あぼーん
あぼーん
110:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/08 16:55:48 9Xzpb2HH
語尾に^^の時点で煽りにしか見えない俺は駄目人間
昨日も言ったが、安西先生…ドライでアツアツなこなかが見たいです…
111:あぼーん
あぼーん
あぼーん
112:あぼーん
あぼーん
あぼーん
113:あぼーん
あぼーん
あぼーん
114:あぼーん
あぼーん
あぼーん
115:あぼーん
あぼーん
あぼーん
116:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/08 20:06:28 qM0ViSxm
かがみにした物と同じ質問を吹っかけてみる。すると、こなたはう~んと唸って、
「2日に1回位しか会えないからね……ちょっと寂しい、かな。あ、でもね、みゆきさん」
そう言ってこなたが取り出したのは、携帯電話。
「会えない分お互いに寂しいからさ、毎日電話してるんだ。朝はおはようから、夜はお休みまで。会えない日はそうやって一日中話してるんだよ。でね、みゆきさん。やっぱりかがみは可愛いねぇ。この前なんかさ―」
迂闊を踏んだ。かがみが惚気るだろうとは予想していたが、こなたまで惚気るとは。
みゆきは反射的に奥歯の辺りを押さえた。甘甘な惚気を聞いたら虫歯が出来そうだ。
「お2人の仲がよろしいようで、私も嬉しいです」
放っておくと延々と続きそうなこなたのかがみの萌え惚気を中断させ、
「14日は空いてますか?」
と、かがみにした物と同じ内容を話す。ホワイトデーのこと。
こなたは、直ぐに頷くと、
「おkおk、あの時のお返しにかがみに何を作ってあげようかな、みゆきさんは何がいいと思う?」
惚気そうなので、みゆきはこなたが手にしているラノベに目を移し、
「所で、泉さんは何を考えていたんですか?」
話題の転換を図る。歯医者は嫌だ。
「あぁ、これね。かがみが好きなラノベで、私もアニメは見てたんだけどさ、買おうかな、どうしようかなって」
「成る程。買ってみては如何でしょう?」
「そう?」
みゆきの調査が正しければ、今日は彼女が来店している日だ。そして、調査結果が正しかったことを一歩店に入って知った。
店員の雰囲気が違う。なんと言うか……熱い。蒸してる、と言うより萌えて―いや、燃えている。
かがみにした物と同じ質問を吹っかけてみる。すると、こなたはう~んと唸って、
「2日に1回位しか会えないからね……ちょっと寂しい、かな。あ、でもね、みゆきさん」
そう言ってこなたが取り出したのは、携帯電話。
「会えない分お互いに寂しいからさ、毎日電話してるんだ。朝はおはようから、夜はお休みまで。会えない日はそうやって一日中話してるんだよ。でね、みゆきさん。やっぱりかがみは可愛いねぇ。この前なんかさ―」
迂闊を踏んだ。かがみが惚気るだろうとは予想していたが、こなたまで惚気るとは。
みゆきは反射的に奥歯の辺りを押さえた。甘甘な惚気を聞いたら虫歯が出来そうだ。
「お2人の仲がよろしいようで、私も嬉しいです」
放っておくと延々と続きそうなこなたのかがみの萌え惚気を中断させ、
「14日は空いてますか?」
と、かがみにした物と同じ内容を話す。ホワイトデーのこと。
こなたは、直ぐに頷くと、
「おkおk、あの時のお返しにかがみに何を作ってあげようかな、みゆきさんは何がいいと思う?」
惚気そうなので、みゆきはこなたが手にしているラノベに目を移し、
「所で、泉さんは何を考えていたんですか?」
話題の転換を図る。歯医者は嫌だ。
「あぁ、これね。かがみが好きなラノベで、私もアニメは見てたんだけどさ、買おうかな、どうしようかなって」
「成る程。買ってみては如何でしょう?」
「そう?」
みゆきの調査が正しければ、今日は彼女が来店している日だ。そして、調査結果が正しかったことを一歩店に入って知った。
店員の雰囲気が違う。なんと言うか……熱い。蒸してる、と言うより萌えて―いや、燃えている。
「大した事はしていませんよ。その人の気持ちになって、今欲しい物を見極める。迷っていたら、進めるんじゃなくて背中を押してあげる。それだけです」
と言ったら、その店長(仮)は両眼から滝を流して、
「うおぉぉ!あなたのような人に会ったのは初めてだ!!是非、名前を聞かせてくれないか!!!」
叫んだ、いや吼えた。周りの客が何事かと振り返る。
「え~と……」
正直、関わったら大変そうだな、と感じたみゆきは辺りを見渡し、ある一冊の本を目にする。そうだ、確かこの中にこういった時の上手いかわし方があったはず。
みゆきは、店長(多分)に背を向け、歩き出し、入り口の辺りで振り返ると、
「私のことは、そうですね……たから……‘T’とでも呼んでください」
そう言って立ち去った。
117:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/08 20:08:43 qM0ViSxm
そうだったんだ。
私一人勘違いして、こなたを辛い思いさせていたなんて。
「あんな言い方したら、まるでもう来なくていいって言ってるみたいに聞こえるよね。ごめんね」
「ううん、あれは私がこなたの言いたいこと聞こうとせず、一方的に思い込んでただけだから。だからもう謝らないで」
こなたはこんなに私のこと気にかけてくれていたのに。
その気持を身勝手な思い込みで裏切っていたのは私だ。
「ごめん」
「えっ、どうして謝るのよ?」
「もうずいぶん前のことのように思うけど、かがみにひどいこと言っちゃって、それで……傷つけちゃったから」
「でもあれは私が……」
「ううん、私がかがみの気持ちを考えずに言ったから、だから、ごめん」
そう言って頭を下げた。
「そ、そんなことしないで。あれは私が勝手に勘違いして、……それに悪いのは私の方だから」
「ううん、私にも責任あるから、だから謝らせて」
「……」
そう素直に言われては、無理に言い返せない。
「かがみと会えなくても大丈夫なんて言ったけど、ほんとは、そんなの嘘だよ。かがみとずっと喋れなくて、……すごく寂しかった」
その言葉に胸が抉られる。
「あの時は受験シーズンでみんな忙しい時期だったし、って今もそうだけど、私ずっとかがみに宿題見せてもらったりして迷惑かけてたから。だからかがみに気を使ってもらうのが悪くてあんな言い方しちゃって」
そうだったんだ。
私一人勘違いして、こなたを辛い思いさせていたなんて。
「どうもしてないよ。嫁のところにいくのは間違ってないでしょ~?」
「誰が嫁だ!さっきからわけのわからんことを……」
お姉ちゃんはまた私たちの方を向く。
「えとね……」
「つかさがいつかにやった占いよ。効果あるのかはわからないけど」
私が困ってるのを見て、お姉ちゃんが助け船を出してくれた。
お姉ちゃん、いつもありがとう…………。
「太占より信憑性なさそうだね。どうやったらお守りをあげれば運勢アップなんて出るんだか」
「………確かにね……」
「――!!」
こなちゃんのくせにぃ~~~っ!
「お姉ちゃん、これあげるよ~」
「え?突然どうしたの?」
私の急なプレゼントに、お姉ちゃんは驚いたように聞く。
「私からの応援だよ」
「応援……?ま、まさか、つかさ……」
お姉ちゃんが安堵の息をついた。
「お姉ちゃん………本当にごめんなさい」
118:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/08 20:15:04 qM0ViSxm
こなたはこんなに私のこと気にかけてくれていたのに。
その気持を身勝手な思い込みで裏切っていたのは私だ。
「ごめん」
「えっ、どうして謝るのよ?」
「もうずいぶん前のことのように思うけど、かがみにひどいこと言っちゃって、それで……傷つけちゃったから」
「でもあれは私が……」
「ううん、私がかがみの気持ちを考えずに言ったから、だから、ごめん」
そう言って頭を下げた。
「そ、そんなことしないで。あれは私が勝手に勘違いして、……それに悪いのは私の方だから」
「ううん、私にも責任あるから、だから謝らせて」
「……」
そう素直に言われては、無理に言い返せない。
「かがみと会えなくても大丈夫なんて言ったけど、ほんとは、そんなの嘘だよ。かがみとずっと喋れなくて、……すごく寂しかった」
その言葉に胸が抉られる。
「あの時は受験シーズンでみんな忙しい時期だったし、って今もそうだけど、私ずっとかがみに宿題見せてもらったりして迷惑かけてたから。だからかがみに気を使ってもらうのが悪くてあんな言い方しちゃって」
そうだったんだ。
私一人勘違いして、こなたを辛い思いさせていたなんて。
「あんな言い方したら、まるでもう来なくていいって言ってるみたいに聞こえるよね。ごめんね」
「ううん、あれは私がこなたの言いたいこと聞こうとせず、一方的に思い込んでただけだから。だからもう謝らないで」
こなたはこんなに私のこと気にかけてくれていたのに。
その気持を身勝手な思い込みで裏切っていたのは私だ。
「……あっ、でも笑わないでね。これも私の本当の姿なんだよ?」
「うん、笑わない」
まじめに話してるこなたを笑えるわけないじゃない。
こなたの手を再びぎゅっと強く握りなおした。
こなたはこんなに私のこと気にかけてくれていたのに。
その気持を身勝手な思い込みで裏切っていたのは私だ。
「ごめん」
「えっ、どうして謝るのよ?」
「もうずいぶん前のことのように思うけど、かがみにひどいこと言っちゃって、それで……傷つけちゃったから」
「でもあれは私が……」
「ううん、私がかがみの気持ちを考えずに言ったから、だから、ごめん」
そう言って頭を下げた。
「そ、そんなことしないで。あれは私が勝手に勘違いして、……それに悪いのは私の方だから」
「ううん、私にも責任あるから、だから謝らせて」
「……」
そう素直に言われては、無理に言い返せない。
「かがみと会えなくても大丈夫なんて言ったけど、ほんとは、そんなの嘘だよ。かがみとずっと喋れなくて、……すごく寂しかった」
その言葉に胸が抉られる。
「あの時は受験シーズンでみんな忙しい時期だったし、って今もそうだけど、私ずっとかがみに宿題見せてもらったりして迷惑かけてたから。だからかがみに気を使ってもらうのが悪くてあんな言い方しちゃって」
そうだったんだ。
私一人勘違いして、こなたを辛い思いさせていたなんて。
「あんな言い方したら、まるでもう来なくていいって言ってるみたいに聞こえるよね。ごめんね」
「ううん、あれは私がこなたの言いたいこと聞こうとせず、一方的に思い込んでただけだから。だからもう謝らないで」
こなたはこんなに私のこと気にかけてくれていたのに。
その気持を身勝手な思い込みで裏切っていたのは私だ。
「……あっ、でも笑わないでね。これも私の本当の姿なんだよ?」
「うん、笑わない」
まじめに話してるこなたを笑えるわけないじゃない。
こなたの手を再びぎゅっと強く握りなおした。
119:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/08 20:19:49 qM0ViSxm
でもこなたは、私のことまで心配してくれて……
これほどの強さを小さな体に秘めて、ずっと辛いことに耐えていたんだ。
ほんとに、……ほんとにごめんね。
「だから一人で辛い思いを抱え込まないで。見てる私も……とても辛かったから」
「……うん」
「今さらだけど、あの時最後に言えなかったこと、ずっと言いたかったこと言わせて。たとえ受験で一時的に離れ離れになっても、みんなそんなこと気にせず、ずっと友達のままだよ」
「!」
こなた……
「もしかがみと会えなくなっても、そんなの絶対に嫌だけど、それでもずっとかがみは私の……一番大切な……友達だよ」
恥ずかしそうにしながらも、精一杯の笑顔を私に見せてくれた。
「こなた、ぐすっ、……ううぅ」
もうこれ以上我慢できなかった。
こなたがこんなにも私のことを気にかけていてくれたなんて。
それに対して私はどれほどの辛い仕打ちを行ってきただろう。
嬉しさと罪悪感の両方が混ざり合って、涙が出てきた。
ふわっと全身を包み込む柔らかな感触。
こなたは私を優しく包み込んでくれた。
「うん。かがみは意地っ張りだから、ずっと一人で辛い思い抱え込んでたでしょ?」
「……」
「私じゃ何もできないかもしれない、勉強もできないし役に立てないかもしれないけど、……でも、辛いときは言ってね。こんな私でよければ、いつでも相談に乗るから」
「こなた……」
私は自分のことだけで手一杯だった。
でもこなたは、私のことまで心配してくれて……
これほどの強さを小さな体に秘めて、ずっと辛いことに耐えていたんだ。
ほんとに、……ほんとにごめんね。
「だから一人で辛い思いを抱え込まないで。見てる私も……とても辛かったから」
「……うん」
「今さらだけど、あの時最後に言えなかったこと、ずっと言いたかったこと言わせて。たとえ受験で一時的に離れ離れになっても、みんなそんなこと気にせず、ずっと友達のままだよ」
「!」
こなた……
「もしかがみと会えなくなっても、そんなの絶対に嫌だけど、それでもずっとかがみは私の……一番大切な……友達だよ」
恥ずかしそうにしながらも、精一杯の笑顔を私に見せてくれた。
「こなた、ぐすっ、……ううぅ」
もうこれ以上我慢できなかった。
こなたがこんなにも私のことを気にかけていてくれたなんて。
それに対して私はどれほどの辛い仕打ちを行ってきただろう。
嬉しさと罪悪感の両方が混ざり合って、涙が出てきた。
ふわっと全身を包み込む柔らかな感触。
120:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/08 20:33:59 qM0ViSxm
「どうもしてないよ。嫁のところにいくのは間違ってないでしょ~?」
「誰が嫁だ!さっきからわけのわからんことを……」
お姉ちゃんはまた私たちの方を向く。
「私、かがみと一緒じゃなきゃ、生きていけないヨ」
「わかったから、大声で言うなッ!」
私とゆきちゃんは呆然とその光景を眺めていた。
お姉ちゃんは教室の中にいる私たちの姿を見ると、こなちゃんをひきずりながら向かってくる。
「ちょっと、つかさ、みゆき、コイツどうしちゃったのよ!!」
混乱してるお姉ちゃん。
「どうもしてないよ。嫁のところにいくのは間違ってないでしょ~?」
「誰が嫁だ!さっきからわけのわからんことを……」
お姉ちゃんはまた私たちの方を向く。
「えとね……」
「つかさがいつかにやった占いよ。効果あるのかはわからないけど」
私が困ってるのを見て、お姉ちゃんが助け船を出してくれた。
お姉ちゃん、いつもありがとう…………。
「太占より信憑性なさそうだね。どうやったらお守りをあげれば運勢アップなんて出るんだか」
「………確かにね……」
「――!!」
こなちゃんのくせにぃ~~~っ!
「お姉ちゃん、これあげるよ~」
「え?突然どうしたの?」
私の急なプレゼントに、お姉ちゃんは驚いたように聞く。
「こ、こなた、それ本当なの……!?」
「本当だよ。でも、かがみに迷惑かかるって思ってずっと隠してたんだ」
「何で謝るの?私にはわからないよ」
「覚えてないと思うけど……私はこなちゃんに酷いことしちゃったんだ……」
「えっ……?なんのこと?私が倒れてから、何かしたの?」
「ううん……ってあれ……?」
今、こなちゃん――。
「私、かがみと一緒じゃなきゃ、生きていけないヨ」
「わかったから、大声で言うなッ!」
私とゆきちゃんは呆然とその光景を眺めていた。
お姉ちゃんは教室の中にいる私たちの姿を見ると、こなちゃんをひきずりながら向かってくる。
「ちょっと、つかさ、みゆき、コイツどうしちゃったのよ!!」
混乱してるお姉ちゃん。
「どうもしてないよ。嫁のところにいくのは間違ってないでしょ~?」
「誰が嫁だ!さっきからわけのわからんことを……」
お姉ちゃんはまた私たちの方を向く。
「私、かがみと一緒じゃなきゃ、生きていけないヨ」
「わかったから、大声で言うなッ!」
私とゆきちゃんは呆然とその光景を眺めていた。
お姉ちゃんは教室の中にいる私たちの姿を見ると、こなちゃんをひきずりながら向かってくる。
「ちょっと、つかさ、みゆき、コイツどうしちゃったのよ!!」
混乱してるお姉ちゃん。
「どうもしてないよ。嫁のところにいくのは間違ってないでしょ~?」
121:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/08 20:39:11 qM0ViSxm
でも、その後自分一人で作ろうとしたら、泡立てに時間を使い過ぎたり、生クリームを擦りつけ
過ぎてぼそぼそにしてしまったりで、同じ材料で作ったとは思えない悲劇。
……それ以来こなたに内緒で、毎日練習をした。
こなたが眠ってから、生地作りを練習したり、生クリームを泡立てた。
他にもみゆきとお茶するふりをしてレシピの店に行って、目標のケーキを味見してみたり、
食パンや何かにジャムを塗る時にパレットナイフを使っているのを、こなたに見つかりかけた
時もあったっけ。
そんな努力を重ねて迎えた、泉家での本番。こなたがバイトに出かけたのを見計らって、
ガスとオーブンレンジを駆使して何回もスポンジ生地に挑戦して……
大きな生地と小さな生地、それぞれ一番よくできた二つを重ねて、みんなで分け合っても余る
位のショートケーキを作った。
前にこなたが作ってくれたのには及ばないけど、それでも私の精一杯を尽くしたケーキ。
……でも、残りはみんなが訪ねてくるぎりぎり前に、冷蔵庫や台所の片隅に
雑誌にも載った料理教室の先生だけあって、私の手を取って色々解説しながら、
料理番組のように楽しそうに作ってくれた、つかさ。
でも、その後自分一人で作ろうとしたら、泡立てに時間を使い過ぎたり、生クリームを擦りつけ
過ぎてぼそぼそにしてしまったりで、同じ材料で作ったとは思えない悲劇。
……それ以来こなたに内緒で、毎日練習をした。
こなたが眠ってから、生地作りを練習したり、生クリームを泡立てた。
他にもみゆきとお茶するふりをしてレシピの店に行って、目標のケーキを味見してみたり、
食パンや何かにジャムを塗る時にパレットナイフを使っているのを、こなたに見つかりかけた
時もあったっけ。
でも、その後自分一人で作ろうとしたら、泡立てに時間を使い過ぎたり、生クリームを擦りつけ
過ぎてぼそぼそにしてしまったりで、同じ材料で作ったとは思えない悲劇。
……それ以来こなたに内緒で、毎日練習をした。
こなたが眠ってから、生地作りを練習したり、生クリームを泡立てた。
他にもみゆきとお茶するふりをしてレシピの店に行って、目標のケーキを味見してみたり、
食パンや何かにジャムを塗る時にパレットナイフを使っているのを、こなたに見つかりかけた
時もあったっけ。
そんな努力を重ねて迎えた、泉家での本番。こなたがバイトに出かけたのを見計らって、
ガスとオーブンレンジを駆使して何回もスポンジ生地に挑戦して……
大きな生地と小さな生地、それぞれ一番よくできた二つを重ねて、みんなで分け合っても余る
位のショートケーキを作った。
前にこなたが作ってくれたのには及ばないけど、それでも私の精一杯を尽くしたケーキ。
……でも、残りはみんなが訪ねてくるぎりぎり前に、冷蔵庫や台所の片隅に
雑誌にも載った料理教室の先生だけあって、私の手を取って色々解説しながら、
料理番組のように楽しそうに作ってくれた、つかさ。
でも、その後自分一人で作ろうとしたら、泡立てに時間を使い過ぎたり、生クリームを擦りつけ
過ぎてぼそぼそにしてしまったりで、同じ材料で作ったとは思えない悲劇。
……それ以来こなたに内緒で、毎日練習をした。
こなたが眠ってから、生地作りを練習したり、生クリームを泡立てた。
他にもみゆきとお茶するふりをしてレシピの店に行って、目標のケーキを味見してみたり、
食パンや何かにジャムを塗る時にパレットナイフを使っているのを、こなたに見つかりかけた
時もあったっけ。
122:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/08 20:42:32 qM0ViSxm
/ / / \
/Y^Y^ヽ/ / / .イヽ \ \
. /: : : ∨: : / / / / / ! ! ! ! \ ヽ
/: : : : :::/: : :.l / / イ / | | | l ', l`ヽ.l
/: : : : : :: /: : : :{ l、_ / / ! / | | ,.l -ト l | l
\: : : : : : i: : : : :| { `メ、 l/ l/、::/ノ ̄ ̄`ヽ、―ニ 二
\: : : :.|: : : : :| | / /` ::/':::::/ ´`ヽ _ 三,:三ー二
\/l___.r| l イ ヽ゜、 .ノヽ--/ ̄ ,
| l l{ ヘ l/ ".ミ } ...| /!/
| l lト、_V 」_}`ー‐し'ゝL _
| l l  ̄lヽ、 _,:ヘr--‐‐'´} ;ー------
l l ', | > .、,,ノ`ヾ:::-‐'ーr‐'"==-
. / ト、 ヽ、 |/: :.| T:.ヽ | l |
/ / \ \|: : :.< Lュ: 弋. l |
/ / | >、 \: : \___ ヽ: : lヽ.l |
. / l /⌒ヽヽ ヽ: : : \  ̄| : l: :l| | |
こなかが(笑)
123:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/08 20:48:00 qM0ViSxm
しようかな?でも、そうしたらカロリーが大変なことに……
と、そんなことを考えながら、もう一度フォークを伸ばした、次の瞬間。
「並べてみると、凄いわね」
こうして実際に体験してみると、改めてこなたやつかさの凄さが分かる。
焼きたてのシュクレと甘酸っぱいフルーツが絶品のタルト、
バターの香りをいっぱいに吸い込んだパイ生地が、ざくざくっ、と口の中で解けるミルフイユ……
たった20年の人生だけど、その中で二人が料理を失敗した所なんて、見たことがない。
自分が何度も焼いた中から選んだ、『奇跡的にうまくできたもの』―
それより断然美味しい生地を、当たり前のように焼いてしまう。
今更だけど、そんな二人が羨ましい。
いや、正確に言えば、二人みたいに上手にできない私が、悲しい。
折角の誕生日ケーキが『コレ』だったら、ちょっと複雑だろうし。
それとも、ケーキを待ちわびていたみんなの前で『さすが私の嫁、お約束は忘れないネ♪』
なんて、からかってくるのかな。
というかその前に、おじさんやゆたかちゃんも食べることを考えると……。
そんな妄想から帰ってきた所で、改めてテーブルという名の現実を見つめ直す。
この残骸は、果たしてどうしたものか。
明後日になれば可燃ごみの日だけど、それだけは100%ダメ。
注ぎ込んだ材料費を思うと切ないし、何より折角の食べ物を粗末にしたくない。
けど、それならどうやって再利用しよう?
正直、人に進呈するには余りにも不器用過ぎる。
折角の誕生日ケーキが『コレ』だったら、ちょっと複雑だろうし。
それとも、ケーキを待ちわびていたみんなの前で『さすが私の嫁、お約束は忘れないネ♪』
なんて、からかってくるのかな。
というかその前に、おじさんやゆたかちゃんも食べることを考えると……。
そんな妄想から帰ってきた所で、改めてテーブルという名の現実を見つめ直す。
この残骸は、果たしてどうしたものか。
明後日になれば可燃ごみの日だけど、それだけは100%ダメ。
注ぎ込んだ材料費を思うと切ないし、何より折角の食べ物を粗末にしたくない。
けど、それならどうやって再利用しよう?
正直、人に進呈するには余りにも不器用過ぎる。
でもフルーツサンドにすればお昼になるかな?それともジャムとか塗って、3時のおやつに
しようかな?でも、そうしたらカロリーが大変なことに……
と、そんなことを考えながら、もう一度フォークを伸ばした、次の瞬間。
「並べてみると、凄いわね」
こうして実際に体験してみると、改めてこなたやつかさの凄さが分かる。
焼きたてのシュクレと甘酸っぱいフルーツが絶品のタルト、
バターの香りをいっぱいに吸い込んだパイ生地が、ざくざくっ、と口の中で解けるミルフイユ……
たった20年の人生だけど、その中で二人が料理を失敗した所なんて、見たことがない。
自分が何度も焼いた中から選んだ、『奇跡的にうまくできたもの』―
それより断然美味しい生地を、当たり前のように焼いてしまう。
確か、ベーキングパウダーと間違えて、片栗粉か何かを混ぜたやつだったっけ。
ボウルにまだまだ残っていた生クリームを塗って、ナイフで分割して……
「うわっ」
予想はしていたけど、これは酷い。
スポンジ生地の筈なのに、何だか『べたっ』ていう歯ごたえがする。
何というか、生焼けのホットケーキに齧りついた時のような……中学生頃に見た、スタジオ外に
124:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/08 23:28:22 jPu3Ovc1
と、アンチが涙目で荒らしていくのでしたw
なんかアンチが避難所見てるみたいだね
ある意味こなかがファンだなw
125:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/09 00:05:31 UH15EJ0j
触れるな
情けないから
126:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/09 00:13:16 N+l9BQ4B
こういう困った子がいるからいつまでたっても…
127:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/09 00:22:30 4MnUmN6T
触れても触れなくても荒らされるのに変わりは無いんだけどな
128:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/09 01:32:50 MW+MqqJr
取りあえず、誰でもいいから構ってもらいたいんだろうね…。
129:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/09 01:37:48 Fya3+mz0
こんな機能してないスレ自体無駄
130:あぼーん
あぼーん
あぼーん
131:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/09 01:47:03 0t1vOCfP
避難所とかのリンクだけでも助かってるが?
132:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/09 04:44:43 82mAkpWU
荒らしの通報ってどこでどうやってやるの?
133:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/09 14:44:33 Au/ib/k6
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
,l _,._,. _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::|
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::! みんな乙
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
\......,,,,,,,_ .....:::::::::::::::::::::::::/
134:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/10 14:26:15 A+uYLMVt
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/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
,l _,._,. _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::|
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::! SS投稿期待age
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
\......,,,,,,,_ .....:::::::::::::::::::::::::/
135:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/10 20:03:24 QFF0qLa0
て待っていればいいんだ。
「でも、もし今度も駄目だったら……」
自分が発したその言葉に、私の体は凍りついた。気落ちしているから、思考
がネガティブになっているだけだと思おうとしても、一度芽生えた不安は消え
てはくれなかった。
「……大丈夫よ。もし駄目でも、私と一緒に暮らしながら予備校に通えば……」
支離滅裂な事を言っているのは自分が一番分かっていた。
仮にこなたが予備校に行く事になったら、私の両親もこなたのお父さんも共
同生活を認めてはくれないはずだ。当たり前だ。大学も勉強をする場に違いな
いが、ある程度の自由はある。けれど予備校は試験に合格するためだけに行く
ところ。翌年の合格のために必死になって勉強をする場所だ。予備校の寮かな
にかに入って、勉強するのが本来の姿だろう。認めてくれるはずがない。
不安な思いが膨らんでいく。こなたと離れ離れになるかもしれない。最低で
も1年はこなたと離れ離れになる……。たった3日会えないだけで寂しくてた
まらないのに。それが1年も続くと思うと……。
体が震えだした。怖い、怖くて仕方がない。
「そうだ、私も予備校に通えば……。もっと上の大学を目指すと言って……」
私の思考は、すでに最悪の事態が現実となる事を前提としていた。けれど私
はその事をおかしいと思うこともできなかった。
て待っていればいいんだ。
「でも、もし今度も駄目だったら……」
自分が発したその言葉に、私の体は凍りついた。気落ちしているから、思考
がネガティブになっているだけだと思おうとしても、一度芽生えた不安は消え
てはくれなかった。
「……大丈夫よ。もし駄目でも、私と一緒に暮らしながら予備校に通えば……」
支離滅裂な事を言っているのは自分が一番分かっていた。
仮にこなたが予備校に行く事になったら、私の両親もこなたのお父さんも共
同生活を認めてはくれないはずだ。当たり前だ。大学も勉強をする場に違いな
いが、ある程度の自由はある。けれど予備校は試験に合格するためだけに行く
ところ。翌年の合格のために必死になって勉強をする場所だ。予備校の寮かな
にかに入って、勉強するのが本来の姿だろう。認めてくれるはずがない。
不安な思いが膨らんでいく。こなたと離れ離れになるかもしれない。最低で
も1年はこなたと離れ離れになる……。たった3日会えないだけで寂しくてた
まらないのに。それが1年も続くと思うと……。
体が震えだした。怖い、怖くて仕方がない。
「そうだ、私も予備校に通えば……。もっと上の大学を目指すと言って……」
私の思考は、すでに最悪の事態が現実となる事を前提としていた。けれど私
はその事をおかしいと思うこともできなかった。
>>128
構ってぇーエヘヘヘヘヘヘヘ♪ とか言って。
136:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/10 20:10:34 QFF0qLa0
私はつかささんに全てを話しました。話しているうちに、あの人の、かがみ
さんの心をどれだけ傷つける事を、そして追い詰める事を言ってしまったのか、
今更ながらに思い知らされて……自分の愚かさを再認識させられて……。
私は何度もつかささんに謝りました。「ごめんなさい、ごめんなさい」と何度
も。直接かがみさんには謝れないから。あわせる顔がないから。
……いいえ、違いますね。私はかがみさんに会うのが怖いから、つかささん
に謝って、許してもらいたかったのだと思います。少しでも自分が楽になりた
いから……。
「……大丈夫だよ、ゆきちゃん。私はゆきちゃんを嫌ったりしないよ」
優しい声。そして、私に向けられるつかささんの顔は、笑顔でした。
つかささんは私の懺悔を聞いても、私に笑顔を向けてくれました。
私の思っていたとおりに……。
その笑顔で私は気持ちが楽になりました。
ズルイですよね? 私は、つかささんが許してくれる確信がありました。
つかささんは優しいから。こんな私のことも許してくれると思っていました。
期待をしていました。
きっと、あの時のかがみさんも、今の私と同じだったのだと思います。かけ
てほしかったのは励ましの言葉。向けてほしかったのはあたたかな笑顔。
思い起こしてみると、『みゆき、あんたを親友だと思うから話すんだけど……』
と、あの時かがみさんはそう前置きをしてから、私に話してくれたんでした。
自分が発したその言葉に、私の体は凍りついた。気落ちしているから、思考
がネガティブになっているだけだと思おうとしても、一度芽生えた不安は消え
てはくれなかった。
「……大丈夫よ。もし駄目でも、私と一緒に暮らしながら予備校に通えば……」
支離滅裂な事を言っているのは自分が一番分かっていた。
仮にこなたが予備校に行く事になったら、私の両親もこなたのお父さんも共
同生活を認めてはくれないはずだ。当たり前だ。大学も勉強をする場に違いな
いが、ある程度の自由はある。けれど予備校は試験に合格するためだけに行く
ところ。翌年の合格のために必死になって勉強をする場所だ。予備校の寮かな
にかに入って、勉強するのが本来の姿だろう。認めてくれるはずがない。
不安な思いが膨らんでいく。こなたと離れ離れになるかもしれない。最低で
も1年はこなたと離れ離れになる……。たった3日会えないだけで寂しくてた
まらないのに。それが1年も続くと思うと……。
体が震えだした。怖い、怖くて仕方がない。
「そうだ、私も予備校に通えば……。もっと上の大学を目指すと言って……」
私の思考は、すでに最悪の事態が現実となる事を前提としていた。けれど私
はその事をおかしいと思うこともできなかった。
「……お父さんやお母さんたちがあんなに喜んでくれたのに、そんな事できる
137:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/10 20:20:59 QFF0qLa0
そう自分を言い聞かせる。
試験が終わればいくらでも遊ぶ事ができる。そして春になれば、こなたとの
共同生活を始めるんだ。
2週間くらいあっという間に過ぎていく。寂しいけれど、私はこなたを信じ
て待っていればいいんだ。
「でも、もし今度も駄目だったら……」
自分が発したその言葉に、私の体は凍りついた。気落ちしているから、思考
がネガティブになっているだけだと思おうとしても、一度芽生えた不安は消え
てはくれなかった。
「……大丈夫よ。もし駄目でも、私と一緒に暮らしながら予備校に通えば……」
支離滅裂な事を言っているのは自分が一番分かっていた。
仮にこなたが予備校に行く事になったら、私の両親もこなたのお父さんも共
同生活を認めてはくれないはずだ。当たり前だ。大学も勉強をする場に違いな
いが、ある程度の自由はある。けれど予備校は試験に合格するためだけに行く
ところ。翌年の合格のために必死になって勉強をする場所だ。予備校の寮かな
にかに入って、勉強するのが本来の姿だろう。認めてくれるはずがない。
不安な思いが膨らんでいく。こなたと離れ離れになるかもしれない。最低で
も1年はこなたと離れ離れになる……。たった3日会えないだけで寂しくてた
……いいえ、違いますね。私はかがみさんに会うのが怖いから、つかささん
に謝って、許してもらいたかったのだと思います。少しでも自分が楽になりた
いから……。
「……大丈夫だよ、ゆきちゃん。私はゆきちゃんを嫌ったりしないよ」
優しい声。そして、私に向けられるつかささんの顔は、笑顔でした。
つかささんは私の懺悔を聞いても、私に笑顔を向けてくれました。
私の思っていたとおりに……。
その笑顔で私は気持ちが楽になりました。
ズルイですよね? 私は、つかささんが許してくれる確信がありました。
つかささんは優しいから。こんな私のことも許してくれると思っていました。
期待をしていました。
きっと、あの時のかがみさんも、今の私と同じだったのだと思います。かけ
てほしかったのは励ましの言葉。向けてほしかったのはあたたかな笑顔。
思い起こしてみると、『みゆき、あんたを親友だと思うから話すんだけど……』
てほしい。そう思ったから……。
こなたを落ち着かせてから、私は手始めに、こなたの第二志望の入試対策を
行おうと考えた。幸いな事に試験までは2週間以上余裕があったし、この1年
でこなたはしっかりと全ての科目の基礎を身に着けているのだから、あとはど
うしても苦手な部分を潰していけば良いだけのはずだ、と。
しかし、その事を話すと、こなたは首を横に振った。
「気持ちはすごく嬉しいけど、大丈夫だよ、かがみ。それくらいの事なら私一
人でも大丈夫だから……」
「でも……」と私は食い下がったけれど、
「お願い、かがみ。私を信じて……」
そんなこなたの懇願に、同意せざるを得なかった。
「ありがとう、かがみ。かがみのおかげで元気が出てきたよ。愛の力は偉大だ
よね~」
私の同意に、先ほどまでのしおらしい態度はどこへやら、こなたは軽口を言
って笑った。いつものこなたの笑顔。私の大好きな笑顔だった。
「ばっ、バカ、そういう発言は自重しろ!」
138:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/10 20:25:12 QFF0qLa0
_. x ―<|_____
/ ..:.: .:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:< ̄`
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≦ハ \,'.:.: .:.:./.::/|.:.:∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: \
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| .:l .:.:.|.:./ 弋zソ 弋z'ソハ:ト、.:.:| ヽ:!
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|.:.∨∧ー >. トェェェェイ / '.:.:!
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|.:.:.:.::| ∨ ∨ヽ:::::| |::::::∧ ! .:/
こなかが(笑)
139:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/10 20:30:46 QFF0qLa0
カーテン越しでも寒さが伝わってくるのが分かる。
その冷たさに本当に窓を開けたまま寝てしまったのかとため息をついた。
気だるい気分を振り払うように、一気にカーテンを引く。
「うわぁ……」
あたり一面の銀世界。
目の前に広がる光景に現実味が感じられず、しばらく見入ってしまった。
─あれ、どこかでみたような
さっきまで自分がここにいたような気分に襲われる。
─……夢?
そのまましばらく眺めていると、やがて現実の寒さが私を元の世界に立ち戻らせた。
寒さで思わず震えてしまう。
「窓はちゃんと閉まっていたようね」
ロックがかかっていることも確認する。
そのあたりは抜かりない。
そのままもう一度寝ようかと考えたが、寒さで目が覚めてしまったらしく眠れそうに無かった。
先ほどまで感じていた気だるさも消え、幾分冴えているようにも感じる。
しかたなくそのまま起きる事にした。
─今年は暖冬だって言ってたのに、まるでそのツケが今日一日に来たみたい
もう一度外の様子をうかがう。
昨夜中に雪が降り積もったらしく、今はもう止んでいる。
昔はもっと頻繁に雪が積もっていたような気もするけど、
温暖化の影響なのだろうか、近年これほど積もった記憶は無い。
澄んだ冷たさと静寂が外の世界を支配していた。
カーテン越しでも寒さが伝わってくるのが分かる。
その冷たさに本当に窓を開けたまま寝てしまったのかとため息をついた。
気だるい気分を振り払うように、一気にカーテンを引く。
「うわぁ……」
あたり一面の銀世界。
目の前に広がる光景に現実味が感じられず、しばらく見入ってしまった。
─あれ、どこかでみたような
さっきまで自分がここにいたような気分に襲われる。
─……夢?
そのまましばらく眺めていると、やがて現実の寒さが私を元の世界に立ち戻らせた。
寒さで思わず震えてしまう。
「窓はちゃんと閉まっていたようね」
ロックがかかっていることも確認する。
そのあたりは抜かりない。
そのままもう一度寝ようかと考えたが、寒さで目が覚めてしまったらしく眠れそうに無かった。
先ほどまで感じていた気だるさも消え、幾分冴えているようにも感じる。
しかたなくそのまま起きる事にした。
─今年は暖冬だって言ってたのに、まるでそのツケが今日一日に来たみたい
もう一度外の様子をうかがう。
昨夜中に雪が降り積もったらしく、今はもう止んでいる。
昔はもっと頻繁に雪が積もっていたような気もするけど、
温暖化の影響なのだろうか、近年これほど積もった記憶は無い。
澄んだ冷たさと静寂が外の世界を支配していた。
140:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/10 20:50:06 QFF0qLa0
まるで雪だるまに呼び寄せられているような気がして、近づいてみることに。
顔をよく見ると小さいながらも一生懸命作ったんだろう、目と鼻と口がきちんと取り付けられている。
位置を何度も修正した跡が見てとれた。
「へえ、ちゃんと作ってるんだ……でも」
しばらくそのまま顔を見つめていると、最初笑っているように見えた顔がどこか寂しさを押し隠しているように見えてくる。
その表情にドキッとした。
─何を悩んでるの?
「えっ?」
まるで自分の心の中に語りかけてくるような表情。
目をこすりもう一度良く見ると、もとの笑顔に戻っていた。
─勘違いしたのかな?
しばらくそのまま雪だるまを見ていると、家の中から小さな女の子が飛び出してきた。
元気いっぱいに雪の上を駆け回り始めた女の子は、嬉しそうにはしゃいでいる。
その様子を見ていると友達だろうか、家の中から別の女の子が出てきた。
ふたりは一緒になって、家の前を駆け回り始める。
何の曇りも無い純粋な笑顔が、とてもまぶしく映った。
「今日はすごい雪ですね」
いきなり後ろからかけられた声にびっくりした。
振り返ると、女の子の母親だろうか、家の前にいた私に声をかけてきていた。
別にこちらを不審がっている様子は無い。
たまたま家の前にいた私に声をかけてきたのだろう。
とても優しそうな雰囲気を持った人だった。
「そ、そうですね」
いきなり話しかけられたこともあり、ちょっと受け答えに戸惑ってしまった。
まるで雪だるまに呼び寄せられているような気がして、近づいてみることに。
顔をよく見ると小さいながらも一生懸命作ったんだろう、目と鼻と口がきちんと取り付けられている。
位置を何度も修正した跡が見てとれた。
「へえ、ちゃんと作ってるんだ……でも」
しばらくそのまま顔を見つめていると、最初笑っているように見えた顔がどこか寂しさを押し隠しているように見えてくる。
その表情にドキッとした。
─何を悩んでるの?
「えっ?」
まるで自分の心の中に語りかけてくるような表情。
目をこすりもう一度良く見ると、もとの笑顔に戻っていた。
─勘違いしたのかな?
しばらくそのまま雪だるまを見ていると、家の中から小さな女の子が飛び出してきた。
元気いっぱいに雪の上を駆け回り始めた女の子は、嬉しそうにはしゃいでいる。
その様子を見ていると友達だろうか、家の中から別の女の子が出てきた。
ふたりは一緒になって、家の前を駆け回り始める。
何の曇りも無い純粋な笑顔が、とてもまぶしく映った。
「今日はすごい雪ですね」
いきなり後ろからかけられた声にびっくりした。
振り返ると、女の子の母親だろうか、家の前にいた私に声をかけてきていた。
別にこちらを不審がっている様子は無い。
たまたま家の前にいた私に声をかけてきたのだろう。
とても優しそうな雰囲気を持った人だった。
「そ、そうですね」
いきなり話しかけられたこともあり、ちょっと受け答えに戸惑ってしまった。
141:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/10 20:51:33 QFF0qLa0
気だるい気分はまだ続いていたけど、重たい頭を振り払い窓に近づく。
カーテン越しでも寒さが伝わってくるのが分かる。
その冷たさに本当に窓を開けたまま寝てしまったのかとため息をついた。
気だるい気分を振り払うように、一気にカーテンを引く。
「うわぁ……」
あたり一面の銀世界。
目の前に広がる光景に現実味が感じられず、しばらく見入ってしまった。
─あれ、どこかでみたような
さっきまで自分がここにいたような気分に襲われる。
─……夢?
そのまましばらく眺めていると、やがて現実の寒さが私を元の世界に立ち戻らせた。
寒さで思わず震えてしまう。
「窓はちゃんと閉まっていたようね」
ロックがかかっていることも確認する。
そのあたりは抜かりない。
そのままもう一度寝ようかと考えたが、寒さで目が覚めてしまったらしく眠れそうに無かった。
先ほどまで感じていた気だるさも消え、幾分冴えているようにも感じる。
しかたなくそのまま起きる事にした。
─今年は暖冬だって言ってたのに、まるでそのツケが今日一日に来たみたい
もう一度外の様子をうかがう。
気だるい気分はまだ続いていたけど、重たい頭を振り払い窓に近づく。
カーテン越しでも寒さが伝わってくるのが分かる。
その冷たさに本当に窓を開けたまま寝てしまったのかとため息をついた。
気だるい気分を振り払うように、一気にカーテンを引く。
「うわぁ……」
あたり一面の銀世界。
目の前に広がる光景に現実味が感じられず、しばらく見入ってしまった。
─あれ、どこかでみたような
さっきまで自分がここにいたような気分に襲われる。
─……夢?
そのまましばらく眺めていると、やがて現実の寒さが私を元の世界に立ち戻らせた。
寒さで思わず震えてしまう。
「窓はちゃんと閉まっていたようね」
ロックがかかっていることも確認する。
そのあたりは抜かりない。
そのままもう一度寝ようかと考えたが、寒さで目が覚めてしまったらしく眠れそうに無かった。
先ほどまで感じていた気だるさも消え、幾分冴えているようにも感じる。
しかたなくそのまま起きる事にした。
─今年は暖冬だって言ってたのに、まるでそのツケが今日一日に来たみたい
もう一度外の様子をうかがう。
142:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/10 20:56:18 QFF0qLa0
─これだけ積もれば雪合戦もできそうね
もう一度あたり一面を見渡す。
木に積もった雪がこぼれ落ち、小さな雪の山を作っている。
白い雪で覆われた庭を眺めながら、未だに雪の上を元気に走り回っていそうな少女のことを思い出した。
蒼い髪を揺らしながらどこか遠くへと駆けていく彼女を思い描いてみる。
小さな雪が舞い落ちる中、踊るように雪の上を駆けてゆく少女。
その小さな姿はどんどん遠くへと離れていく。
追いつこうとするも、速くて追いつけない。
不安に駆られ声をかけようとしたけど、声が出ない。
─待って
思いが通じたのか少女は立ち止まる。
ゆっくりとこちらを振り向く彼女の表情は、笑みを湛えていた。
壊れそうなほど儚い笑みを。
……えっ?
「……!!」
頭の中が混乱する。
どこかで見たことがあるような風景。
空想の中に現れた蒼髪の少女に動揺した。
「どうしてあんたが……」
─これだけ積もれば雪合戦もできそうね
もう一度あたり一面を見渡す。
木に積もった雪がこぼれ落ち、小さな雪の山を作っている。
白い雪で覆われた庭を眺めながら、未だに雪の上を元気に走り回っていそうな少女のことを思い出した。
蒼い髪を揺らしながらどこか遠くへと駆けていく彼女を思い描いてみる。
小さな雪が舞い落ちる中、踊るように雪の上を駆けてゆく少女。
その小さな姿はどんどん遠くへと離れていく。
追いつこうとするも、速くて追いつけない。
不安に駆られ声をかけようとしたけど、声が出ない。
─待って
思いが通じたのか少女は立ち止まる。
ゆっくりとこちらを振り向く彼女の表情は、笑みを湛えていた。
壊れそうなほど儚い笑みを。
……えっ?
「……!!」
頭の中が混乱する。
どこかで見たことがあるような風景。
空想の中に現れた蒼髪の少女に動揺した。
「どうしてあんたが……」
143:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/10 21:03:46 QFF0qLa0
その5秒感―光が地球を35周半回る間、わたしは視界がブラックアウトして平行感覚すらなくなった世界の中にいた。
まずわたしの頭に浮かんだのは(あれ?『好き』ってどういう意味だったっけ?)という疑問だ。
最初の1秒間をフルに使ってわたしはみゆきの言葉の意味を思い出そうとする。
しかし直下型大地震が起きている頭ではその意味を探し出すのに永遠と思える1秒が必要だった。
さらに次の1秒で本当にみゆきが『その意味』で言ったのかどうかを確かめ、同じ時間をかけてその確認を終える。
最後の1秒間、混乱するわたしの心の中を『サキニ』『言わ』『Letter』だの『綿霜』『こなたが』『好』といった自分でも理解できないほど断絶した言葉や気持ちの段幕がまさに光の速さで駆け抜けていった。
その凄まじさはシューティングゲームなら怒りで画面を打ち砕きたくなるほどだ。
なぜそれらを避けようと思ったかは分からない。
ただその言葉や気持ちと向き合うことが怖くてわたしはひたすらかわし続けた。
おかげで我に返った後も、わたしは筋肉痛のようにギシギシきしむ心の痛みで動くことも出来ずにいた。
それでもなんとか視線だけは無理やりこなたの方に向ける。
今自分がどんな顔をしているのかよりもこなたがどんな顔をしているのかが気になったからだ。
何気ないみゆきの言葉でわたしは問題集を解く手を止めた。
今日はわたしの部屋で春休み明けテストに向けての勉強会。
勉強机に向かうわたしの後ろでは、会の参加者であるみゆきとつかさ、それにこなたが受験生の名に恥じぬ姿勢でいつもの白いミニテーブルに向かっている。
…はずなのだが、実際にテスト勉強をしているのはわたしとみゆきくらいで、あとの二人は必死に春休みの宿題と戦っている。
まあ学校が始まるのは週明けでまだ一週間ほどあるのだから、以前より少しは成長しているということだろう。
しかし、こなたの場合やっていることは相変わらずわたしのノートの写経なので、成長といってもジャワ原人とネアンデルタール人くらいの差でしかないのかもしれない。
「何か分からないことでもあった?英語だったら何とか答えられると思うけど」
椅子を回転させて勉強机に背を向けると、みゆきは小さく首を降った。
どうやら勉強に詰まったというわけではなさそうだ。
まあみゆきの実力からすれば当然といったところか。とほほ…
「ゆきちゃん何か忘れ物でもしたの?」
そのまま黙り込むみゆきを不思議に思ったのか、つかさが辞書を閉じて首を傾げる。
「何々?何かのドジッ子フラグ?」
意味不明なセリフとともにこなたも漫画から嬉しそうに顔をあげた。
(ん?漫画…?)
「って、あんた何漫画なんて読んでるのよ?!」
どうやら勉強に詰まったというわけではなさそうだ。
まあみゆきの実力からすれば当然といったところか。とほほ…
「ゆきちゃん何か忘れ物でもしたの?」
そのまま黙り込むみゆきを不思議に思ったのか、つかさが辞書を閉じて首を傾げる。
「何々?何かのドジッ子フラグ?」
意味不明なセリフとともにこなたも漫画から嬉しそうに顔をあげた。
(ん?漫画…?)
「って、あんた何漫画なんて読んでるのよ?!」
なぜそれらを避けようと思ったかは分からない。
ただその言葉や気持ちと向き合うことが怖くてわたしはひたすらかわし続けた。
おかげで我に返った後も、わたしは筋肉痛のようにギシギシきしむ心の痛みで動くことも出来ずにいた。
それでもなんとか視線だけは無理やりこなたの方に向ける。
今自分がどんな顔をしているのかよりもこなたがどんな顔をしているのかが気になったからだ。
まずわたしの頭に浮かんだのは(あれ?『好き』ってどういう意味だったっけ?)という疑問だ。
最初の1秒間をフルに使ってわたしはみゆきの言葉の意味を思い出そうとする。
しかし直下型大地震が起きている頭ではその意味を探し出すのに永遠と思える1秒が必要だった。
さらに次の1秒で本当にみゆきが『その意味』で言ったのかどうかを確かめ、同じ時間をかけてその確認を終える。
最後の1秒間、混乱するわたしの心の中を『サキニ』『言わ』『Letter』だの『綿霜』『こなたが』『好』といった自分でも理解できないほど断絶した言葉や気持ちの段幕がまさに光の速さで駆け抜けていった。
144:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/10 21:08:02 QFF0qLa0
職人さんありがとうございます。
おかげで楽しませてもらってます。
145:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/10 21:09:28 QFF0qLa0
その5秒感―光が地球を35周半回る間、わたしは視界がブラックアウトして平行感覚すらなくなった世界の中にいた。
まずわたしの頭に浮かんだのは(あれ?『好き』ってどういう意味だったっけ?)という疑問だ。
最初の1秒間をフルに使ってわたしはみゆきの言葉の意味を思い出そうとする。
しかし直下型大地震が起きている頭ではその意味を探し出すのに永遠と思える1秒が必要だった。
さらに次の1秒で本当にみゆきが『その意味』で言ったのかどうかを確かめ、同じ時間をかけてその確認を終える。
最後の1秒間、混乱するわたしの心の中を『サキニ』『言わ』『Letter』だの『綿霜』『こなたが』『好』といった自分でも理解できないほど断絶した言葉や気持ちの段幕がまさに光の速さで駆け抜けていった。
その凄まじさはシューティングゲームなら怒りで画面を打ち砕きたくなるほどだ。
なぜそれらを避けようと思ったかは分からない。
ただその言葉や気持ちと向き合うことが怖くてわたしはひたすらかわし続けた。
おかげで我に返った後も、わたしは筋肉痛のようにギシギシきしむ心の痛みで動くことも出来ずにいた。
それでもなんとか視線だけは無理やりこなたの方に向ける。
今自分がどんな顔をしているのかよりもこなたがどんな顔をしているのかが気になったからだ。
何気ないみゆきの言葉でわたしは問題集を解く手を止めた。
今日はわたしの部屋で春休み明けテストに向けての勉強会。
勉強机に向かうわたしの後ろでは、会の参加者であるみゆきとつかさ、それにこなたが受験生の名に恥じぬ姿勢でいつもの白いミニテーブルに向かっている。
…はずなのだが、実際にテスト勉強をしているのはわたしとみゆきくらいで、あとの二人は必死に春休みの宿題と戦っている。
まあ学校が始まるのは週明けでまだ一週間ほどあるのだから、以前より少しは成長しているということだろう。
しかし、こなたの場合やっていることは相変わらずわたしのノートの写経なので、成長といってもジャワ原人とネアンデルタール人くらいの差でしかないのかもしれない。
「何か分からないことでもあった?英語だったら何とか答えられると思うけど」
椅子を回転させて勉強机に背を向けると、みゆきは小さく首を降った。
どうやら勉強に詰まったというわけではなさそうだ。
まあみゆきの実力からすれば当然といったところか。とほほ…
「ゆきちゃん何か忘れ物でもしたの?」
そのまま黙り込むみゆきを不思議に思ったのか、つかさが辞書を閉じて首を傾げる。
「何々?何かのドジッ子フラグ?」
意味不明なセリフとともにこなたも漫画から嬉しそうに顔をあげた。
(ん?漫画…?)
「って、あんた何漫画なんて読んでるのよ?!」
なぜそれらを避けようと思ったかは分からない。
ただその言葉や気持ちと向き合うことが怖くてわたしはひたすらかわし続けた。
自分の中から抑えきれない感情が溢れてくるのを自覚してわたしは怖くなった。
決して不快な感情ではない。
ただその勢いによって『わたし』というダムが決壊してしまいそうで怖かった。
「わ、わたしもゆきちゃんが大好き!!」
まるで何かに宣言するかのようにつかさがいきなり声をあげた。
「ありがとうございます。
先程泉さんがおっしゃったように、私も泉さんと同じ気持ちですよ」
ちらりと視線を上げるとニコニコといつも通りの笑みでみゆきが頷くのが見えた。
ふにゃ、という音が聞こえるようにつかさが茹でダコのように真っ赤になって崩れ落ちる。
それを見てこなたはつかさとみゆきから手を離し、少しだけ羨ましそうな顔をするとわたしの右耳に囁いた。
「かがみは言ってくるないの?」
こ、こいつはわたしに何を言わせるつもりなんだ?!
ココで、つかさもみゆきもいる場所でナニを言えというんだ!
向かい合った膝と膝との間がコブシ一つ分もない距離でこなたはわたしの顔を正面から見つめる。
さっきまでは錆び付いているかのように軋んでいた心臓がまるで油をさしたかのように軽やかに鼓動を早めていく。
ちょっとそのスピードは早過ぎるくらいだ。
こなたのエメラルドに映った像でわたしは自分の顔が真っ赤になっていることを知った。
こなたは一瞬だけ目を閉じて軽く深呼吸した後、目を開けて優しく微笑んだ。
「かがみ大好きだよ」
思わず下を向いてしまった。
さらりとこなたが言った言葉がじわじわとわたしに染み込んでいく。
(や、やだ…なんなのコレ?)
自分の中から抑えきれない感情が溢れてくるのを自覚してわたしは怖くなった。
146:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/11 14:50:42 DD5kvpqf
,. - ―- 、
/ ヽ
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/ / >>1\
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. ./ ,-、 | ,r' / ̄''''‐-..,フ!
. { / ハ `l/ i' i _ `ヽ
| .rソ i' l r' ,..二''ァ ,ノ
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| l ; l iフ /ヽ ヽ_//
l l ;: l | j {
|. ゝ ;:i' `''''ー‐-' }
| ::. \ ヽ、__ ノ
| ::. `ー-`ニ''ブ
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147:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/11 20:34:09 A1VKeORS
「ほんとに?」
そう言うと、それ以上何も聞かないでいてくれた。
しばらく心配そうな顔してたけど、また元の優しい表情に戻った。
「これからお出かけ?」
「え、ええ。……ちょっと……と、友達の家に」
最後の部分は口から出任せだったけど、それもいいかもしれない。
かがみとの冷え切った関係がこれ以上続くのはもう嫌だった。
─会ってもう一度謝ろう
このままの状態でかがみと離れ離れになるなんて……絶
「顔の部分が良くできてますね。何度も作り直した跡がありますし」
お世辞じゃなく、本当にそう思った。
何度も作り直した苦労の跡が見て取れる。
「ええ、両手が真っ赤になるまでね。二人の思い出作りなんでしょう」
「えっ?」
「もうすぐ、引っ越す予定なの。だから、あの子も友達と別れることになるから。記念にね」
思ってもみなかった言葉に、何も言い返せない。
今目の前で仲良く遊んでいる二人は、もうじき離ればなれになる。
その事実に胸が締め付けられる思いがした。
もし自分が友達と離ればなれにならなくなったら?
みゆきさんや、つかさ、それに……それにかがみとも会えなくなる。
最初は電話やメールでやり取りするも、直に疎遠になり、やがて連絡も取らなくなる。
そんな現実を想像し、悪寒が走った。
「とても仲良さそうなのに……」
今目の前に溢れている笑顔は、もうすぐ失われる。
148:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/11 20:45:07 A1VKeORS
元気いっぱいに雪の上を駆け回り始めた女の子は、嬉しそうにはしゃいでいる。
その様子を見ていると友達だろうか、家の中から別の女の子が出てきた。
ふたりは一緒になって、家の前を駆け回り始める。
何の曇りも無い純粋な笑顔が、とてもまぶしく映った。
「今日はすごい雪ですね」
いきなり後ろからかけられた声にびっくりした。
振り返ると、女の子の母親だろうか、家の前にいた私に声をかけてきていた。
別にこちらを不審がっている様子は無い。
たまたま家の前にいた私に声をかけてきたのだろう。
とても優しそうな雰囲気を持った人だった。
「そ、そうですね」
いきなり話しかけられたこともあり、ちょっと受け答えに戸惑ってしまった。
それに、普段母親という存在と話す機会はあまり無い。
友達の母親と会うことはたまにあるけど、いつも友達と一緒だ。
一対一で母親と向き合うという経験は、ほとんど記憶になかった。
すこし気まずく感じて、視線を雪だるまに移した。
まるで自分の心の中に語りかけてくるような表情。
まるで自分の心の中に語りかけてくるような表情。
目をこすりもう一度良く見ると、もとの笑顔に戻っていた。
─勘違いしたのかな?
しばらくそのまま雪だるまを見ていると、家の中から小さな女の子が飛び出してきた。
元気いっぱいに雪の上を駆け回り始めた女の子は、嬉しそうにはしゃいでいる。
その様子を見ていると友達だろうか、家の中から別の女の子が出てきた。
ふたりは一緒になって、家の前を駆け回り始める。
何の曇りも無い純粋な笑顔が、とてもまぶしく映った。
「今日はすごい雪ですね」
いきなり後ろからかけられた声にびっくりした。
振り返ると、女の子の母親だろうか、家の前にいた私に声をかけてきていた。
別にこちらを不審がっている様子は無い。
たまたま家の前にいた私に声をかけてきたのだろう。
とても優しそうな雰囲気を持った人だった。
「そ、そうですね」
いきなり話しかけられたこともあり、ちょっと受け答えに戸惑ってしまった。
それに、普段母親という存在と話す機会はあまり無い。
友達の母親と会うことはたまにあるけど、いつも友達と一緒だ。
一対一で母親と向き合うという経験は、ほとんど記憶になかった。
すこし気まずく感じて、視線を雪だるまに移した。
まるで自分の心の中に語りかけてくるような表情。
目をこすりもう一度良く見ると、もとの笑顔に戻っていた。
─勘違いしたのかな?
しばらくそのまま雪だるまを見ていると、家の中から小さな女の子が飛び出してきた。
元気いっぱいに雪の上を駆け回り始めた女の子は、嬉しそうにはしゃいでいる。
その様子を見ていると友達だろうか、家の中から別の女の子が出てきた。
149:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/11 20:47:51 A1VKeORS
ずっと俯いたままの私に、大丈夫と声をかけてくれた。
見上げると、心配そうに私の顔を覗き込んでいる。
「だ、大丈夫です」
知らない人に迷惑かけちゃいけない。
「ほんとに?」
そう言うと、それ以上何も聞かないでいてくれた。
しばらく心配そうな顔してたけど、また元の優しい表情に戻った。
「これからお出かけ?」
「え、ええ。……ちょっと……と、友達の家に」
最後の部分は口から出任せだったけど、それもいいかもしれない。
かがみとの冷え切った関係がこれ以上続くのはもう嫌だった。
─会ってもう一度謝ろう
このままの状態でかがみと離れ離れになるなんて……絶
「顔の部分が良くできてますね。何度も作り直した跡がありますし」
お世辞じゃなく、本当にそう思った。
何度も作り直した苦労の跡が見て取れる。
「ええ、両手が真っ赤になるまでね。二人の思い出作りなんでしょう」
「えっ?」
「もうすぐ、引っ越す予定なの。だから、あの子も友達と別れることになるから。記念にね」
思ってもみなかった言葉に、何も言い返せない。
今目の前で仲良く遊んでいる二人は、もうじき離ればなれになる。
その事実に胸が締め付けられる思いがした。
もし自分が友達と離ればなれにならなくなったら?
みゆきさんや、つかさ、それに……それにかがみとも会えなくなる。
最初は電話やメールでやり取りするも、直に疎遠になり、やがて連絡も取らなくなる。
このままの状態でかがみと離れ離れになるなんて……絶
「顔の部分が良くできてますね。何度も作り直した跡がありますし」
お世辞じゃなく、本当にそう思った。
何度も作り直した苦労の跡が見て取れる。
「ええ、両手が真っ赤になるまでね。二人の思い出作りなんでしょう」
「えっ?」
「もうすぐ、引っ越す予定なの。だから、あの子も友達と別れることになるから。記念にね」
思ってもみなかった言葉に、何も言い返せない。
今目の前で仲良く遊んでいる二人は、もうじき離ればなれになる。
その事実に胸が締め付けられる思いがした。
もし自分が友達と離ればなれにならなくなったら?
みゆきさんや、つかさ、それに……それにかがみとも会えなくなる。
最初は電話やメールでやり取りするも、直に疎遠になり、やがて連絡も取らなくなる。
そんな現実を想像し、悪寒が走った。
「とても仲良さそうなのに……」
今目の前に溢れている笑顔は、もうすぐ失われる。
その現実がとても悲しい。
「別れは辛いけど、二人離れてもずっと友達のままよ
「顔の部分が良くできてますね。何度も作り直した跡がありますし」
お世辞じゃなく、本当にそう思った。
何度も作り直した苦労の跡が見て取れる。
「ええ、両手が真っ赤になるまでね。二人の思い出作りなんでしょう」
「えっ?」
「もうすぐ、引っ越す予定なの。だから、あの子も友達と別れることになるから。記念にね」
150:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/11 20:50:30 A1VKeORS
その言葉が胸に突き刺さる。
ずっと俯いたままの私に、大丈夫と声をかけてくれた。
見上げると、心配そうに私の顔を覗き込んでいる。
「だ、大丈夫です」
知らない人に迷惑かけちゃいけない。
「ほんとに?」
そう言うと、それ以上何も聞かないでいてくれた。
しばらく心配そうな顔してたけど、また元の優しい表情に戻った。
「これからお出かけ?」
「え、ええ。……ちょっと……と、友達の家に」
最後の部分は口から出任せだったけど、それもいいかもしれない。
かがみとの冷え切った関係がこれ以上続くのはもう嫌だった。
─会ってもう一度謝ろう
このままの状態でかがみと離れ離れになるなんて……絶
「顔の部分が良くできてますね。何度も作り直した跡がありますし」
お世辞じゃなく、本当にそう思った。
何度も作り直した苦労の跡が見て取れる。
「ええ、両手が真っ赤になるまでね。二人の思い出作りなんでしょう」
「えっ?」
「もうすぐ、引っ越す予定なの。だから、あの子も友達と別れることになるから。記念にね」
思ってもみなかった言葉に、何も言い返せない。
今目の前で仲良く遊んでいる二人は、もうじき離ればなれになる。
その様子を見ていると友達だろうか、家の中から別の女の子が出てきた。
ふたりは一緒になって、家の前を駆け回り始める。
何の曇りも無い純粋な笑顔が、とてもまぶしく映った。
「今日はすごい雪ですね」
いきなり後ろからかけられた声にびっくりした。
振り返ると、女の子の母親だろうか、家の前にいた私に声をかけてきていた。
別にこちらを不審がっている様子は無い。
たまたま家の前にいた私に声をかけてきたのだろう。
とても優しそうな雰囲気を持った人だった。
「そ、そうですね」
いきなり話しかけられたこともあり、ちょっと受け答えに戸惑ってしまった。
それに、普段母親という存在と話す機会はあまり無い。
友達の母親と会うことはたまにあるけど、いつも友達と一緒だ。
一対一で母親と向き合うという経験は、ほとんど記憶になかった。
すこし気まずく感じて、視線を雪だるまに移した。
まるで自分の心の中に語りかけてくるような表情。
目をこすりもう一度良く見ると、もとの笑顔に戻っていた。
─勘違いしたのかな?
しばらくそのまま雪だるまを見ていると、家の中から小さな女の子が飛び出してきた。
元気いっぱいに雪の上を駆け回り始めた女の子は、嬉しそうにはしゃいでいる。
その様子を見ていると友達だろうか、家の中から別の女の子が出てきた。
ふたりは一緒になって、家の前を駆け回り始める。
151:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/11 20:56:43 8jjZrLDA
近年これほど積もることのなかった雪にしばし見入ってしまう。
外の世界は朝日を受けて、きらきらと輝いていた。
見たところ雪の上には足跡一つ無い。
「うう~、さむっ、さむっ……ってあれ? こんな朝早くからどうしたんだ?」
「あ、お父さんおはよう。久しぶりに積もった雪を見にちょっと散歩に出ようと思って」
そういって玄関のドアを開け、外の様子を見せる。
手に触れたドアノブが冷たかったけど、仕方ない。
手袋はまた今度探そう。
「うわ、こりゃあすごい雪だな。何年ぶりだ、こんなに積もったのは」
「久しぶりだよね」
「しかし、こんな雪の中出歩いて大丈夫なのか? 滑って怪我でもしたら大変だぞ」
「心配しすぎだよ。私の運動神経知ってるでしょ?」
「まあ、確かに。大事な時期なんだから、くれぐれも怪我だけはせんように気をつけてな」
「うん、じゃあ行ってくる……よ!?」
元気良く出ていくと、玄関に積もった雪に足を滑らせそうになった。
「おいおい、ほんとに大丈夫か?」
「ハハハ、雪の上を歩くのは久しぶりだからね」
言葉とは逆の結果に、慌ててごまかした。
心配かけすぎて外に出ちゃだめなんて言われたら困る。
薄暗い室内に、整然と並ぶフィギュアが目に入る。
それらはまるで自分を見下ろしているように見える。
パソコンのディスプレイに目を移すと、電源が入ったままだ。
暗いディスプレイには、ひどい顔をした自分がぼんやりと映し出されていた。
─泣いた後、疲れて寝てしまったんだ
泣いたせいで幾分まぶたが腫れてるような気もするけど、昨日より気分はましになってる。
また暗い感情に支配されそうになる前に、気分を変えるためにもベッドから起き出した。
「うわ、さむっ!」
部屋の中で氷漬けにされた哀れな自分の姿を想像していると、
「駄目だ……早くなんとかしないと……」
変な想像をしている余裕はさすがに無い。
全身鳥肌でガクガク震えながら素早く着替えを終える。
ヒーターもオン。
しばらくしてようやく部屋の中が暖かくなった。
「ふう、一時はどうなることかと……」
ぶつぶつと呟きながらカーテンを開けると、
「こ、これは……」
目の前に広がるのは一面雪の世界。
近年これほど積もることのなかった雪にしばし見入ってしまう。
外の世界は朝日を受けて、きらきらと輝いていた。
見たところ雪の上には足跡一つ無い。
「うう~、さむっ、さむっ……ってあれ? こんな朝早くからどうしたんだ?」
「あ、お父さんおはよう。久しぶりに積もった雪を見にちょっと散歩に出ようと思って」
そういって玄関のドアを開け、外の様子を見せる。
手に触れたドアノブが冷たかったけど、仕方ない。
152:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/11 21:06:30 A1VKeORS
「こなちゃんのアパートにくるの、これで2回目かな?」
「ん、確かそだったかな? まぁ相変わらずの部屋だけどね」
何故か立ちっぱなしのつかさにお茶を手渡す。
つかさが言うように、つかさがこの家にくるのは2回目だ。
ちなみに1回目は、つかさにみゆきさんに、ご招待というなのお手伝いをしてもらった日。
ストレートにいうと、引っ越し初日だった。
─ かがみにもあのヲタ区域については、2日に1回は口うるさく言われてたっけ。
そこまで考えが至って、自分の思考に落胆した。
─ …また、やってしまった。
最近は何を考えても、最後はかがみに結びついてしまう。
それが悪いとは思ってはいなかった。…つい2日前までは。
今の私はかがみのことに考えが至る度に、かがみを失う可能性の未来を考えては、陰鬱になり、周りが見えなくなってしまう。
─ まだ失うとは決まったわけじゃないのに、ね…。
そう。その可能性に縋るか、捨てるかは自分次第なのに、私は未だ決められていない。
「こなちゃん、どうしたの?」
「へ…あー…なんでもないよ」
「そっかぁ」
かがみと一緒に暮らすようになってから、常備するようになったお茶だ。
手元にあるコップが、注がれていくお茶の量に比例して冷えていくのが心地いい。
「こなちゃんのアパートにくるの、これで2回目かな?」
「ん、確かそだったかな? まぁ相変わらずの部屋だけどね」
「へ…あー…なんでもないよ」
「そっかぁ」
かがみと一緒に暮らすようになってから、常備するようになったお茶だ。
手元にあるコップが、注がれていくお茶の量に比例して冷えていくのが心地いい。
「こなちゃんのアパートにくるの、これで2回目かな?」
「ん、確かそだったかな? まぁ相変わらずの部屋だけどね」
何故か立ちっぱなしのつかさにお茶を手渡す。
つかさが言うように、つかさがこの家にくるのは2回目だ。
ちなみに1回目は、つかさにみゆきさんに、ご招待というなのお手伝いをしてもらった日。
ストレートにいうと、引っ越し初日だった。
─ かがみにもあのヲタ区域については、2日に1回は口うるさく言われてたっけ。
そこまで考えが至って、自分の思考に落胆した。
─ …また、やってしまった。
最近は何を考えても、最後はかがみに結びついてしまう。
それが悪いとは思ってはいなかった。…つい2日前までは。
今の私はかがみのことに考えが至る度に、かがみを失う可能性の未来を考えては、陰鬱になり、周りが見えなくなってしまう。
─ まだ失うとは決まったわけじゃないのに、ね…。
153:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/11 21:14:01 8jjZrLDA
一通り咳き込んですっきりしてから、一方すっきりとは程遠い頭を稼働させた。
つかさの質問の意図は解らないけど、言葉の意味は理解できる。
「かがみのことが好きか?」と言われれば、もちろんYesだ。
お茶を吹きかけた。
ついでに、気管にお茶が入って、さらには手の中にあるコップを落としかけた。
そんな慌ただしい今の心境をゲームに例えると、グラフィックでエネミーエンカウントするRPGのプレイ中、
目視出来ない敵にバックアタック食らった感じだ。
一見冷静に例えてるけど、実際は唐突かつ意外な不意打ちに、咽せつつも頭の中はぐちゃぐちゃになってた。
つかさの質問の意図は解らないけど、言葉の意味は理解できる。
「かがみのことが好きか?」と言われれば、もちろんYesだ。
お茶を吹きかけた。
ついでに、気管にお茶が入って、さらには手の中にあるコップを落としかけた。
そんな慌ただしい今の心境をゲームに例えると、グラフィックでエネミーエンカウントするRPGのプレイ中、
目視出来ない敵にバックアタック食らった感じだ。
一見冷静に例えてるけど、実際は唐突かつ意外な不意打ちに、咽せつつも頭の中はぐちゃぐちゃになってた。
「こ、こなちゃん、大丈夫!??」
「げほっ!げほっ!」
本気とかいてマジで心配そうな顔なつかさに、咽せつつもジェスチャーで大丈夫と意思表示しておく。
まぁ咽せた原因は間違いなくつかさにあって、本人はそんなこと露にも思ってないのはさすがだと思う。
一通り咳き込んですっきりしてから、一方すっきりとは程遠い頭を稼働させた。
つかさの質問の意図は解らないけど、言葉の意味は理解できる。
一通り咳き込んですっきりしてから、一方すっきりとは程遠い頭を稼働させた。
つかさの質問の意図は解らないけど、言葉の意味は理解できる。
「かがみのことが好きか?」と言われれば、もちろんYesだ。
お茶を吹きかけた。
ついでに、気管にお茶が入って、さらには手の中にあるコップを落としかけた。
そんな慌ただしい今の心境をゲームに例えると、グラフィックでエネミーエンカウントするRPGのプレイ中、
目視出来ない敵にバックアタック食らった感じだ。
一見冷静に例えてるけど、実際は唐突かつ意外な不意打ちに、咽せつつも頭の中はぐちゃぐちゃになってた。
つかさの質問の意図は解らないけど、言葉の意味は理解できる。
「かがみのことが好きか?」と言われれば、もちろんYesだ。
お茶を吹きかけた。
ついでに、気管にお茶が入って、さらには手の中にあるコップを落としかけた。
そんな慌ただしい今の心境をゲームに例えると、グラフィックでエネミーエンカウントするRPGのプレイ中、
目視出来ない敵にバックアタック食らった感じだ。
一見冷静に例えてるけど、実際は唐突かつ意外な不意打ちに、咽せつつも頭の中はぐちゃぐちゃになってた。
「こ、こなちゃん、大丈夫!??」
「げほっ!げほっ!」
本気とかいてマジで心配そうな顔なつかさに、咽せつつもジェスチャーで大丈夫と意思表示しておく。
まぁ咽せた原因は間違いなくつかさにあって、本人はそんなこと露にも思ってないのはさすがだと思う。
一通り咳き込んですっきりしてから、一方すっきりとは程遠い頭を稼働させた。
つかさの質問の意図は解らないけど、言葉の意味は理解できる。
154:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/11 21:21:40 A1VKeORS
最近は何を考えても、最後はかがみに結びついてしまう。
それが悪いとは思ってはいなかった。…つい2日前までは。
今の私はかがみのことに考えが至る度に、かがみを失う可能性の未来を考えては、陰鬱になり、周りが見えなくなってしまう。
─ まだ失うとは決まったわけじゃないのに、ね…。
そう。その可能性に縋るか、捨てるかは自分次第なのに、私は未だ決められていない。
「こなちゃん、どうしたの?」
「へ…あー…なんでもないよ」
「そっかぁ」
かがみと一緒に暮らすようになってから、常備するようになったお茶だ。
手元にあるコップが、注がれていくお茶の量に比例して冷えていくのが心地いい。
「こなちゃんのアパートにくるの、これで2回目かな?」
「ん、確かそだったかな? まぁ相変わらずの部屋だけどね」
何故か立ちっぱなしのつかさにお茶を手渡す。
つかさが言うように、つかさがこの家にくるのは2回目だ。
ちなみに1回目は、つかさにみゆきさんに、ご招待というなのお手伝いをしてもらった日。
ストレートにいうと、引っ越し初日だった。
─ かがみにもあのヲタ区域については、2日に1回は口うるさく言われてたっけ。
そこまで考えが至って、自分の思考に落胆した。
─ …また、やってしまった。
最近は何を考えても、最後はかがみに結びついてしまう。
ついでに、気管にお茶が入って、さらには手の中にあるコップを落としかけた。
そんな慌ただしい今の心境をゲームに例えると、グラフィックでエネミーエンカウントするRPGのプレイ中、
目視出来ない敵にバックアタック食らった感じだ。
一見冷静に例えてるけど、実際は唐突かつ意外な不意打ちに、咽せつつも頭の中はぐちゃぐちゃになってた。
「こ、こなちゃん、大丈夫!??」
「げほっ!げほっ!」
本気とかいてマジで心配そうな顔なつかさに、咽せつつもジェスチャーで大丈夫と意思表示しておく。
まぁ咽せた原因は間違いなくつかさにあって、本人はそんなこと露にも思ってないのはさすがだと思う。
一通り咳き込んですっきりしてから、一方すっきりとは程遠い頭を稼働させた。
155:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/11 21:27:50 A1VKeORS
「げほっ!げほっ!」
本気とかいてマジで心配そうな顔なつかさに、咽せつつもジェスチャーで大丈夫と意思表示しておく。
まぁ咽せた原因は間違いなくつかさにあって、本人はそんなこと露にも思ってないのはさすがだと思う。
一通り咳き込んですっきりしてから、一方すっきりとは程遠い頭を稼働させた。
つかさの質問の意図は解らないけど、言葉の意味は理解できる。
「かがみのことが好きか?」と言われれば、もちろんYesだ。
お茶を吹きかけた。
ついでに、気管にお茶が入って、さらには手の中にあるコップを落としかけた。
そんな慌ただしい今の心境をゲームに例えると、グラフィックでエネミーエンカウントするRPGのプレイ中、
目視出来ない敵にバックアタック食らった感じだ。
一見冷静に例えてるけど、実際は唐突かつ意外な不意打ちに、咽せつつも頭の中はぐちゃぐちゃになってた。
「こ、こなちゃん、大丈夫!??」
「げほっ!げほっ!」
「かがみのことが好きか?」と言われれば、もちろんYesだ。
お茶を吹きかけた。
ついでに、気管にお茶が入って、さらには手の中にあるコップを落としかけた。
そんな慌ただしい今の心境をゲームに例えると、グラフィックでエネミーエンカウントするRPGのプレイ中、
目視出来ない敵にバックアタック食らった感じだ。
一見冷静に例えてるけど、実際は唐突かつ意外な不意打ちに、咽せつつも頭の中はぐちゃぐちゃになってた。
「げほっ!げほっ!」
本気とかいてマジで心配そうな顔なつかさに、咽せつつもジェスチャーで大丈夫と意思表示しておく。
まぁ咽せた原因は間違いなくつかさにあって、本人はそんなこと露にも思ってないのはさすがだと思う。
一通り咳き込んですっきりしてから、一方すっきりとは程遠い頭を稼働させた。
つかさの質問の意図は解らないけど、言葉の意味は理解できる。
「かがみのことが好きか?」と言われれば、もちろんYesだ。
お茶を吹きかけた。
ついでに、気管にお茶が入って、さらには手の中にあるコップを落としかけた。
そんな慌ただしい今の心境をゲームに例えると、グラフィックでエネミーエンカウントするRPGのプレイ中、
目視出来ない敵にバックアタック食らった感じだ。
一見冷静に例えてるけど、実際は唐突かつ意外な不意打ちに、咽せつつも頭の中はぐちゃぐちゃになってた。
「こ、こなちゃん、大丈夫!??」
「げほっ!げほっ!」
「かがみのことが好きか?」と言われれば、もちろんYesだ。
お茶を吹きかけた。
ついでに、気管にお茶が入って、さらには手の中にあるコップを落としかけた。
そんな慌ただしい今の心境をゲームに例えると、グラフィックでエネミーエンカウントするRPGのプレイ中、
目視出来ない敵にバックアタック食らった感じだ。
一見冷静に例えてるけど、実際は唐突かつ意外な不意打ちに、咽せつつも頭の中はぐちゃぐちゃになってた。
156:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/11 21:29:10 A1VKeORS
《かがみのこと嫌い?》
その一部だけが頭の中で反復され、心の中の何かが軋む音がした。
「そんなことない!嫌いなんかじゃない!」
脊髄反射ともいうのだろうか。
気付けば、語尾を強めた言葉を返しながら振り返っていた。
思ったよりつかさとの距離が近くて、驚いたのもつかの間。
彼女の持っているほんわかした雰囲気で忘れがちだけど、つかさは私より目線一個分身長が高い。
そんな身体的な特徴や、今、つかさが纏っている空気に、表情のせいもあるのかもしれないけど。
…記憶の中のかがみの面影と、目の前にいるつかさが重なって見えて、私はつかさに釘付けになった
つかさに言うような事じゃないし、気持ち悪いって思われても仕方ない。
女同士で、こんな気持ち抱くのは間違いだって、自分でもわかってるんだよ。
でも、そんなこと関係ないって、周りにどう思われてもいいって思っちゃうくらい、かがみが好き─」
そこまでいって、ようやく口の暴走が止まる。
雰囲気に飲み込まれた自我が、目の前にいるつかさの笑顔を確認したとき、そろっと帰ってきた。
想いの相手に伝えたわけじゃないのに、今の自分は間違いなく愛の告白をしているわけで。
沸き上がる羞恥心が顔を赤に染め上げるには、そう時間は掛からなかった。
しばしの間の後、背に刺さる言葉。
いや、この痛みはもっと深いところに刺さったんだろう。
《かがみのこと嫌い?》
その一部だけが頭の中で反復され、心の中の何かが軋む音がした。
「そんなことない!嫌いなんかじゃない!」
脊髄反射ともいうのだろうか。
気付けば、語尾を強めた言葉を返しながら振り返っていた。
思ったよりつかさとの距離が近くて、驚いたのもつかの間。
彼女の持っているほんわかした雰囲気で忘れがちだけど、つかさは私より目線一個分身長が高い。
そんな身体的な特徴や、今、つかさが纏っている空気に、表情のせいもあるのかもしれないけど。
…記憶の中のかがみの面影と、目の前にいるつかさが重なって見えて、私はつかさに釘付けになった。
かがみが、泣いている私を抱き締めてくれたときと、同じ優しさが、
そんな私の想いは、日本という世間では冷たい目で見られる上に、
かがみの家族であるつかさに、非常識を一方的に突きつけていいはずがない。
そんな常識が、私の口を止めていた。
「…それともこなちゃんは、お姉ちゃんのこと…嫌い?」
しばしの間の後、背に刺さる言葉。
いや、この痛みはもっと深いところに刺さったんだろう。
《かがみのこと嫌い?》
157:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/11 21:30:16 A1VKeORS
そんな私をつかさは見続けていた。
ある種の羞恥プレイに心は悶えながら、身体は頭を抱え込んで、とりあえずつかさの視線から逃亡を図る。
「あ、いや…その、つかさ、今の…一部忘れてくれると、助かるんだけど…」
そんな私の想いは、日本という世間では冷たい目で見られる上に、
かがみの家族であるつかさに、非常識を一方的に突きつけていいはずがない。
そんな常識が、私の口を止めていた。
「…それともこなちゃんは、お姉ちゃんのこと…嫌い?」
しばしの間の後、背に刺さる言葉。
いや、この痛みはもっと深いところに刺さったんだろう。
《かがみのこと嫌い?》
その一部だけが頭の中で反復され、心の中の何かが軋む音がした。
《かがみのこと嫌い?》
その一部だけが頭の中で反復され、心の中の何かが軋む音がした。
「そんなことない!嫌いなんかじゃない!」
─ふたを開けてみれば、私はかがみを好きになっていた。
そんな私をつかさは見続けていた。
ある種の羞恥プレイに心は悶えながら、身体は頭を抱え込んで、とりあえずつかさの視線から逃亡を図る。
「あ、いや…その、つかさ、今の…一部忘れてくれると、助かるんだけど…」
そんな私の想いは、日本という世間では冷たい目で見られる上に、
かがみの家族であるつかさに、非常識を一方的に突きつけていいはずがない。
そんな常識が、私の口を止めていた。
「…それともこなちゃんは、お姉ちゃんのこと…嫌い?」
しばしの間の後、背に刺さる言葉。
いや、この痛みはもっと深いところに刺さったんだろう。
《かがみのこと嫌い?》
その一部だけが頭の中で反復され、心の中の何かが軋む音がした。
《かがみのこと嫌い?》
その一部だけが頭の中で反復され、心の中の何かが軋む音がした。
「そんなことない!嫌いなんかじゃない!」
─ふたを開けてみれば、私はかがみを好きになっていた。
158:あぼーん
あぼーん
あぼーん
159:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/11 21:31:10 A1VKeORS
そんなことを考えながら歩いていると、廊下の先、10メートルぐらいの所に蒼い髪がちらりと
踊るのが見えた。
「こ、こなちゃん!?」
「ひゃぁっ!?つかささん!?」
慌ててゆきちゃんのセーラー服の裾を引っ張って抱きしめるみたいにして縮こまって
一緒に目の前にある柱に身を隠した。顔は見えなかったけれど
この学校にあんなに綺麗な蒼くて長い髪の持ち主はこなちゃんしかいない。
トイレはちょうど今進んでいる方の正反対にあるから、もし見つかっちゃったらなんて言い訳したらいいんだろう?
焦りでうまく働かない頭を懸命に働かせながら出来る限り体を小さく折りたためる。
けれど、いつまでたってもこなちゃん、そして一緒にいるはずのお姉ちゃんは廊下を進んでこなかった。
「あれ…?」
不思議に思って少しだけ顔を出してみると、廊下にはこなちゃんどころか誰一人歩いていなかった。
「つ、つかささん…、あの…苦しい…です…」
…それより、泉さんたちは屋上に行ったのではないでしょうか?
食堂は廊下の一番端の階段を降りた先で、お昼時には何人もの生徒でいっぱいになってしまう。私たちも
たまに使うけれど、普段お弁当を持ってきているせいかその頻度は普通の生徒よりはちょっと少ないくらい。
だけど、そのたまに食べる学食は値段の割に量も多くて味も結構美味しくて、生徒だけじゃなくて
先生たちも頻繁に利用しているみたいだ。だから、私たちが隅の方にいたとしても気づかれないはず―。
そんなことを考えながら歩いていると、廊下の先、10メートルぐらいの所に蒼い髪がちらりと
踊るのが見えた。
「こ、こなちゃん!?」
「ひゃぁっ!?つかささん!?」
慌ててゆきちゃんのセーラー服の裾を引っ張って抱きしめるみたいにして縮こまって
160:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/11 21:32:05 A1VKeORS
「孫の手を借りてどーすんのよ…」
「つかささん、孫ではなくて猫ですよ」
「みゆきさん、野暮なことは言いっこなしだよ。天然なつかさが可愛いんだから」
「そんなこと言って、この先ずっと間違えたまんまだったらあんたのせいよ?」
一度しまったノートを取り出して説明すると、みんな納得してくれたみたいだった。
嘘を吐くことは苦手だからなるべく本当のことを話して、知られたくないことだけは
少しだけぼかして言う。いつの間にか話はノートや田村さんの話から
焦りでうまく働かない頭を懸命に働かせながら出来る限り体を小さく折りたためる。
けれど、いつまでたってもこなちゃん、そして一緒にいるはずのお姉ちゃんは廊下を進んでこなかった。
「あれ…?」
不思議に思って少しだけ顔を出してみると、廊下にはこなちゃんどころか誰一人歩いていなかった。
「つ、つかささん…、あの…苦しい…です…」
ぽんぽん腕を叩かれて下を見るとお腹のあたりに抱きしめたままのゆきちゃんがいた。
「わぁっ!!ご、ごめんねゆきちゃん!!」
絡めていた腕を離すと酸欠のせいかゆきちゃんの顔は真っ赤になっていた。しかもなんだか息まで荒い。
「本当にごめんね!!」
「それはいいんですが…むしろ…。ぁ、いえ、なんでもありません!
…それより、泉さんたちは屋上に行ったのではないでしょうか?
トイレはちょうど今進んでいる方の正反対にあるから、もし見つかっちゃったらなんて言い訳したらいいんだろう?
焦りでうまく働かない頭を懸命に働かせながら出来る限り体を小さく折りたためる。
けれど、いつまでたってもこなちゃん、そして一緒にいるはずのお姉ちゃんは廊下を進んでこなかった。
「あれ…?」
不思議に思って少しだけ顔を出してみると、廊下にはこなちゃんどころか誰一人歩いていなかった。
「つ、つかささん…、あの…苦しい…です…」
…それより、泉さんたちは屋上に行ったのではないでしょうか?
食堂は廊下の一番端の階段を降りた先で、お昼時には何人もの生徒でいっぱいになってしまう。私たちも
たまに使うけれど、普段お弁当を持ってきているせいかその頻度は普通の生徒よりはちょっと少ないくらい。
だけど、そのたまに食べる学食は値段の割に量も多くて味も結構美味しくて、生徒だけじゃなくて
先生たちも頻繁に利用しているみたいだ。だから、私たちが隅の方にいたとしても気づかれないはず―。
そんなことを考えながら歩いていると、廊下の先、10メートルぐらいの所に蒼い髪がちらりと
踊るのが見えた。
「こ、こなちゃん!?」
「ひゃぁっ!?つかささん!?」
慌ててゆきちゃんのセーラー服の裾を引っ張って抱きしめるみたいにして縮こまって
一緒に目の前にある柱に身を隠した。顔は見えなかったけれど
この学校にあんなに綺麗な蒼くて長い髪の持ち主はこなちゃんしかいない。
トイレはちょうど今進んでいる方の正反対にあるから、もし見つかっちゃったらなんて言い訳したらいいんだろう?
焦りでうまく働かない頭を懸命に働かせながら出来る限り体を小さく折りたためる。
161:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/11 21:35:56 A1VKeORS
先生たちも頻繁に利用しているみたいだ。だから、私たちが隅の方にいたとしても気づかれないはず―。
そんなことを考えながら歩いていると、廊下の先、10メートルぐらいの所に蒼い髪がちらりと
踊るのが見えた。
「こ、こなちゃん!?」
「ひゃぁっ!?つかささん!?」
慌ててゆきちゃんのセーラー服の裾を引っ張って抱きしめるみたいにして縮こまって
「あれ…?」
不思議に思って少しだけ顔を出してみると、廊下にはこなちゃんどころか誰一人歩いていなかった。
「つ、つかささん…、あの…苦しい…です…」
ぽんぽん腕を叩かれて下を見るとお腹のあたりに抱きしめたままのゆきちゃんがいた。
「わぁっ!!ご、ごめんねゆきちゃん!!」
絡めていた腕を離すと酸欠のせいかゆきちゃんの顔は真っ赤になっていた。しかもなんだか息まで荒い。
「本当にごめんね!!」
「それはいいんですが…むしろ…。ぁ、いえ、なんでもありません!
…それより、泉さんたちは屋上に行ったのではないでしょうか?
他に行く場所もありませんし…」
「それはいいんですが…むしろ…。ぁ、いえ、なんでもありません!
…それより、泉さんたちは屋上に行ったのではないでしょうか?
食堂は廊下の一番端の階段を降りた先で、お昼時には何人もの生徒でいっぱいになってしまう。私たちも
たまに使うけれど、普段お弁当を持ってきているせいかその頻度は普通の生徒よりはちょっと少ないくらい。
だけど、そのたまに食べる学食は値段の割に量も多くて味も結構美味しくて、生徒だけじゃなくて
先生たちも頻繁に利用しているみたいだ。だから、私たちが隅の方にいたとしても気づかれないはず―。
そんなことを考えながら歩いていると、廊下の先、10メートルぐらいの所に蒼い髪がちらりと
踊るのが見えた。
「こ、こなちゃん!?」
「ひゃぁっ!?つかささん!?」
慌ててゆきちゃんのセーラー服の裾を引っ張って抱きしめるみたいにして縮こまって
一緒に目の前にある柱に身を隠した。顔は見えなかったけれど
この学校にあんなに綺麗な蒼くて長い髪の持ち主はこなちゃんしかいない。
トイレはちょうど今進んでいる方の正反対にあるから、もし見つかっちゃったらなんて言い訳したらいいんだろう?
けれど、いつまでたってもこなちゃん、そして一緒にいるはずのお姉ちゃんは廊下を進んでこなかった。
「あれ…?」
不思議に思って少しだけ顔を出してみると、廊下にはこなちゃんどころか誰一人歩いていなかった。
「つ、つかささん…、あの…苦しい…です…」
ぽんぽん腕を叩かれて下を見るとお腹のあたりに抱きしめたままのゆきちゃんがいた
162:あぼーん
あぼーん
あぼーん
163:あぼーん
あぼーん
あぼーん
164:あぼーん
あぼーん
あぼーん
165:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/12 13:34:15 1lmJjXR7
なんという粘着荒らし
166:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/12 14:49:11 3m+NqvAP
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/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
,l _,._,. _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::|
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::! 良スレage
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
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167:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/12 20:31:53 Tu+maaNE
【らき☆すた】こなた×かがみPart28【こなかが】
スレリンク(anichara2板)
168:あぼーん
あぼーん
あぼーん
169:あぼーん
あぼーん
あぼーん
170:あぼーん
あぼーん
あぼーん
171:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/13 11:57:42 rZuaWLG3
「お2人は、様々な障害を乗り越えて想いを通わせました。ですが、これから出て行く先では、また、どんな困難がお2人を待っているか分かりません。
そんな時、私は……私達は、お2人に縁ある者として手助けをしたい、でも、出来ないかもしれない。
ですから、せめて今はお2人に幸せを感じていただきたい。そして、お2人には覚えていて貰いたい、泉さん、かがみさんを祝福する人達がここにいる事を。
それ故の、結婚式。一つの節目です。いずれ、こんなちっぽけな会場ではなく、もっと堂々と祝いの席を持つことが出来る‘いつか’を信じて」
と声をかけるのは、日下部みさお。隣には、当然峰岸あやのがいて、みゆきと或いは同等に奥深く何かを隠しているような底の知れない微笑みを浮かべていた。
「おお、みさきちに峰岸さんじゃん!久しぶり」
「ホントね。って言うか随分珍しい所で会うわね」
2人の反応に、みさおは明朗快活を絵に描いた様な笑顔で、
「まあな。でも、相変わらず2人はラヴラヴでお熱い事なんだってヴァ!」
からかいを入れる。こなたもかがみも耳元まで紅に染めながらアワアワと何やら日本語じゃない言葉で弁解しようとしているが、その様は却って微笑ましい。
そんな2人をみさおは思い切り抱きしめる。
「ちょ、みさきち!?」
「何してるのよ、アンタ!?」
慌てるこなたかがみ。みさおは天の道をいくような笑顔で、
「前はちびっ子と柊の取り合いとかしてたけど、2人がくっついちゃった今、柊の物は私の物、ちびっ子も柊も私の物だ~!」
ジャイアニズムを発揮した。
スリーサイズ、の時点で予備動作。測らせて、の部分で体を捻り、いいか?と同時に神速の回し蹴りを叩き込む。
「変な所に当たるな!」
吹っ飛ぶ親父。はぁぁ、と呼気を整える娘。
「おとーさん。ついに後戻りできない道まで行っちゃったんだね」
と、感慨深げに呟くこなた。元々ダメ親父だとは思っていたが、まさかここまでとは……あぁ、彼女の小さな胸中は今何を思っているだろう。
そうじろうは、ヨロヨロと立ち上がり、
「お2人は、様々な障害を乗り越えて想いを通わせました。ですが、これから出て行く先では、また、どんな困難がお2人を待っているか分かりません。
そんな時、私は……私達は、お2人に縁ある者として手助けをしたい、でも、出来ないかもしれない。
ですから、せめて今はお2人に幸せを感じていただきたい。そして、お2人には覚えていて貰いたい、泉さん、かがみさんを祝福する人達がここにいる事を。
それ故の、結婚式。一つの節目です。いずれ、こんなちっぽけな会場ではなく、もっと堂々と祝いの席を持つことが出来る‘いつか’を信じて」
と声をかけるのは、日下部みさお。隣には、当然峰岸あやのがいて、みゆきと或いは同等に奥深く何かを隠しているような底の知れない微笑みを浮かべていた。
「おお、みさきちに峰岸さんじゃん!久しぶり」
「ホントね。って言うか随分珍しい所で会うわね」
2人の反応に、みさおは明朗快活を絵に描いた様な笑顔で、
「まあな。でも、相変わらず2人はラヴラヴでお熱い事なんだってヴァ!」
からかいを入れる。こなたもかがみも耳元まで紅に染めながらアワアワと何やら日本語じゃない言葉で弁解しようとしているが、その様は却って微笑ましい。
そんな2人をみさおは思い切り抱きしめる。
「ちょ、みさきち!?」
「何してるのよ、アンタ!?」
慌てるこなたかがみ。みさおは天の道をいくような笑顔で、
「前はちびっ子と柊の取り合いとかしてたけど、2人がくっついちゃった今、柊の物は私の物、ちびっ子も柊も私の物だ~!」
ジャイアニズムを発揮した。
スリーサイズ、の時点で予備動作。測らせて、の部分で体を捻り、いいか?と同時に神速の回し蹴りを叩き込む。
「変な所に当たるな!」
吹っ飛ぶ親父。はぁぁ、と呼気を整える娘。
「おとーさん。ついに後戻りできない道まで行っちゃったんだね」
と、感慨深げに呟くこなた。元々ダメ親父だとは思っていたが、まさかここまでとは……あぁ、彼女の小さな胸中は今何を思っているだろう。
そうじろうは、ヨロヨロと立ち上がり、
172:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/13 11:59:37 rZuaWLG3
こなたは、直ぐに頷くと、
「おkおk、あの時のお返しにかがみに何を作ってあげようかな、みゆきさんは何がいいと思う?」
惚気そうなので、みゆきはこなたが手にしているラノベに目を移し、
「所で、泉さんは何を考えていたんですか?」
話題の転換を図る。歯医者は嫌だ。
「あぁ、これね。かがみが好きなラノベで、私もアニメは見てたんだけどさ、買おうかな、どうしようかなって」
「成る程。買ってみては如何でしょう?」
「どうですか、かがみさんとは?よくお会いになっているんですか?」
かがみにした物と同じ質問を吹っかけてみる。すると、こなたはう~んと唸って、
「2日に1回位しか会えないからね……ちょっと寂しい、かな。あ、でもね、みゆきさん」
そう言ってこなたが取り出したのは、携帯電話。
「会えない分お互いに寂しいからさ、毎日電話してるんだ。朝はおはようから、夜はお休みまで。会えない日はそうやって一日中話してるんだよ。でね、みゆきさん。やっぱりかがみは可愛いねぇ。この前なんかさ―」
迂闊を踏んだ。かがみが惚気るだろうとは予想していたが、こなたまで惚気るとは。
みゆきは反射的に奥歯の辺りを押さえた。甘甘な惚気を聞いたら虫歯が出来そうだ。
「お2人の仲がよろしいようで、私も嬉しいです」
放っておくと延々と続きそうなこなたのかがみの萌え惚気を中断させ、
「14日は空いてますか?」
と、かがみにした物と同じ内容を話す。ホワイトデーのこと。
こなたは、直ぐに頷くと、
「おkおk、あの時のお返しにかがみに何を作ってあげようかな、みゆきさんは何がいいと思う?」
惚気そうなので、みゆきはこなたが手にしているラノベに目を移し、
「所で、泉さんは何を考えていたんですか?」
話題の転換を図る。歯医者は嫌だ。
「あぁ、これね。かがみが好きなラノベで、私もアニメは見てたんだけどさ、買おうかな、どうしようかなって」
「成る程。買ってみては如何でしょう?」
こなたは、直ぐに頷くと、
「おkおk、あの時のお返しにかがみに何を作ってあげようかな、みゆきさんは何がいいと思う?」
惚気そうなので、みゆきはこなたが手にしているラノベに目を移し、
「所で、泉さんは何を考えていたんですか?」
話題の転換を図る。歯医者は嫌だ。
「あぁ、これね。かがみが好きなラノベで、私もアニメは見てたんだけどさ、買おうかな、どうしようかなって」
「成る程。買ってみては如何でしょう?」
「どうですか、かがみさんとは?よくお会いになっているんですか?」
かがみにした物と同じ質問を吹っかけてみる。すると、こなたはう~んと唸って、
「2日に1回位しか会えないからね……ちょっと寂しい、かな。あ、でもね、みゆきさん」
そう言ってこなたが取り出したのは、携帯電話。
「会えない分お互いに寂しいからさ、毎日電話してるんだ。朝はおはようから、夜はお休みまで。会えない日はそうやって一日中話してるんだよ。でね、みゆきさん。やっぱりかがみは可愛いねぇ。この前なんかさ―」
迂闊を踏んだ。かがみが惚気るだろうとは予想していたが、こなたまで惚気るとは。
みゆきは反射的に奥歯の辺りを押さえた。甘甘な惚気を聞いたら虫歯が出来そうだ。
「お2人の仲がよろしいようで、私も嬉しいです」
放っておくと延々と続きそうなこなたのかがみの萌え惚気を中断させ、
「14日は空いてますか?」
と、かがみにした物と同じ内容を話す。ホワイトデーのこと。
こなたは、直ぐに頷くと、
「おkおk、あの時のお返しにかがみに何を作ってあげようかな、みゆきさんは何がいいと思う?」
惚気そうなので、みゆきはこなたが手にしているラノベに目を移し、
「所で、泉さんは何を考えていたんですか?」
話題の転換を図る。歯医者は嫌だ。
「あぁ、これね。かがみが好きなラノベで、私もアニメは見てたんだけどさ、買おうかな、どうしようかなって」
「成る程。買ってみては如何でしょう?」
173:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/13 12:10:38 rZuaWLG3
ジャイアニズムを発揮した。
スリーサイズ、の時点で予備動作。測らせて、の部分で体を捻り、いいか?と同時に神速の回し蹴りを叩き込む。
「変な所に当たるな!」
吹っ飛ぶ親父。はぁぁ、と呼気を整える娘。
「おとーさん。ついに後戻りできない道まで行っちゃったんだね」
と、感慨深げに呟くこなた。元々ダメ親父だとは思っていたが、まさかここまでとは……あぁ、彼女の小さな胸中は今何を思っているだろう。
そうじろうは、ヨロヨロと立ち上がり、
「ち、違う違うぞ!こなたが高校を卒業した記念にだな、娘の成長記録を残しておきたいという親心が―」
「もう一発喰らう?」
みゆきは、微笑みを消して、真面目な表情を作ると、
「お2人は、様々な障害を乗り越えて想いを通わせました。ですが、これから出て行く先では、また、どんな困難がお2人を待っているか分かりません。
そんな時、私は……私達は、お2人に縁ある者として手助けをしたい、でも、出来ないかもしれない。
ですから、せめて今はお2人に幸せを感じていただきたい。そして、お2人には覚えていて貰いたい、泉さん、かがみさんを祝福する人達がここにいる事を。
それ故の、結婚式。一つの節目です。いずれ、こんなちっぽけな会場ではなく、もっと堂々と祝いの席を持つことが出来る‘いつか’を信じて」
と声をかけるのは、日下部みさお。隣には、当然峰岸あやのがいて、みゆきと或いは同等に奥深く何かを隠しているような底の知れない微笑みを浮かべていた。
「おお、みさきちに峰岸さんじゃん!久しぶり」
「ホントね。って言うか随分珍しい所で会うわね」
2人の反応に、みさおは明朗快活を絵に描いた様な笑顔で、
「まあな。でも、相変わらず2人はラヴラヴでお熱い事なんだってヴァ!」
からかいを入れる。こなたもかがみも耳元まで紅に染めながらアワアワと何やら日本語じゃない言葉で弁解しようとしているが、その様は却って微笑ましい。
そんな2人をみさおは思い切り抱きしめる。
「ちょ、みさきち!?」
「何してるのよ、アンタ!?」
「まあな。でも、相変わらず2人はラヴラヴでお熱い事なんだってヴァ!」
からかいを入れる。こなたもかがみも耳元まで紅に染めながらアワアワと何やら日本語じゃない言葉で弁解しようとしているが、その様は却って微笑ましい。
そんな2人をみさおは思い切り抱きしめる。
「ちょ、みさきち!?」
「何してるのよ、アンタ!?」
慌てるこなたかがみ。みさおは天の道をいくような笑顔で、
「前はちびっ子と柊の取り合いとかしてたけど、2人がくっついちゃった今、柊の物は私の物、ちびっ子も柊も私の物だ~!」
ジャイアニズムを発揮した。
スリーサイズ、の時点で予備動作。測らせて、の部分で体を捻り、いいか?と同時に神速の回し蹴りを叩き込む。
「変な所に当たるな!」
吹っ飛ぶ親父。はぁぁ、と呼気を整える娘。
「おとーさん。ついに後戻りできない道まで行っちゃったんだね」
と、感慨深げに呟くこなた。元々ダメ親父だとは思っていたが、まさかここまでとは……あぁ、彼女の小さな胸中は今何を思っているだろう。
そうじろうは、ヨロヨロと立ち上がり、
「ち、違う違うぞ!こなたが高校を卒業した記念にだな、娘の成長記録を残しておきたいという親心が―」
「もう一発喰らう?」
みゆきは、微笑みを消して、真面目な表情を作ると、
「お2人は、様々な障害を乗り越えて想いを通わせました。ですが、これから出て行く先では、また、どんな困難がお2人を待っているか分かりません。
そんな時、私は……私達は、お2人に縁ある者として手助けをしたい、でも、出来ないかもしれない。
ですから、せめて今はお2人に幸せを感じていただきたい。そして、お2人には覚えていて貰いたい、泉さん、かがみさんを祝福する人達がここにいる事を。
それ故の、結婚式。一つの節目です。いずれ、こんなちっぽけな会場ではなく、もっと堂々と祝いの席を持つことが出来る‘いつか’を信じて」
と声をかけるのは、日下部みさお。隣には、当然峰岸あやのがいて、みゆきと或いは同等に奥深く何かを隠しているような底の知れない微笑みを浮かべていた。
「おお、みさきちに峰岸さんじゃん!久しぶり」
174:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/13 12:17:57 rZuaWLG3
2人が振り返れば、何時の間に背後を取ったか、みゆきがいつもと変わらない微笑みを浮かべて立っている。
「みゆきさん、これって……?」
未だ衝撃から抜けきれない様子のこなたが、ポソっと呟く。かがみを見、みゆきを見、整えられた式場を見、またかがみに視線を戻す。
「結婚式って……」
かがみも、こなたと視線を合わせながら、疑問を呈す。
みゆきは、微笑みを消して、真面目な表情を作ると、
「お2人は、様々な障害を乗り越えて想いを通わせました。ですが、これから出て行く先では、また、どんな困難がお2人を待っているか分かりません。
そんな時、私は……私達は、お2人に縁ある者として手助けをしたい、でも、出来ないかもしれない。
ですから、せめて今はお2人に幸せを感じていただきたい。そして、お2人には覚えていて貰いたい、泉さん、かがみさんを祝福する人達がここにいる事を。
それ故の、結婚式。一つの節目です。いずれ、こんなちっぽけな会場ではなく、もっと堂々と祝いの席を持つことが出来る‘いつか’を信じて」
パーティ。そう、パーティ。パティじゃないデスよ。さて、何のパーティか。
或いは既に予想されてる方もいるかもしれない。
居間に備え付けられた垂れ幕、そこにはこう書いてあった。
『泉こなた・柊かがみ 結婚式』と。
「驚きましたか?泉さん、かがみさん」
2人が振り返れば、何時の間に背後を取ったか、みゆきがいつもと変わらない微笑みを浮かべて立っている。
「みゆきさん、これって……?」
未だ衝撃から抜けきれない様子のこなたが、ポソっと呟く。かがみを見、みゆきを見、整えられた式場を見、またかがみに視線を戻す。
「結婚式って……」
かがみも、こなたと視線を合わせながら、疑問を呈す。
2人が振り返れば、何時の間に背後を取ったか、みゆきがいつもと変わらない微笑みを浮かべて立っている。
「みゆきさん、これって……?」
未だ衝撃から抜けきれない様子のこなたが、ポソっと呟く。かがみを見、みゆきを見、整えられた式場を見、またかがみに視線を戻す。
「結婚式って……」
かがみも、こなたと視線を合わせながら、疑問を呈す。
みゆきは、微笑みを消して、真面目な表情を作ると、
「お2人は、様々な障害を乗り越えて想いを通わせました。ですが、これから出て行く先では、また、どんな困難がお2人を待っているか分かりません。
そんな時、私は……私達は、お2人に縁ある者として手助けをしたい、でも、出来ないかもしれない。
ですから、せめて今はお2人に幸せを感じていただきたい。そして、お2人には覚えていて貰いたい、泉さん、かがみさんを祝福する人達がここにいる事を。
それ故の、結婚式。一つの節目です。いずれ、こんなちっぽけな会場ではなく、もっと堂々と祝いの席を持つことが出来る‘いつか’を信じて」
パーティ。そう、パーティ。パティじゃないデスよ。さて、何のパーティか。
或いは既に予想されてる方もいるかもしれない。
居間に備え付けられた垂れ幕、そこにはこう書いてあった。
『泉こなた・柊かがみ 結婚式』と。
「驚きましたか?泉さん、かがみさん」
2人が振り返れば、何時の間に背後を取ったか、みゆきがいつもと変わらない微笑みを浮かべて立っている。
「みゆきさん、これって……?」
未だ衝撃から抜けきれない様子のこなたが、ポソっと呟く。かがみを見、みゆきを見、整えられた式場を見、またかがみに視線を戻す。
「結婚式って……」
かがみも、こなたと視線を合わせながら、疑問を呈す。