08/11/27 21:29:39 NEo23sIq
『巻きますか?巻きませんか?』
その電話は突然かかってきた。
「(…は?間違い電話か?)あ、もしもし桜木ですけどどちら様ですか?」
『巻きますか?巻きませんか?』
「え…?あの…(なんだよコイツ…。)」
『巻きますか?巻きませんか?………どっちなのかはっきりするのーっ!』
どうやら声の主は幼い女の子のようだ。
(なんだ、子供のイタズラか。どうせ暇だし、軽く付き合ってやるか。)
「う~ん、どうしようかなぁ…巻いたら何かいい事でもあるのかな?」
『巻いてくれるのー?!すっごく、すっごく、すっごーくいいことがあるのよー♪』
「へぇ…その”イイ事”って何なんだい?(やけに上機嫌だなw)」
『あのねっ、なんと”雛”があなたのお家にやってくるのー♪とってもいいことなのー♪』
「僕の家にかい?それはとてもイイ事だし、嬉しいなぁ。なら巻いてみようかな…。」
『嬉しいの~♪ずーっと誰にも相手にされなくって悲しかったの。ありがとなのー!』
(そりゃ相手にされんだろうよwで、次はどうくるんだ?)
「喜んでもらえて僕も嬉しいよ。それで、僕の家は知ってるのかい?」
『ツー…ツー…』
電話は既に切られていた。
「…ははっ。子供に遊ばれてやんの。」
会話する相手のいなくなった”JUM”は、そそくさと2階の自室へと戻り、何をする訳でもなくただベッドへ横たわった。
『…遊びなんかじゃないのよ!』
「うおっ!」
突然の声に驚いたJUMは、半身を起こし、辺りを見渡した。…が、誰もいない。
『雛が”アリス”になるために、ミーディアムを探してたのよー!だから遊びじゃないのー!』
声のした足元の方を覗き見ると、ピンクの服を着たやたら小さな女の子と、立派なカバンが並んでいた。
「……」
『あなたのお名前はなぁに?』
ニコッと微笑んで尋ねてくる女の子
『雛はね、”雛苺”なのー!!ローゼンメイデンの第6ドールなのよ♪』
「ドール…って人形?!え?え?」
『そうなの、お人形さんなのー♪』
つづく