08/12/01 00:28:33 x2oX6H2C
>>147続き
カサッ
「ん?雛苺ちゃん?」
JUMが音のしたテーブルの方を見ると、その上には何やら透明の袋に入っている”大福”のような物を手にして固まっている雛苺がいた。
「ああ、そこにいたの!」
『…………だ。』
「え、何だって?」
『うにゅーだぁぁぁぁぁぁあーーーっ!!!』
そう叫んだかと思うと、大福を手にJUMのいるソファーへと戻ってきた。
そして今度はJUMの前まで来たかと思うと、腕をいっぱいに伸ばし、その両手に乗っている”大福”をただただ食べたいのだと、そうJUMに懇願した。
『JUM!こ、こりれ、こここれ、にゅゆー、うぬぬ、うにゅーなのーっ!た、食べたいのー!!!』
「…ははっ、なんだお腹が空いてたんだ。どうぞお食べ!」
『あはぁ♪ありがとなのー!いっただっきまーす♪』
はむはむと、その小さな図体と口からは想像もつかなかった程の勢いで大福を口へと入れていく。
「あはは。余程お腹が空いてたみたいだね。大丈夫。誰もとったりなんかしないからゆっくりとお食べよ。…それにしても食欲まであるとは、益々人形だなんて信じられないなぁ。」
無我夢中で大福を頬張る雛苺だったが、中のアンコを食べきり、残りは回りの餅が僅かだけとなったところで急に食べるのをやめた。
『JUM!こ、これほんとに”うにゅー”なの?』
「え?”うにゅー”って呼ぶのかどうかは知らないけど、それは”大福”だよ。」
『…こ、これ、中にイチゴが入ってなかったの。まさかJUM、雛のイチゴ食べちゃったのー?』
「いやいや、僕はここから動いてないじゃないか。…ああそっか。雛苺ちゃんが言ってる”うにゅー”ってのは苺大福の事だったんだね!それは元から何も入ってないただの大福だよ。」
『うゆ~そうだったの…。』
「ゴメン、ゴメン。今度は大福じゃなくて”うにゅー”を買っておくように言っておくから。」
『わぁーい、ありがとなのー♪』
「うんうん。…さて、そろそろ本題に入ろうか。」
『えへへ♪あのね…』
こうしてJUMは上機嫌な雛苺から全ての話を聞いた。