08/12/02 18:43:32 g03MFu8E
>>152続き
雛苺『あぅ…すいぎんとうに見つかっちゃったのー!』
「こいつが……水銀燈…!」
水銀燈『元気してた~?おチビでとってもおバカさんな雛苺?クスッ…今回こそは逃がさないわぁ~!』
そう言って、スッと宙に浮いたかと思うと、水銀燈はゆっくりと雛苺へと近付いてきた。そこでJUMは雛苺を庇うように水銀燈の前へと立ちはだかった。
「おいおい、人様の家に無断で入ってきたのに挨拶の一つもなしか?そんなんで”完璧な少女”であるはずの”アリス”を語るつもりなのか?」
雛苺『J、JUM…!』
水銀燈『……あらぁ。それは失礼をしてしまったわぁ!…雛苺のミーディアム、その勇気ある行動、素敵よ~!…でも、邪魔をするなら貴方も殺すわ!』
水銀燈は翼を広げ、その中から黒く鋭い無数の羽根をJUM達に向けて飛ばしてきた。
雛苺『や、やあぁ!ダメなのー!JUMにげるの~!!』
JUMは振り返り、雛苺を庇うように覆い被さって盾になった。
グサッグサッ!何本もの羽根が刺さる音がする。
水銀燈『あははっ、刺さっちゃった、刺さっちゃった♪』
「……やっぱりな。そのプライドの高さ、予想通りだ。」
床の羽根はJUM達を避けて、その回りに刺さっていた。
雛苺『うゆぅぅ……ゅ?あ、あれ?JUM、だいじょーぶ?』
「ああ平気だ。攻撃を当ててこない事はなんとなくわかっていたからね。」
水銀燈『…!』
雛苺『どうしてわかったの?』
「簡単なことさ。まず僕達の居場所を知っていて、尚且つ僕達がコイツの存在に気付いてないのを知りながらもコイツは”不意打ち”をしてこなかった。」
水銀燈『…あら、だって貴方達が私の存在に気付いた時には”もう死んでましたー”…なんて事になってたら、惨め過ぎて可哀相じゃなーい!』
「…そしてその”ミーディアム無しでも対等に戦える”といわんとする言動。自分に自信がなきゃできないことさ。」
水銀燈『ふふ…貴方、勘違いしているわ~。”対等”?…この水銀燈とそこのおバカさんな雛苺が対等なはずないじゃな~い!たとえミーディアムを従えているといってもね。』
「…ククッ。勘違いしてるのは君の方だよ水銀燈。ミーディアム”個人の力”を甘くみすぎている。それに、従えているのは……まぁコレはいい。」
「…あと、何故攻撃を当ててこなかったのか、もう一つの理由。こっちの方が重要だ。…水銀燈、君が実は冷静を装っているって事は知っている。本当はハラワタが煮え繰り返る程、僕を殺したいはずだ。今すぐにでも…。」
雛苺『…ほえ?』
水銀燈『あら、突然何を言い出すのかと思えば…貴方は何故そう思うのかしら?』
「その理由は一つしかないだろ?その態度は”アリス”には相応しくないと初めに僕に罵倒されたからだ。どうだい?…自分こそがアリスには相応しいと思っているであろう君には、最大の屈辱だったんじゃないか?」
水銀燈『くっ……』
「恐らく、怖がる僕らを見て嘲笑うつもりだったのだろうけど…まぁ、あまり人間を舐めない方がいいよ。」
水銀燈『………ミーディアムの分際で!!……いいわぁ、改めて自己紹介からしてあげる。』