08/10/14 08:47:32 kr28sS21
少年の名はジンといった。
幼い頃に母は他界し、今はこの家に父と二人暮らし。
しかしその父も来年まで単身赴任で、ほぼ一人暮らし状態であった。
ジンは大学1年で、その日はちょうど講義が無い日だった。
「何だこの鞄、底の部分が削れてるぞ…引きずったような跡だ…」
とにかく、家の中に持ち込む事にした。
玄関で雑巾で綺麗に拭き、リビングルームに運んだ。
「薔薇のエンブレム…年季入ってそうだな」
勝手に開けてよいものか、少し迷った。
誰の持ち物か知らないし、何が入っるのかも見当が付かない。
もし白い粉が入ってたりしたら…ヤバイ物が入っていないとも限らない。
鞄の前で腕組みしてアレコレ考えていた矢先、突然カバンがカタカタと揺れ出した。