年ほどじゃないけど、申し分なかったし。こういう年にできたワインは、
置いておいて後で飲むのが良いの」
いや、それにしても、お酒じゃないような値段するんじゃないの?
「ほんとはね、夕べお父さんのお友達がやってらしたお店に行ったの。港が見下ろせる、
とても景色のいい場所でね。そこは、そのお友達のおじいさまが日本に来られた時に建
てられた建物で、お父さん、その家を買い取ってお店にする時にお手伝いしたみたい。
ちょっと大変な交渉事って、お父さん、得意中の得意だから。それで、我が家に娘が生
まれた時に、お祝いにって、そのお友達が下さったのがこのシャンパン。ね、ちょっと
いい話でしょ?」
「うん」 それでも、すごい額のお祝いだけど。
「お友達、亡くなられてね。その建物も手放すことになったんだけど、また買い戻して、
今度はその娘さんが引き継がれることになったの。お父さん、今回も『お手伝い』した
らしいわ。そのお祝いが夕べ、そのお店であって」
「そうだったの? ごめん」
「いいのよ。私にもお店に行くまで、お父さん、何にも言わないんだもの。それにお店
はいつでも行けるけど、あなたのは一生に一度のことですもの。そのかわり、今度は4
人で行きましょ。母さん、ピアノ弾くって約束しちゃたし」
「え、ほんと?」
「ええ。素人に毛が生えたようなものだけれど、一応練習しなきゃね。天国にいる先生
に恥かかせられないわ。そ・れ・と、今日はお酒に合った豪華な夕食にするわよ。母さ
ん、準備にかかるから、お父さんをよろしくね」
よろしく、って言われてもね。おーい、親父、生きてる?
「ああ。……あいつとは最近どうなんだ?」
最近と言っても、さっき別れたばっかりだしねえ。
「ぐふ!! ……娘、ど、どこでそんな荒技を?」
なに言ってんの? アタマ、大丈夫?
「以前なら『アイツって誰よ?』的なツンデレ返しで、いくらでもツッコむ隙があった
のに」
かあさん、これ、もう駄目みたい。新しいの出そうよ。
「うう、せめてとどめを刺してくれ」
882:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 23:42:42 nn0cm/dY
これでおしまいです。
やっちまいました。連続投稿制限にひっかかりました。
連続スレ消費、おじゃましました。
883:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 23:51:13 CVXveXup
>>882
にゃあ!!
884:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 23:51:58 rCI4skKN
>>880
おコタで猫抱きながら俺も一緒に考えてみたが、ここは……2だな!
5)!とか素早く電波を送信できない自分に残念章だ。
>>882
レス数が予想できるなら、01/10みたいにしたら分かりやすくていいぜ。
GJ!
相変わらずの掛け合い、見事でありましたw
ハルヒのダメ出しとキョンの連射、いいね。好きだわ。
885:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 23:56:02 K7DKFclR
GJ!
こういうハチャメチャなの、コミカルな感じで面白いよ
886:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 23:56:27 mh7Ae6MW
>>882
GJ! いつもながらのテンポの良さ、お見事です。
俺もハルヒとキョンの掛け合い好きだw
>>880
やっぱハルヒだとそっち方面が似合うなw
ハルヒ自身が変身して大騒ぎ!的なSOS団を誰か書いてくれることに期待。
887:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/21 23:59:48 DEKqjlIq
ラーメン大好きハルヒさん
888:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 00:06:37 bZDOctLs
麺はキョンに打たせるから良いとして、スープを何ベースにしようかと考えるハルヒ
889:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 00:20:17 2hhfMjAc
gj! ハルヒの親父面白すぎw
890:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 02:18:05 On+95YRL
ところで涼宮ハルヒちゃんの憂鬱っていつから配信なの?
891:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 03:03:13 AOyY2jYi
まだ未定のようだ。
おやすみハルヒ。いい夢見ろよ。
892:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 03:04:33 On+95YRL
>>891
そっか、サンクス。
俺も勉強もほどほどにして寝るかな。
おやすみハルヒ。
893:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 06:56:24 z/70FcNd
大作乙でした
894:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 09:10:34 qsspKh9k
今日『激動』発売だが皆どうするの?
今のところ見送りの予定
895:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 09:21:22 y92nVo4x
おはようハルヒ
ちゃんと今やってるぜ激動
俺にはむかんなこれ…
896:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 09:31:51 y92nVo4x
「キョン手を離しなさぁぁぁぁい!」
「誰が離すか!」
あれ?何か見てるところおかしいな
897:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 09:59:43 85v4LDCR
wii持ってないorz
898:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 12:11:58 V3++vJzd
スニーカー買ったら萌え死んだ
899:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 13:15:07 411sNG1Q
コイズミイマジンに憑依されたハルヒ
900:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 14:59:28 AOyY2jYi
ハルヒ「ねえ、キョン。あたしに釣られてみない?」
901:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 18:44:10 qsspKh9k
ユキタロス・ミクタロス・ツルタロス・イツタロスと共に時間の波飛び越えて、戦うハルキョンですね?
902:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 20:20:51 HCOmt7NG
ハルヒ「あたし、参上! あたしが来たからには最初から最後までクライマックスよ!!」
似合いすぎて困るw
903:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 20:30:25 k6Rd59F6
キョン「最初に言っておく、ハルヒの乳はかーなーり、デカい!」
佐々木「そんな事よりいい加減僕の椎茸をちゃんと食べるべきだ」
904:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 20:44:03 uBu6bzqz
「僕の椎茸ちゃんを食べるべき」と読んだ
905:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 20:54:00 3WQQZn7m
>>903
ササキ「やぁ君が涼宮さんだね。お近づきのしるしにアメをあげよう。くっくっ」
ハルヒ「コンナので騙されないわよ!あんた何時の間にキョンに憑いたのよ!!」
キョン「…さらに面倒事が増えやがった。」
しかし、変身する度に皆の記憶から消えていくキョン
ハルヒ「あたしは絶対忘れないから!」
そして未来の分岐点となる『コハル』の正体は!
ユキ「…誰かさんにそっくり」
ミク「本当です~。でも照れてるところは別の誰かさんにそっくりですね~」
ツル「あはっはっ!コレじゃぁ両親が誰か白状してるようなものっさ」
● 「ソレを言わないのが礼儀ってものです」
906:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 21:09:28 411sNG1Q
アサクラ「ごめんね涼宮さん、私が謝るからキョン君を許してあげて。
彼、本当はすっごくいい子で、ただ口下手なだけなの。」
キョン「おのれも憑いたのか!」
907:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 22:16:27 HCOmt7NG
カレーの日なのでカレーおでんを製作する朝倉
908:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 22:51:56 ddO1LviT
カレーの日で1月22日(イー夫婦の日)か……
カレーまんでポッキーゲームするハルキョン
909:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 22:53:06 P9+4E/yq
>>906
大所帯過ぎるwww
910:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 23:02:50 k6Rd59F6
>>907
キレた長門にちゃぶ台ごとひっくり返らされて涙目の朝倉
911:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 23:23:38 P9+4E/yq
ハルヒ「カレーポッキーってのを作ったわ!」
912:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 23:28:22 A4qMgNsS
キョン「ハルヒ、それはプリッツだ
913:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 23:50:02 P9+4E/yq
ブリッツボールに参加するSOS団を想像してしまったw
914:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/22 23:55:13 BYHm49dE
>>882
お疲れさん。
長文が気になるなら、自分がやってる文章をまとめるコツなどお伝えしましょう。
・プロットを立て必要な内容を事前にまとめる。
・一度書いたあと、全体を見直し煮詰め直す。
要するに、本当に一つの話に前内容を入れる必要があるかを考える
脳内で『書きたい事』と『書くべき事』を仕分ける。
多くて薄味よりも、少量でも濃く。
極論でいえば、長くて面白いものは誰でもかける。なので、短くて面白い物を目指す。
・文章を一部抜き出したとき、初見の人でも、誰が何を話しているかを解るようにする。
・言葉以外での意思伝達をさせる。(セリフの後に身振り手振りを描写する)
レベルの低いラノベがバカにされる要素の一つ。
長文対策ではないが、小説の基本なので。
やっぱ文章書くのは難しいよな…って話でした。
御目汚し失礼。
915:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 00:16:16 d8aBceSd
バンクーバーに向けてSOS団総出でスキーやらスケートやら練習するとか言い出しそうだと今すぽると見てて思ったw
916:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 00:17:08 thGsoYuJ
結局わーわー言いながら遊んでしまって、満足するハルヒの笑顔が見えるw
917:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 00:20:44 5U1lvZ7F
中々焼きたての肉が噛み切れずイライラのハルヒ
918:882
09/01/23 00:24:35 UukC8NSl
>>914
アドバイスありがとう。参考にしてみる。
コメントくれた方々へも多謝。はげみになります。
まとめレスでごめん。
919:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 00:29:38 v8Tkeghb
>>906
キミドリ「降臨。満を持して」
ハルヒ「キョンはあたしのものだー!誰も触るんじゃなーい!」
キョン「…もう勝手にしてくれ」
920:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 01:42:11 1JQdDSzs
>>914
俺、戯曲も好きなんで、セリフだけってのも好きよ。
もちろん、的確なセリフなら、の話だけど。
921:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 03:13:27 /ofj6ITz
眠れないのでキョンにキスをせがむ新妻ハルヒ
おかげで翌朝夫婦揃って寝坊してしまう
922:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 05:27:30 XT1AY47G
wii持ってないがwiiごと激動買おうか悩むな…
ゲームの質は悪そうだが、ブルマ姿で踊るハルにゃんが見たくてたまらん
923:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 07:38:17 FU009jNs
太鼓を使って妖怪と戦うハルヒ
924:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 07:42:14 CaZxFPPq
ハルヒ「鍛えてますから(キョンを)」
925:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 08:38:30 A1Vb6tyh
汗だくのハルヒを抱きしめてくんかくんかしたいよお…
926: ◆RAXLFIwrP6
09/01/23 08:47:42 /pfpyM2f
-‐-
〃. ヾ
! |ナiノハ◎ハヽゝ
.. i (| |┰ ┰iイ
... 'ハリ、 - ノリ
.. ___,○zΩ○_____,-、 ,. -‐―‐- 、
_______________l__j ヽ._╋_____〉
________,--一;;,、 | (.ッ" `ー、eハ
「 ,彡>>925j |. |l-‐ ‐‐ レ).i
l.., (_(,,/~∀~).、 ノl、 ー ノハ .!
ヽ ,-〈__//ノ_;iヽ\〈(.<'i'T二iリ),. -‐―‐- .、
j, 、_,ー  ̄`ー\. |_l_;く._____╋__/ っ
/ ー'\/ノ iミ〈《(リ`´〉)》〉 っ
\,ノ \. |(| | ┃ ┃ |.|
/ \ハゝ (7 ノレ| どうしてここまで放置したの!?
\ とリT二i.O==-
ノ ヽ.____i」 l i
\ _ノ i ヽ )_/ノ
|」`~,, i、 ハ__,,ノj
@:ノ `ー--一  ̄ ̄ |,」
(@:)
927:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 08:56:16 x7Cfm8Lo
佐々木団とダンス対決をするSOS団
928:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 09:08:55 5U1lvZ7F
最近PCの調子が悪くて叩いたら二度と起動しなくなり、kyonフォルダが全て吹っ飛んで落ち込むハルヒ
一方ではmikuruフォルダ消滅で落ち込むキョン
929:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 09:10:15 DF8sUjyM
お、お、おうえんだーん!
930:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 09:16:56 BN1kSsgA
>>928
「うちのパソコン壊れちゃったからまた新しいのもらっていくわよ!」
「ま、待ってくれ!それは君たちの扱いが悪いからじゃないか!」
「ちょっと叩いたくらいで壊れるようなもろいパソコンが悪いのよ!昔の機械はそれで直ったのに!」
「最新の精密機械を昭和のテレビと一緒にしないでくれ!」
「何よー?あんたたちあたしに文句でもあるの?」
「ぐっ…」
「じゃ、いただいていくわね」
「ああ…」
コンピ研涙目。
931:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 09:57:56 aXvmyzJ8
>>930
機械は叩けば治るとかのアナログ思考が戦闘以外ダメダメな響さんに通じる
932:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 10:31:44 thGsoYuJ
>>926
クソ吹いたwww
たまに使わせてもらいますw
933:SS
09/01/23 11:28:27 yJlKJN16
「>>902と>>928の案を採用よ!キョンももっと頑張りなさい!」
「………」
「どうしたハルヒ?苦虫をかみつぶしたような顔をして」
…パソコンの電源が付かないのよ。
「何か手順間違えたんじゃないか?ほれ、ちょっと貸してみろ」
「昨日はちゃんと動いたのに…このパソコンポンコツなんじゃないの!?」
あたしは文句を垂れながらキョンに席を譲る。
「んー…特に不都合は見当たらんな…」
「よろしければ僕にも見させてもらってよろしいですか?」
「古泉くんはパソコン関係が詳しいの?」
「いえ、少しかじった程度ですが…」
「ふえぇ…私、チンプンカンプンです…」
まぁ機械に詳しいみくるちゃんってのもおかしな話よね。
「あぁ、これは…ハードディスクが故障していますね」
「それはつまり…どういうことだ?」
「知らないわよそんなの」
有希は相変わらず定位置で本を読み続ける。
「まぁ簡単に言うと本体が壊れてしまったんです。中身を買い直せば直りますが…保存していたデータは全て無くなりますね」
「え!?消えちゃうの!?」
934:SS
09/01/23 11:28:57 yJlKJN16
とっさにあたしは大きな声でそう言っていた。
「おや、何か大切なデータでも入っていたんですか?」
「え?い、いや…そういうわけじゃないけれど…」
…言えない…隠れてキョンの画像フォルダを作っていたなんて…
しかもさりげなくお気に入りフォルダとかに分けて厳選キョン画像とかをまとめてたなんて絶対に言えないわ…
「と…ところでちょっとよろしいですかぁ?」
「…どうしたのみくるちゃん?」
あぁ…あたしの一年間の結晶が消えるのね…
あんな写真やこんな写真も…ましてや有希がさりげなく撮ってくれた二人っきりの時の写真まで…
「キョンくんがもの凄く落ち込んでいるんですが…」
「…俺の一年間の結晶が…」
…キョン
「…あんたも何かを失ったのね…」
「…お前もか、ハルヒ…」
「さて、よろしければこのパソコンは僕の知り合いに修理に出せますが…どうしますか?」
「どうするったってなぁ…そうするしかないんだろ?」
「あたしは…あたしは…」
「涼宮さん?」
あたしは勢い良く立ち上がると
935:SS
09/01/23 11:29:28 yJlKJN16
「最初から最後までクライマックスよ!!」
思いっきりパソコンを蹴り飛ばした。
「のわっ!あぶねぇ!どうすんだハルヒ!ディスプレイまでぶっ壊れたじゃないか!」
「いいからちょっと耳貸しなさいキョン!」
「痛い痛い!耳引っ張らんでも聞こえるだろうが!」
反論させるのもめんどくさいのであたしの提案をさっと耳打ちする。
「………」
「…どうかしら?」
「…やるのか?」
「あの…涼宮さんもキョンくんもものすごーく悪い顔をしているんですが…」
古泉くんは何が何だかわからないという顔であたしとキョンを交互に見る。
有希?まだ本でも読んでるんじゃないかしら。
「思えば…こんなにすぐ壊れるパソコンを渡したコンピ研が悪いのよねぇ…」
「これは新しいパソコンと無料で交換してもらわないと割りにあわないよなぁ…」
「どんなものにも保証期間ってのはあるものだしねぇ…」
「…二人から黒いオーラが見えます…って涼宮さん?」
「みくるちゃん?ちょっといい子だから逃げ出さないようにそこに座ってなさい」
「は、はい!」
「キョン!デジカメの準備を!」
「あぁ、ばっちりだ」
936:SS
09/01/23 11:29:49 yJlKJN16
「…あの…私の気のせいじゃなければ…またコンピ研に行ってあれをやるんですか?」
………。
「あの…二人してだまって私を見るってことは…」
「古泉くん!逃がさないようにみくるちゃんをつかまえなさい!」
みくるちゃんが言うが早いか古泉くんに指示を出す。
「ひゃぁ!いやです!別の方法でやりませんかぁ!?」
「すみません朝比奈さん。これも団長の命令なので…ちなみに何をするのか僕も検討が付かないのですが…」
「あぁ、古泉はまだいなかったか。とりあえずこれからコンピ研に行って写真を撮るんだ」
「写真…ですか?」
「まぁ楽しみしてろ」
さぁて、今回はどんなセクハラ写真を撮ってやろうかしら。
「準備はいい!?じゃあ行くわよ!」
暴れるみくるちゃんのメイド服の裏えりを引っ掴んであたしはコンピ研のドアを蹴破る。
…が、コンピ研には何故か何とも言えない空気が流れていた。
「…あの、長門さんはいつからそこにいたんだい?」
コンピ研の部長が不安そうに呟く。
「あら、有希。こっちの部活に顔を出してたの…って、あれ?」
「………」
そこには、これは私の役割だと言わんばかりにレフ版を高々と掲げている有希がいた。
「…早く撮影を」
「そうこなくっちゃ!さぁ!この部室で一番高いパソコンを差し出しなさい!」
「結局そう言う流れになるんだね!?」
「嫌ですぅ!またお嫁にいけなくなります!」
「ハルヒ!こっちの準備はばっちりだ!」
「さて、これから何が起こるのか。これは非常にたのしみですね」
おわり
937:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 11:33:19 yJlKJN16
「この中に、矛盾、勘違いミス、誤字脱字に気付いた者がいても、馬鹿が何かやってるよくらいの気持ちでスルーしなさい!」
「…いいのかそんなんで?」
「いいの!」
「お嫁にいけないです…」
正直パソコンの故障とかさっぱりです。
938:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 11:35:34 yJlKJN16
…あぁ、既に写真はあるからそれちらつかせりゃ良かったのかorz
939:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 11:45:55 thGsoYuJ
使い方強引すぎるだろwwww
まあ実際問題、例の手法はもう使わないだろうな。
修理くらいならさせるかもしれないが。
似たようなことなら……あたしたちがあんたら臨時部員としてメイド姿で(いきなり無理があるw)手伝ってやるわ!
でコンピ研、別の意味で涙目
ハルヒ「さあ、なんでもいいつけなさい!」
部長「手伝わなくていいから、帰ってくれえーー」
940:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 11:50:32 A1Vb6tyh
あの手法できたのは文化祭、遅くても冬までだろうなあ。
そんな俺は去年の今ごろHDDが発火して涙目になった…
当時作ろうとしていたハルキョンMADは未だに出来ていない。
だって、曲が「真冬の帰り道」だもん…
941:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 12:41:54 g53T0HMI
データいいのかよ!
とか突っ込みたくなるとこ満載すぎるぞw
ギャグってことにしておかないとダメだなw
>>940
( i_i)\(^_^)ヨシヨシ
942:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 13:08:15 FU009jNs
バックアップを取っておけば大丈夫だがテンパって気付かなかったキョンと
元々メカに弱くてそんな機能は知る由もないハルヒ
943:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 13:25:15 QlJfZLWh
>>939
みくるがコードに引っかかって大惨事になりそうだw
944:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 13:37:28 +kawrxGj
>>938
むしろコンピ研のやつらから写真を要求してきて「生意気ね、返り討ちよ!」と意気込んで出向いてみたら、
真の盟主となった長門がカメラを構えてwktkしてたとかどうよ。
945:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 13:41:21 v8Tkeghb
>>926
長門や朝倉すれでは別タイプだが良く見たが遂に此処にも上陸か
因みに長門と朝倉は心配してないが基本みたいだがな
946:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 13:43:09 A1Vb6tyh
>>944
キョンのモノローグ「液体ヘリウムのような瞳が、爛々と輝いていた」ってかw
947:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 15:04:37 +kawrxGj
>>942
なんかハルヒはやればできる子だから、コンピューターもすぐに使いこなせる気がする。
でも蟹と同じく面倒だから覚える気がないってイメージ。
948:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 15:20:59 1ESWlAa0
>>947
ハルヒ「わかんない事はキョンに聞けばいいんだから覚えなくったっていいじゃない?
(わかんない事があればキョンに聞けるから覚えたくないの)」
949:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 15:56:21 aXvmyzJ8
>>948
デジカメの操作:キョンの寝顔を撮る為に覚えた
パソコンの操作:キョンに頼み事する理由が無くなるので難しい事は覚えない
こうですか?
950:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 16:49:54 thGsoYuJ
いやそこは旦那の仕事のフォローをする内助の功、ハルヒ。だろう。
間違えた。
雑用の数少ない仕事を奪うのは可愛そうだからという団長の仏心なんだよ!
951:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 18:13:26 BN1kSsgA
>>948にネタを振られたので書いてみた。
「あんたの雑用としての数少ない仕事を奪うのは団長として耐えられないことなのよ!」
よく言う。
自分で言うのもなんだが、俺より数多い仕事をしている団員がいたら教えてくれ。
朝比奈さんくらいじゃないのか?寧ろあの人の方が雑用っぽい。
お茶だって実費でまかなってるらしいしな。
「みくるちゃんのことはいいの!あんた、暇なんだからPCくらいちゃっちゃと直しなさいよ!」
「俺は電気屋でもPCショップの店員でもねえ!」
「SOS団のパソコンが使えないってのがどんなことかわかってて言ってるの!」
誰も困らんと思う。例のサイトだって結局トップページを弄くっただけであとは何もしてねえだろ。
つか、お前だって殆どネットサーフィンにしか使ってないだろうが。
コンピ研から献上してもらったノーパソがまだあるだろうが。それを使えよ。
「キョン、それは公私混同というものよ。団員のPCを団長だからって勝手に弄っていいはずがないの!あんただって自分のPC覗き見られたら嫌でしょ?」
何でこんな時に妙に常識人なんだお前は。
それに、団員のパソコンとは言っても、現在使ってるのは長門くらいのもんだ。
俺のでよかったら使ってくれてもかまわん。変なもん入れさえしなければな。
「あんたのなんて使えないじゃない!」
なんでだ。性能はコンピ研のお墨付きだぞ。もともとあいつらのものだったんだからな。
「うるさいわね!あんただって見られたくないもんだってあるでしょ!それに、こういう時くらいあたしの役にたちなさいよ!」
「そこまでぎゃんぎゃん言うんだったらお前が覚えろよ」
飲み込みの速さは超一級品のお前だ。そのくらいお手の物だろ。
だが、ハルヒの返答は俺の予想のまさに斜め上を行くものだったのさ。
「あたしが覚えちゃったらあんたに何を頼んだらいいのよ!」
…世界が一瞬、静止したかと思われた。
なんてのは嘘ぴょんで、もしかして、ハルヒ、お前俺に頼みごとがしたかったのか?
「うるさいうるさーい!あんたの仕事なんだからあんたがやりなさーい!」
…もう駄々っ子だな。俺は以後何も言えず、しかしその場で直せるわけでもなく、隣のコンピ研に頭を下げることにしたのさ…。
952:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 18:51:22 CaZxFPPq
HDが壊れた時でも、専門のデータサルベージ会社に頼めば復旧してくれるぞ。
もっとも、完全にデータが戻ってくる保証はないけどな。
いや、それより恐ろしいのは。
HDの中のフォルダやファイル名を羅列された紙を出されて。
「この中で重要なデータはありますか?」とかやられること。
迂闊なフォルダ名を付けてると、修理に出すに出せなくなる。
953:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 18:53:02 2NHl9pVP
「1月23日は、「電子メールの日」だぞ、ハルヒ」
「ふーん、そう。でもあたしは面と向かってじゃないと受け入れないからね!」
「……何の話だ」
954:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 18:58:18 FU009jNs
ファミレスで集合にマンネリ化を感じ
和風に趣を変えて団子屋でダベるSOS団
955:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 19:56:26 U61z6LEv
長門がPCに触れて一言
「動いた」
「すごーい、有希!さすがあたしの見込んだ団員のことだけあるわ!!ほら、キョンも見習いなさい」
「いつお前が見込んだというんだ。お前が最初に目を付けたのは長門ではなくて文芸部室の方だったろうが」
「ああもう、うるさいわね。どのみち有希と文芸部室はセットなんだから同じじゃないの」
以下ぎゃーぎゃーわーわー
というショートショートが脳内再生された。
今日も日本は平和だ。
956:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 20:01:05 AwFSemtZ
ハ「ちょっとキョン、このPC動かないのよ」
キ「動かん? ……どっこいしょっ!」
ハ「ちがうっ! おかしいな、昨日ちゃんと落としたはずなのに」
キ「落としたんだったら、壊れたんだろ」
ハ「いいから、立ち上げて」
キ「どっこいしょ(窓辺で本を読んでた長門を抱え)」
ハ「有希にへんなことしないのっ」
キ「とりあえず、コンセントさしたらどうだ」
957:SS:Photo Mirage 1/6
09/01/23 20:35:25 kKAM4txq
目に見えるものが全てではない、だとかいう小難しい論を唱えるつもりは毛頭ないのだが、幻とか蜃気楼の類のように、そこにありもしないものが見えるのならまだしも、そこにあって然るべきものが見えないのであれば、そこには何も存在しないのだろう。
ああ、のっけから申し訳ないが、ただの独り言なので大した意味はない。あまり気にしないでくれ。
しかし、普段はその場にいるというだけで強烈な存在感を放っている人物がいないってのは、こうまでも違和感を覚えるということなのだとはね。
というわけで、もうみなさんもお気付きのことと思うのだが―ハルヒがいない。
本日の教室の俺の後ろは空席、とはいっても、いつぞやのようにハルヒの存在そのものが消えてしまったということではなさそうだ。
ホームルームでも岡部教師が「涼宮は欠席か? おかしいな」なんてことを言っていたのだが、どうもハルヒは学校に何も連絡してこなかったらしい。ってことは単にサボりってことなのだろうか?
全く、一体どこで何してやがるんだよ?
「おいキョン、どーしたんだ、そんなに不景気そうな面して? そういえば涼宮が休みなのって何か関係あるのか? まあ、夫婦喧嘩もほどほどにしておけ」
おい谷口、何でハルヒの欠席に俺が関係あるんだ? つーか、何だよそのフウフゲンカってのは? 意味が解らん。
「まあ、谷口もそのぐらいにしておきなよ。涼宮さんがお休みでしょんぼりしてるキョンをからかうのもなんだか可哀想じゃないか」
いや、だから、誰がしょんぼりしてて可哀想なんだって?
「いやいや、悪かったキョン。国木田の言う通りだ。最愛の嫁が傍にいなくてがっかりしているお前をからかったりしたら罰が当たるに違えねーな」
なんつーか、どいつもこいつもバカばっかりだ。相手しているだけで憂鬱の度合いが増して疲れるばかりだし、放っておくに限るな。ふう、やれやれ。
「これまた盛大な溜息だな」
「ほんと、かなり重症だよね」
知らん、無視だ無視!
その日の放課後、どうせハルヒはいないんだし、部室に行かなくても文句言われないだろうが、さてどうしたものか、と鞄を担いで廊下に出たところ、
「おや、丁度よいタイミングでしたね」
ああ、妙にタイミングだけはバッチリだな、古泉。ハルヒなら今日は来てないぞ。
「ええ、そのことに関して、少々お話があるものでして」
相変わらず顔面に貼り付けているニコニコ笑顔は普段と変わりなさそうなのだが、その態度に俺は何か引っかかりを覚えた。
「ここで立ち話というのもなんですから、とりあえず部室まで、よろしいでしょうか?」
とか言いながら、俺の返事も聞かずに歩き始めた。正直、この場で俺が異を唱えて帰るとか言ってみたら、果たしてコイツはどんな反応を見せるであろうか?
なんてことをほんの一瞬だけ考えてみたりもしたのだが、結局俺はそのまま古泉の後に続いた。まあ退屈しのぎにすらなりゃしないだろう下らんことにわざわざエネルギーを使うこともないだろう。
「既に機関からも報告が届いているのですが、本日に入ってから涼宮さんの所在が確認できなくなっているのですよ」
な、何だって?
「行方不明―いえ、そもそも存在しなくなってている、と言った方が正確なのでしょうか。実際、僕自身、自分の感覚で涼宮さんのことが捉えられなくなっているのです」
いや、でも、担任もクラスの連中もみんなハルヒの存在自体は認識してるみたいだったぞ。どういうことだ?
「失礼。彼女の存在の痕跡が消失しているというわけではありません。そうですね……涼宮さんの『実体』そのものがこの世界から切り離されている状態、と言ってもいいかもしれません」
何だかますます解らんぞ。俺も自分の頭のバカさ加減には我ながら呆れているところだが、もう少し理解可能な言い方はできないのか?
「申し訳ありません。僕も事態の全容を把握していると言うわけでもありませんですので……」
丁度その時点で俺たち二人は文芸部室に辿り着き、ドアを開けたその向こうには、
958:SS:Photo Mirage 2/6
09/01/23 20:35:56 kKAM4txq
「あ、キョンくん、それに古泉くんも……。あ、あの、涼宮さんの身に、なにかあったんですか?」
既に涙目で俺たちに声をかけてきたマイスィートエンジェル朝比奈さんと、
「…………」
例によって無言のまま視線だけを真っ直ぐこちらに返してきた長門が待機状態であった。
「では、僕の方から、現状で確認出来ていることを報告させてもらいます」
そう切り出した古泉は、先程道すがら俺に話した内容の繰り返しを説明し、
「……と、以上なのですが、長門さんの方では何か解っていることはありませんか?」
と、長門に促した。長門は俺の方にチラッと目線を遣したので、俺も反射的に頷きを返す。って、この反応は一々俺に許可を得ているというよりは、俺がちゃんと話について来れているか確認しようとしただけなのだろうな。
「本日未明、正確な時刻は四時八分二十九秒の時点より、涼宮ハルヒはわたしたちの存在するこの三次元空間から別次元に写像された」
はっ?
「写像先は二次元。つまり平面」
そういって長門は背後に振り返ると、部室の壁に貼られている一枚の写真―いつだったか撮影したSOS団五名の集合写真―って、
「あれ? 涼宮さん、どうして写ってないんですかぁ?」
朝比奈さんの言う通り、真ん中に写っていたはずのハルヒの姿が消えているではないか!
「まさか、涼宮さんの存在が切り離されたことで、写真画像からも失われてしまったと言うことですか?」
「そうではない。……しばらく待って」
長門の言葉に従い、固唾を呑んで壁面の写真を注視する朝比奈さんと古泉と俺。沈黙が部室内を満たし、素潜りの世界記録保持者でもそろそろ窒息してしまうのではなかろうかといった時間が経過した後、
「うん?」
「おや」
「あれっ、今……なにか動いたような」
朝比奈さんの呟きの通り、写真の奥で何者かの影が横切ったような……と、その影は唐突に画像内の朝比奈さんの胸部を背後から鷲掴みにした!
「なっ?」
「ふえぇっ!」
「は、ハルヒ?」
なんてこった! 信じられないことだが、写真の中をが動き回っていた影の正体はハルヒだったのだ。
って、こいつ画像の中で朝比奈さんが逃げられないのをいいことに、色々な部位にタッチしまくったり、スカートを捲りあげてみたりと、イタズラのし放題である。何て羨まし……いや間違い、何考えてやがるんだ、おい!
「は、恥ずかしいですよぅ……見ないでぇ」
朝比奈さんは顔を真っ赤に染めて、両手で自分の目を覆って叫んでいた。って、それ、自分が見えないだけであまり意味ないのでは?
「ふーむ、これは一体どういったことなのでしょう?」
真面目なこと言いながら、お前も何ジロジロ見てるんだよ、古泉?
「ああ、失敬。ところで長門さん……涼宮さんが平面に写像されたと先程は仰ってましたが」
「涼宮ハルヒは、自身を変面に写像しただけではなく、この写真画像を基に擬似的な空間を構築している。自身の情報が三次元の物であるため、必要に迫られての措置と推測」
長門はそのように俺にとってはクエスチョンマークだらけな説明すると、一台のコンパクトデジタルカメラを手にしていた。ってそれはハルヒが写真部からガメてそのままになってるやつだっけ?
「このカメラは、現在撮影画像の中央に位置する人物を二次元に写像する機構が付加されている。その効力があの写真撮影の時点にまで干渉したものと判断できる」
おいおい、それじゃ、そのカメラであの集合写真を撮ったから、ハルヒはあの写真の中に入り込んじまったってことなのか?
「そう」
やれやれ、全く何事につけても人騒がせなことこの上ないやつだな、アイツは。
「ふふふ、まあそれが涼宮さんの涼宮さんらしさであることにあなたも気づいておられると思いますが」
おい、何ニヤニヤ笑ってやがるんだ、気色悪い。
「いえ、なんだかあなたも涼宮さんの姿を目にして安心されているように見えたものですから」
放っとけ! って、そもそもハルヒは、どうしてそんなことしでかしちまったんだ?
「あっ、そういえば涼宮さん……」
「なるほど、確かにそうでしたね。あなたも思い出したのではありませんか、昨日のここでの一件を」
古泉の言葉で俺も思い出しちまった。それは昨日の放課後のこの部室内でのこと。
959:SS:Photo Mirage 3/6
09/01/23 20:36:27 kKAM4txq
………
……
…
「すみませーん、すっかり遅くなっちゃいましたぁ。はふぅ」
放課後の文芸部室にしてSOS団のアジトに、我らのおしゃまなキューピッドである朝比奈さんが息を切らせて入ってきたときには、既に俺を含めた残りのメンバーは勢ぞろいしていた。
といっても、ハルヒはネットサーフィン中、長門は読書、俺は古泉がとある筋から仕入れてきた、統合でなくなってしまうファミレスチェーンを題材にした特製カードゲームに興じていただけのことである。
まあ、朝比奈さんが最後に現れるってのもあまりなかったような気がするな、そういえば……覚えているだけでも……そうそう、喜緑さんをここに連れてきたときぐらいしか思い当たらんね。
しかし、部室内で制服姿の朝比奈さんのお姿を拝見するのも中々新鮮味があってよろしい。って古泉、お着替えタイムだから外に出るぞ。
「ああ、そうですね。気がつきませんでした」
と、外に出ようとした俺と古泉の二人を制して朝比奈さんは告げた。
「あ、あの、すみません。今日はこの後、また行かないといけないところがあって……」
「あら、みくるちゃん。なんだか妙に忙しそうね。どうしたの?」
ハルヒの問いに、朝比奈さんはどこか申し訳なさそうな表情で、
「じ、実は……書道部の方に呼び出されてるんです」
なんでも、書道部にどこからか取材があったらしく、頭数揃えのために、以前在籍していた朝比奈さんにまでお声がかかったとのことである。
「なんでよ? みくるちゃんはあたしの、SOS団の大切な団員なのよ! 何で書道部から今更呼び出されなくちゃいけないわけ?」
こらハルヒ、元はと言えば、お前が朝比奈さんの身柄を書道部から強制的に引っ張ってきただけのことだろうが。感謝こそすれ、ちょっと協力するのぐらい嫌がることはないだろ?
「もう、仕方ないわねぇ……まあいいわ、みくるちゃん、行ってらっしゃい。でもちゃっちゃと用事済ませて、一刻も早く戻ってきなさいよねっ!」
「は、はいぃ! い、行ってきまーしゅ」
ハルヒの許可を無事得ることの出来た朝比奈さんは、慌ててドアから飛び出して行った。って、そんなに焦ると危な……、
「わぴぃ!」
と、その瞬間、悲鳴と同時に派手な転倒音が聞こえてきた。
「ふえぇ……痛いですぅ」
はあ、やれやれ。怪我とかされていないか心配ですよ。
「うんうん、さすがはみくるちゃん、ナイスよ! ちゃんと萌えのツボってものを把握してなきゃ出来る芸当じゃないわ」
ってハルヒ。お前も妙なところで感心してるんじゃありません。
そして、しばらくの時間の経過の後、我らがミラクルハニーな可愛らしい先輩は、少々緊張の抜けきらない面持ちでご帰還あそばされた。
「ほへぇ~、何だか肩が凝っちゃいました。いっぱい写真撮られちゃったし、知らない内に集合写真まで撮影しますよって聞いて、ビックリしちゃいました」
なるほど、ハルヒの発想ではないが、写真撮影があると言うのなら、それに対してまさにベストな人選だったと言わざるを得ないね。
「むう……今度からちゃんとレンタル料貰わないと損よね。一分百円ぐらいが妥当なところかしら?」
一体何考えてやがるこのアマ。
「つーかハルヒ、お前仮にも団長なんだろ。人の上に立とうって者が、そんなセコイこと言っててどうするんだ?」
「なによ偉そうに。第一みくるちゃんはうちの映画の主演女優でもあるのよ。そのぐらい吹っ掛けても罰は当たらないわ」
とか何とか言いながら、いつの間にかハルヒはパイプ椅子に座った朝比奈さんの背後に回りこんで、その肩を揉んでいた。何だろう、アイツなりの労いの意思なんだろうかね? ついでにいつものお礼にお茶でも淹れて差し上げたらいいんじゃないか?
960:SS:Photo Mirage 4/6
09/01/23 20:36:58 kKAM4txq
「ところで、書道部の方が仰っていたんですけど……」
と、マッサージされながらの朝比奈さんが尋ねてきた。
「あの、例えば三人並んで写真に撮られたりすると、真ん中の人の縁起が悪いとか、不幸があったりするとか聞いたんですけど、どうしてなんですか?」
すかさず、こういう薀蓄なら自分の出番だ、とばかりに古泉が、
「そういえば写真撮影が日本に伝わってしばらくの間は、写真を撮ると魂を吸い取られるという迷信があったようですけどね」
などと話に加わってきた。
「でも古泉、それだけだと真ん中の人が、ってのの説明にはなってないんじゃないか?」
「ふむ、そういえばその通りです。なるほど、何故真ん中の人が対象なのですかね?」
と、それまで沈黙を貫き通してきていた長門がその口を開いた。
「当初の写真撮影を行う場合は、その技術的限界により露光時間を比較的か長く確保する必要があった。そのため撮影に際して長時間同一姿勢をとる必要があり、それが被写体人物の不安を煽ったものと思われる」
「ああ、そういえば当時のダゲレオタイプは確か露光時間が日中で十分から二十分程かかるのでしたね」
「後には二分程度で露光時間が済むように感光剤やレンズの改良が行われたが、少しでも光量を稼ぐために絞り設定は開放ぎみにすることが行われていたと推測」
絞りって、それがなにか関係あるのか?
「絞りが開放されることによって被写界深度、即ちピントの合っているように見える領域は狭くなる。このために撮像の中央部分以外はいわゆるピンボケ状態になりがちであった」
「ふむ、大体話は見えてきましたね」
って、何一人で納得してるんだ、古泉?
「すみません、つまり、これは僕の推測なんですが、長門さんの仰りたいのは当時の写真は中央の人物にピントが合っていたため、その分、例の迷信の『魂を吸われる』効果が集中すると考えた人が多かったのでは、ということではありませんか?」
「概ね。それ以外の要因としては、当時の世相柄、中央に位置する人物は被写体集合の中でもリーダー的人物であることが多く、その場合は他のメンバーよりも年長であるために、寿命の観点から不利であったことも考慮されるべき事項だと思われる」
まあなんだ、真ん中に写ってる人はお偉いさんで、その分年取ってるから先にお亡くなりになる確率が高いってことか?
「そう」
「あ、あのぅ、何だか難しくて全然よく解らないんですけど、別に写真の真ん中に写っても大丈夫なんですよね?」
どこかとぼけた様子でありつつも、なんとなく不安そうに質問する朝比奈さんを安心させるべく俺はフォローした。
「まあ迷信ですからね。もしそうでないなら、ハルヒみたいにいつでも真ん中に写りたがってるような奴は真っ先に不幸が訪れるでしょうから」
「ってなによキョン、団長のこのあたしに対するその口の利き方は? まあでも……そうね、もしも本当に、魂を吸い取って記録しちゃうカメラがあったら面白いかもね。気に入らない奴がいたら、あたしがそいつをそのカメラでバシバシ撮ってやるんだから」
さりげなく物騒なことを言うなよ、こら。
…
……
………
っていうと、なんだ? まさかハルヒはこのデジカメを自分で言い出した魂を吸い取るカメラにしちまったようじゃないか?
「そう」
って、何を暢気に構えているんだ、長門?
「これは一時的な事象。涼宮ハルヒがこの状態を維持したいと望んでいるから、擬似空間も構成され続けているものと考えられる」
「要するに、涼宮さんがこの『写真の内部世界』に飽きると、自然にこちらに帰ってこられると言う目算なわけですね」
飽きたら、ね。まあ確かにハルヒは飽きっぽい性格だともいえる。
「って、何しやがるんだ!」
「おや、どうかしましたか?」
つい大声を上げてしまった俺につられて、一同件の写真に注目する。
その中では暴走状態のハルヒがどこに持っていたのか知らんが、サインペンらしきもので俺の顔にラクガキを施している姿が観測できたのだ。
「うぷっ……ご、ごめんなさい、キョンく……ぷふぅ」
「すみません、笑ったり……するのは……失礼だと……くくっ」
「……実にユニーク」
なあ、俺……泣いてもいい?
961:SS:Photo Mirage 5/6
09/01/23 20:37:29 kKAM4txq
と、しばらくして気づくと、写真の中のハルヒの姿が見えなくなっている!
「おい、ハルヒ! チクショウ、一体どこに隠れちまったんだ?」
つい壁の写真に向かって俺は怒鳴りつけてしまった。
「こちらから叫んでも無駄。わたしたちの声は擬似空間には伝達不能。それよりも問題がある」
えっ? 何だ長門、その問題ってのは?
「擬似空間の縮退が観測された。このままの状態だと、やがて体積はゼロに収束し、涼宮ハルヒの存在は平面内に定着することになる」
な、何だって?
「ふむ、もしかしたら涼宮さん自身、元の世界に戻るための方法が解らないために困っておいでなのかも知れません」
だが古泉、長門の言う通りだとこっちからもハルヒには伝えられないんだろ? 第一、どうやったらアイツをこっちに連れ戻すことが出来るんだ?
「落ち着いてください。僕たちが動揺して焦ったところで、事態に何の進展もないことには変わりありません」
でも……くそっ、本当に打つ手は何もないのかよ?
「あ、あの、わたし考えたんですけど」
と、そのとき朝比奈さんがおずおずと発言した。
「さっき長門さんが、そのデジカメで撮影した画像の中央の人を……しゃぞう、でしたっけ? つまりこの写真の中に送っちゃうんですよね? だったら、三人とか並んで写真を撮ったら、真ん中の人は涼宮さんのところにいけるんじゃないですか?」
ええっ?
「なるほど、それには気がつきませんでした」
「うかつ」
というわけで、ハルヒの作った擬似空間とやらには俺が行くことになった。何故そう決まったかは……特に理由なんかない。なんとなくだ。何か文句でもあるか?
「では撮りますよ。準備はいいですか? ……ああ、もう少し真ん中に詰めてください」
カメラマン古泉が例のデジカメを構える。
俺の右手側には長門が、反対側には朝比奈さんが……って、なんで二人とも俺の腕にしがみ付いているんだ?
「えっ、で、でも、古泉君はもう少し詰めてっていってるし、長門さんがそうやってくっついてるし、バランス的にわたしもそうした方がいいのかな、って」
でも朝比奈さん、どうしてついでにピースサインのポーズまで取っているんですか?
「あっ―!」
「……カラダは正直」
「おやおや……さて、一足す一は?」
「「「二!」」」
パシャ!
一瞬、世界が暗転したかと思いきや、あたりは真っ白な光に包まれて、俺はまぶしくて目も開けられない状況に陥ってしまった。
しばらくして、瞼を開いた俺の前には、朝比奈さんに長門、そして古泉が微動だにせず突っ立っている前に引っ繰り返っていることに気づいたのだった。
って、写真内だと俺の姿も……ってなるほどね。写像だか何だか知らんが、俺の存在は写真内部の自分自身に上書きされるってことのようだ。
さてと、起き上がって俺はあたりを見渡す。
「全くハルヒめ、一体どこで何してやがる……」
と、視線の先にハルヒがいた。
その方向に向かって、つい俺は駆け出してしまう。
「おいハルヒ、お前……こんなところで膝抱えて座り込んで何してるんだよ?」
ハルヒは顔も上げずに俺に返事した。
「だって……あたしがなにしても、みんなピクリとも動かないんだもん。つまんない」
ボソボソと呟いたその口調から、ハルヒの口元が例の形になっているであろうことは見なくても解るってもんだ。
と、そこでハルヒは急に顔を上げて俺の方に向き直った。
「って……キョン?」
なんだろう、目が点とでもいうのか、こんな表情のハルヒは俺も初めて見たようなきがする。だが、コイツにはもっと似合う表情ってものがあるじゃないか?
「やれやれ……ほらハルヒ、元の世界に帰るぞ。みんなも心配してるし、第一、団長のお前がいないんじゃ、SOS団の活動も始まらんだろ?」
何故かハルヒは表情を変えずに俺の方をじっと見つめ返してきた。
「……キョン」
「……ハルヒ」
「…………」
「…………」
って、何だ一体この沈黙は?
962:SS:Photo Mirage 6/6
09/01/23 20:38:01 kKAM4txq
「……ぷっ」
「?」
「……くっくっく……」
「……な」
「……あーっはっはっは!」
何だ何だ、一体どうしちまったんだハルヒ?
「あー、おっかしいの、キョンったら。そんな顔して、真面目そうなセリフ吐いちゃって……ぶはははっ……ふ、腹筋痛いじゃないのっ……どーしてくれんのよ、もう!」
そう言って、ハルヒは大爆笑しながら、どこからか取り出した鏡を俺の前に差し出してきた。そこには、先程ハルヒの施した芸術作品的なイタズラ描きが……。
「あー、コンチクショウ! ふざけんなよ、おい!」
さすがにペンはカラフルな割に油性ではなかったのが幸いし、俺はハルヒがやはりどこからか取り出したウェットティッシュでもって、何とか顔をスッピンの状態に復帰させることが出来たのであった。
さて、これからのことだが……そういえばどうすれば元の世界に帰ることが出来るのか、長門に教えてもらってなかったじゃないか。おい、どうするんだ。
『アダムとイヴですよ。産めや増やせばいいじゃないですか』
『白雪姫って、知ってます?』
YUKI.N>sleeping beauty
待て待て、何だ何だ今のフラッシュバックは? って、まさか……またハルヒに俺はあんなことしなけりゃならんとでもいうことなのか? 一体誰の仕組んだ陰謀なんだよ?
ゴクリ、と唾を飲み込む音が響く。ああ、くそう、もうどうにでもなりやがれ!
「ん、ちょっとキョン……どしたの、変な顔しちゃって?」
「い、いや、その……なあハルヒ、そろそろ元の場所に帰らなきゃならんのだが……」
「ああ、そういえばそうよね……はい、キョン」
って、またまたハルヒはどこから取り出したのか、デジカメと三脚を俺の方に寄越した。
「へっ?」
「これであたしとあんたを撮影すれば元通りよ。うん、何だかわかんないけど、なんとなくそんな気がしたのよねぇ」
なんとなく、って、本当かそれ?
まあしかし、何故かほっとしながらも、どうして俺はどこか残念だ、なんてことを感じているんだろうか? 全くわけが解らん!
「なにしてんのよ、キョン。ほら、さっさとセルフタイマー、仕掛けなさいよね」
へいへいっと。
「じゃあ準備するわよ。ほらほら、キョンも笑いなさい!」
はあ? 笑えだって?
「せっかくあたしと一緒に写るんだから、あんたも精一杯の笑顔じゃないと許さないわよ!」
ああ、そうだな。今のお前の笑顔を見ているだけで、なんとなく俺もそんな気分になっちまったよ。
ぱしゃっ!
シャッター音の後、しばしのブラックアウト状態から解放された俺は、何故か自室のベッドの上に転がっていた。
まさか……さっきのはひょっとして、全部夢だったのか? ううむ……。
思わず時計を見る……時刻は……三時まで後数分ってところだ。中途半端な時間だな、おい。
仕方なく寝直した俺なのであったが、先程までハルヒがすぐ傍にいたような感覚がずっと残ってしまっていたため、なんとなく眠れないまま時間だけが過ぎていくこととなったのだ。
翌朝の教室、俺の後ろの座席には何故か難しい顔をして頬杖をついたハルヒがいた。
「よう、どうした? また変な夢でも見たのか?」
「べ、別にあんたには関係ないでしょ!」
「そうかい」
結局その日の間中、俺の後ろで不機嫌そうに延々唸り続けていたハルヒであったが、放課後の部室で、
「ねえキョン、ちょっと来なさい」
と呼びつけられる始末だ。やれやれ、今度は一体何の用事を言いつけるつもりだ?
「あんた、この写真っていつ誰が撮ったか知ってる?」
「いいや」
「……まあいいわ」
って、ハルヒはさっさとその画像をゴミ箱に捨てて、念の入ったことに空にしちまった。
「お、おい? 何で消しちまうんだ?」
「もういいから、ほら、あんたはあっちに行ってなさいっ!」
と、憤慨した調子でハルヒは、無理矢理俺をPCの前から遠ざけるように押し戻してしまった。
だが俺は離れ際に気付いてしまったのだ。ハルヒが自分の携帯電話をPCに接続していたということにな。
何だよハルヒめ、あの画像は自分で独り占めでもする気なのかよ、チクショウ!
ちなみにその日の晩の内に、ハルヒから『待ち受けにするのは絶対に禁止!』という文面のメールに、例の画像が添付されて送られてきたのは、ここだけの秘密ということにしておいてくれ。
963:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 20:42:59 kKAM4txq
>>957-962
以上です。この前の写真の流れとか色々な電波増幅に時間かかりすぎて
既に話題を見失ってる感が。申し訳ない。
しかし、このスレになんとか久々なSSの投下間に合った!
てなわけで、もうちょっとしたら次スレ建ててくるわ。 ノシ
964:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 20:59:05 5Wg+7vNs
よし読む前に、
>>951
自爆ktkl GJ!
>>955-956
漫才www
お前らの電波には癒やされるぜw
965:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 21:01:30 8t6nhguS
>>956
完全に吉本ののりだなw
966:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 21:15:24 kKAM4txq
次スレ
【涼宮ハルヒの憂鬱】涼宮ハルヒを語れ その105
スレリンク(anichara2板)
967:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 21:34:35 5Wg+7vNs
>>966
乙&GJ!
これはイイモノだw
968:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 21:38:47 CFtZ9tZ8
>>966
次スレ立て乙
969:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 21:51:41 U61z6LEv
>>957
これはまた見事なハルヒ的SS。
読み応えがありました。
>>966
乙です。
970:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 21:56:40 g53T0HMI
GJ&乙!
971:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 22:42:48 kKAM4txq
今更ですが>>957-962の挿絵的ラクガキ?
つ URLリンク(upload.jpn.ph)
相変わらずの雑さですんません。
972:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 23:04:06 /rr+4LWd
いいねーwGJ そして 乙!
973:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 23:05:33 p/diSrlQ
乙乙。
さてハルヒと風呂入ってくるかな
974:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 23:09:37 a4JfxdP4
爪には気をつけてな
975:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 23:10:58 8b3WOJ5g
>>971
SS、イラストともにGJ!
写真からこういうネタが出るのが素晴らしい。
スレ立ても乙でした!
976:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 23:17:14 9AH0amEa
ハルヒの『待ち受けにするのは絶対に禁止!』
このセリフいいっスねww
SS乙でした~^^
977:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 23:22:21 5U1lvZ7F
SOS団の集合写真の出来上がりを見て自分とキョン以外の3人が映ってないのを不思議がるハルヒ
978:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 23:50:11 HqUFl/hm
低血圧な振りをして寝起きの時にキョンに甘えまくるハルヒ
キョンに貰ったプレゼント。
わくわくそしてどきどきしながら開けるハルヒ。
しかし中身がビックリ箱でビックリしてこけてしまうハルヒ
その後血祭りにされるキョン
キョンの家に行く言い訳を710個程考えるハルヒ
ハルヒのくだらない妄想で創造妊娠してしまう…谷口
979:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/23 23:57:34 ypzpMCm/
533 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2009/01/23(金) 18:55:44 ID:19Fq4pV3
少し考えた
ハルヒ厨が最近毎日のように喚く
・キョンは中学を卒業してから佐々木と会うどころか連絡しようともしなかった
・佐々木はキョンにとって親友ですらない
・既に佐々木と二人で塾に通っているのに憂鬱で「異性と肩を並べて歩くのを夢見たり~」と述べている
だから佐々木はキョンに異性として見られていない
だから佐々木は単なるハルヒの噛ませ犬ww
変な女好きのキョンが好きなのはハルヒに決まってんだろwwww
というお話。
確かに、お世辞にもどう考えても佐々木が異性として見られていないと言わざるを得ないだろう
つまり、
ハルヒ厨が喚くように「キョンはキョン自身も主張するように変な女が好きじゃない」ということだ
佐々木は国木田や中河が口を揃えて言うように変な女
だから、佐々木以上に変人(DQNってレベル)のハルヒは佐々木以上にキョンに異性として見られてないんだわ
そう。キョンが好きなのは普通の女の子なんなんだよ
みくるのような何も知らない人が見たら普通人と変わらない子が好きなんだよ。
佐々木を叩くつもりで色々言ってたら自滅してたというオチ
ハルヒ厨終了のお知らせ
お前らこれよく読め
980:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/24 00:01:59 a4JfxdP4
>>978
最後待てw
981:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/24 00:07:44 nVXtgPiN
風邪の上にスランプや~
『ドラゴンキョンとハルヒの物語』が書けね~
PCに向かってもうまく纏まらない~
次スレに持ち越して良いかな~ダメだよな~
982:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/24 00:14:20 M0LMew/0
>>981
風邪ひいてるなら無理すんなw
気長に待つから治ってから投下してくれよ。お大事に
983:ハルキョンAA埋め ◆RAXLFIwrP6
09/01/24 00:16:55 5dnEulWf
::::: _______________ ▲
::. || / /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ || □]
::. ||/ /⌒Y∩∧∧.⌒Y⌒Y ∩Y⌒ || ▼ _____
... || /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ |∧∧ || |::: ____:::::::| ナンデ オイダサレナキャ
... || ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(~Д)∩,l| |::::| 喫茶 |:::::| ナンナイノヨ?
... || .人 人 人 丿 ノ || |::::| B. l:::: | アンタ イッタイ ナニシタノ!?
:.. ||∧∧. \./∧∧Y⌒Y⌒.~ .つ l| |::::|_FLAT|:::::|
._||~∀~)つ ヽ(`Д´)ノ / し~/ || |◎ :::∧∧:::..! , -‐―- 、ー-.、 ハァ?
; )| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| (⌒;;)  ̄| ̄ ||:::::::::(#゚Д゚): |. /r#/ニニヽ#ヽヾ オレノ セイカヨ
;;⌒;;)| ̄ ̄| ̄/⌒Y⌒ヽ  ̄| ̄ ̄| ̄(⌒;;;;;; ;;) ̄ |:::::::::(| 介 |):| ハ芥.lノメ从从iバハ>
:,.,;;;;,) | ̄. { } ̄| ̄(⌒;;`;´,/⌒V⌒∧∧|:::::::::::|iiiTii|::: | i l (| | ┃ ┃i! ─|i
:三三三 ∧∧\ ,/  ̄ ̄|三三三{ (~ )  ̄ し U  ̄ ̄.i从リ、''' (7 ノロ ノ’  ̄ ̄
⊂(Д~⊂⌒`つ \ と ,/ Dミミゞ三<彡イ〉
`と__./~ iメJ_i_l_l,ゞ.T`'i`
(__ハ_,>_,ハ_,>
984:SS:フロリボとfigmaを見ていて思いついた埋め小ネタ
09/01/24 00:34:50 gEVkcV+Z
ある日の朝、教室に辿り着いた俺の目に入ってきたのは、一回り大きなハルヒだった!
と言っても比喩表現じゃなくて、その、実際にでかくなってやがるぞコイツ。というか、気のせいか頭身が微妙に違っているような感じもするし……。
「あらキョン、あんたって背が縮んだわけ? ……なんてことはないわよね。きっとあたしの背が伸びたのよ、ねっ『ちびキョン』!」
おいコラ、人に向かってチビなんて言うなよ。
しかし、現時点でのハルヒの身長はどう見ても百八十センチはあるぞ、これ。背丈からするとまるでトップモデル並みだな。第一コイツはスタイルもいやになるぐらい良すぎるし、って何を言ってるんだ俺は?
で、背が俺より高くなったのをいいことに、ハルヒはまるで猫を捕まえるように俺の首根っこを掴んで持ち上げたり、何故か俺のことを逆お姫様抱っこしてみたりと、傍若無人の限りを尽くしやがったのだ。つーか、恥ずかしいからやめれ!
「なによキョン、あたしの背が伸びたのがそんなに面白くないわけ?」
ああ、面白くないね。大体ハルヒは元々俺より頭一つ分ぐらい背が小っこいからこそ、どんな無茶苦茶をしでかしても、まあ可愛いから許してやるか、ってな気にもなるわけで……。
「へっ?」
って、どうしたんだハルヒ? 何でお前、そんなに顔を真っ赤にしてるんだ?
「か、可愛いって……バカぁ!」
そう叫んだかと思うと、何故かハルヒはまるで逃げ出すかのように俺の目の前から姿を消したのだった。
その後、俺の目の前に戻ってきたハルヒの背丈は、以前の大きさに無事戻っていたようだ。
やれやれ、しかしハルヒが急にでかくなったのは何だったのか? またどうして急に元に戻っちまったのか? 俺にはわからないことだらけだぜ、本当にな。
985:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/24 00:42:02 VuZVQWLC
>>983
ハート巻き散らかすなwww
>>984
リボとフィグマ比べると大きいよなw
フィグマはアニメ絵で、リボはイラスト絵って感じ?
986:埋めネタSS: 紙婚式
09/01/24 00:54:03 a3niRT84
>>983 出て行ってもなお残るくらいなんですねww
>>984 トップモデルなハルヒ……想像するとカッコイイなw GJ!
---
すっかり遅くなってしまった帰路を急いではいるのだが、途中で少し寄り道をしたのは訳がある。
今日という日を忘れていたらあいつは怒るのは考えるまでもないし、俺にとっても大切な日であることは間違いない。
「ただいま」
「おかえり!」
必ず鍵を開ける音を聞きつけて玄関まで迎えに出てくれるハルヒは、俺に高校時代から変わらない笑顔を見せてくれた。
「……で、それは?」
俺が手にしている柄にもないものを目にして、ハルヒはきょとんとしている。おい、まさかお前忘れてるのか?
「在り来たりで悪いが、お前にだ。……一年間ありがとう、これからもよろしくな」
そう言いながら調達してきた花束を渡すと、ハルヒは目を丸くして驚いていた。本当に忘れていたのか。
今日はお前と結婚してちょうど一年だったよな。
「覚えてたの?」
って、驚く場所はそっちかよ!
「ああ、本当は外食でも誘おうと思ってたんだが、ここんとこ早く帰れない日が続いてたからな。
せめて何かと思ってたんだが、結局思いつかなかった」
「忙しいから忘れてるかと思ってたわ。覚えてくれてただけでもいいってことにしておいてあげる」
ハルヒはまた花束に負けないような笑顔になると、
「あたしもキョンを待ってたらお腹空いたわ。ご飯にしましょう」
と台所へと戻っていった。
「なあ、一つ聞きたいんだが」
「なによ」
「なんで食器が紙なんだ?」
ハルヒはやはり結婚記念日を祝いたかったんだろう、かなり気合いの入った料理が並んでいたのだが、
その料理はなぜか紙皿に並べられている。晩酌も紙コップでするのか?
「うーん、あたしも考えたんだけどさ。結婚一年目は『紙婚式』って言うから、それにちなんでみたんだけど」
紙婚式? 金婚式とかなら聞いたことあるが、一年目からそんな名前がついてんのか。
イベントごとに何かをしようとするのはハルヒらしいな。
「そうよ。二年目は藁婚式、三年目は革婚式って言うらしいわ。これは毎年祝わないとダメってことじゃない?」
まあ、名称はともかく、俺にとっても大切な日だってことには違いないさ。
「そうよ、ダイヤモンド婚式までちゃんと祝ってやるんだから!」
「それって結婚何周年なんだ?」
「七十五周年よ!」
ななじゅうごしゅうねん? おい、てことは俺は何歳まで生きなきゃならないんだ!?
「絶対に全部祝うわよ! ダイヤモンド婚式だから、ダイヤで何かお祝いしなきゃダメよね」
おい、この年金制度も怪しい時代に、仕事で収入を得る手段なんかとっくになさそうな年になってダイヤかよ!
……まあ、ダイヤはともかく、せいぜい長生きして七十五周年を迎えようじゃないか。それまでよろしく頼むぜ、ハルヒ。
「当たり前でしょ! ……それから、あたしも一年間ありがとう、キョン。これからもずっと、よろしくね」
中途半端でおしまい。
987:埋めSS(?) ヤマイ
09/01/24 01:04:13 3xzZU95a
さて風邪の不快な症状も一段落した俺なのだが、
それ以上の懸念事項を抱えていた。
…それは
【キョン君その問題間違ってるわよ】
聞こえん!俺は何にも聞こえんぞ!!
【あら?無視するき?でもこうやってまた5組の教室で授業受けられるのも何か新鮮ね】
くっ!一瞬その健康的でちょっとエロティックな太ももに視線が行きそうになったが。
いかん、いかん。無心だ!無心になるんだ俺!
「…ン」
無心!無心!
【あら?ちょっとキョン君】
えーーい!聞こえんぞ!!
「キョ…」
【ねぇキョン君】
だから聞こえんと言っている!!
「ちょっと!いい加減に気付きなさいよ!アホキョン!!」
「誰がアホだ!大体聞こえんとさっきから言っているだろうが!!」
「はぁ?何言ってんのよ!大体聞こえないって何?あんたまさかあたしの声無視してたんじゃないでしょうね!!」
「無視も何も俺には"スタンド"が見えるような特殊能力は持ち合わせてないんだ!そんなに話たいなら長門か喜緑さん、或いは九曜の所にでも行け!!」
「何であたしがあんたと話すのに有希の所まで行かないといけないのよ!大体アノ生徒会長の手先に会え何て何考えてんのよ!
後、九曜って誰?またあんた、あたしに隠れてどっかの女引っ掛けてたわね!」
「……あ~、もしかしてハルヒか?」
「あたし以外の誰に見えるのかしら?」
「……いや~さっき迄カナダに逝った筈の委員長が居た様な気がしたんだが…(汗)」
「へ~。あんた、カナダに行った女にまでちょっかいだしてるんだ。
よ~く分かったわ!この際ハッキリさせましょっ!誰が誰のモノなのか!!」
「…ハルヒさん?ちょっと待った!!」
あぁしかし世は無常なり。谷口や国木田更に元東中や俺と同じ出身中学の連中とかにばれると
色々面倒な俺とハルヒの関係を包み隠さずばらしやがった。
待て国木田に阪中、その『結婚式には必ず呼んでね』って表情は止めろ!谷口…お前はいいや。
後クラス中の女子よ『キョンはあたしのモノ宣言キタ━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_-)=゚ω゚)ノヨォ━━!!!! 』
って何小躍りしてんだ!!
【う~ん、ヤッパリあの時貴方を殺さないでいた方が良かったんだ。あ~あ連結解除されて損した】
おい朝倉!いいからこのカオスと化した教室を元の状態に再構成しろ!
【それ無理。だって今涼宮さんから出ている情報フレアは情報統合思念体にとってとても凄い情報だモノ】
「さ!キョン?もう一度あんたの彼女は誰か確りと教えてあげるわ!覚悟しなさい!」
あ~もう如何にでもしてくれ!!
988:埋めネタ SS ハルキョン「何かを埋める夜」
09/01/24 01:07:38 okeITe2B
「…………眠れ……ないのか」
「…………あ。ごめん……起しちゃった?」
「……いや、起きてた」
「……そう」
なんてな。本当はお前がもぞもぞ動くから目ぇ醒めちまったんだ。
「手、繋いでよ。キョン……」
いつになく素直なハルヒの手を握りしめてやる。
そういえば、手を繋ぐなんて何ヶ月してないだろう。それこそキスは毎朝毎晩しているし、毎晩別れ際には数時間の別れを惜しむように、抱きしめたりなんだりしているというのに…………。
「…………寒いな」
「………………そうね」
「…………」
「…………」
何かが足りない気がして、それを埋めるように求め合い、抱き合い、唇を重ね、夜が更けてゆき──結局翌朝は寝坊する。
あぁこんなんじゃ二人で暮らすことになったらどうすりゃいいんだ?
「知らないわよ、そんなの! 埋めりゃいいってもんじゃないわよ!」
埋まれ。
989:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/24 01:24:49 3xzZU95a
甜菜
URLリンク(www.haruhi.tv)
放送日決まった(みたい?)
990:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/24 02:00:19 R0VufFAx
この埋めのときのカオスさが好きだw
991:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/24 02:14:33 VuZVQWLC
>>989
週一回とかいいながら、段々二週間に一回、三週間に一回とかになるのかなw
>>986
へー面白いなw
>>987
キターwww
>>988
俺が埋まりたいw
992:埋めネタ SSっつーか小ネタ ハルキョン「謝るより先に」
09/01/24 02:16:10 okeITe2B
いつの間にか団活のあと、団長様を家まで送り届けるようになり、その別れ際に白雪姫とか眠り姫の目を覚まさせるようなことをしてみたりとか、そういう関係になった俺たち。
いつものようにハルヒを家まで送り届け、いつものように唇を寄せ──ようとしたところで制される。刺すような風に靡く黄色いリボンが視界から消えて胸が刺さるように痛い。
「わかってくれないならいいわよ、もう! こんなこともうしないで!」
「こんなことって……何だよ」
しかも「もう」を2度も使ってるぞ。
「もういいって言ってるでしょ!」
わけわかんねぇよ。
わけのわからんまま、駆け出そうとするハルヒの腕を掴む。
「離してよ!」
わけがわからん。
「だからもう、いいの!」
よくねぇよ。
両腕をぶんぶん横に振りるハルヒの表情は見えない。その両手首を掴む俺がどんな表情をしているのかもこいつには見えていないはずだ。
「離してよっ!」
嫌だ。
今まで俺たちがしていたことは、お前が望んでいたことじゃないのか?
お前も俺と同じ気持ちじゃなかったのか?
「同じ気持ちって何よ!」
何って決まってるだろ──と、言いかけて気付く。
「……すまん」
45度の角度で頭を下げる。こんなんで許してもらえるとは思っていないが。
「何謝ってんのよ!」
ハルヒの顔を盗み見る。あぁ、怒って……泣いてるのか。
「……すまん」
泣き顔を見ずに済むように、ハルヒの頭ごと俺の胸に押し付ける。
「謝るより先にすることあるでしょ……バカキョン」
……もっともだ。
埋まれ