09/01/06 23:19:00 K6b9oQQC
ハルヒが顔をあげてこう尋ねた。
「ねえ、有希。この四目薬ってなんのこと?」
って、長門、また俺の方を見るんだな。やれやれ。
「あー、四目薬ってのはな、四つ目屋の薬ってことだ。四つ目屋が何かはいまから説明
してやるから、あせるな。四つ目屋ってのは、江戸両国米沢町(いまの東京都中央区東日
本橋2丁目)にあった淫薬・淫具専門店のことだ。いまでいうところの、アダルトグッズ・
ショップだな。屋号を四つ目屋忠兵衛といい、四目結(ヨツメユイ)を紋とし、黒い提灯
を出していたのが有名だ。
山東京伝作画(1785)『江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)』っていう黄
表紙本
URLリンク(archive.wul.waseda.ac.jp)
には、あとで紹介する長命丸とともに四目屋忠兵衛が登場する。
江戸時代には、「日本一元祖 女小間物細工所 鼈甲水牛蘭法妙薬(淫具と催淫薬) 江
戸両国薬研堀四目屋忠兵衛 諸国御文通にて御注文の節は箱入封付にいたし差上可申候」
などと宣伝したらしい。取り扱った薬で有名なものは、帆柱丸(ヨヒンビンによる催淫効
果を謳った内服媚薬、四目屋忠兵衛の専売品)・長命丸(配合生薬を蜂蜜で丸め二枚貝に
入れた丸薬。軽い不感状態にする効果、精を漏らさず長く性愛を楽しむ強精薬)・女悦
丸(生薬を粉末にして丸めたもの。女性用媚薬で性行為前に膣に入れておく。覚醒効果
により通常では味わえない敏感な感覚、強い快楽に奔放される)・通和散(衆道用の潤
滑薬。唾にて溶き局所に塗布する。これ用いると痔になる事無し。蔭間が必ず常用した
ばかりでなく、雛妓など小娘と行う時利用)・肥後芋茎(芋茎を陰茎に巻き淫うと女は
随喜の涙)・蝋丸(女のよろこぶ薬、頻りに淫気催すこと奇妙なる薬)・外郎 (「うい
ろう」と読む。小田原名産。歌舞伎「外郎売」の台詞にあるように「ただ一粒を舌の上
に載せるやいなや、舌の廻ること銭独楽がはだしで逃げる」如くでクリニングスを試み
るに都合が宜敷い)・益多散(これを用いて75歳の男が服用後3人を妊娠させたという)・
禿鶏散(60日間飲み続けると40人の女と交わること可)・イモリ黒焼(これを粉にして
を異性に振りかけると相手の気持ちは我がもの)、曼陀羅(これは華岡青洲が乳がん手
術の際に麻酔につかったチョウセンアサガオから抽出される薬だが、これを顔に吹きつ
けると、どんなじゃじゃ馬も従順になり、おまけに記憶まで失う。だから女郎屋で女の
子を仕込むのにつかったんだな。いまでも目薬を一滴酒に入れるなんて話があるが、こ
れはこの薬からヒントを得た都市伝説だ)などがあるんだが、うんぬんかんぬん。
・・・・
おい、俺はまたやらかしちまったのか。長門,長門はいずこ? ハルヒ、わかったらこ
ぶしはよせ、こぶしは。
ハルヒは憤怒のオーラとぎゃおぉぉぉという効果音とを引き連れて、荒ぶる神スサノウ
のごとく・・・
「こ、こ、こ、こ、このエロキョン!! そんなもの使って、ナニをどうしようってい
うのよ!?」
ぐあああぁぁ!!