08/09/16 21:16:21 ojOoDEF4
「あんた……いつも私の…邪魔ばかり……」
無表情に自分を見下ろすこなたをかがみは罵った。
「こうすれば、つかさと一緒にいられるよ」
言いながらこなたがナイフを横に滑らせた。
喉に異物感を覚えた一瞬後、かがみの顎の下から鮮血が飛び散った。
「こ…………」
呪詛の言葉を叩きつけようとかがみは口を開いた。
だがゴボゴボと溢れ出る血液が発声を遮った。
為す術なくこなたを睨みつける。
「死ぬのは私だけでよかったのに」
微動だにせず、口だけを動かしてこなたが呟く。
「ひよりんもゆーちゃんも関係ないのに。ひどいよ、かがみ……」
かがみが倒れた。
「これが私の償いだよ。それと……ゆーちゃんたちの仇打ち」
ナイフを捨ててしゃがみ、苦痛に悶えるかがみの顔を覗き込む。
「大好きだよ、かがみ」
もはや焼けるような熱さも、気を失いそうになるほどの痛みも感じなくなったかがみは―。
複雑な笑顔を見せるこなたと―。
その後ろに呆然と立ち尽くすひよりたち―。
這いずって来たみなみ―。
いつの間にか粉々になった右手で自分の腕をしっかりと握りしめている首のないつかさ―。
生ける屍に囲まれながら、彼女は皮肉めいた笑みを浮かべて静かに逝った。
終