09/01/09 17:58:31 TLvImCXS
「雪、いつ降るのよ」
俺に聞くんじゃありません。
ハルヒは雨を降らせる灰色の曇り空を睨むように見ている。
「天気予報じゃ大雪って言ってたじゃないの」
だから俺に言うなよ。文句なら空、もしくは雲に言え。
「はぁ、全くこれじゃただ寒いだけじゃないの」
まぁ確か、電車はいつも以上に混むし、冬の雨はあまり良いことはないな。
ハルヒは頬杖していた腕を崩し、だらだらと俺の方に手を伸ばしながら、
「雪が降ったらSOS団プレゼンツ第1回雪合戦!をやろうと思ったのに」
降らなくて良かった、と一瞬思った俺を誰が攻められよう。悪い予感しかしない。俺、もしくは朝比奈さんが被害を被ることは疑いようがないからな。
とは言え、俺も雪が降ることを期待していたと言えば嘘になる。
そう、昨日からテレビの中の天気予報士は明日は雪が降るでしょうと豪語、とまではいかないが、まぁそういうことを言っていたわけだが見事に外れた訳だ。
俺はと言うと期待していたとは言え、降らないと思ったがな。毎回そうだし。
「ちょっとキョンのくせに生意気よ」
「なに、ぅぉぅ」
俺の言ったことが気に障ったのか、単にしたかったのか、ハルヒはばっと起き上がると、
「あはは、何その面白い顔」
「おまへのへいひゃろ」
俺が幼児退化したわけではなく、ハルヒは俺の頬っぺたをうにうにと楽しそうに引っ張っている。
「ほい、いい加減に」
よほど面白いのか俺の顔を弄くるハルヒ。
そうか、お前がそういうつもりならこうだ。
「なっ、うに」
面白い鳴き声を出した。
「ひょっと、ひょんのくせに」
何を言ってるか分からん。
「あんひゃのひうことだってわからないわひょ」
やり返した。
ハルヒの柔らかい頬をうにうにと変形させる。
うむ、柔らかい。
「へんひゃい」
どの口が言うのか。この口か。
調子に乗った俺は、いつの間にかハルヒは手を離していて、
「これでどうだ」
「にゃ、」
淡い桜色の唇に口づけた。流石にハルヒの唇は冷たく、ひんやりとした感触が伝わる。
「ん、っ」
よし、暖めてやろうとちょっと舌を入れたのはご愛き、
「いい加減にしやがれこの野郎!いちゃつくんなら外に行けこの野郎!俺が出てくぞこの野郎!!」
谷口が涙流しながら叫んだ。この野郎って3回言ったぞお前。
――そういや授業中だったな。
(おわり)