09/01/09 18:52:57 WHj8tzre
「なあ、おまえの家って、普通か?」
「はあ?なに?」
「ああ、NGワードだったか。いや、ただ家族仲とか、どうだと思ってな」
「それを知って、あんたはどうしてくれる訳?」
「ふう。確かにできることしかできないけどな。手順を踏めば、もう少しできるかもしれん」
「どういう意味?」
「いや、とにかく、雑用係にも、愚痴ぐらいは聞けるって話だ。おまえが話したいこと限定でな」
「いまは雑用係に用はないわ」
「そうか。じゃ、暫定彼氏志望者じゃどうだ?」
「・・・」
「……黙るなよ。情けないが、これでも、なけなしの勇気なんだ」
「出直してきなさい。あと『志望者』ってのは、外してきて」
「へ?」
「あー、もう、うっさい。あんたが変だから調子狂うわ。どうしちゃったのよ、今日は?」
「知らん。……父親って聞いたらかな?」
「言っとくけどね!」
「……おう」
「あたしは親父似だからね!」
こ、こらキョン、なんでそこで笑うのよ!バカにしてんの!?
「おまえはキョン君に何度か会ってるんだろ?」
「ええ。よくハルを送って来てくれますし、遊びに来たことも何回か」
「拗ねてるように聞こえるかもしれんが、初耳だ」
「ええ、はじめて言いましたよ。拗ねてるんですか?」
「正直言うと拗ねてる」
「私は感謝してますよ」
「俺だって感謝してるよ。娘と軽口を言い合える日が来るなんてな。うれしくて頬刷りしたくなる」
「愛情表現が相変わらず下手ですね」
「いまのは冗談だぞ、母さん」
「私のも冗談ですよ」
「ハルヒの中学時代を思うとな」
「あら、『俺はハルヒを信じる。信じて待とうと思う』と言ってたじゃありませんか」
「父に二言はない。が、つらくなかったと言えば嘘になる」
「ハルヒ似のお父さんが、よく切れずに我慢しましたね」
「それ、ほめてくれてるんだろうが、ハルヒが俺に似てるんだ」
「どっちもどっちですよ」
「いや、時間の順序とか、遺伝とか、そういうのがあるだろう」
「冗談ですよ」
「で、母さん。映画と買い物と、どっちがいい?」
「映画見てから買い物するか、買い物してから映画を見るか、ですね」
「買い物はいいが、あまり荷物になると、映画も見にくいし、第一フットワークが悪くなる」
「あら、その後、追いかけっこでも?」
「娘と彼氏を追い回す、いかれた親父か。悪くないな」
「一生、口を聞いてもらえなくなりますよ」
「まあ、荷物なんか預けてもいいし、送らせてもいいか」
「とりあえず映画見てから、買い物で時間をつぶしましょうか」