「泉こなたを自殺させる方法」を考える28at ANICHARA2
「泉こなたを自殺させる方法」を考える28 - 暇つぶし2ch586:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/26 18:06:27 wLAwUtCF
>>583
規制空けて乙です

587:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/26 22:20:09 72aCH3zx
こなた「あ~早く帰って寝よ。」
こなたが帰路に向かう途中、数人の男たちが立っていた。
伊達邦彦「諸君 私は泉こなたが嫌いだ 諸君 私は泉こなたが嫌いだ 諸君 私は泉こなたが大嫌いだ
     おたくが嫌いだ 口が嫌いだ 体格が嫌いだ 平野綾が嫌いだ コスプレが嫌いだ
     アキバが嫌いだ アホ毛が嫌いだ 萌えが嫌いだ オタトークが嫌いだ
     公園で 市役所で コンビニで スーパーで ツタヤで 宮脇書店で 公衆トイレで
     吉野家で 学校で 幼稚園で
     この地上に存在する ありとあらゆる泉こなたが大嫌いだ
     M16ライフルの一斉発射が 轟音と共に泉こなたを吹き飛ばすのが好きだ。
     空中高く放り上げられた泉こなたが ダムダム弾でばらばらになった時など心がおどる
     俺の操るトヨタコロナが泉こなたをひき逃げするのが好きだ。悲鳴を上げて 這いずり出てきた
     泉こなたをナイフで刺し殺した時など胸がすくような気持ちだった。
     AK47を持った俺達が泉こなたを撃ち殺すのが好きだ
     恐慌状態のハルヒが 既に息絶えた泉こなたを 何度も何度も刺突している様など感動すら覚える
     秋葉原のオタク共を街灯上に吊るし上げていく様などはもうたまらない
     泣き叫ぶ泉こなたが俺の降り下ろした手の平とともに金切り声を上げるシュマイザーに
     ばたばたと薙ぎ倒されるのも最高だ
     哀れな泉こなたがトカレフで健気にも立ち上がってきたのをウージーが 泉こなたに粉砕した時など
     絶頂すら覚える
     レイプ魔に滅茶苦茶にされるのが好きだ
     諸君 私はこなた虐殺を 地獄の様なこなた虐殺を望んでいる。
     諸君 私に付き従う大藪小説の主人公諸君
     君達は一体 何を望んでいる?
     更なるこなた虐殺を望むか?情け容赦のない 糞の様なこなた虐殺を望むか?」
朝倉哲也、西城秀夫、石川克也、北野晶夫、高見沢優「こなた虐殺!!こなた虐殺!!こなた虐殺!!」
伊達邦彦「よろしい、ならばこなた虐殺だ。我々は満身の力をこめて今まさに振り下ろさんとする握り拳だ
     だがこの10年もの間 マイナー扱いされた我々に ただの虐殺では もはや足りない!!」
朝倉哲也、西城秀夫、石川克也、北野晶夫、高見沢優「こなた大虐殺を!! 一心不乱のこなた大虐殺を!!」
伊達邦彦「征くぞ 諸君」
6人の男たちが一斉にこなたに襲い掛かった。
こなた「ぎゃああああああああああああ!」

次の日、ドブ川にこなたのバラバラ死体が見つかったという・・・

588:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/27 01:33:12 fojKp2cW
↑お前が死ねよ、人間の屑
こなたを虐めるな

589:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/27 02:28:05 CKp2xJoU
>>587
他殺はスレチだ
(・∀・)カエレ!!

590:JEDI_tkms1984
09/01/27 20:52:39 QUIgm6F0
 皆さん、こんばんは。
一日越しです。
交渉決裂……というか保留みたいな扱いになりました。
僕は3月で辞めたかったのですが、決算業務にどうしても抜けられては困るから8月までいてほしいと。
その間で気が変わってくれればいいと言われました。
もちろんそんな事はあり得ませんが、とりあえずではその期間までと承諾はしました。
『己の性慾に忠実で、頭ではなく下半身でモノを考えるような陋劣嗜虐な猴なんかと仕事できるか』
という意味の言葉を遠回しに言いすぎて伝わらなかったのかもしれません。
8月まで……はこちらの大幅な譲歩なのでその時が来たら如何なる引き止めがあっても辞めます。
この考えに至るまでにはジョックが引き起こしたいくつかの事象があるのですが、スレの趣旨に反するのでブログにでも書き散らします。
それでは悲憤慷慨で始まりましたが、本日分を投下いたします。

591:閻しき貴女よ19
09/01/27 20:54:23 QUIgm6F0
 散らかっているけど、と恥ずかしそうに前置きしてそうじろうがドアを開けた。
足を踏み入れた瞬間、かがみは4年前に戻ったような錯覚に陥った。
あちこちに貼られたアニメのポスター。
棚に飾られているフィギュア。
ほこりを被っているパソコン。
今となっては時代遅れだが、ここにこなたがいた証としてどれもが輝いて見える。
「あの日からほとんど手入れしてないんだ。このまま……残しておきたくてな」
そう言う彼自身もこの部屋にはあまり入っていないのだろう。
懐かしそうに室内を見渡した。
「特にこれが好きだって言ってたな」
ポスターの1枚を見ながらそうじろうがため息まじりに言った。
宇宙を背景に2人の巫女が玉串を掲げている絵だ。
突如現れたエイリアンに対抗するため、日本政府が対エイリアン戦力として抜擢した巫女。
エイリアンとの戦いを通して、家族愛や平和について考えさせるという昔流行ったアニメだ。
みゆきは呆然として棚のフィギュアを眺めた。

”ほらほら、ここがこうなっててね……けっこう細かいでしょ?”

こなたの声が聞こえてくるようだった。
まるで子供みたいに趣味に彩られた内装。
学生であったことを微塵も感じさせない物品の数々が―。
泉こなたの存在をよりハッキリ意識させるようで―。
みゆきは落涙した。
もし、そうじろうの許しが出るなら、どんな物でもいいから手元に置いておきたかった。
鉛筆の1本だってかまわない。
こなたを身近に感じたかった。
(ワガママですよね…………)
そう思う一方で、彼女はその考え方が自分勝手だとも感じていた。
今になって虫の良すぎる頼みごとだ。
それにそうじろうにはこの部屋をこのまま残しておきたいという気持ちがある。
みゆきの願いは彼の意思に反することだ。
(………………)
一度は拭った涙が再び溢れてきた。
こなたに対してそれだけの想いを寄せるのであれば―。
なぜ彼女が生きている時にそうしなかったのか。
なぜ今なのか―。
同じように想いを馳せる2人を見て、みゆきは自分が憎くなった。
こなたを忘れないように彼女の遺品を譲り受けたい。
みゆきはそう考えた。

592:閻しき貴女よ20
09/01/27 20:55:09 QUIgm6F0
だが、それは…………。
死者を弔う気持ちをアピールしただけの、単なるエゴなのではないか。
そうじろうやかがみたちの手前、慈悲深く優しい自分を映したかっただけではないのか。
そもそも遺品を受け取って、それをどうしようというのか。
ただそれだけでは何の贖いにもならない。
(泉さん…………)
―自分を憎む。
形ある物がなければこなたを忘れてしまう自分に、こなたの遺品を預かる資格があるのだろうか。
そうすることでしか記憶を保てない自分には、もはやこなたを偲ぶことすら傲慢なのではないか。
遅すぎた。
何もかもが遅すぎたのだ。
後悔するのが人間の悪い癖だが、もっと悪い癖は何度後悔を重ねてもその経験を次に活かせないことだ。
「ん…………?」
閉め切った部屋の中、空気の流れを肌に感じたそうじろうが不意に天井を見上げた。
反射的にかがみたちもそれに倣う。
「あっ……!」
3人がほとんど同時に声をあげた。
何の前触れもなく空間から白い物体が現れた。
ぽとり、と小さな音を立ててそれがこなたの机の上に落ちる。
「な、なんだ?」
そうじろうがおそるおそるそれを摘みあげた。
瞬間、彼の顔つきが変わった。
「あの…それは……?」
みゆきがおずおずと訊ねる。
しかしそうじろうはその問いを無視し、震える手つきでそれを愛撫した。
「手紙だ―」
「…………えっ?」
「手紙だ……これは…これは……こなたからの手紙だ!」
熱くなった手で封を開ける。
出てきた便箋には見紛うことなき丸みのある文字が並んでいた。
彼女と親しかった者には分かる。
この乱雑な字体は―。





593:閻しき貴女よ21
09/01/27 20:56:20 QUIgm6F0
『久しぶりって言ったらいいのかな。気の利いた出だしが思いつかないよ。
かがみ、つかさ、みゆきさん、来てくれてありがとね。それからお父さん。
内緒にしててって言ったのに、なんで喋っちゃうのさ? まあいいや。もう時効みたいなもんだしね』


手紙の始まりを声に出して読みながら、そうじろうはすでに落涙していた。
内容にではなく、真っ白な便箋に書き並べられた愛しい娘の文字に。
誰にも真似のできないこなたの字にそうじろうは涙した。
彼は目頭を押さえると、濡れた便箋をかがみに差し出した。
「…………?」
怪訝な顔をしてそれを受け取る。


『かがみん、卒業おめでとう。
毎日勉強がんばってたもんね。
かがみんは努力家だからきっといい就職先が見つかるよ。
やっぱり将来は弁護士か。でも普通の弁護士じゃつまらないから、”ツンデレ弁護士”なんてどう?
最初はつれないけど、裁判に勝ったらデレになって依頼人と付き合うとか。
まあそれは冗談だけどさ。
そういえば一緒に勉強してた佐伯さん、元気なかったでしょ?
なにか悩みがあるみたい。よかったら相談に乗ってあげて欲しいな。
私が言うのもおかしいけど、かがみは面倒見がいいからさ。
きっと佐伯さんを助けてあげられると思う。
ごめんね、せっかく来てくれたのに勝手なお願いしちゃって。
でも見ててつらかったんだ。
かがみ、佐伯さんと仲良かったから。
余計なお節介かもしれないけど、あの人が私の代わりにかがみの傍にいてくれたから』


2度、3度―。
繰り返し読んだ彼女はいつの間にか、そうじろうと同じように涙を流していた。
(バカ……何が”私の代わり”よ…………)
ぼやけた視界の中に、”佐伯”という文字が浮かんだ。
大学生活の中で昵懇の間柄だった少女の名前だ。
一緒に講義を受け、学び、時に持論を戦わせたある意味では親友でライバルのような存在。
互いの寮に泊まりに行ったこともあるほど親しい仲だった。
その存在をこの手紙の主は知っている。
気味が悪い、とは思わなかった。
自分を”かがみん”と呼ぶのは後にも先にもこなただけだ。
(あんたは…………)
かがみは涙を拭った。
(あんたは…こんな私をずっと見てくれてたのね……こなた…………)
もう一度読み返す。
やはり間違いない。
こなたはずっと傍にいてくれたのだ。
佐伯の機微にも気付けるほど、こなたはすぐ傍にいたのだ。
「こなた……こなたぁ…………!!」
彼女は自分を見ていてくれたのに。
その存在も気配も感じることができなかった。
(バカは私よ……! 自分のことしか考えないで……!)
悔恨の念に囚われたかがみは、打ち震えながら4年前を思い返す。
受験で忙しかったから、つかさの為にならないから、と悉くこなたを蔑ろにしてきた自分がいた。
今さら後悔しても遅すぎるが、彼女にはもう後悔しかできなかった。
「…………?」
虚ろな瞳で文面をたどっていたかがみは、2枚目の便箋があるのに気づいた。
その冒頭の部分を読みかけ、
「つかさ…………」
力の抜け切った右手でそれを差し出した。



594:閻しき貴女よ22
09/01/27 20:57:50 QUIgm6F0
『つかさはすごいね。
あんな難しいメニューなのに誰よりも上手に作ってたね。
洋食より和食の方が得意なのかな。
私も料理にはちょっと自信があったけど、あっという間に追い越されたよ。
将来はいいダンナさんと巡り合って毎日おいしいご飯を作ってあげるのかな?
私もつかさの作った料理を食べてみたかったな。
横で見ててヨダレが出てきそうなくらいだったもん。
きっとおいしいだろうな。
でもまさか本当に料理の道に進むなんて思わなかったよ。
どっちかっていうとお菓子職人とかをイメージしてたから。
ごめんね、勝手な想像だよね。
つかさは将来、どんな人と結婚するんだろうね。
優しい人かな。カッコイイ人かな。
つかさの事、ちゃんと支えてくれる人がいいな。
あ、でもちょっとだけその人にシットしちゃうかも……』


読み終え、つかさはしばらく虚無感を味わった。
これを本当にこなたが書いたのか。
内容を見てもすぐには信じられなかった。
つかさがその目で見てきたこなたの中に、この手紙を書く彼女を想像できない。
どちらかというと自分に似ている泉こなたの姿しかない。
面倒なことから逃げてゲームやアニメに興じ、成績も良くなく、かがみに比べて料理の腕はある少女。
そういう見方をすれば、つかさとこなたはほとんど同じ種類の人間だった。
だからこそ、この手紙を書いたのがこなただと即座に理解できない。
自分には―。
自分にはこんな文章は絶対に書けないからだ。
ここまで高尚な考え方はできない。
「これ……こなちゃんが…………?」
誰にも聞こえないくらい小さな呟きに、そうじろうがはっきりと頷いた。
そこでつかさはようやく気付いた。
こなたはいなくなったのではない。
目には見えないだけで彼女はずっと生きていたのだ。
死んだ、と思っていたのは自分たちだけだったのだ。
こなたは4年前から今日までをちゃんと生きている。
成長している。
(こなちゃん……こなちゃん…………)
つかさは心の中で何度もこなたの名を呼んだ。
真っ赤になった目でもう一度文面を追い―。
その下にあった便箋をみゆきに手渡した。


『みゆきさんは本当にすごいね。
何の勉強してるのかさえ分からないくらい。
博士って感じだよ。
でもすごく難しい勉強してるな、すごく頑張ってるなっていうのは分かるよ。
みゆきさんはまだ医師になるのか、調剤師になるのか迷ってるんだよね。
ここはひとつ苦手な歯医者になるのも面白いかも。
って将来の話を軽々しくするのは駄目だよね。
でもさ、今でも歯医者を怖がってる人っていっぱいいると思うんだ。
みゆきさんはそういう人の不安を和らげてあげられると思う。
ウソじゃないよ。
人の将来だから私が口出しできることじゃないけど、そういう考え方もアリかなって。
みゆきさんは何でもできるし、何にでもなれると思うから。
応援してるよ』




595:閻しき貴女よ23
09/01/27 21:07:01 QUIgm6F0
「泉さん…………」
クセのある字体をなぞりながら、みゆきはこなたの声を聞いた気がした。
4年前の記憶からこなたの容姿や声色を引っ張り出す。
やる気のなさを感じさせる甘ったるい声。
霞の向こうの記憶だが、今でもまだ思い出せる。
この特徴的な文字は―あの時から全く変わってはいない。
「こんなことが…………」
昂った感情が落ち着きを取り戻し始めた時、彼女は稀有な現象を目撃していることを自覚した。
そうじろうが最初に読み上げた内容からして、この手紙は自分たちがここに来てから書かれたものと分かる。
丁寧にも一人ずつに便箋を用意し、封筒に収めるという手順まで踏んで。
それをこなたがやったことは間違いない。
中空にこの手紙が現れた瞬間も目撃している。
(あなたはずっとここにいらっしゃったのですね……)
寒気がしそうな出来事なのに、胸のあたりが熱くなるのをみゆきは感じた。
彼女が自分たちを見守っていてくれたことが何より嬉しく、それと同じだけ申し訳なさも感じた。
生前、こなたに冷たく振る舞っていた自分を―。
今も応援していると言ってくれた。
恨んだり憎んだりするどころか、未来ある自分を祝福してくれる。
みゆきにはこなたが天使に見えた。



そうじろうは静かに息を吸い込んだ。
こなたの姿は見えないが、ここにいるのは間違いない。
だから彼は五感を研ぎ澄ませた。
目を瞠(みは)り、耳を欹(そばだ)て、一分の感覚も損ねないように努めた。
そうすれば視覚や嗅覚のどれかがこなたを感じてくれそうな気がした。
(こなた……お前はどこにいるんだ……なあ、こなた…………)
空気の流れが変わったことは感じているが、こなたの存在そのものまでは感じられない。
「おじ様、これを……」
みゆきがおずおずと便箋を差し出した。
「うん……あ、ああ……」
ワケが分からずしかし手は自然とそれを受け取っている。
導かれるように彼はそれを開いた。


『それとお父さん。皆には黙っててって言ったのに、なんでしゃべっちゃうかな。
恥ずかしいじゃん。まあいいけどさ。
あ、そうそう。私ね、お母さんに会えたよ。
写真で見るよりずっとキレイだったから最初は誰だか分からなかったけど。
私もお母さんも元気でやってるよ。
死んでるのに元気なんてヘンな感じだけどね。
お母さんね、ずっとお父さんのこと見てたんだよ。
ほら、ずっと前に写真撮った時に後ろに影が写ってたでしょ?
あれってやっぱりお母さんだったんだって。
ビックリだよね。
本当はさ、こうやって手紙書くこともお母さんには反対されてたんだ。
死んだ人が生きてる人にしちゃいけないことだって。
お母さんも本当は私たちに手紙出したかったんだって。
私たちみたいに死んだ人が生きてる人に言葉を伝える方法は手紙しかないらしいんだ。
アナログだよね~。メールとかできたらいいのに。
それでね、お母さんが反対した理由なんだけど。
お母さん、お父さんを悲しませたくなかったからなんだって。
いつまでも自分のことに捕らわれてほしくなかったみたいだよ。
忘れろっていう意味じゃないよ。
でもひんぱんにそうやってやりとりしてたらお父さん、いつまで経ってもお母さんのこと追い続けるだろうって。
だから見守ることにしたらしいんだ。
私はそれができなかっただけ。
でもこれで最後にするよ。

596:閻しき貴女よ24
09/01/27 21:08:31 QUIgm6F0
やっぱりルール違反みたいだから。
できるけど本当はしちゃいけないって。
天国も決まりごとが多くて嫌になっちゃうよ。
あ、でもルール破ったからって地獄行き……なんてことはないから安心してね。
ちょっと怒られるだけだから。
だからこうやって言葉を伝えることはもうしないけど。
私もお母さんもゆーちゃんも、ちゃんとお父さんのこと見てるからね。
もちろん3人のことも。
私たちはこんな風になっちゃったけど、みんなには幸せになってほしいな。約束だからね』


そうじろうは涙を拭うことも忘れて、その便箋を3人に見せた。
冒頭には自分のことが挙がっているが、これは3人に宛てた文面だ。
みゆきはこの読みにくい字を夢現で追っていた。
これを見ているとやはり死後の世界は存在しているのだと認めたくなる。
実際に天国や地獄という単語もここにあるから、それらの世界もやはりあるのだろう。
「きみたちのおかげだな……」
そうじろうが深く深く頭を下げた。
その行動の意味が分からず目を瞬かせる3人。
「きみたちが来てくれなかったら、俺はずっとかなたやこなたが見守っていてくれたことに気付かなかっただろう。
こうして手紙を受け取ることもなかった……本当に感謝してるよ」
感謝の意を表すように彼は垂れた頭を上げることをしなかった。
こなたからの手紙を受け取るキッカケを作ってくれたことだけではない。
4年経った今でも娘を忘れず、追悼に来てくれる3人の慈愛が沁みた。
「そんな、私たちはなにも……」
かがみが俯いた。
何もしていないどころか、身も心も窶れていたこなたに辛辣な言葉を浴びせてきたのだ。
そうじろうに頭を下げられる資格など微塵もない。
「いや、きみたちのおかげだ、本当にありがとう」
3人は困ったように顔を見合わせた。
それぞれに想うところはあるが、共通しているのは後悔だ。
(…………………)
複雑な想いを抱えたまま、4人はこなたの部屋を後にした。




597:JEDI_tkms1984
09/01/27 21:14:20 QUIgm6F0
 本日はここまでです。
熱に加えて腹痛と痢まで起こしてしまいましたが、もう少し頑張ります。
明日には最後まで投下できそうですが、容量を超えてしまいそうです。
いかがいたしましょうか。

598:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/27 23:14:04 Xo0xG7lX
>>597
乙!
588じゃないが俺もこなたが虐められて自殺する話は余り読まない。
虐め(・A・)イクナイ!!
続きの3人の葛藤?を楽しみにしてます。

>容量を超えてしまいそうです。
次スレ立てて誘導すれば良いのでは?
他の人の意見求む。

599:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/27 23:37:29 CKp2xJoU
>>598
乙!
俺も虐め系は苦手だな
ありきたりだしな
そういった意味でこの作品は俺的にすごい評価できます。

600:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/28 01:33:24 7rYsEJZa
スレキャパパンク宣告出てんだから、新しいスレッド建ててくるわ。
>>598
乙!
JEDIさんといえば、虐めのパイオニアってイメージあったが、
こういうほんわかと来る話もいいですね。
あと何気に、SFチックなところもw

601:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/28 01:36:57 7rYsEJZa
立ててきた。
スレリンク(anichara2板)

こっちが埋まり次第、次スレへ投下どぞー

602:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/28 04:12:44 WbzzPf8O
>>601
スレ立ておつあり

603:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/28 16:44:00 3S/F5aTG


604:JEDI_tkms1984
09/01/28 21:13:47 lOWelDwo
 皆さん、こんばんは。
狙ってそうするわけではないのですが、僕が投稿する時はいつもスレを跨ぎます。
スレを立てて下さった方に感謝するとともに、続きを投下させていただきます。
いっぱいになったら次スレへ。

>>598
>>599

 いじめが僕の十八番というかそれしか書けないもので、内心ハラハラです。
今年は毛色の違うSSにも挑戦します。

>>600

 パイオニアなど身に余りますよ。
そんな大層な者ではありませんゆえ。

605:閻しき貴女よ25
09/01/28 21:14:47 lOWelDwo
 客室に戻ってきたかがみたちは、そうじろうが淹れなおしたお茶で喉の渇きを癒した。
「すみません、わざわざ……」
「俺こそ申し訳ないよ。せっかく来てくれたのにこれくらいしかできないんだから」
そうじろうが照れ隠しに頭を掻いた。
そのちょっとした仕草を横目で見ながら、かがみは安堵した。
来た時とは違い、今の彼には明るさがある。
こなたの手紙を受け取ったことで、失っていた精気を取り戻したのかもしれない。
良い兆候だ、とかがみは思った。
しかしどうしても気になることがある彼女は、それを訊くべきかどうか逡巡した。
答えを得たところで自分にはどうにもできない。
ただの興味本位でそうじろうの傷を抉るくらいなら、訊かないままのほうがいいのではないか。
「おじ様―」
ぐるぐると定まらない思考を続けていた時、不意にみゆきがそうじろうに声をかけた。
「あの、これは決して興味本位ではありません……もしお気に障るようでしたらどうか聞き流してください」
前置きとしてはどうかと思うが、さすがの彼女にも適切な言葉が見つからなかったらしい。
まさか、とかがみは思った。
この逆立ちしても敵わない聡明なお嬢様は、自分と同じ疑問を持っているのだろうか。
淑やかな彼女が、自分が口にすることを躊躇った問いを投げかけるのだろうか。
かがみが見守っていると、
「あの……小早川さんは…………?」
消え入りそうな声でみゆきが訊ねた。
かがみは冷や汗をかきながら、内心ではホッとしていた。
これは自分も訊きたかったことだ。
そうじろうの心傷を汲めばそう簡単には口にできない問いかけだが、その役目をみゆきが担ってくれた。
彼は永いこと押し黙った後、
「亡くなったよ―」
誰にともなく言った。
(やっぱり、ゆたかちゃんも……)
かがみはうな垂れた。
そうじろうが最後に見せた便箋。
天国や地獄という言葉が記されたあの手紙に―。

”私もお母さんもゆーちゃんも、ちゃんとお父さんのこと見てるからね”

という一文があったのをかがみもみゆきも見逃さなかった。
まさかという想いが2人の頭をよぎったが、文面通りに解釈すればゆたかの死に考え至る。
かがみはちらっとみゆきを見やった。
質問した本人はそうじろう以上に塞ぎ込んでいるようだった。
(みゆきも知らなかったってことよね?)
小さな疑問が湧く。
ゆたかとみなみは親しかったし、みなみとみゆきも近しい間柄にあった。
ゆたかの死はみなみを通してみゆきには伝わらなかったのだろうか。
「あの娘も体が丈夫なほうではなかったからな。まさかとは思っていたが……」
重苦しい沈黙を破りたくてそうじろうが呟いたが、その内容は沈黙よりもさらに陰鬱だった。
「肺炎だったんだ。熱を出すのはよくある事だったし、いつもは薬を飲めばすぐに治まってたんだ。
でも、あの時だけはそうじゃなかった。熱は下がらないし、呼吸も荒かった…………」
情景を思い出したのか彼は声を詰まらせた。
「慌てて救急車を呼んだが……遅かったよ……。ゆーちゃんは……あの娘はな…………!」
そうじろうの震えは悲しみによるものというより、行き場のない憎悪を内包しているようだった。
「どこも診てくれなかったんだ。どこも満床だといって断られた…………。
1時間ほどしてようやく受け入れ先が見つかったが―その時にはもう…………」
一度は涸れた涙がまた滂沱として流れる。
残酷なゆたかの最期に、つかさは顔を手で覆った。
みゆきは問うた事を悔いた。

606:閻しき貴女よ26
09/01/28 21:15:47 lOWelDwo
かがみはその時の様子を思い浮かべて落涙した。
こなたと違い、ゆたかの死は彼女自身の意思ではない。
もっと生きたいと願っていたハズだ。
(ううん、こなただって…………)
こなたにしても同じだ。
結果的に自ら命を絶ってしまったが、それも重い病に罹っていたからだ。
誰もが生を求めているのに、誰にもどうにもできない病気の所為でそれが叶わない。
そこまで考えたかがみは、自分が今こうして生きていることにしてもし足りない感謝をした。
こなたやゆたかのお陰で生の尊さがやっと分かった気がした。
「どうしてみんな―」
そうじろうが中空に向かって呟いた。
放心したような彼を見て、つかさはこの場から逃げ出したくなった。
自分だけが親元でぬくぬくと育ってきたという負い目があった。
かがみやみゆきのようにたったひとり、遠地で勉学に励んだわけではない。
それにどちらかといえば体が丈夫な彼女は、これまでも大きな病に罹ったことはない。
結局、こなたやゆたかのつらさは自分には分からないのだ。
分かりたくても想像の域を出ず、分かろうとすればするほど却って2人に失礼ではないか。
(戻りたいよ…………!!)
4年前に戻りたいという、無駄な願いをつかさした。
神がいるならそうして欲しいと祈った。
祈りは通じなかった。
それどころか神は何の罪もない2人の少女の命を奪ったのだ。
「どうして……どうしてみんな…………」
つかさが声を上げずに慟哭する。
その姿が痛々しく、かがみはそっとつかさを抱いた。





「すまなかった。大したもてなしもできなくて」
そうじろうが余所を向いて言った。
「お気になさらないでください。私たちが勝手にお邪魔したものですから」
意外なことに、こう答えたのはかがみだった。
たった数十分のうちに彼女は自分でも驚くほど大人としての振る舞いを身につけていた。
「今日はありがとう。きみたちのおかげでこなたたちに逢えた。本当に感謝してるよ」
彼はもう聞き飽きるくらい同じことを繰り返し言った。
この言葉に偽りはない。
かがみたちがこなたやかなたと引き合わせてくれたのだ。
彼の中で止まっていた時間を再び動かしてくれたのだ。
「おじ様」
胸元に手を当ててみゆきが言う。
「来年……来年もまた3人でお邪魔してもよろしいでしょうか?」
毎年同じ日、同じ時間に手を合わせたいとみゆきは付け足した。
かがみやつかさの都合も確かめずに。
そうじろうは何も答えなかった。
(………………?)
訝しげにつかさが首を傾げる。
感極まって言葉が出ないのかと思ったが、どうもそうではないらしい。
何か考えるように彼は目を伏せていたが、やがてパッと顔を上げ、
「あ、ああ……きみたちさえ良ければ……お願いしてもいいかな」
妙に歯切れの悪い答え方をした。
「はい。必ず伺います」
ほぼ同時に頭を下げたみゆきとかがみは、そうじろうの不自然さには気付いていないようだ。
つかさも慌ててお辞儀をしたが、やはり彼の様子が気にかかり上目遣いに見やった。
そうじろうはバツ悪そうに視線を逸らしている。
何かを隠していそうな表情だ。
が、もちろんつかさにはそれが何かは分からない。


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