「泉こなたを自殺させる方法」を考える28at ANICHARA2
「泉こなたを自殺させる方法」を考える28 - 暇つぶし2ch200:グレゴリー
08/12/12 18:32:17 RdrFZwF4
>>199
ありがとうございました。補完はわたくしがいたしました故。
>>194
自己愛ゆえの自殺というのもおもしろいですね。
ゲーテは、作品を書くことによってそれを昇華させましたが、
影響を受けて自殺していった追従者たちはおそらく、自己愛ゆえだと
思います。
私のようにすでにいろんなものをあきらめている人間にとって
は自殺するほどの価値すら自らに見出せないで惰性で生きているような
ものです。生物的な本能とでも申しましょう。


201:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/13 01:58:24 8gJrynAK
若きウェルテルのオマージュ作品がまだ無いことの方が、驚きだな。
邯鄲の夢やらはあるのに。つーか何気に教養深い神奈川氏に敬礼(召還の呪文ですw)。

202:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/14 00:46:56 IiCc/VuO
>>200
生物的な本能に、俺達は生かされているんですね。
ああでも、死への恐怖という本能を突き破った人間は、やっぱり美しいな。

203:グレゴリー
08/12/15 11:14:27 OqBHqwZM
自殺は理性の成せる技だと思いますよ。誰もが持つことのできる選択肢でありながら、実行し難く、世間ではタブーと見なされる。
だが、性欲食欲睡眠欲につながる本能的な行動よりはるかに理性的なのだ!


204:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/15 14:48:26 GKhWK0XS
>>200
>私のようにすでにいろんなものをあきらめている人間にとって
>は自殺するほどの価値すら自らに見出せない
寂しい事言うなよ
貴方には秋葉原で拳銃自殺という素晴らしい夢があるじゃないか

205:グレゴリー
08/12/15 14:49:15 OqBHqwZM
にしても過疎化杉にもほどがあるだろw
来るタイミングが遅すぎたか...orz

206:グレゴリー
08/12/15 15:03:58 OqBHqwZM
>>205
まあね。だが、私が見苦しい死に様を見せつけるほどの価値のある人間が果たしてどれくらい居るのだ

207:グレゴリー
08/12/15 17:44:20 8GKanfsP
とりあえず、このスレをDAT落ちさせることだけは避けたい。
なぜなら、クリスマスまでに君たちにプレゼントしたいssの
構想があるからだ。
クリスマスを1人で過ごすことが誇らしくなる作品だ。
だから、せめて、せめてそれまでは存続してほしいw

208:デフォ北
08/12/15 17:49:24 CFVz1mhN
自分も一応ss構想中ですが
クリスマス後になると思います

209:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/15 20:02:31 b68emcIX
過疎ってないよ
みんな寒くてなかなか書き込めないだけだよ

210:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/15 22:44:37 nSHLZXxb
URLリンク(uproda.2ch-library.com)

211:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/15 22:55:27 m+z6BHGd
グレコリー氏の楽しいお泊まりはなんか違うくね?
wikiに注意書きしておくべきじゃ。

212:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/15 22:57:39 k0Wvy4Wf
>>210
妙な凄味があるなぁ

213:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/15 22:58:27 OvEhA23S
んな細かいこと

214:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/15 22:59:27 OvEhA23S
>>213>>211へね

215:JEDI_tkms1984
08/12/15 23:16:38 8Ou2Cwdr
 僕はただ御両名のSSを待つだけです。


216:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/16 00:53:09 iVDge3nT
>>210
怖っ。
やっぱり凄いや。
>>211
死ぬと分かっていて、そうじろうとの交わりを続けた。
これ、自殺として扱ってもいいと思うんだけど。

217:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/16 11:08:24 jlY7NX67
18禁って事かな?

218:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/16 19:02:35 zzjG3aXr
結構前に「こなたの恐怖 」のハッピーエンドじゃない展開みたいという
声が出てた時に、書いてみたけどイマイチで投下しなかった物がフォルダ整理してたら見つかったw

せっかくだから投下しても大丈夫かな…?

219:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/16 19:13:49 irmt70HJ
>>218
ぜひしてくださいー

220:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/16 19:49:23 zzjG3aXr
それではせっかくだから投下w

大事な事を言い忘れてたけど自分はこなたの恐怖の作者じゃないです。
別の人が続きを書く事がここでは結構あるみたいですがそういうのが苦手な方
&こなた以外を含めて後味かなり悪いのでそういうのも嫌いな方はスルー推奨です。

こなたの恐怖
URLリンク(www34.atwiki.jp)
のパラレル後日談

多分7レス位

221:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/16 19:49:44 zzjG3aXr
「もう来るんじゃないぞ」

久しぶりに私服に袖を通し少年院の門をくぐる俺に、見送りの刑務官がそう声を掛ける。
そう、今日は待ち望んでいた出所の日だ。

1年数ヶ月前のあの時。
元クラスメイトの高良みゆきに弱みを握られ、泉こなたへのイジメをさせられてた俺は
同じ境遇の仲間達と友に、高良みゆきとグルになってた柊つかさを拉致って
根源である柊かがみを呼び出した。

だがそこをいつの間にか和解していた泉こなたによって撃退され
俺たちは全員誘拐、傷害等の罪によって警察のお世話になるハメになってしまった。


あの事件から1年と数ヶ月。
執行猶予は付かなかったものの未成年だった事もあり俺は比較的早く出所できたものの
泉こなたにナイフで切りかかり殺人未遂に問われた友人の出所はまだあと何年も先だ。


……ふと視界を下げ今着ている私服……つまり泉こなたに撃退され警察に逮捕された時の服を見下ろすと
当時の憤りが鮮明に蘇ってくる。

本来なら卒業を目前に控えていただろうに、あの事件のせいで学校は退学になり
高卒の資格を取りたいのならどこかで前科持ちの過去をひたかくしにしながらまた1年生からやり直さなければならない。
そしてそれは仮に卒業できた後も一生続く。

……正直、発端は高良みゆき、柊かがみに指示されたせいだけど自身もイジメを楽しんでた感は否定できない。
そして脅されてた仕返しだったとはいえこちらもやりすぎたとは思っている。

だけどあいつらは……
俺達がこんな人生を送る発端を作ったあいつらは……
散々脅迫したあげく最後は一方的に被害者ずらしていたあいつらは……
一切の罪に問われず4人揃って何事も無かったようにのうのうと学校生活を満喫しているそうだ。

………あいつらが……憎い! 散々脅迫したあげく俺たちだけを悪者扱いしたあいつらが……!

それから数日語、俺は既に釈放されてた他の仲間の内の1人と合流した。

222:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/16 19:50:09 zzjG3aXr
『こなた、つかさが帰って来ないんだけどそっちに行ってない?』

陸桜大学への進学が既に決まり卒業式を目前に控えたある日の事。
受験勉強が終わり再開したアルバイトから帰宅したこなたの元に
少し慌てた様子のかがみが電話を掛けてきた。

「いやぁ こっちには来てないけど……つかさまだ帰ってきてないの?」
『そうなのよ。全く、どこをほっつき歩いてるんだか……。携帯に掛けても全く出ないし』
「うーん 時間が時間だけにちょっと心配だねー 私からも掛けて見るよ」
『そうしてもらえると助かるわ。もし繋がったらお父さんがカンカンに怒ってるって伝えといて』
「りょうか~い」

一旦電話を切ったこなたは改めてアドレス帳からつかさの番号をクリックするものの
呼び出し音だけが空しく何度も繰り返されるだけだった。
「うーん 私から掛けても出ないか……ちょっと心配になってきたよ」

こうやってつかさの身を案じるこなただったが
1年ちょっと前にはそのつかさやかがみ、そしてみゆきから酷いイジメを受けていた時期があった。

自分の過剰なKY(空気の読めなさ)でかがみを怒らせたのが原因で
かがみに影響されつかさとみゆきもそれに加わり、しまいにはみゆきの指示により
それに逆らえない10人近くのクラスメイトにまで暴行を受けていた。
だけどそれはもう昔の事。

暴走したクラスメイトを目の当りにした3人は元に戻ってくれ
勢いで他の連中を一網打尽にした今となってはそれを責める気はさらさ無い。


~~♪
過去の事を思い返してるうちに数分経ってる事に気づいたこなたは再びつかさにかけてみようかとした時、
ちょうど着信音が流れディスプレイに「みゆきさん」と表示される。
「みゆきさんの所にもつかさの件で連絡がいったのかな? ……(ピッ)もしも~し」

本人がつかさの行き先を知らないか聞くために掛けてきたんだろうと思いながら電話に出るこなた。
だがそこから聞こえてきたものは予想だにもしない物だった。

『……泉だな?』
「……誰?」





223:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/16 19:50:42 zzjG3aXr



「妹の柊つかさの身が心配なら泉こなたと二人で指定した場所に来いよ」
『あんた達っ! 今更一体何の用なのよっ! つかさは無事なんでしょうね!?』
「さーな。 警察にチクったら無事では済まない事だけは確かだけどな」

夜も大分更けてきた郊外の工事現場。
みゆきとつかさはあの時のメンバーのうちの2人に再び拉致されてそこにいた。
だがあの時とは決定的に違う事がある。


「お、お願い……もう……許して……」
「知るかよ!」
バコッ!
十分勢いを付けてフルスイングしたバットがつかさの顔面に直撃し折れた歯が散乱すると、
つかさ鼻と口から帯ただしい量の血が流れ出る。
「ヒッ! ヒフゥ!」
言葉にならない悲鳴を上げて何とか逃げようと這いずるがそれでも攻撃をやめない。


「や、止めてくださいっ」
自身もボロボロになりながらも止めに入ろうとしているみゆきにも同様にお見舞いし
メガネのレンズが砕け散る。
「ぎゃああっ!」



「……泉と柊かがみへの連絡は済んだ。、だけど一応クギを刺して置いたけど通報される可能性もあるかもな……」
「まあ、どの道こんな事をしてる時点で俺たちはまた警察行きだって。だからその分しっかり痛ぶってあげないと……な!」

バキッ!!
「ギャアアア!!」
「お前らが……お前らが俺たちを脅迫したせいで俺たちは……あいつは……」
「どうせ俺たちの人生はもうおしまいだ! だからその原因のお前らにもしっかり償って貰うぜ!」
ボゴッ!!


自分達がこうなったのは全て4人のせいと言わんばかりに恨みを込めた攻撃を容赦なく繰り返す2人。
他人から見れば行き過ぎた逆恨みにすぎないものの、当人達にとっては罪を償わせるのを兼ねた正当な報復処置に過ぎず
実際はどうであろうとその思い込みが一切の手加減を無くすのだった。




224:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/16 19:51:07 zzjG3aXr



「つ、つか……さ」
「み、みゆき……さん……?」

電話で呼び出され共にやってきたこなたとかがみが見たものは信じられない光景だった。

二人で囚われているつかさとみゆきの所に乗り込むという所までは1年数ヶ月前のあの時と同じだが
あの時とは決定的に違う部分があった。

あの時の二人は拘束されてはいたものの、まだ露骨な暴行を受けていなかったのに対し
今目の前にいるつかさの首はありえない方に曲がって息をしておらず
みゆきはかろうじて息はあるものの目の周辺からおびただしい量の血が流れ落ちている。

一度犯罪を犯し逮捕され、警察のお世話になるという未知の体験をし
『犯罪を犯すこと・逮捕される事に慣れてしまった』故のいきすぎた犯行だった。

「あんた達……つかさとみゆきに一体何をしたのよ……」
「見ての通りの事だけど?」
震える声で問いかけて来るかがみの質問に悪びれた様子もなくそう答える男達。
「今更もう終った事の復讐でもしたつもり……? そんな事してどうするのさっ!
 つかさもみゆきさんもせっかく心を入れ替えてがんばってたのに!」

「うっせーな! 勝手に自分達だけ被害者になって勝手にもう終った事にしてんじゃねーよ!
 お前らのせいで少年院行きになったのに、お前らは知らん振りしてぬくぬく過ごしやがって!」
「こいつらは散々俺たちを脅迫してたのに罪を償おうともしなかったから俺たちが償わせてやったのさ!」

「だからってこんな事していいと思ってるの!?」
「うっせー! そもそもこいつらが俺たちを脅迫しだしたのもお前達が原因だろう!?
 諸悪の根源が何偽善者ぶっていやがるんだ!」

225:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/16 19:51:31 zzjG3aXr
「うわぁああああ!!」
全く悪びれた様子のない男達に我慢出来なくなり、構えながら男達に突進していくこなた。
相手のうちの一人がそれに反応して、自身も体勢を低くして体ごと突撃して来るものの
更に体勢を低くしたこなたはそれを避けつつすれ違いざまに腹に一撃を入れる。
「グッ」
深刻なダメージを受けてる男だったが積年の恨みを思うとこの程度で倒れてはいられない。
一旦距離を取ろうとするこなたの髪を必死に掴みあげ動きを封じ
その頭にもう一人のバットが命中する。

「あぐっ」
「こなた!」
直撃を喰らいあえなく地面に倒れるこなたに2人で一斉に攻撃を加えられる。
ドガッ バキッ!

「あ、あんた達! 自分達が何してるのか分かってるの!? 止めなさいよ!」
「お前らだって十分酷い事してたじゃねーかよ」
「か…かがみ、来ちゃダメ……!」
「心配しなくても次はお前の番だよ」


致命傷とまではいかないもののこなたを十分に袋叩きにした男2人は
最後にかがみに狙いをつけようとした、その時……

「うわあああああ!」
残された力を振り絞って立ち上がったこなたは近くにあったつるはしを掴むと
男の後頭部に全力で振り下ろした。

ガスッ!
「ぐがっ!?」
後頭部が陥没し口から血を吐き奇妙な声を上げながら崩れ落ちる男。
「て、てめぇ! ぐふっ!?」
突然の事に呆気に取られてたもう片方の相手にもすかさず追撃し倒れた所を何度も何度も手に持った凶器で打ち据える。
「私たちが一方的に被害者ずらしてるって言うのなら今のあんた達だってそうじゃないのさっ!」
ガスッ! ドスッ!
「や、やめ、悪かっ……ぐほっ!」
「いくら巻き込まれたからってつかさとみゆきさんをあんな目に合わせてまだ被害者ずらするなんて…!」
「こなた! ダメ! こいつ死んじゃうよぉ!」
「あんた達が私達を許せないように、私もこんな事したあんた達が許せないんだよ!!」
ガスンッ!!
「ぐぽぉおお!」
つるはしをより一層大きく振り上げたこなたはそう言いながら最後の一激を振り下ろし……そして男は絶命した。



226:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/16 19:52:26 zzjG3aXr


「こなた……」
「あはは……私こいつらと同じ犯罪者になっちゃったよ……」
「………」
救急車を呼んだ後、冷静さが戻ってきて頭を抱えてるこなたを前に掛ける言葉が見つからず
途方にくれるかがみ。

「……何でつかさ達がこんな目に会わないといけなかったんだろうね……」
「……あの時みゆき達がこいつらを脅迫しなかったらこんな事には……」
「……そもそもかがみがみゆきさん達にけしかけたんじゃないのさ!
 大体あの時かがみが私をイジメなければこんな事には……っ」
「あ、あんたが空気読めなさ過ぎなのも一因でしょうが! それまで散々ウザいことしておいて!」
一旦頭は冷えたものの惨劇に巻き込まれてしまった故の混乱は拭いきれず不毛な口論を始めてしまう二人。


……確かにこの元クラスメイト達の行動はともかくとして、言う事には一理あった。
一番の被害者のこなたが許したからと、イジメに参加する様にけしかけて
巻き込ませてしまったクラスメイトらへの償いは一切せずむしろ加害者扱い。
そしてその事件の事は極力触れない用にタブーにして仲良しゴッコ。
……所詮何か切欠があれば全て崩壊する、危うい友情しか結び直す事が出来なかったのだ。


そうこうしているうちにサイレンの音が近づいてくる。
音から察するにどうやら救急車と一緒に警察も来ている様だ。

「……かがみ……結局私たちの友情は去年のあの時に終ってしまってたのかな……」
口論が一旦収まり、工事現場の中をゆっくりと歩き回りながらそう言うこなた。
「そ、そんな事は…… !? こなた!? 何をする気!?」
いつの間にかこなたの手には工事で使っているのであろう刃物が握られていた。
「私ね、本当はあの時死ぬつもりだったんだよ。かがみ達が友達に戻ってくれたから生きる希望が持てたんだけど
 それが信じられなくなったあげくに殺人者になってしまった以上生きる気になれないよ……」
「こなた! バカな事は止めてちゃんと償いなさいよっ!」

「キミ! 何やってるんだ!」
「さよなら、かがみ……みんな……」
「やめてええええーー!」

ザシュッ!!

救助隊と警察が現場に駆け込んで来ると同時にこなたは自分の首筋に刃を突き立てた。




227:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/16 19:52:53 zzjG3aXr
――――――


あれから私以外の、あの場にいた5人全員は病院へと運ばれたものの
元クラスメイトの2人は既に死亡……そしてつかさも既に息を引き取った後で
こなたも数時間後に死亡した。
みゆきは幸い命に別状は無かったものの障害が残ったらしく病院に入院したっきりだ。

私はというと5人が死傷したこの事件の事情を唯一聞ける人物として警察から事情聴取をされる毎日で
去年の事件の経緯に至るまで改めて全て話す事になり、マスコミは私達の落ち度も含めたそれを大々的に報道した。

去年私がこなたを階段から突き落としたりしてた事も誰かが話したらしく明るみになり
今回の事件の被疑者は全員死亡してる分、その人らに集るはずだった批判も私に集まった。

ただでさえつかさを失って沈んでいた私の家族は、かつて私達がこなたへのイジメに加担してた事に
かなりショックを受け、家での私の居場所もほとんど失ってしまった。
とうぜん頑張って合格した大学への進学どころではなくなり、世間体の影響が強く出やすい神社の見通しもかなり
危なくなってるらしい。

……こなたは許してくれてはいたものの、実際は私達の罪は消えてなく、また償いきれていなかったという事なのだろうか……

ならばどう仲直りしようとも、最初に私がこなたへのイジメを初めた時点で
もうこんな運命が私達に待ち受けてた事が確定してたのだろうか……
それとも1年数ヶ月前のあの時、最後はつかさ達を誘拐するという愚行を犯したとはいえ
あのクラスメイトらを、本人達が行ってた様にもっと私達がやった事の被害者として見るべきだったのだろうか……

……いずれにせよ今の私に罪があるというのなら償うべきなのだろう。
それがあの世へと旅だった、一番の被害者であるこなたや巻き込んでしまったみんなへの弔いになると信じたい。

その時、玄関のチャイムがなり下から慌しくなる。
こなたの父であるそうじろうさんが愛娘を失った怒りと悲しみから、被害届を出す方向で考えてるという話を耳にした時点で
予想はしてた。
覚悟を決めていた私は呼ばれるままに玄関へ降りていった。

「柊かがみさん 昨年された、泉こなたさんへの傷害容疑で逮捕します」


おわり

228:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/16 19:56:20 zzjG3aXr
以上です。

そういえばタイトルとか全く決まってなかったw

えっと・・・「過去の清算」 …?

229:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/16 21:18:19 RXXkHv8E
乙でした。
やっぱかがみ逮捕は良い

230:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/17 01:28:49 QFnBhdgn
>>207
すげー期待。wktkが止まらない。
期待に高鳴る胸の鼓動も止まらない。いや、止まったら困るけど。
困らねーか。早く止まれ。

231:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/17 13:59:24 s/LFi+OL
救い皆無…
鬱だ…

232:JEDI_tkms1984
08/12/17 21:50:36 SCzaBkhF
>>228

 閉塞感がいいですね。
この場合、つかさやみゆきはそれぞれに悲惨な結末を迎えましたが、生きて苦痛をその身に味わう
かがみに比べればその方が幸せなのかもしれません。


233:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/18 02:35:43 sXmLpgIx
>>228
かがみ…

234:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/18 18:36:49 TEJPgjjF
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235:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/18 18:54:36 TEJPgjjF
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236:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/18 20:24:22 QJUHhMHV
>>217
言われてみれば18禁だわw
コミカルなノリで気にしてなかった

237:グレゴリー
08/12/18 22:43:49 3WeVDLgO
ちょっとクリスマスまでには早かったけど。
自殺スレの寂しい男たちにクリスマスプレゼントです。

なお、クリスマスを1人で過ごさない方は、暇つぶしにでも見てください。
かなり病的な作品ですけど苦情、お問い合わせは受け付けておりますw

238:女たちの陰謀1
08/12/18 22:47:31 3WeVDLgO
黒井ななこは教室に残った女子生徒全員を前に声を張り上げた。

「よっしゃー。男子は皆、帰ったな。ええか!今から先生が話すことはひじょーに重要なことなので
 一字一句、聞き漏らさんようにな」

ななこの言葉に、B組の女子生徒全員はいやおうなく聞き耳を立てた。


「今から話すことはな。おそらく人類の歴史が始まって以来、ずっと、ずーーーっと、女性だけの
 秘密として守られてきたことなんや。
 日本に限って言うと、戦前は、母から娘に直接に伝授されてきたんやけども、戦後の教育改革うんぬんで
 今は学校で教えとる」


女子生徒たちは息を潜めて聞いている。一体何がはじまるというのだ?
黒井ななこは一息つくと、無言で生徒たちを眺め回した。
含み笑いのような笑みを浮かべてはいるものの、その目は今まで見たこともないほどマジだった。


「今から教えることはな。歴史上、いかにして女性は男性を吸い尽くし、支配し、寄生してきたかということや!!!」

ななこの言葉に女子生徒たちはびっくりしてざわつきはじめた。
これは何かの冗談なのか?ななこに一体何があったというのだ?
だが、黒井ななこは黒板を思いっきりぶったたいた。

ドーーーン!!!という強烈な音に女子生徒たちはとたんに静まり返る。ななこはマジだった。

「静かにせいよ。お前ら、これは命に関わることやで。この秘密を漏らしたらな、ほんまに消されるんやで」

「思春期の少女に謎の自殺が多い理由をしっとるか?大半はな、地球人口の半分を占める女性を敵に回したからなんや。
 秘密を漏らそうという愚行を犯してな」

やがて、黒井ななこは、人類の半数の者が残りの半数の者を利用し、支配し、搾取し、ボロボロにしていくという
歴史上、延々と続いてきた恐るべき所業の秘密を話し始めた。


学校からの帰り道、いつもの4人は一言もしゃべることなく、うつむいたままトボトボと歩いていた。
話すべきことは一言もなかった。あの後では....

やがて、泉こなたは1人になると、やはりうつむいたままだった。....これから、どうすればいい.....


食卓を5人の女が囲む。父親は風邪をこじらせて入院してしまった。一言も話さないつかさとかがみを
姉たちと母親は心配そうに見ている。4人の娘の母であるみきは、年長のまつりといのりのほうに視線を配る。
二人は了解したという風な視線を返してくる。そして、みきは口を開いた。


239:女たちの陰謀2
08/12/18 22:48:34 3WeVDLgO
「かがみ、つかさ。ついに今日、黒井先生から秘密を明かされたのね」

双子は同時に顔を上げた。

「分かってるわね。この秘密は絶対に男性に明かしてはダメよ。命に関わることなんだからね」

かがみは溜まり溜まっていたものを吐き出した。

「お母さん!お姉ちゃん!なんで平気なの?意味がわかんないわよ。だったら、お父さんって一体なんなのよ」

かがみの隣でつかさが目に涙を浮かべている。かまわない。ショックは吐き出したほうがよっぽどいい。
みきは冷静だった。いのりとまつりの時も乗り越えてきているのだ。

「あの男はね。私たちに楽な生活と金を与えてくれる。私たちの代わりに働いてくれる。あなたたちも、同じことが
 できるようになるし、しなければならないのよ。周りを見てみなさい。ボロボロにこき使われるサラリーマン。
 必死に稼いだ金を惜しみなく女性に捧げる奴隷男」

母は父を「あの男」呼ばわりした。娘たちの目の前で...

「かがみ、つかさ、そういう男たちみたいになりたい?あなたたちには女性に生まれるという幸運を与えたつもりよ」

みきはぴしゃりと言った。

「これからは黒井先生とお母さんの指導の元、女性が人類の長い歴史で築きあげてきたその技を完璧に受け継ぎなさい」

丁度同じ頃、みゆきも母から同じようなことを聞かされていた。。


だが、こなたには家庭でサポートしてくれる母親が欠けていた。それが他の3人と違うところだった。
こなたは目の前で無邪気に食事に没頭している父の顔を見つめた。

父は知るまい...この世界は、史上最古にして最大の秘密結社によって支配されている。
”女性”という名の、その秘密結社が、男たちをいかに扱ってきたか。

世論が導いてきた「男のあるべき姿」、つまり、男はなんの疑問ももつことなく、女たちに尽くし、身を削って働き、
その機嫌をとるために願いをなんでも聞いてあげ、高価なプレゼントを買い、そうすればするほど、立派な男として
評価される。つまり、それは「女の幸せ」という呪文であり、それを叶えるために男は存在するのだ。

男が何の疑問も持たず、当然だと受け入れているそれは、すべて”女性”という名の史上最古で最大の秘密結社に
よる洗脳だったのだ。

こなたは父にすべてをぶちまけたかった。無邪気な顔の父が憎かった。
だが、黒井先生は言った。

....「ええか、思春期の少女がいきなりふさぎこむようになり、謎の自殺を遂げることがあるやろ。
 だがな、それは思春期の悩みとして大概は処理されるんや。秘密を守るためにな。忘れるなよ」

黒井先生は何度も念を押した。秘密を男性に漏らすものは、結社の手によって抹殺される....

食後、こなたは力なく、自室の机の椅子に座った。何気なくパソコンのスイッチを入れて、
インターネットを起動させる。

トップページを飾るのは、女性向けのスイーツやブランドもののハンドバッグ、アクセサリーなどの広告。
画面には、イケメンの男性が、それらを女性にプレゼントし、その女性が喜んでいる姿が映っている。

240:女たちの陰謀3
08/12/18 22:49:39 3WeVDLgO
”彼女に喜ばれる””今年のクリスマスはこれで決まり””男のポイントがぐんとアップだね”

どこを探しても、女性が高価なプレゼントを当然のように男性に捧げる図柄は見つからなかった。

泉こなたの中には、「男性のほうが自分に何でもしてくれて当然だ」という考えはなかった。
だが、同級生の子の中には、確かにそういう考えを持っているものが多数いる。
なんでだろう?多分、早くに母親をなくし、父の手ひとつで育てられ、早くからネットなどで男性中心のオタク文化に
染まってきたからだろう。同年代のそういう女子よりも、オタク男の気持ちのほうが良く分かるような気がしていた。

ふと、こなたはネトゲ仲間のある男のことを思い出し、ネトゲを起動させるとログインした。

彼は自らをグレゴリーと名乗っていた。プロフィールで自分の顔を晒していたが、ひどい顔だった。
自称、都内の専門学校生(美容師)だったが、どこからどうみても、三十路近いおっさん。
その風体は、美容師を目指す青年ではなく、九州あたりの低所得の肉体労働者であることがバレバレだった。
そして、グレゴリーは最近、その長い人生の中で初めて彼女が出来たとかなんとか言っていたような気がする。

ゲームの中の街中を歩いていると、グレゴリーを見つけた。
こなたは彼に話しかけてみる。

「やあ、コナコナ。俺は最近、リア充で忙しいけど、久しぶりに来てやったぜ!」

グレゴリーは聞かれもしないのに、自分のリア充ぶりを得意げに話す。
クリスマスプレゼントのことで頭を悩ませているグレゴリー
彼女のわがままをツンデレだと言うグレゴリー
自分は幸せだというグレゴリー

だが、こなたは分かっていた。そのからくりを。
こなたはグレゴリーの話に食いつくフリをしながら、巧妙に真実を暴き出す。

どうやら、最初はグレゴリーのプレゼントを喜んでいた彼女だが、だんだんとそれが当たり前のような
態度になり、しまいには高額なプレゼントを脅迫まがいに要求するようになってきたらしい。

黒井先生が言っていた、恋愛市場の最低ヒラエルキー、通称 「カモ」 と呼ばれる存在。

女性にとってひたすら搾取する対象でしかなく、搾り取るだけ搾り取った後、「カモ」はボロ雑巾のように捨てられる。
グレゴリーの彼女は、まさに教科書どおりのことを実行していた。

恋愛市場という、秘密結社”女性”がつくりあげた巧妙な男性搾取システム。その最下層にいるグレゴリーを
こなたは心から救いたいと思った。

「ねえ、グレゴリー、グレゴリーは本当に、今の彼女が自分を好きだと思ってる?」

こなたの放った一言に、グレゴリーはしばらく無言だった。
おそらく、モニターの向こうで、九州の惨めな男は唐突の一言にあわてふためいているのだろう。

「な、なにを言うんだ?」 返ってきたのはおおよそ飾り気のない単純なものだった。

「グレゴリーが彼女からねだられたものをもしも、買ってあげないとしてだよ。その場合、彼女はグレゴリーに
 ついてくるの?言われてるんでしょ、買ってくれないと別れるって!それって、グレゴリーのことを単なる財布だと
 思ってるからじゃない?」

「そ、そんらことない」

こなたは心が痛んだ。グレゴリーは今、苦しんでいるのだろう。こなたのことをひどい女だと思っているのだろう。
だが、誰かが言ってあげないと、気分が浮ついている自分では気がつかないものなのだ。
これはこなたなりの贖罪だった。今まで漠然と気がついていたことが、今日、確実に計画されたものだと気がついた。
こなたはトドメの一言を放った。


241:女たちの陰謀4
08/12/18 22:51:07 3WeVDLgO
「ねえ、彼女とはキスまで行った?」

グレゴリーの沈黙は長かった。あまりにも...そして

「いや、指一本触れさせてくれない」

と言い残し、グレゴリーは再び長い沈黙に陥った。
と、突然、会話に割り込んできたものがいた。

!!!!黒井先生!!!!!

こなたはハッと気がついた。そういえば黒井先生もネトゲ仲間でグレゴリーと知り合いだった!

「おう、お前らどないしたんや!ウチも話に混ぜたらんかい!」

うかつだった!こなたは自分のうかつさを呪った。
グレゴリーはこなたに言われたことを黒井に説明する。黒井のこなたに対する殺気がモニター越しに伝わってきそうだった。

「おまえなあ、もうちっと彼女を信用したれよ!そんなことでウジウジするなんて、そんな情けない男だから
 彼女も怒ってるんとちゃうか?」


黒井先生は”男としての在り方”という呪文をグレゴリーに唱え、そしてグレゴリーを思考停止状態にする。
こなたは改めて感じた。自分が敵対しているものは、地球人口の半分を擁する、史上最古で最大の秘密結社
”女性”であるということを。


翌日、学校に集まった女子生徒たちの様子は様々だった。割と平気そうな顔をしているもの、少し落ち込んでいるもの。
だが、特にB組に集まった4人は深刻だった。

つかさとかがみ、みゆきは昨日の食卓で、母親からしっかりと教育を受けていた。
この3人の目にともるのは、もはやあきらめのようなものだった。しかし、こなたは違った。
その目には恐怖が灯っていた。4人は、まるで一応の礼儀のように、おざなりな会話を続けている。

「そういえば、音楽の教科書を忘れたんだけど...」

つかさの言葉に、かがみが力なく応える。

「ほら、貸してあげるよ。よかったわね。私のクラスも偶然、今日、音楽の授業だったんだ..」

「音楽と言えば、今、ショパンのピアノ曲を習っているのですが、そのワルツは愛の...」

みゆきは途中で言葉に詰まった。....愛って一体なんなんだろう?

ふと、黒井先生が4人に向かって歩いてきた。こなたは顔を上げると、ピクンと体を震わせた。
黒井先生は4人の目の前まで来ると、ぶっきらぼうに言った。

「泉、ちょっと、職員室まで来い」

そして去っていった。無言で立ち上がるこなたの姿を、かがみとつかさ、みゆきは心配そうに見守っていた。

242:女たちの陰謀5
08/12/18 22:52:10 3WeVDLgO
職員室に来たこなたは、さらに別室の「進路指導室」に連れて行かれた。
この個室は生徒のプライバシーを守るためか、防音に優れ、また、その狭い部屋にこなたは圧迫感を感じた。

「さてと、お前、ワシをなめとんちゃうか?」

黒井ななこは目の前にしょんぼり座るこなたを見下ろしている。

「言うたやろがい、秘密を漏らしたらどうなるか」

ななこは懐からナイフを取り出した。ビビッて身動きひとつ出来ないこなたの頬に、ナイフの刃を当てる。

「教えてやるわ。ウチはな、表向きは私立高校の教師やけどな。実は結社の中で役目いうんを持っててなあ」

ナイフの刃をゆっくりと動かして、ななこはこなたの頬をナイフでなでる。

「ウチの役目いうんは、処刑人や」

こなたは恐怖のまなざしでななこを見つめた。ななこは片足をそっと持ち上げると、こなたの前の机に置く。
なまめかしい太ももがあらわになり、そして、ななこは上半身を倒し、顔をこなたの直前まで持って来る。
ななこの息がこなたの顔にかかる。

だが、こなたは勇気を振り絞って初めて口を開いた。

「先生、先生が初めてこの話を聞いたとき、どう思いました?」

ななこは上半身を起こし、片足を戻すと、こなたに背を向けた。

「ええな。次はお前は自殺として処理される。結社の力をもってすれば容易なことや」

それだけ言うと、ななこは去っていった。
しばらく経ってこなたは進路指導室を出て行った。


埼玉県にある小さな会社の所有する小さな工場。
そこが、人類の歴史を塗り替えるほどの大発明をしたとは信じがたいだろう。
工場内にずっしりと並ぶそれは「ダッチワイフ」だった。


かつて人類が手にしたものとは比べ物にならないほどの高性能で完璧なダッチワイフだった。
使命に燃えた技術者と社長のあまりにも熱い熱意が、遂にこの偉業を成し遂げたのだ。
だが、小さな会社ゆえに、宣伝のやり方も拙く、世間での注目はほとんどゼロに等しかった。

それも製品が世間に出回るまでのことだ。
これほどの偉業が埋もれることは絶対にない。すでに少数の受注が入っていた。
いずれ、その製品の評判が瞬く間に世界に知れ渡ることを、技術者と社長は確信していた。
だが、彼らは知らなかった。世界最古にして最大の秘密結社の存在を....

その結社の名は”女性”
情報を入手した”女性”は、工場を破壊する指令を埼玉県支部に伝えていた。


243:女たちの陰謀6
08/12/18 22:53:10 3WeVDLgO
黒井ななこによって呼び出されたメンバーは、こなた、つかさ、かがみ、みゆき だった。
なぜこの4人なのか? こなたは結社への忠誠を疑われて。

だが、つかさとかがみ、みゆきはなぜなのだろう。しかし、黒井の指定した待ち合わせ場所に
到着した4人は目を見張った。黒井ななこの横に並ぶ2人の女性。
それは、つかさとかがみの母親であるみき、そしてみゆきの母親のゆかりだった。

「びっくりさせてすまんかったな。ウチの両隣の御大はな、結社の支部長なんや」

あまりの出来事に4人の表情は固まったまま動かなかった。
今明かされた恐るべき真実。

「おまえらも支部長どののご令嬢として、将来、結社の中で責任ある地位を任せられるやろう。そのためには経験をつまんといかん。
 ま、泉は例外としてな」

こなたは黒井の不気味なまなざしを受け、うつむく。
そして、黒井は、ダッチワイフ工場爆破計画を淡々と4人に説明しはじめた。

こなた以外の3人は、ここ数日、唐突に目の前に展開していった事実を淡々と受け入れはじめている。
無理もない。彼女たちには母親のサポートがあった。ずっと母親を見てきて、心の奥底で
真実を感じ取っていたのだろう。
だが、こなたは違う。ずっと父だけがすべてだった。


そうじろうは間抜けな顔でTVを見ていた。
家事を済ませたこなたは、父の隣に座った。


そうじろうはチラリと娘を見て、また、TVに戻っていった。
だが、こなたは改めて父の姿を見つめる。

...どれだけあなたのことを誇りに思っているか。どれだけ愛しているか....

こなたは言葉で言うかわりに、そっと、両手でそうじろうの顔を包み込み、こちらを向かせる。
いきなりのこなたの行動に、そうじろうは分けの分からない顔をした。

しばらく時が止まった。こなたはそうじろうの頬を両手でなでるように愛撫する。

そして、一瞬、その唇を自分の唇でふさいだ。

......


やがて、こなたは急いで父の元から離れると

「きょ、今日だけだからね。じゃあ、おやすみ!」とだけ言うと、自分の部屋に走っていった。

顔を赤くして、あっけらかんとしたそうじろうだけが取り残された。
そして、こなたは、全世界の虐げられている哀れな生き物、”男性”のために立ち上がることを決意したのだった。



244:女たちの陰謀7
08/12/18 22:54:51 3WeVDLgO
ダッチワイフ工場爆破計画決行の日が訪れた。
こなたは、ななこの黒いワゴン車の助手席に座っていた。

「今日は、お前をしっかりと見張るで!結社への忠誠を証明してもらうからな」

ななこは、隣のこなたにしっかりと釘を刺す。今日、それを証明できなければこなたは消される。
集合場所には、すでに実行要員たちが到着していた。

工場のそばの空き地に、フォルクスワーゲンのカブト虫みたいな車と、ピカピカのメルセデスが止まっている。
そして、その傍らには、鷲宮市支部長の柊みきと、東京第三支部長の高良ゆかりが、それぞれの前に娘たちを立たせて
待ち構えていた。


「支部長どの、到着しました!」

ななこはこなたを連れて、彼女たちのほうへ向かう。
こなたは母親たちを見つめた。
美人だと評判の、友人の母親二人。だが、今やそれは世界最古で最大の秘密結社”女性”の主要構成員、
血も涙もなく、男たちを搾取する鬼だった。

ゆかりは、メルセデスのトランクを開けると、中から、何かが入った大きなずた袋を二つ取り出し、かがみとつかさ、
みゆきとこなたにそれを運ばせる。

実行要員たちは工場内の隅にある、小さな物置部屋に向かった。
そこには、準備要員たちによって、すでにガスボンベが手配されている。

物置部屋の中には他に、試作品であるダッチワイフが数体並んでいた。
彼女らは、その中の一体に目が釘付けになった。

.....なんという醜悪なダッチワイフだろう....


それは女ですらなかった。男型のダッチワイフ、いや、ダッチマンと言うべきか。
その姿はあまりにも醜悪だった。ひどい顔に突き出たビール腹、新品の合成樹皮特有の、表面の
テカりがなければ、それはまるで生きた人間そのものだった。
だが、テカテカとまるでワックスのように光るその肌は、醜悪さと不気味さをますます引き立てていた。

みきがたまらず声をあげる

「こんな気持ち悪い人形、一体、どんな需要があるのかしら?」

ゆかりは吐き気をこらえながらも答えた。

「世の中には特殊な趣味もありますのよ奥様...多分。 それにしても、こんな醜い男、まさに
 恋愛市場のカモにしかなりませんわね。
 搾れるだけ搾って、後は樹海に行くなり、秋葉原で拳銃自殺なりしてこの世から消えて欲しいわ」


245:女たちの陰謀8
08/12/18 22:56:09 3WeVDLgO
みきは二人の娘に言って聞かせる。

「いい、あなたたちもこんな醜い男なら、搾取するだけ搾取して、ボロ雑巾のように捨てても良心のかけらも痛まないでしょう。
 でもね、たとえ、どんなイケメンであっても、私たち”女性”にとっては性欲と物欲を満たすための道具でしかないのよ。
 私たちは男性に寄生することによって進化したといっても過言ではないわ。
 寄生虫は宿主がいないと死んでしまう...自分の力で生きようなんて馬鹿なことは考えないでね」

とくにかがみに視線を注ぐ。かがみはどちらかというと、他人に頼る傾向が妹のつかさに比べてうすい。
かがみは力なく「うん。分かったわお母さん」とだけ言った。

その醜悪なダッチマンは、醜い全裸を晒しながら、無表情で虚空を見つめていた。

ズタ袋の中には、さるぐつわをかまされロープでぐるぐる巻きにされた、社長と技術者がいた。
袋から出したその二人を、邪魔にならぬように入り口付近に置く。

ななこは言った。

「ええか、この二人が残業して、溶接機器用のガスタンクを交換してるときに
 くわえタバコで作業していたせいで引火し、工場は爆発するということになっとる。さてと、お前ら、
 このガスボンベを工場の中へ運びい」

皆が、ガスボンベのほうへ向き作業に取り掛かった。そして、こなたはついに行動を起こした。

こなたはガスボンベのひとつに飛びつくと、そのバルブを空ける。
そしてポケットからライターを取り出した。

こなたのいきなりの行動に皆、狼狽した。

「なにしとんねん!お前、なに考えとんねん!」

ななこの目に怒りの炎が燃える。

このままでは爆発する!皆、こなたから逃げようと後ろを振り向いた。
だが、後ろに立ちはだかっていたものは。

あの醜悪なダッチマンが、入り口のドアをふさぐように立っていた。
ダッチマンの後ろには、解放された社長と技術者が心配そうにこちらを見ている。

こなたはダッチマンに向かって叫んだ。

「グレゴリー!!!ドアを閉めて鍵をかけるのよ!!そして二人と一緒に逃げて。遠くまで」

体中にワックスを塗りたくり、ダッチマンを演じていたグレゴリーは
躊躇することなく、物置倉庫のドアを閉めた。そして南京錠をかけた。

話はすべて聞かせてもらった。こなたの言ったことは本当だった。
この世界は”女性”という世界人口の半分を擁する恐るべき秘密結社に支配されている。

わざわざ九州から埼玉へ来た。それはこなたの熱意の説得ゆえだった。
黒井先生の監視があるので、わずかしか話す機会はなかったが、実際に目の前で
真相を聞いた。

全裸のワックス男、グレゴリーは、社長と技術者をうながし走りに走った。

さよなら、コナコナ。君の勇気は絶対に忘れない。


246:女たちの陰謀9
08/12/18 22:57:17 3WeVDLgO
外から鍵をかけられた物置倉庫に、ガスのにおいが充満していく。

こなたは不気味な笑みを浮かべていた。

「どうせ、自殺に見せかけて殺されるくらいなら、お前らを道連れにして、世の中の役にたつ!
 この工場のダッチワイフは世界を変えるよ。
 こんな陰険で汚らわしい結社の時代はもう終わるんだよ」


ななこは震えていた。

「な、なあ。落ち着きいや。なんで、結社の一員ではいかんのや?これほど楽な人生はないで」

こなたの答えはわかりきっていた。

「こんな後ろめたいことを、こんなに卑しいくて汚らわしいことを背負って生きたくはないよ。
 この世界には価値がない。どうせ私が生き残ったとしても結社の追手から殺される。
 なら、私は世界に輝きを残して栄光のうちに死ぬ」

みきは顔を歪めながらも笑みを浮かべ、そして耳障りな高笑いを発した。

「きゃはははははーあんた、母親と一緒だね。やっぱり親子なんだね!あんたの母親はね、
 私が殺したのさ!当時、私は結社の処刑人だったのさ!きゃははははははは」

やっぱりそうだったのか。こなたは母親を心から誇りに思った。
やっぱり、お母さんはこの世界に耐えられなかった。結社の秘密を暴こうとして消されたのだった。

「お母さん、私を褒めて。私はあなたと同じことを感じ、同じ選択をした。それは正しかったんだよ」

充満したガスのせいでくらくらする。
ななこは絶叫した。

「ウチはまだ死にたくない!年収4000万以上、イケメンで高学歴、高身長の旦那を見つけるまで
 ウチは死ぬわけにはいかんのやあああああああああ」

すでに観念して、みゆきとつかさを抱きしめていたかがみは後ろからボソッとつぶやいた。

「地獄でもその夢を追ってなさい、このババア」


こなたはライターのスイッチを入れた。



247:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/18 22:59:13 nDGvtl+p
シェン

248:グレゴリー
08/12/18 23:05:15 O+DLruGl
ああ、連続投稿規制かかった。12時過ぎてから再開します。あと1章なのにぃ


249:女たちの陰謀10
08/12/18 23:24:30 3WeVDLgO
爆発は、工場の隅の部屋で起きたおかげで、工場内のダッチワイフはほとんど無傷だった。
そして、ダッチワイフは予定通り、出荷を開始した。


ダッチワイフの性能は驚くべきものだった。そして、それは拡張性を備えていた。
学習型コンピューターを搭載し、思考することができた。
また、出産機能も備えていた。
今はまだ実装されていないが、そのうちに遺伝学の研究がすすみ、2組の遺伝子が
あればそのダッチワイフは出産ができるだろう。

それが男同士の遺伝子でもかまわない。X染色体とY染色体をもつ男は
たとえ同性同士の結合であってもまったく問題はなかった。

そして、ダッチワイフは主人の愛と、この世から学ぶ喜び以外に何も要求することはなかった。
つまりこれは、男性が女性を必要としなくなるという可能性だった。

世界は、”女性”という秘密結社の束縛から逃れるための第一歩を歩みだしたのだった。

その第一歩から生み出された光明は、九州の哀れな男の元にも訪れた。

クリスマスを少し過ぎてしまったが、九州のグレゴリーの元に、こなたからのクリスマスプレゼントが届けられた。
こなたは死ぬつもりだったので、すべての貯金をはたいて、1人の哀れな男を救ったのだった。

大きな箱を空け、包装をはがすと、現れたのは青い長髪の小柄な少女だった。
頭のてっぺんに間抜けな癖毛と、目の下にホクロがあった。

ダッチワイフ会社の社長と技術者が気を利かせて、自分たちの救世主そっくりに作ったのだった。
人類を陰険な支配から救い、男性に光明を与えた英雄。

グレゴリーは、そのダッチワイフに迷うことなく 「こなた」 と名づけた。








250:グレゴリー
08/12/18 23:27:02 3WeVDLgO
なんとか一日で投稿できました。
支援乙です。

ななこの登場シーンが多いのですが、大阪弁が良く分からないため
不正確かもしれませんがご容赦を。

では、またノシ

251:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/19 00:03:46 JGYAlD/Z
>>250
お前はほんと奇才だなwww
面白いわ

252:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/19 00:56:39 qm9xzAJw
>>250
逝かれてるぜ!うん、あんた、最高だ。

個人的に黒井先生ネタで記憶に残ってるのは、
Wikiにも保管されてる『ちょい悪黒井先生』だけど、
ある意味あれのインパクトを越えたわwww

253:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/19 11:00:17 GBYUQe8j
>>250
不覚にもほろりと来てしまったw

254:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/19 12:39:36 tqohYIQl
面白かった…
すげぇなぁ…

255:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/19 14:31:42 DCZuZbmW
外界は内界を映し出す鏡なんですってよ奥様ご存じ? [主義・主張]
スレリンク(shugi板)l50x

256:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/19 17:25:53 qzyewNB/
すげえ、ちょっと泣いてしまったわ。

257:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/19 22:30:49 tqohYIQl
って待て
ダッチマンかがつかみゆきだけは助ければ良かっ…なんて無粋か

258:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/20 00:36:32 tNMVJXXb
>>250
笑ったわw
自分を登場させるSSってのは叩かれる率高いんだが、これは許さざるを得ない。だって笑ったし。
あれか、「才能ある者は、全ての行為が許されている」って奴か。
罪と罰で、主人公が辿り着いた思想か。すげーよ、あれを見事実行してのけやがった。
ナポレオンになったグレゴリー氏。ここに敬意を称しよう。
主人公と同様、老婆も殺っちまってるし。
…いや、例えみきさんでも、老婆ってほど歳は喰ってないのか。
まぁいいや、誤差の範囲内。

259:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/20 08:36:21 taf2ZNmE
清原選手への恐喝 組員ら逮捕

 プロ野球・巨人の清原和博選手(三一)が暴力団関係者と一緒に
ゴルフをしていた写真を材料に脅されていた事件で、警視庁捜査
四課は十一日、恐喝未遂の疑いで神戸市須磨区須磨寺一ノ九ノ二六、
指定暴力団山口組系組員で韓国籍、山下勇こと金準坤容疑者(三一)
ら三人を逮捕した。清原選手は暴力団関係者との明確な認識はなか
ったとしているが、プロスポーツ選手と暴力団との“黒い交際”は
依然絶えない。改めて選手のモラルが問われそうだ。

URLリンク(www.sankei.co.jp)

>韓国籍、山下勇こと金準坤容疑者(三一)

260:グレゴリー
08/12/20 12:14:35 TbVRVPF+
>>258
罪と罰は、作者の明らかな投影である主人公が、イケメン設定であることを笑う作品です。
作中にグレゴリーを登場させたのは、らきすたの中に、彼に相当するような惨めなキャラがいないがゆえの、苦渋の決断。決して、作中で自らを貶めるのが趣味だからではありません。

261:グレゴリー
08/12/20 12:48:22 TbVRVPF+
>>257
ダッチマンが急にヒーロー的な活躍をするのはちと方向性がちがうと思うし。
何よりも自己礼賛として叩かれますわい。


262:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/20 22:43:44 gPCmLKsm
グレ氏は新しい時代の旗手の一人

263:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/20 23:08:57 7Jkh6aTn
そういや一昔前に筋肉っていう職人が居たっけ

264:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/20 23:50:17 8f3cDagO
彼もまたアッパー系だったな。
>>260
ていうか作中グレゴリーのキャラ面白いんで、これからもSS登場希望。
俺の中でグレゴリー氏は自殺スレのマスコットキャラです。

265:お漏らし中尉
08/12/21 01:09:33 EFoAF3US
>>261
いやあ、凄い面白いですよ!
発想がとっぴなのに綺麗にまとめちゃう辺りが感動します。
哲学的なのか自虐的なのか・・・・とにかくGJです!

グレゴリー氏の後で恐縮ですが、病気のこなたのSSを投下します
暇つぶしにどうぞ

266:お漏らし中尉
08/12/21 01:10:03 EFoAF3US
【サンタの鎮魂歌】

「世間はすっかり、クリスマス一色ねえ・・」

道行く道に流れるクリスマスソングを聞きながら
白い吐息が乾いた空間を淡く染める
クリスマスの文字が眩しく光るウィンドウでは
今では現実には積る事の無い様な雪化粧が誇らしげに輝いていた
もっとも、祭りに浮かれた人間達には関係の無いことだ・・・
こなたは少し疎ましげにかがみの言葉に相槌を打つ

「そだねぇ・・」

こなたとかがみはとある理由で、商店街をうろついていた

それは、かがみの彼氏へのクリスマスプレゼントを買う為だ
そう、かがみには彼氏がいる
二ヶ月前に出来た年上の男で、現在は大学生・・・・しかも、かなりの秀才だそうだ
こなたはその男の情けない顔を思い浮かべ
何度も心の中で打ちのめす

頭の中で、こなたが放つ容赦ない鉄槌は確実に男に命中する
かがみの目の前で男は聞いた事も無い声で嗚咽を漏らし
頭を抱えては許しを乞うのだ

しかし、こなたは許さない
何度も何度も必要以上に頭へと鉄槌を振り下ろしていく

もはや声を上げる事もままなら無い男は、醜態をさらし
赤く染まっていく地面の上で小刻みに踊るのだ

「もうやめて!」と飛び掛ってきたかがみは男に被さり、こなたを睨むが
次の瞬間、その額がパックリと割れて中から血液が噴出す
そして、血だまりが広がっていき二人が静かになる頃には
一面が真っ赤に染まっているのだ

こなたは心の中の映像を何度もループさせると
自らの女性器が知らぬ間に蜜を垂らしていることに気が付いた

「ほらほら、こんなのどうかな?★」
「喜んでくれるんじゃない?・・・・・・・」

267:お漏らし中尉
08/12/21 01:10:45 EFoAF3US

男性ものの手袋とマフラーのセットを持って跳ね回るかがみは
今まで見たことも無いほどの笑顔でこなたに問いかける
紅潮した頬からは、相手への愛しい気持ちが見て取れる
きっと、あの男に抱かれている時は体中を紅潮させて
快楽で解けてしまいそうな程に踊り狂うのだろう

こなたはもう一度、頭の中の世界に潜り込む
そして、血にまみれた男を完全に葬り去ると
息も絶え絶えのかがみの腕を掴み上げ、乱暴に血だまりに押し倒した
上気したかがみの肌は、憎らしい男の鮮血に染まって淫らに揺れる
こなたは
もはや抵抗の意思を失い、虚ろになったかがみの体を味わうように嘗め回す
血液の鉄の味と純潔を失ったかがみの甘美な舌触りがこなたを熱くした

こなたはかがみの髪を掴み、唇を重ねると
何時の間にかこなたに生え出た男性器を強引にかがみの口にねじ込んだ
言い知れぬ快感がこなたの全身の血液を逆流させる
かがみは苦悶の表情を浮かべながらも、嗚咽交じりにこなたをしゃぶる
純潔を失い、汚れた乙女にはもはや抗う術など無い
たとえ悪魔とでも、甘美な快楽を見出せる肉欲の奴隷は
何時の間にか自らの意思で、恋人の敵を受け入れる

かがみの舌はこなたの男性器を愛撫し、
苦悶の表情が恍惚とした色香を発し始めた頃、こなたの血流はある一点にめぐり
かがみの唇を、まっ白な白濁液で染めた

夜空がネオンで照らされて
プレゼントのリボンが交差点で揺れる

「ふふ♪プレゼントも買ったことだし・・・彼、喜んでくれるかなぁ・・・・?」
「かがみんのプレゼントだもん、きっと喜んでくれるに決まってるよ☆」

きっと、かがみはプレゼントを渡した後で、あの男の性欲の捌け口になるのだろう
何度も愛撫され、全身を使って男を喜ばせる親友
なんとも滑稽で、汚れた『性夜』なのだろうか?

こなたの頭の中のかがみは既に我慢できなくなって
悪根を蕾に導こうとしている
こなたはかがみの頭を掴み、床に押し付けると蕾ではなく
受け入れるべきでない汚れた穴を、自らの怒張で押し広げる
「いぎい!」というかがみの悲鳴と共に、この世のものとは思えない快楽が
こなたの頭を支配した


268:お漏らし中尉
08/12/21 01:12:52 EFoAF3US

何度も揺れるかがみの体は、淫らな液体を散らす音でさらに汚れを帯び
淡く染まった紅色が親友の涙で染まっていく
知らぬ間に増えた自分の分身はかがみの口と蕾を塞ぎ
嗚咽と荒い息が空間を支配する
何度も繰り返される贖罪を経て、こなたの白い血で染まっていく肢体には
恋人の血など一滴も残ってはいない

あるのは色と性欲の果てに堕ちた雌犬の性のみだ・・・・

愛しかった柊かがみは死に耐えて
変わりに生まれた汚れた女
この女がかがみのふりをし続けて生きていく様など
私には耐えられない

この女の特別な日を、私が血で染め上げてやる・・・・
私の命にかえてでも



夜空には無数の星たち
今日という聖夜を怪我す愚か者どもを見下すようにして、彼らは微笑んでいる
あざ笑っているのは月・・・・
空は人間を凍えさせ、死に至らせる為に雪を降らし
木枯らしが吹く

愚か者どもはそれをロマンチックなどと勘違いしては色に埋もれるのだ
友人を殺した魔物は、この世の中に無数にいる影の欠片だ
私なんかじゃどうすることも出来ない
でも、友人の死を弔うことは出来る

こなたは躊躇う事無く、空に近いこの場所から地面に舞い降りると
真下に見える友人に声を掛けた

「かがみいいいいいいい!!」
「・・・・・え?」

彼女が上を見上げた瞬間、私と彼女の眼が合う・・・・
雪も風も時間も・・・完全に止まった無音の空間

私は友人の魂を浄化することが出来た・・・・
きっと、かがみも喜んでくれることだろう

私の思いが愚か者達の心に大きな傷痕を残す様に
雪は赤く染まった

かがみ・・・、私のプレゼント喜んでくれたかな?

メリー・クリスマス





おしまい


269:お漏らし中尉
08/12/21 01:13:48 EFoAF3US
不快に思った方は申し訳ありません
では、みなさん良いクリスマスを~


270:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/21 01:18:29 2HcgOlrr
>>269
珍しくお漏らししなかった!
でも乙です。

271:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/21 01:30:12 oarb2Al7
>>269
中尉乙
中尉といいグレゴリーといい濃いなwww

272:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/21 02:00:22 Qz8TJqh2
>>269
乙乙
やっぱ中尉好きです

273:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/21 02:01:44 q0WY86Hy
>>272
あんたなんか嫌いだってよ!

274:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/21 14:01:29 5zW5ASZp
>>269
中尉乙!
俺にフタナリ思想は毛頭ないが、中尉の文章で
ちょっとオッキしかけた俺がいる。

275:グレゴリー
08/12/21 14:33:26 lxmAg7bz
>>269
やっぱ、すげーなwこの流麗な文章は私では逆立ちしても真似できない。
ストーリーのほとんどがこなたの妄想で成り立っているという構成も
面白い。てか、かがみの彼氏の秀才っていうのは中尉ご自身か?

276:お漏らし中尉
08/12/21 22:16:01 EFoAF3US
>>270

>何度も揺れるかがみの体は、淫らな液体を散らす音でさらに汚れを帯び

実はここでお漏らししちゃってますw

>>271

自分的には薄口にしたつもりなんですがw
濃くしちゃうと収容されてしまいます・・・

>>272

ありがとうございます
僕も好きです!

>>273

え!?

>>274

僕もフタナリには興味無いんですが、何故かオッキしながらタイピングってました・・・・
これって究極の愛なんでしょうか?w

>>275

毎度、お褒めに預かりましてw
結構な駄作のつもりだったんですが、思わぬ反響にびっくり・・・・
ちなみにかがみの彼氏はチャラチャラした大学生なのでフルボッコにしちゃいました
秀才になりたい

277:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/21 23:43:36 /1OEF72u
ホランド「ガキはすっこんでろ!!」

278:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/21 23:45:04 cPAcAgdB
かがみの彼氏はチャラ男かい
それならこなたの気持ちもわかるね

279:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/22 00:03:04 UXnuxdLO
URLリンク(up2.viploader.net)

280:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/22 00:49:44 jWW+Fw2k
何か書いてくれないと
ただの転載なのかこのスレのために描いてくれたのか分からんだろw

281:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/22 00:52:34 v4Wio4FM
ちゅーい乙!

282:JEDI_tkms1984
08/12/22 12:03:31 zoBMkGoe
>>250

 勢い凄まじい展開なのに、こなた自殺の動機に矛盾がないのが素晴らしいです。
愚直で蒙昧な男は……税金から何から、あらゆる存在によって全てを搾取されるのか……。
文字通り搾りカスになってしまいそうです。
グレゴリーさんのSSを読んでいると、大好きだったホラー漫画家を思い出します。

>>269

 こなたはかがみが好きだったのか、それとも性行為や色恋沙汰を穢れしと見ていたのか。
特に思想を持たないくせにクリスマスだのハロウィンだのと洋の西の文化を曖昧に受け入れ、
形だけのお祭りで浮かれ躍るこの国の人間性を痛切に皮肉った作品と言えるでしょう。
ところで文体が素敵過ぎます。
この語彙力は見習いたいところです。

283:お漏らし中尉
08/12/23 00:27:04 FnCnsrWo
>>281
ありがちゅー!

>>282
毎度ご丁寧な感想を有難うございます!
なんだか壮大な作品になったような気がしますが、全然w
ただの文字遊びが好きな男のSSですよ
しかし、こう褒められるとものすごく照れてしまいます。
ほんと、有難うございます!!

284:お漏らし中尉
08/12/23 00:27:54 FnCnsrWo
>>278
僕の気持ちわかってくれますかw
あ、いやこなたの気持ちでしたw

285:お漏らし中尉
08/12/23 00:31:00 FnCnsrWo
ところで、実は結構時間が余ってまして・・・・
でもPCの前から動けない、という半端なこの状況を打破する為に
SSを書こうと思ったのですが・・・・いいネタがなくて

誰か「こんなの書いて!」ってのありませんか?
早いもの勝ちって事で一つ

286:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/23 00:47:16 9ja/Jj9c
もらせ

287:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/23 00:48:49 GJJx4TfR
いつも通りで吹いたw

288:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/23 00:50:15 n9U1K+f6
とりあえず漏らせ

289:お漏らし中尉
08/12/23 00:59:52 FnCnsrWo
逆に難しいw

290:お漏らし中尉
08/12/23 01:57:36 FnCnsrWo
若干グロになりそうですが、ユックリ投下します

【こなた狩り】

冬を月が照らす
12月のこの時期は空気が澄んでいて、夜が美しい
美しいその夜道をかすかに照らす街灯に映し出されて
少女の吐息は何ものよりも白く、闇を曇らせる

「はあ・・・はあ・・・はあ・・・・」

その息遣いたるやまるで、草食動物がハンターから逃れるような
そんな緊迫感が伺える程に震えを纏っていた


世の中には・・・・狩るものと狩られる者の二者がいる


どれくらい走った?
どれくらいの時間がたった?

いくら走っても、いくら息を切らせても少女は安息にたどり着けない
ただ響く足音が、この暗闇に木霊する

いつも見慣れた公園のベンチ
並木道の中にぽつんと光る街頭には冬だというのに虫がたかり
不快な羽音の協奏曲を奏でている

気に留めたこともなかったがこの空間は広いようで狭い
閑散とした空間だからこそこだろうか?
まるで一面が自分を飲み込む渦の様に網膜へと投射される

「あ!?」

不意に何かが自分の足を掴んだ様な気がして少女は体を捩る



291:お漏らし中尉
08/12/23 01:58:46 FnCnsrWo
足に絡んだのは自分の靴紐・・・・
視界は知らぬ間に星空を見上げ、幼さの残る膝小僧からは真っ赤な液体が流れ出す

少女は「うう・・」という微かなうめき声を上げて賢明に立ち上がろうとしたが
足を捻ってしまったらしく思うように立ち上がれない

言い知れぬ恐怖が少女を襲う
暗闇からは足音
そのリズムから、相手は男だとわかる
大人の男だ・・・・

鈍く光るその輝きはゆらゆらと闇を泳ぎ出て
少女のいるそこへと迷いなく歩み寄る
暗闇に光る眼光は感情なき・・・
いや、感情を読み取れないその視線で少女を射抜いた

「・・・やめて・・・どうしちゃったの?」
「・・・・・・」

少女の瞳からは大粒の涙が溢れ、懇願の声が乾燥した空気に消える
男はそんな事、意にも介さず少女へと近づいてきた
やがて月を覆う雲が僅かに月光を地上に注いだ時
その男の顔が闇を切り取って浮かび上がった

青い髪、やや頬のこけた無精ひげ
目元に黒子が特徴的な高身長の男
血に濡れた作務衣には見慣れた赤色の髪とリボンが付着している
おそらく先にやられた少女のものであろうが
少女は未だにその現実を受け入れられないでいる

少女は消え入りそうな声で再び届かぬ哀願を音にした

「・・・やめて・・・お父さん・・・・」


292:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/23 02:14:19 GJJx4TfR
早くも規制か。解除支援

293:お漏らし中尉
08/12/23 03:08:00 FnCnsrWo
>>292
ありがとうございます
でも規制じゃなくて、リアルタイムで書いてるので遅くなってしまうんです
申し訳ありません

>>291
12月22日 夕刻

その日、こなたが目にした光景は異様なものだった

春日部の道路にひしめく沢山のトラック
そこに群がる大人たち
その中にはかがみやつかさの両親、みゆきの母親の姿もある
大人たちは番号札の様な物を受け取りにこやかに会話をしていた

「こんにちわ~☆」

こなたは好奇心に駆られてか、友人の両親達に挨拶を投げかける

「あら、こなたちゃん こんにちは♪」
「娘がいつもお世話になって・・・・」

「あら、こなたちゃん。元気にしてる?」

みんなはこなたの挨拶に快く応えてくれる
和やかな雰囲気に絆されながら
自分達がいかに恵まれた環境にいるかを確認した気持ちになる

「いえいえ、こっちこそ皆と仲良くしてもらって・・・・」

こなたがそう答えようとしたその時、こなたの目にとまったものがあった
それは大人たちが持っている番号札だ・・・・

その番号札には『柊かがみ』『柊つかさ』と他の姉の名が書かれていた
気になってゆかりの番号札も見せてもらったがやはり『高良みゆき』と書かれている
一体なんなのだろうか?
何の為にこんな札を大人たちが持っているのだろうか?
それに大人たちはどこか楽しそうにお互い言葉を交し合っている

「いやあ~ついにこの日が来ましたなぁ」
「この日が来るのが本当に待ち遠しくて、娘も程よく発育しましたしねぇ」
「いいですなぁ、池田さんのところは・・・うちなんか男ばかりなので・・・・」
「何を言いますか、ここはビシッと父親の威厳を見せるのがいいんじゃないですかw」

みんな何の話をしているのだろうか?
こなたは不思議になってゆかりに聞いてみた

「皆さん、今日は何かあるんですか?」
「ええ、今日はすっごく特別な日なのよ~♪」

ゆかりはそう答えるとみきに「ネ~☆」と相槌を求めた
みきもニンマリ笑って「ホント、その為に今まで苦労してきたんですもの★」
と楽しそうに両手を組んだ
ただおは「ウンウン」と嬉しそうに頷くとこなたにニッコリと微笑む

「きっとこなたちゃんのお父さんも今頃、こなちゃんの帰りを楽しみに待ってるんじゃないかな?」
「え・・・・?」


294:お漏らし中尉
08/12/23 03:15:31 FnCnsrWo

「そうよね、だって今日は特別な日だものね♪」
「・・・・」

「でも、そうじろうさんの事だから教育上良くない事までしちゃったりして☆」
「・・・・何・・・?それ・・・」

「うふふふふ」
「あはははははは」
「ぷぷぷぷ」

三人は大きな声で笑い出した
それはいつも見る穏やかな三人とはかけ離れた異様な雰囲気をかもし出している

「何?何なの!?・・・・一体、今から何が始まるの!!?」

こなたの怒声に三人の笑い声は止み
かわりに無音の静寂がこなたを襲う

「・・・・・」

空気に呑まれて動けなくなったこなたに近づくのはゆかり
普段は閉じられているように見える瞳は薄っすらと開き、眼光はこなたの両眼を射抜く

「ふふ・・・今からね・・・狩りが始まるのよ?」
「狩り・・・・って」

「狩りは狩りよ、獲物を追うの」
「・・・・え?」

「もう、察しが悪いのねぇ・・・・ホラ、ここになんて書いてある?」



295:お漏らし中尉
08/12/23 03:16:14 FnCnsrWo
ゆかりは自分の持っている番号札をこなたの目の前にかざした
そこには見知った友人の名前が先ほどと同じく書かれている

「高良みゆき・・」
「そう・・」

ゆかりは満足そうにその札をヒラヒラさせると、今まで見せたことの無いような
強烈な笑みをこなたに向けた

「これが私の獲物よ・・・・ふふ」
「獲物って・・・・自分の娘じゃん!?」

「そうよ、自分の娘・・・・17年間大切に育ててきた愛娘・・・・」
「だったら・・・」

ゆかりはウットリとした顔でみゆき名を指でなぞると
今度はその札を思い切り握り閉める

「愛娘を私がこの手でしとめるのよ・・・・17年の愛の結晶を私がこの手で・・・」

周囲を見回すとみきやただお・・・その他の大人たちも札の名前を見て恍惚とした表情を浮かべている
もはや冗談などというレベルじゃない
こなたは怖くなってその場から走り去る

すると、後ろから声が聞こえた
声の主はゆかりだ

「そうじろうさんはもう帰ったわよ!こなたちゃんもせいぜい気をつけてね♪」

こなたはその声を振り切るようにして、この異常な空間を後にした



296:お漏らし中尉
08/12/23 03:39:24 FnCnsrWo
つづく

予想以上にグロなのでどうしようか悩みます
おやすみなさい

297:ヤク中大分
08/12/23 15:02:46 hv6x4c22
URLリンク(upload.jpn.ph)
クリスマスの鎮魂歌 こなたの中のかがみ
白いのも描いてみたけど潰れてしまった

298:ヤク中大分
08/12/23 15:07:38 hv6x4c22
sage忘れすいません

299:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/23 18:47:47 VL05UIkz
相変わらず神入ってるな。
絵も素晴らしいけど、
軽々しさや気取りのない、シンプルな態度も素晴らしい。
馴れ合いが悪いとは言わないけれども。

300:グレゴリー
08/12/23 21:59:24 2Iv6rsms
>>298
良く見たらザーメン、結構リアルだしw
>>296
そうじろうによる父子相姦&カニバル希望。


301:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/24 00:57:26 DuU681NN
>>296
いいぞ、もっとやれ

302:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/24 02:30:35 L7m1mu8p
おまえらメリクリ

303:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/24 02:39:08 nRoYMh73
あぁ?

304:お漏らし中尉
08/12/24 02:57:48 /jWtIiEm
>>297
大分さんの有難うございます!大分さんの描くらきキャラは大好きです。


昨日の続き(グロ、性描写注意)


ひとしきり走ったこなた
見慣れた帰路をまるで逃げ惑うかのようにして駆けていく
いつもの角を曲がり、真っ直ぐ走って三番目
左脇に見えるのは17年間過ごした思い出の我が家

日は既に沈みかけており、普段では感じなかったおどろおどろしい空気に息を呑んだ

こなたは緊張しながら外門をまたぎ
家のドアに手をかける

人の気配は感じるが、物音はしない・・・・

「・・・・お願い・・・・」

少女は何かを天に祈るようにして扉を開ける
隙間から漏れる廊下の照明
そっとドアを開いていくと、そこにはいつもの我が家が目に映る

「・・・・はは・・・なんだ・・・」

一気に緊張が解けた
そうだ、そんな筈は無い
あれはきっと何かの間違いか、大人たちの軽い冗談か何かだったのだろう

そういえばあのトラックも普通の工事現場になるような外装だったし
宣言車だって、選挙か何かの人間がたまたま止めていたに違いない

こなたはそう思い、一度大きく深呼吸をした後帰宅の挨拶をした

「お父さん、ただいま~」

ガタン!!

「え!?」

突然、奥の方から大きな音が聞こえる
それとほぼ同時に「ぎゃうう!!」という悲鳴が聞こえた
女の子の声だ・・・この家にいる自分以外の女の子といえば・・・

「ゆーちゃん!?」

こなたは急いで台所へ駆け込んだがそこには誰もいない
台所に入ってすぐ、こなたは硬いものが足に刺さる感じがした
気になって足を上げてみると、そこには血のついた白いものがばら撒かれている
それを手にとった瞬間、少女の鼓動は途端に早くなった


305:お漏らし中尉
08/12/24 02:58:22 /jWtIiEm

それは『歯』である

良く見てみると、台所のいたる所が何かで壊された後があり
椅子は倒れ、整頓されていた食器も調理道具も床に散乱していた
そして、テーブルには血液の様なものが付着している
こなたが割れた食器を踏まないように隣の部屋へと行こうとした時
あるものが目に飛び込んできた

「なんなの・・・・これ」

摘み上げたソレは、血と何か粘液の様なものが付着した女の子物の下着だ・・・・
ソレは無残に破られており
周囲には自分が着ている制服と同じものであろう残骸が散らばっている
こなたはゆかりが言っていた事を思い出す

『愛娘を私がこの手でしとめるのよ・・・・17年の愛の結晶を私がこの手で・・・』

まさか・・・・・
良く無い光景が思い浮かぶ、それと同時に強烈な眩暈がする
少女の小さな胸は今にも引き裂かれてしまいそうだ

しかし、コレは現実に起こっていることだ

「いひゃあ!もう・・やべ!んああああ!!・・・ごふ・・・」

立ち尽くしていると、ゆたかの物であろう声が再び聞こえた
どうやらそうじろうの書斎から聞こえるようだ
こなたは万が一に備えてフライパンを手にとって書斎へと進んだ

書斎に近づくにつれて、そうじろうのものであろう荒々しい息と少女の苦しそうな声が
臨場感を増して、こなたの鼓膜を振動させる
それを感じるたびに、ここが現実の世界であることを認識させられるのだ

書斎にたどり着いたこなたはそっと扉の隙間から中の様子をうかがった
薄っすらと明かりのついたその部屋の中、こなたの目に飛び込んできたのは
半裸のゆたかを羽交い絞めにし、快楽をむさぼる実の父・・・・
そうじろうの姿だった

ゆたかの可愛かった顔は見る影も無いほどに赤く染まり
まともに喋れるかどうかも危ういほどに、口から鼻から血と涎を流している
細い首筋や発育しきらないその体はそうじろうから受けたであろう暴行の後が
はっきりと見て取れる

「おじざん・・・やべ・・てえぇぇ・・ふっぐう!?・・・」
「ああ、もう少しで・・はあ・・・はあ・・終わるよ・・はあ・・・・はあ」

両手を大人の力で掴まれたひ弱な少女は、逆らうことも許されず
ただただ、その体を弄ばれている

306:お漏らし中尉
08/12/24 03:01:23 /jWtIiEm

「うううう・・・・ぎっふう・・・・あええ・・・!んん!」
「はあ・・・・しかし・・・ゆたかちゃんも運が無いよね・・・はあ・・はあ・・・」

バシ!

そうじろうはそういってゆたかの顔面を思い切り弾いた

「ぎゃぶうう!?」
「もっと、大きな声で・・・」

ガス!!

今度はゆたかの顔面に向かって拳を振り下ろす

ゆたかは「ぎいいい!?」と言う声を上げて両足をバタつかせるがまったく身動きが取れない
床の上にはゆたかの鼻血が舞い、抜けた歯が散らばる

「おひしゃん・・・・ひゃべ・・てえ・・・いたひいよお・・・ひゃべて・・・」
「そう、その顔・・・その声・・・あ・・・沸くんだよアイデアが!いい!!いい!!」

そうじろうはそういうと、今まで律動的だったその腰の動きを野生じみたものへと変化させる
ぱちゅぱちゅという液体音と床の軋む音が木霊する部屋の中
ゆたかは更に苦しそうな声をあげ、顔を歪ませる

「おじひゃ!たふけてへ!!たふけへえええ!!?」
「きたきたきた・・・あああああああああ!!!」

そうじろうの絶叫が最高潮に達した後
実の父親は幾度かの痙攣と「あ・・ああ・・・」という情け無い声を絞り出している
それでも尚、そうじろうは ぱちゃ・・ぱちゃと体を揺らしゆたかの中に欲望を垂れ流す
その姿は普段の父親からは想像もできない程の猟奇的なもの
こなたは従姉妹が酷い目にあっている事を知りながらも動くことすら叶わない
まるで、何者かに手足をもぎ取られてしまったかの様に体が重い

ひとしきり行為を終えた、けだものは穏やかな顔つきでゆたかの根の前に顔を持っていく

「どうだいゆたかちゃん?気持ちよかった?それとも痛かった?」
「・・・・たしゅけへえ・・・」

「・・・ふー・・」


307:お漏らし中尉
08/12/24 03:05:21 /jWtIiEm
そうじろうは小さくため息を付くとゆたかをユックリとおこし
肩を担ぎ上げた
ゆたかは何処となく安堵したのだろう、恐らく自分の願いがそうじろうに伝わったのだと


そう、錯覚した


ガツ!!

「いぎゃ!?」

書斎のテーブルが顔面を捉える
そうじろうはゆたかの体を部屋の中の物にぶつけ始めたのだ

「気持ち良いか?って聞いてるだろ!?痛いかって聞いてるだろ!?ええ!?」
「ひぎゃあ!」

そうじろうはゆたかを打ち付けた、壁に、柱に、ガラス戸に、机に・・・・
小早川家から預かった大切な大切な子供、ゆたかをあらん限りの非道を繰り返した末に
それ以上の暴力を加えようとしている

「いぎゃああああ!?があ!!」
「どうなんだい!?ゆたかちゃん!泣いてちゃ解らないだろ!?」

「いひや!!?」

ゆたかの体が宙を舞う、その小さな華奢な体はこなたのいる方向に飛んできた
ドゴン!!というもの凄い音と共にドアの金具は外れ、従姉妹は木の床に倒れこんだ

「・・・・おで・・・ちゃ・・・」
「ゆーちゃん!」

こなたはゆたかに駆け寄ろうとしたが、体が動かない

「なんだ、こなた帰ってたのか・・・どうだった?学校は?」


308:お漏らし中尉
08/12/24 03:06:23 /jWtIiEm

そうじろうはいつもの様に優しい目でこなたに話しかけてくる
しかし、目の前のゆたかはどうだろうか?
弱りきって、傷付いて・・・・この娘が何か悪いことをしたのだろうか?

「ゆー・・・・」

ゴチャ!!

再び従姉妹の名前を呼ぼうとしたこなたは、目を疑った
今までゆたかの頭があった場所には大きな四角い鉄の箱がある・・・・

ああ・・コレはお父さんが印鑑やカードを入れるのに使っている金庫だ
近所のナホコで買ったんだっけ、鉈買ってって言ったけど却下されたんだよね・・・

金庫の下からは赤黒い液体が滲み出る
髪の間からは原型をとどめていないゆたかの顔が半分見え
そのはみ出た眼球は顔とは違う方向を眺めて泣いていた

「・・・・ゆーちゃんが・・・・」

あれほど可愛かったゆたかが目の前で動かなくなったのだ
逸し纏わぬ幼い体には痣や痛々しい傷痕・・・純潔まで奪われてしまった
きっと想像を絶するほどの恐怖だっただろう

そして、それの恥辱と凶行を行った人間が今、こなたの目に前に佇む

「お父さん・・・・」

そうじろうは餌を見つけた獣の様に、穏やかな瞳で愛娘を見下ろしていた

「・・・こなた・・・お前はどんな味がするんだい?」





つづく

309:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/24 16:18:49 hLcIraaJ
>>308
中尉にとってのゆたかは弄ばれ役ですねw

310:グレゴリー
08/12/25 20:07:50 6WsH1ts7
>>308
やべえー血が沸いてきたwさすが俺のパイオニア!
目も当てられないほどの惨劇を望むぅ心から望むぅ

311:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/25 21:56:38 WCKXMZYo
SS、落 とします。
中二病入ってる上に長いので、嫌いな方はNGお願いします。

312:審判
08/12/25 21:57:36 WCKXMZYo
 いつもと変わらない風景だった。
「でね、渚っていう触覚キャラがメインキャラなんだけど…」
 いつもと同じように、こなたがつかさ達の前でアニメの話をする風景。
「他のサブキャラの方が、キャラ立ってるんだよね~」
 けれども、破綻は唐突に訪れる。
「光の玉を集める目的で、女の子を使い捨てるやり口は疑問だな~」
 日常なんて、誰かの匙加減一つで簡単に覆るものだから。

「あはは、確かに話だけ聞いてると酷い気もするね」
 つかさは困惑気味に笑った。
女の子を使い捨てる、そのやり口の酷さに共感したが故の表情だとこなたは解釈し、
話を続けようとした。
しかし、喉元まで出かかった話の続きは、冷ややかなかがみの声によって止められた。
「つかさ、無理して話合わせる必要はないわ」
「お、お姉ちゃん…」
「かがみさん?」
 かがみがこなたに食ってかかるのは日常の光景の一コマだが、
今回はいつもと様子が違う。
いつもなら、かがみは吠えるような勢いでこなたに食ってかかっていくのだが、
それは漫才のような一種の遊びめいたやり取りでしかなかった。
だが今回は、冷たく突き放すような色が声に漂っていた。
それを敏感に感じ取ったのか、みゆきは訝しげにかがみを見つめた。
 こなたとて、鈍感ではない。
いつものようにからかう事はせず、珍しく真剣な声音でかがみに問いかける。
「かがみ、いきなりどうしたの?」
「どうしたもこうしたもない。つかさ、嫌なら嫌とはっきり言ったほうがいいわ。
こいつは鈍感な人間だから、はっきりと指摘されるまで相手の痛みに気付けない」
 こいつ、それがこなたを指している事は、かがみの視線を辿れば一目瞭然だった。
「お姉ちゃん、ちょっと言いすぎ…」
 つかさはかがみとこなたを交互に見ながら、気弱な声でかがみを嗜めた。
しかし、かがみの口は止まらなかった。
「つかさ、アンタがはっきりと言えないなら、私が代弁してあげる。
こなた、つかさはね、迷惑してるのよ、アンタの下らない秋葉系の話に付き合わされて」
 こなたはつかさを見つめた。かがみの発言に反論しない所を見ると、
どうやらかがみの言っている事は真実らしい。
それでも、確認の意味を込めて一応訊いた。
「そうなの?つかさ」
 つかさは気弱にこなたを見返すと、小さく頷いた。
肯定の仕草を見てもなお、こなたには納得がいかなかった。
今までもアニメやゲームの話題をつかさに対して振ってきたが、
拒絶のサインをつかさが示した事はなかった。
何より、つかさはそういった話題を嫌悪する人間だろうか。
ひよりに対して、同人誌のネタを提供した事さえあるのだ。

313:審判
08/12/25 21:58:14 WCKXMZYo
 けれども、確かにつかさは首を縦に振った。
こなたはつかさを見つめたまま、信じられない思いに囚われていた。
「こなた、つかさを脅かすの止めろよ」
 守るようにつかさの前に立ちはだかりながら、
厳しい口調でかがみが言った。
「脅かす…って?」
 こなたの口から、意図せず素っ頓狂な声が飛び出していた。
脅かした覚えなどない。かがみの発言の意図が掴めず目を白黒させるこなたに向かって、
かがみは怒気を露にしながら迫った。
「今、つかさを睨みつけてたじゃない。
脅かして、つかさの意見を翻らせようとしてたんでしょ?」
「ちがっ」
 こなたは慌てて否定した。脅かす意図があったわけではない。
つかさが首肯した事が信じられず、思わず見つめてしまっただけなのだ。
「何が違うって言うのよ。怖い顔して睨みつけちゃって。
アンタ、反省なんてしてないでしょ。つかさを今まで散々困らせてきた自覚もないでしょ」
「つかさがそこまで嫌がってたなんて、気付けなかったし」
 かがみの剣幕に押され、こなたの声は自然弱弱しくなり、
また発言の内容も言い訳めいたものとなった。
「ここまでつかさを苦しめておきながら、気付けなかった、じゃないわ。
本当に、鈍感ね。そのくせ人を嫌がらせる行為はナイフのように鋭いんだから」
「お姉ちゃん、流石にちょっと言いすぎだよ」
「つかさ、この際だから全て言い切ってしまった方がいいわ。
つかさもみゆきも聞いたでしょ?こいつ、全く反省なんてしてないのよ。
それも、気付けませんでしたー、なんて言い訳しだす始末」
「言い訳じゃなくて、本当に気付けなかったんだよ」
 こなたは蚊の鳴くような声で反論したが、火に油を注ぐ結果となった。
「本当に気付けなかったのなら、尚の事はっきりと言わなきゃ駄目ね。
そこまで人の痛みに鈍感なら、はっきりと言い切って自覚させないと」
 かがみは憤怒の形相でこなたを睨みつけると、声を大きくして続けた。
「アンタのやってる事はね、れっきとした虐めなのよ」
 クラスの視線が、自分達のグループに集中したのをこなたは敏感に感じ取った。
「いじめって…。かがみ、何を言っているの?」
「実際、いじめでしょ?つかさが嫌だ、って事を態度で今まで示してきても、
アンタは構わず下らないオタク系の話題を振り続けたんだから。
つかさはね、つかさはね…」
 かがみは声を詰まらせると、瞳に涙を浮かべながら嗚咽交じりに言葉を紡いだ。

314:審判
08/12/25 21:59:04 WCKXMZYo
「本当は、嫌がってたのよ。アンタの下らない話題に巻き込まれて、
自分まで腐女子に見られる事が。その苦痛のせいで、
アンタがつかさに味あわせた苦痛のせいで、学校行きたくないって言いだした事まであるのに」
「お、お姉ちゃん。いいよ、そこまで言わなくても」
 つかさが慌てたように割り込んだ。
「学校行きたくないって確かに言ったけど、それは喩えみたいなものだし。
そこまで苦痛ってわけでもないよ」
「それよりかがみ。私は腐女子じゃないよ、おたくだよ。
腐女子っていうのは、男同士の」
「それよりだってっ?」
 ヒステリックにかがみが叫んだ。
その叫び声により、クラスの注目がより一層こなた達に集中する。
「それより、ってどういう意味よ。
つかさの苦痛よりも、そんなどうでもいい言葉の定義の方が重要だって言うの?
全然反省してないじゃない。つかさ、こんな奴庇う必要ないわ」
 こんな奴、かがみはその言葉と共にこなたに人差し指を突きつけた。
「いや、ちょっと気になっただけで…。反省はしてるよ。
ただ、ちょっと気になったから、指摘しただけだよ」
 こなたとしては、勿論おたく界の用語が誤った意味で用いられている事も耐えがたかったが、
もう一つ、話題を逸らそうという意図もあっての指摘だった。
だが、後者の狙いは見事に裏目に出てしまった。
苦境に立たされながらもかがみに言葉を返したが、その言葉は弱弱しく震えていた。
「ちょっと気になった程度の事が、つかさよりも大事なのか。
本当に、反省の気ゼロね。アンタ、人を虐めておきながら…
反省の欠片も見せないなんて、本当に許せないわ」
 逐一言葉尻を捉えて攻撃してくるかがみに、こなたは次第に腹が立ってきた。
「許せないって、なんでかがみが許す、許さないの権利を持ってるのさ。
かがみの論理で言えば、虐めにあったのはつかさでしょ?
だったら、許す許さないを決めるのはつかさのはずじゃないの?」
「直接アンタにそういう事言えないつかさの優しい性格、分かって言ってるの?
分かってないのか。だってアンタ、鈍感だものね。
いや、そもそも被害者じゃなくてもこう言うわ。
虐めは許せない、ってね。まぁ加害者のアンタから見れば、
傍観者で居てくれた方が有利って訳か」
「そりゃ、虐めは許せないけど…」
 その部分には、同意せざるを得ない。
「どの口が言ってんだ、加害者」
「だから、そんな自覚無かったんだってば」
「自覚がないから、反省もしないと。なら、また同じこと繰り返す可能性があるわね。
また、つかさを苦しめる可能性が」
「いや、もう、マニアックな話はしないよ。
それで、つかさが苦しむ事もなくなる」

315:審判
08/12/25 22:00:07 WCKXMZYo
「本当に、アンタって鈍感なのね。それで終わりだと思ってる。
マニアックな話をしている事だけが、つかさを苦しめる要因だと思ってる」
 かがみは肩を竦めながら、大仰に溜息をついた。
「つかさを今まで散々馬鹿にしておきながら、マニアックな話さえしなければいいと思ってる。
マニアックな話をしなくなった所で、つかさをこれからも馬鹿にし続けるんでしょ?
馬鹿繋がりとか何とか言って」
「それは…友達同士の軽い冗談のつもりだったんだよ」
「アンタにとっては軽い冗談のつもりでも、つかさはどれだけ苦しんだか…」
 かがみは目元を拭うと、そこで言葉を切った。
教室は水を打ったように静まり返り、二人のやりとりに注目していた。
「確かに、泉さんに反省すべき点は多いと思います。
何気ない一言が他人を傷つけてしまう事が多々ありますし」
 静寂に耐えられなくなったのか、みゆきがおずおずと言葉を挟んだ。
「そんなの分かってる、分かってるよ…」
 どうやらみゆきも、かがみの側らしい。
状況が悪くなるのを肌で感じ取りながら、
こなたは何とかこの状況を脱しようと必死で考えを巡らせた。
「だから、これからは気をつけるよ」
 必死で頭を働かせたのにも関わらず、口から出てきた言葉は結局月並みの謝罪文句だった。
「そんな言葉、信用できると思うか?」
 暫く黙っていたかがみだったが、突き刺すようにこなたを睨んだ。
「そもそもアンタ、つかさに一言も謝罪してないじゃない。
そんな人間の言葉、信用されるとでも思ってんの?」
 かがみは表情をますます険しくしながら、こなたに詰め寄った。
(謝る?だって私、わざとつかさを苦しめ…もとい、困らせたわけじゃないよ?
ああ、そうか。それでもつかさが苦痛を感じたというのなら、
わざとじゃなくても謝った方がいいか)
「あー、つかさ、色々と気付かないで迷惑かけちゃってたみたいで…その、ごめんね」
 いざ謝るとなると、中々照れ臭い。
はにかんだように笑いながら、こなたはつかさに謝った。
「何なのよ、その態度はっ」
 つかさが何かいいかけたが、かがみが口を開く方が早かった。
「笑いながら…しかも、かけちゃったみたいで、って何?
みたい、じゃない。アンタはつかさに迷惑をかけたんだ。
それを、よくもまぁ笑いながら、みたいで、なんて言葉吐けたもんだ」
 かがみの呆れたような怒ったような声が、再びこなたを襲った。
(いざ面と向かって親友に謝るのって、照れ臭いものなんだよ。
それにしても、かがみ突っかかり過ぎだよ。
いや、それ以前に、そこまで深刻な話なの?これ。そもそも、つかさはどう思ってるの?
確かにつかさは迷惑に感じてるかもしれないけど、虐められてるとまで思ってるの?)
「悪かったよ、かがみ。でも、本当に反省はしてるんだよ。
かがみにはそう見えないだけで」
 かがみに対する苛立ちからか、こなたのかがみに対する返答は刺々しいものとなった。

316:審判
08/12/25 22:01:06 WCKXMZYo
「謝ってるようにさえ見えない謝罪なんて、何の意味がある?
大体、その不貞腐れたような態度は何よ?」
「それだよ」
 こなたはここぞとばかりに、言葉に力を込めた。
「謝ってるように見えない、ってそれかがみの主観でしょ?
大切なのは、つかさの認識じゃん。つかさがどう思ってるか、それが問題でしょ?
そもそもの前提として、つかさは虐められてるっていう認識あるのかな?」
 こなたはつかさに視線を移すと、語勢を強めて言葉を放つ。
「ねぇ、つかさ。私の今までの行為、虐めだと思う?」
 こなたはつかさの目を覗き込むと、固唾を呑んでつかさの返答を待った。
(実際のところ、どうなんだろう。私がやった事は、つかさは虐めだと思っているんだろうか。
それが全てなんだよ。どっちに、秤は傾くのかな)
 こなたの表情は、自然と強張る。
つかさの返答次第では、土下座すら辞さない覚悟だった。
 つかさは、こなたから視線を逸らすと、小ぶりの唇から小さな声を途切れ途切れに吐き出した。
「そりゃ…オタク話されたり、馬鹿にされたりするのは、嫌だったけど…」
(けど?けどって事は…)
「けど?何?」
 こなたは身を乗り出しながら、続きを急かした。
「けど…虐めとまでは…」
「うん、うん」
(いい流れだ)
 こなたは内心ほっとしていた。
この話の流れでは、虐めとまでは思っていないと続くだろう。
「思ってないかな」
「やっぱりっ」
 こなたは喝采をあげた。その小さな身体に、喜びが駆け抜ける。
「何がやっぱり、よ」
 しかし、こなたが喜んでいられたのも束の間だった。
冷ややかなかがみの声が、こなたの心に冷たい針を放っていた。
「やっぱりってアンタね…。仮に、仮によ、つかさが虐めとまでは思ってなかったとしても、
嫌だと思っていた事は事実じゃない。それなのに、何喜んでるんだ?
虐めじゃなかったら、嫌がらせしていいとでも思ってるの?
まぁ、その虐めじゃない、っていう前提自体怪しいけどな」
「いや、そんな風に思ってるわけじゃないよ。
ただ、ニュアンス的に虐めって酷すぎるじゃん。
それと、虐めじゃないっていう前提が怪しいってどういう事?
実際つかさは虐めとまでは思ってないって言ってたよ」
「アンタが脅して言わせたんじゃない、今」
「えっ?」
 こなたは素っ頓狂な声を上げると、まじまじとかがみを見つめた。

317:審判
08/12/25 22:02:22 WCKXMZYo
「まさかアンタ…、つかさ睨みつけながら、
つかさが発言する度に一々言葉を挟んでおきながら、
脅してないなんて白々しい事言うわけ?」
「脅かしたわけじゃなくて、興奮しちゃってたから自然と…」
「下手な言い訳ね。それでなくても、アンタはつかさが嫌だ、
という事を言ったのに喜んでた。最低じゃない」
「いや、だから虐めじゃない、っていうのを喜んだだけで、
つかさが嫌がる事をやってしまったという点については反省してるよ」
「ふん、所詮アンタにとって虐めなんて、ニュアンスの問題でしかないのね。
虐めという言葉が持つニュアンスは残酷だけど、
嫌がらせならまだ可愛げがある、と。
被害者の苦痛こそ問題にされるべきなのに、アンタにとってはニュアンスの問題、と」
 蔑むようなかがみの視線が、こなたを射抜いた。
「一々言葉尻捉えて、屁理屈言ってこないでよ。
そうじゃない、って言ってるでしょ」
 売り言葉に買い言葉、こなたの語勢も強くなる。
「屁理屈?虐めを止めるようにアンタを説得してるのに、屁理屈扱いか」
「そもそもこれが虐めと言えるの?」
「つかさが嫌がってるじゃない。それでもアンタはまだその自覚が無いの?」
「あの、泉さん」
 ヒートアップする二人の舌戦に、みゆきが割り込んできた。
「かがみさんの言葉は厳しいようですが、やはり泉さんは少し反省されるべきだと思いますよ。
つかささんも可哀想ですし。
先ほどのつかささんに対する態度が脅しかどうかはともかく、
泉さんの行為を虐めと捉えるかどうかはともかく、
泉さんの言動を見る限り、反省している素振りは見受けられません。
曲がりなりにもつかささんに苦痛を与えてしまったのですから、
誠心誠意謝罪して、反省するのが筋だと思います」
「みゆきさん…」
 諦めたように、こなたはみゆきを見やった。
みゆきが鮮明にかがみ支持を示した以上、孤立無援状態のこなたに勝ち目は無い。
(二人相手じゃ、勝ち目ないよ。二対一、か。続けても不利になるだけ…。
って、二対一?)
 こなたは、その時初めて気付いた。二対一、などという生易しい状況ではない事に。
その事を気付かせたのは、周囲から届く囁き声だった。
こなたは驚愕の眼差しで、クラス中を見回した。
 クラスメイト達は親しいもの同士で肩を寄せ合い、囁くようにひそひそと話し込んでいた。
そして彼等彼女等の蔑みの色を持った視線は、こなたに向けられていた。

318:審判
08/12/25 22:03:43 WCKXMZYo
(まるで私を責めるような視線、囁き声…。
まさか…皆、私が虐めたと思ってるの?
私の行為を、虐めだと思ってるの?かがみの論理を正しいと思ってるの?)
 こなたの背筋に、冷たい汗が伝った。
(何これ…。何この空気。まるで私が悪者みたいじゃん)
 四面楚歌の様相を呈してきた教室の中で、こなたは木偶のように立ち尽くした。
背筋が酷く冷たい。その冷気が、心からさえ熱を奪っているように感じられる。
「って、そろそろ次の授業ね。みゆき、つかさの事お願いできる?
私C組に戻らなきゃならないんだけど、こなたから守ってあげてくれる?」
 みゆきは力強く頷いた。
「任せて下さい」
「ありがと。ホント、ごめんね。面倒な事頼んじゃって」
「いえ。友達じゃないですか」
(友達、友達か。その言葉の中に、私はもう含まれていないんだろうな。
だって、もう、みゆきさんの中でも、私は悪者みたいだから)
 こなたはおぼつかない足取りで自分の席に向かった。
その間の時間さえ、クラス中の蔑みの眼差しを一身に浴びていた。
 こなたは席に着くと、脱力したように腰を下ろした。
実際、立っているのもやっとだったほどに、こなたの体から力は抜けてしまっていた。
 こなたはB組の教室を出て行くかがみの背中を力なく見送ると、
机に顔を突っ伏した。
涙を誰にも見られたくなかったのだ。

319:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/25 22:04:34 WCKXMZYo
>>312-318
今日はキリいい所まで。
また。

320:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/25 22:06:12 zfuQjnqG
>>319
こ、ここで止めるのかー!
読んでて続きが非常に気になる
期待してます

321:グレゴリー
08/12/25 22:53:14 6WsH1ts7
>>319
頼りない糸でつながった危うい人間関係が
らき☆すたの魅力のひとつでありますが、その魅力を再発見させてくれる
ようなワクワクする作品です。続きが楽しみですよ。

322:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/25 23:06:34 /2akVDLX
>>319
ちょwwここでストップかww
続きはいつだー!w

323:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/26 07:23:21 Z9Ejcgxk
かがみうぜぇ
もっとやれw

324:JEDI_tkms1984
08/12/26 12:12:50 mu3QtpeP
>>319

 執拗に食い下がるかがみの悪辣さと、窮地に立たされたこなたの心情の機微が丁寧に描かれていると思います。
実に続きが気になるSSです。

325:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/26 16:26:35 qtUdDv5S
>>319
最後はかがみにも鉄槌を!

326:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/26 16:52:56 EhEea4MM
いつも人を馬鹿にした態度を取る奴は嫌われて仕方ない
というか空気読めないのは原作アニメも同じなのによく友達やってると思うよ

327:名無しさん@お腹いっぱい。
08/12/26 19:21:53 AfwbF3dK
そろそろ投下します。
>>312-318の続きです。

328:審判
08/12/26 19:22:58 AfwbF3dK

*

 こなたはオンラインゲームにログインすると、黒井にコンタクトを取ろうとした。
「まだログインしてないのか」
 こなたはがっかりしたように独り言を漏らした。
パーティーメンバーリストの黒井の欄には、オフラインと表示されていた。
「オンライン状態のまま、放置しとくか」
 他のメンバーとも話す気にはなれず、こなたはPCから離れるとベッドに身を投げた。
天井の木目を数えながら、こなたは再び溜息を吐いた。
散々な一日だった。今日、かがみ達と仲違いしてからの教室は、
こなたにとって針の筵と化してしまった。
周囲のクラスメイトの、冷え切った瞳が痛かった。
そしてまた、クラスメイトのつかさに対する態度もまた、
こなたに強烈な疎外感を与えていた。
『柊さん、負けないでね』
『私達、柊さんの味方だから』
『なぁ、柊さん。先生に相談した方がいいんじゃね?』
『虐めなんて、本当に許せないよね』
『貴方は一人じゃないよ。あまり思いつめないでね』
(何あれ。いつの間にか私が虐めっ子みたいになってるよ)
 こなたは憤懣やるかたない表情で心中呟いたが、
すぐに別の考えが頭をもたげた。
(いや、実際虐めなのかな。虐めになっちゃうのかな。
私、本当は凄く悪いことしたのかな。
てか、気付かなかったとはいえつかさを傷つけちゃったのは確かだし。
いずれにせよ、明日改めて謝ろう。それで皆、許してくれるよ)
 こなたは自嘲めいた笑みを浮かべ、自らのその思考を嘲った。
(皆許してくれる、か。つかさを傷つけたからじゃなくて、
皆に許してもらいたいから謝るってのが私の本心か。
かがみの言うとおり、反省してないのかもね。嫌な女だ)
 こなたの表情が徐々に暗くなる。
こういう時は、誰かに話を聞いてもらいたい。
誰かと、現実逃避できるような話に興じていたい。
それが、こなたにとってはアニメやゲームの話だった。
(でも、黒井先生はまだオフラインか)
 ひよりとは携帯電話の番号を交換していない。
そうじろうは執筆中だ。そうじろうは普段はいい父親で、こなたの良き理解者だが、
執筆作業中に話しかけると露骨に嫌な顔をされる。
集中力やその時の気分こそ執筆に一番大切な要素であり、
それを害されると執筆のテンポが狂うという信念をそうじろうは持っているらしい。
 こうなると、黒井しか居ないのだが、生憎オフラインだ。
「ついてないな」
 こなたはパソコンのディスプレイに目を走らせながら呟いた。
と、その目の色が変わった。
「あ、インしてる」
 黒井の欄は、オフラインからオンラインへと表示が変わっていた。
こなたはパソコンまで走りよると、すぐに黒井に話しかけた。

329:審判
08/12/26 19:23:40 AfwbF3dK
『せんせ、こんっす』
『おーう、こんー』
『今日は遅かったんですね』
『人身事故があって電車遅れてなー』
『災難でしたね』
『全くや』
 社交辞令の挨拶を終えると、こなたは訥々とアニメやゲームの話を話しだした。
黒井も乗ってきてくれた。
もはやゲームというより、チャットルームである。
 しかし、話が白熱するにつれて、徐々にこなたは不安になってきた。
(もしかしたら、先生も本当は嫌なんじゃないのかな。
こんなオタク話に付き合わされるの。つかさの時みたいに、
先生も不愉快にさせてるんじゃないのかな。
そりゃ先生はネトゲなんてやってるし、オタク話にも付いて来れるくらいだから
オタク趣味はあるんだろうけど、だからと言って話すのが好きって限らないし)
 そろそろ別の話をするべきだろうか。
こなたは話の切れ目を見計らって、別の話題に切り替える事にした。
この上黒井さえアニメ等の話で不快にさせては、
かがみのこなたに対する不名誉な評価『鈍感』『人の痛みに気付けない』『反省してない』等を
自ら証明付けてしまう。
『先生、そういえば先生って関西出身じゃないのに関西弁なんですね。
どうしてですか?』
 いつか、かがみが黒井に向かって質問した事だ。
あの時黒井は一拍置いた後、結局かがみの質問をはぐらかしていた。
 この時もまた、黒井からのレスポンスがかなり遅れた。
(これ、本当は聞いちゃいけない事なのかな?)
 こなたは少し不安になる。
『臥薪嘗胆、や』
 暫く経ってから返ってきた答えは、おおよそ答えとは呼べないものだった。
(臥薪嘗胆…。意味は確か、復讐或いは成功の為に耐え忍ぶ事か。
それで確か語源は…中国の戦争で、敗れた方が敗戦の悔しさを忘れない為に薪の上で寝続けた。
その後、もう一度戦い、今度は勝つ。するとその戦いで敗れた方は今度、
やっぱり敗れた悔しさを忘れないために、苦味を堪えて胆を舐め続けた。
そして更にもう一度戦い、今度はこちらが勝った。
っていうんだったけな)
 小学校の時に呼んだ熟語の漫画を思い出しながら、こなたは黒井の発言の真意を考えた。

330:審判
08/12/26 19:24:24 AfwbF3dK
(語源こそ復讐の為、なんだけど…。
復讐は先生にとって縁のないものだろうから、成功の方の意味、かな。
昔お笑い芸人目指してた時期があったのかもしれない。
その時の初心を忘れない為に、今も関西弁使い続けてるのかな)
 ただ結局こなたは、その推理を黒井に披露する事はしなかった。
もし、黒井にとって触れられたくない話であるのならば、
適当にお茶を濁してこの話題は早々終わらせた方がいいだろう。
そう判断して、こなたはすぐに次の話題を探そうとした。
『そや、泉。レアアイテム、ゼウスの杖の取り方なんやけど…』
 しかし、次の話題など探す必要は無かった。
黒井から既に、次の話が振られていた。
 こなたは安心して、黒井の話に乗った。
(ナイスタイミング。ていうか、このタイミングで話を切り替えてくるって事は、
やっぱり触れられたくないんだろうな…)
 こなたは地雷を踏まずに済んだ事にほっとすると、
黒井との話に興じた。

*

 次の日、教室の扉を潜ったこなたはクラスメイト達の冷えた視線に迎えられた。
クラス一丸となって、こなたに対する敵意を露にしている。
それでもこなたは、快活に朝の挨拶を口にした。
「おはよう」
 誰一人として、挨拶を返してこなかった。
こなたは視線をみゆきに向けるが、みゆきは気まずそうに顔を伏せた。
つかさの席を見ると、つかさはまだ登校してきていない。
(朝一で、改めて謝ろうと思ったのに)
 こなたは落胆した。つかさに謝って仲を回復するまで、この針の筵状態は続くだろう。
(でもまぁ、私にはいい薬か。つかさを傷つけちゃったんだし、
少しくらい私にも頭を冷やす薬が必要だよね)
 こなたは椅子に座ると、ホームルームが始まるまでの時間を睡眠に充てる事にした。
どうせ誰かと話せるような雰囲気ではない上に、
クラスメイト達の間接的な圧力を受け続けるのも辛かったのだ。
 だが、結局眠れなかった。クラスメイト達の囁き声が気になって、
眠りに落ちる事ができない。
(何を話してるんだろう。やっぱり、私の悪口かな。
いや、悪口というより、私に対する怒りといった方がいいか)
 こなたは耳を澄まして彼女達の言葉を聞き取ろうとするが、
相当小さい声で話しているのか、意味のある言葉は聞き取れなかった。


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