09/01/27 21:14:20 QUIgm6F0
本日はここまでです。
熱に加えて腹痛と痢まで起こしてしまいましたが、もう少し頑張ります。
明日には最後まで投下できそうですが、容量を超えてしまいそうです。
いかがいたしましょうか。
598:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/27 23:14:04 Xo0xG7lX
>>597
乙!
588じゃないが俺もこなたが虐められて自殺する話は余り読まない。
虐め(・A・)イクナイ!!
続きの3人の葛藤?を楽しみにしてます。
>容量を超えてしまいそうです。
次スレ立てて誘導すれば良いのでは?
他の人の意見求む。
599:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/27 23:37:29 CKp2xJoU
>>598
乙!
俺も虐め系は苦手だな
ありきたりだしな
そういった意味でこの作品は俺的にすごい評価できます。
600:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/28 01:33:24 7rYsEJZa
スレキャパパンク宣告出てんだから、新しいスレッド建ててくるわ。
>>598
乙!
JEDIさんといえば、虐めのパイオニアってイメージあったが、
こういうほんわかと来る話もいいですね。
あと何気に、SFチックなところもw
601:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/28 01:36:57 7rYsEJZa
立ててきた。
スレリンク(anichara2板)
こっちが埋まり次第、次スレへ投下どぞー
602:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/28 04:12:44 WbzzPf8O
>>601
スレ立ておつあり
603:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/28 16:44:00 3S/F5aTG
乙
604:JEDI_tkms1984
09/01/28 21:13:47 lOWelDwo
皆さん、こんばんは。
狙ってそうするわけではないのですが、僕が投稿する時はいつもスレを跨ぎます。
スレを立てて下さった方に感謝するとともに、続きを投下させていただきます。
いっぱいになったら次スレへ。
>>598
>>599
いじめが僕の十八番というかそれしか書けないもので、内心ハラハラです。
今年は毛色の違うSSにも挑戦します。
>>600
パイオニアなど身に余りますよ。
そんな大層な者ではありませんゆえ。
605:閻しき貴女よ25
09/01/28 21:14:47 lOWelDwo
客室に戻ってきたかがみたちは、そうじろうが淹れなおしたお茶で喉の渇きを癒した。
「すみません、わざわざ……」
「俺こそ申し訳ないよ。せっかく来てくれたのにこれくらいしかできないんだから」
そうじろうが照れ隠しに頭を掻いた。
そのちょっとした仕草を横目で見ながら、かがみは安堵した。
来た時とは違い、今の彼には明るさがある。
こなたの手紙を受け取ったことで、失っていた精気を取り戻したのかもしれない。
良い兆候だ、とかがみは思った。
しかしどうしても気になることがある彼女は、それを訊くべきかどうか逡巡した。
答えを得たところで自分にはどうにもできない。
ただの興味本位でそうじろうの傷を抉るくらいなら、訊かないままのほうがいいのではないか。
「おじ様―」
ぐるぐると定まらない思考を続けていた時、不意にみゆきがそうじろうに声をかけた。
「あの、これは決して興味本位ではありません……もしお気に障るようでしたらどうか聞き流してください」
前置きとしてはどうかと思うが、さすがの彼女にも適切な言葉が見つからなかったらしい。
まさか、とかがみは思った。
この逆立ちしても敵わない聡明なお嬢様は、自分と同じ疑問を持っているのだろうか。
淑やかな彼女が、自分が口にすることを躊躇った問いを投げかけるのだろうか。
かがみが見守っていると、
「あの……小早川さんは…………?」
消え入りそうな声でみゆきが訊ねた。
かがみは冷や汗をかきながら、内心ではホッとしていた。
これは自分も訊きたかったことだ。
そうじろうの心傷を汲めばそう簡単には口にできない問いかけだが、その役目をみゆきが担ってくれた。
彼は永いこと押し黙った後、
「亡くなったよ―」
誰にともなく言った。
(やっぱり、ゆたかちゃんも……)
かがみはうな垂れた。
そうじろうが最後に見せた便箋。
天国や地獄という言葉が記されたあの手紙に―。
”私もお母さんもゆーちゃんも、ちゃんとお父さんのこと見てるからね”
という一文があったのをかがみもみゆきも見逃さなかった。
まさかという想いが2人の頭をよぎったが、文面通りに解釈すればゆたかの死に考え至る。
かがみはちらっとみゆきを見やった。
質問した本人はそうじろう以上に塞ぎ込んでいるようだった。
(みゆきも知らなかったってことよね?)
小さな疑問が湧く。
ゆたかとみなみは親しかったし、みなみとみゆきも近しい間柄にあった。
ゆたかの死はみなみを通してみゆきには伝わらなかったのだろうか。
「あの娘も体が丈夫なほうではなかったからな。まさかとは思っていたが……」
重苦しい沈黙を破りたくてそうじろうが呟いたが、その内容は沈黙よりもさらに陰鬱だった。
「肺炎だったんだ。熱を出すのはよくある事だったし、いつもは薬を飲めばすぐに治まってたんだ。
でも、あの時だけはそうじゃなかった。熱は下がらないし、呼吸も荒かった…………」
情景を思い出したのか彼は声を詰まらせた。
「慌てて救急車を呼んだが……遅かったよ……。ゆーちゃんは……あの娘はな…………!」
そうじろうの震えは悲しみによるものというより、行き場のない憎悪を内包しているようだった。
「どこも診てくれなかったんだ。どこも満床だといって断られた…………。
1時間ほどしてようやく受け入れ先が見つかったが―その時にはもう…………」
一度は涸れた涙がまた滂沱として流れる。
残酷なゆたかの最期に、つかさは顔を手で覆った。
みゆきは問うた事を悔いた。
606:閻しき貴女よ26
09/01/28 21:15:47 lOWelDwo
かがみはその時の様子を思い浮かべて落涙した。
こなたと違い、ゆたかの死は彼女自身の意思ではない。
もっと生きたいと願っていたハズだ。
(ううん、こなただって…………)
こなたにしても同じだ。
結果的に自ら命を絶ってしまったが、それも重い病に罹っていたからだ。
誰もが生を求めているのに、誰にもどうにもできない病気の所為でそれが叶わない。
そこまで考えたかがみは、自分が今こうして生きていることにしてもし足りない感謝をした。
こなたやゆたかのお陰で生の尊さがやっと分かった気がした。
「どうしてみんな―」
そうじろうが中空に向かって呟いた。
放心したような彼を見て、つかさはこの場から逃げ出したくなった。
自分だけが親元でぬくぬくと育ってきたという負い目があった。
かがみやみゆきのようにたったひとり、遠地で勉学に励んだわけではない。
それにどちらかといえば体が丈夫な彼女は、これまでも大きな病に罹ったことはない。
結局、こなたやゆたかのつらさは自分には分からないのだ。
分かりたくても想像の域を出ず、分かろうとすればするほど却って2人に失礼ではないか。
(戻りたいよ…………!!)
4年前に戻りたいという、無駄な願いをつかさした。
神がいるならそうして欲しいと祈った。
祈りは通じなかった。
それどころか神は何の罪もない2人の少女の命を奪ったのだ。
「どうして……どうしてみんな…………」
つかさが声を上げずに慟哭する。
その姿が痛々しく、かがみはそっとつかさを抱いた。
「すまなかった。大したもてなしもできなくて」
そうじろうが余所を向いて言った。
「お気になさらないでください。私たちが勝手にお邪魔したものですから」
意外なことに、こう答えたのはかがみだった。
たった数十分のうちに彼女は自分でも驚くほど大人としての振る舞いを身につけていた。
「今日はありがとう。きみたちのおかげでこなたたちに逢えた。本当に感謝してるよ」
彼はもう聞き飽きるくらい同じことを繰り返し言った。
この言葉に偽りはない。
かがみたちがこなたやかなたと引き合わせてくれたのだ。
彼の中で止まっていた時間を再び動かしてくれたのだ。
「おじ様」
胸元に手を当ててみゆきが言う。
「来年……来年もまた3人でお邪魔してもよろしいでしょうか?」
毎年同じ日、同じ時間に手を合わせたいとみゆきは付け足した。
かがみやつかさの都合も確かめずに。
そうじろうは何も答えなかった。
(………………?)
訝しげにつかさが首を傾げる。
感極まって言葉が出ないのかと思ったが、どうもそうではないらしい。
何か考えるように彼は目を伏せていたが、やがてパッと顔を上げ、
「あ、ああ……きみたちさえ良ければ……お願いしてもいいかな」
妙に歯切れの悪い答え方をした。
「はい。必ず伺います」
ほぼ同時に頭を下げたみゆきとかがみは、そうじろうの不自然さには気付いていないようだ。
つかさも慌ててお辞儀をしたが、やはり彼の様子が気にかかり上目遣いに見やった。
そうじろうはバツ悪そうに視線を逸らしている。
何かを隠していそうな表情だ。
が、もちろんつかさにはそれが何かは分からない。