【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 第9章【クロスSS】at ANICHARA
【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 第9章【クロスSS】 - 暇つぶし2ch638:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/04 23:29:29 wcQMKP21
ゲッターチームは超人扱いされてるが、具体的にどれくらい凄いんだろうか

竜馬が號に銃を頭に突きつけられた時「撃て 撃て 一撃で殺さんとお前が死ぬ事になるぞ」とか言ってたが、もしかして銃弾くらいなら避けられるとか…?

639:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/05 00:16:15 0BoCBWWo
身体能力で言えばネオゲの竜馬が印象的かなあ

640:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/05 11:45:39 s6AvEPgY
真の初代対Gで、Gのビームを発射後に避けてるから
案外生身で銃弾避けもやってくれるかもしれない

641:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/05 13:04:01 YBDFHloz
まあ、とりあえず何も言わずこれを観てくれ
URLリンク(www.youtube.com)

執筆者の方々はこれでテンションを上げてくれ
暇な人はゲッター版でも作ってくれ

642:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/05 14:09:15 CT0Tf56c
>>641
うん?
いい動画だがなんかここで出すの流れ的にもスレ的にも可笑しくない?
まあ、素直に作業BGM動画ありがとう。
SS書きの皆さんは、作業するときにBGMを聞きながらするのかな?

643:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/05 19:00:20 PElj18M/
宇宙怪獣vsゲッターエンペラー

果たしてエンペラーは人類を守りきる事が出来るのか

644:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/05 19:55:04 qhjW9i+/
余裕ではないだろうけど普通に勝ちそう。
宇宙怪獣って最大どのくらいなの?

645:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/05 19:57:24 U2zvxN7K
いや余裕じゃね
エンペラーどころか下手すりゃ周りの艦隊だけでケリがつきそう

646:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/05 20:06:14 CT0Tf56c
というか、下手な質での物量はエンペラーに餌やるのと一緒じゃないのだろうか。
いや、宇宙怪獣の質もすさまじいんだがな。
エンペラーがすごいと思ってしまうのは
描写と設定がでかすぎることと、まったく本気出してない
という二つの要素のおかげだろうな。


647:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/05 20:27:34 PElj18M/
>>644
確か数千kmとか。それが億単位は軽く存在してる

648:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/05 20:38:27 A1/lvzbo
全く本気出してないってのはでかいよな
二次創作を作るときにストーリー的にも調整しやすいしね

649:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/05 21:06:08 s6AvEPgY
トマホークを投げるだけで空間が切り裂かれて、
その時空の隙間からグチャグチャしたナニカが飛び出してきたりして

これはこれで一本書けそうな気がしてきた

650:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/05 21:16:49 aL7jTIkS
それドグラだろ

651:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/05 21:54:00 0MMEjGBJ
>>650
たしかにドグラですけど、エンペンラーなら仕方がないで納得させられてしまうwww。

652:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/05 21:59:10 HcDRU4R+
アレだ、未来じゃインベーダーもゲッター軍団の保有兵器の一つなんだよ。

ドグラのように敵軍の艦に撃ち込んで、機械・生物を問わずインベーダーが侵食しまくったあと、
インベーダーの塊になった敵軍を巨大ゲッター艦が捕食して回収。これを繰り返すとか・・・・・・

653: ◆FoWMLIHGkc
10/03/05 22:24:54 S80SA27/
>>642
凄く出遅れてしまったけど、あずまんがとのクロス書いてる奴です
平沢進の曲、特にForcesは、ベルセルクの曲だけどゲッターや石川作品にもに凄く似合うと思う
ipodに入れた三種類を作業中に延々とリピートさせてたこともあったぐらい
結局気がつかなくて三時間ぐらい聴いてたのを覚えてる

URLリンク(www.youtube.com)
映画「300」のMADだけど、これに使用されてるバージョンが一番好き
あとはウルトラマンやゴジラとかの特撮系
帰ってきたウルトラマンやウルトラマンレオのOPなんか聴いてると捗る気がする

スレを遡ってみたら「はだしのゲンみたいな廃墟世界」って書かれてて吹いたw
物理的には蹂躙させちゃってるけど、キャラを引き立てられるように頑張りたい

長文失礼
空けてたせいで出遅れた分も書くわ

654:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/05 23:37:06 8PrM3gOP
トップとゲッターのクロス本当に見たいなぁ
珍しくゲッター側が本気出してもよさそうな相手だ

655:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/05 23:37:32 J1uydfCk
ゲッターチーム in Happy Tree Friends

果たしてゲッターチームはどうなるか?

656:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 00:05:30 TyuHALsM
>>655
被害を受けるのは敵サイドの連中で主にヒドラー元帥ですね分かります

657:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 00:56:37 BTT5Knxv
>>654
というか、宇宙怪獣の味方になりそうだ
あれは宇宙を守る存在みたいなものだし
新以外は

658:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 01:00:48 TyuHALsM
宇宙怪獣は人類や知的生命体を抹殺しようとしてるから相性は最悪じゃね?

659:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 01:02:18 bepqGNWd
>>658
ゲッターのおかげでそんな彼らとも分かりあえそうな予感!
吸収同化という過程をへてですが

660:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 01:05:21 TyuHALsM
それは侵略というか感染じゃないのかww

661:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 01:52:13 BTT5Knxv
>>659
2で合体したからな。
……まあ、あれは宇宙怪獣じゃないが
本能で行動してる者同士だがな
ゲッターと宇宙怪獣

662:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 12:00:04 JAOs4RxQ
でもあんなに強いトップ2勢でさえガンバスターよりも劣るらしいからな
どんだけ凄いんだオオタコーチは

663:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 12:13:44 oIFiiZyX
>>662
必殺技の多さと汎用性でわずかに強いだけらしい
最強は4~6号のグレートガンバスターらしい

664:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 12:16:19 JAOs4RxQ
>>663
サンクス
グレートマジンガー然りグレートゼオライマー然りでグレートの文字が入ると
異常なまでに格好よく思えてくるから不思議だw


665:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 13:50:59 BTT5Knxv
>>662
ガンバスターと7号はコンセプトが違うからな。
そういや、ゲッターのカタログスペックはマンガ版では
初代<G≒號<アーク≦真<真(覚醒)<<聖<<エンペラー<<ヤクザ
だよな

666:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 14:18:03 JAOs4RxQ
>>665
サラっと読み流しかけたが、ヤクザって何だよ?w

667:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 15:16:21 GTd87sH+
勇者ロボでもそうだったなw

あと亀レスだけどガンダム・センチネルとのクロスなら考えたことがある。
Sガンダムが合体ロボだったり、主人公の名前がリョウだったりと共通点
あるし。ストーリ的にはα任務部隊の若造チームに隼人達旧ゲッターチーム
が合体変形の何たるかを教え込むみたいな感じで。



668:ゲッターギアス
10/03/06 15:26:38 bepqGNWd
続きです。今回は弁慶登場、武蔵の死が語られます。


事態は非常にまずい状態になっていた。
コーネリア率いるブリタニア軍が完全に周囲を包囲したものの、ホテル突入には至っていない。
何度か物資搬入用の地下坑道を用いて侵入を図ったものの、日本解放戦線側はここにリニアカノンを装備したKMF“雷光”を設置。
突入を試みるブリタニア軍のことごとくを排除していた。
雷光は鹵獲したブリタニアのKMFグラスゴー4機を移動ユニット兼火器管制装置とした、まさに動く大砲という機体だった。
機動性は皆無だが、狭い坑道内という限定空間で放たれる散弾式のリニアカノンは非常に有効的で突破は困難を極めた。
しかし、ブリタニア軍が突入出来ぬ真の理由。それは人質の中にあのユーフェミアがいたことにあった。
テロリストの要求を飲むワケにはいかない。だが、皇族を死なすことは許されない。
そのため、膠着状態が続き、もう夜になってしまっている。
竜馬はそんな状況に飽き、気分転換に「散歩してくる」と言って一人周囲を歩いていた。
「チッ、ナンバーズとブリタニア人をキッチリ分ける、か。
何のための名誉ブリタニア人制度だよ、たく。ん? なんだ? 一般人が騒いでるのか?」
コーネリアのやり方に愚痴りながらしばらく歩いていると、軍人とイレブンが揉めている所に遭遇した。
「頼む! あそこに息子と娘がいるんだ! 頼むから通してくれ!!」
「バカモノ! 名誉ブリタニア人ごときが軍の任務中の現場に立ち入ることなど許されるか!
これ以上騒ぐのであれば拘置所行きだぞ!」
「おい、その辺にしとけよ。軍人サンも、そこの男も、ってお前…」
あまりに揉めているので暇つぶしがてら仲裁しようと竜馬が近付くと、そこに居たのは意外な人物だった。
「お前、竜馬か? なんだその格好は?」
「弁慶じゃねぇか。おい、こいつはオレの知り合いだ。オレから話をつけておくからここは見逃してやってくれ」
「なんだ。特派の関係者か。いいだろう。だがお前らは名誉ブリタニア人なんだ。分をわきまえろよ」
竜馬が特派の制服を来ているのを見て、吐き捨てるように言うと軍人は立ち去っていく。
「弁慶、なんでお前がこんなところに居るんだ」
軍人が立ち去るやいなや、竜馬は弁慶に詰め寄る。
車弁慶、かつてともに早乙女研究所で過ごした仲間の一人だった。
「そういうお前こそ、一体どういうことなんだ? お前は、その…刑務所に居るはずなんじゃ…」
「ああ、そういえばそうだな。世間じゃ俺はまだじじい殺しの罪で投獄中だったな。
だが弁慶、オレは早乙女のじじいも、アイツも殺しちゃいない!」
「分かってる。オレもお前が博士たちを殺したとは思っていない。
だけどよ、お前がそんな服着て、軍にいるとなれば不思議に思うのは仕方ないだろう。
竜馬、よかったらでいい。俺に教えてくれないか?」
そう言った弁慶の要望に応え、竜馬はこれまでのあらましを説明した。
もちろん早乙女博士が生き返った、ということは伏せて、だが。

669:ゲッターギアス
10/03/06 15:27:51 bepqGNWd
「…なるほど。特派、か。お前も大変なようだな」
「そういうお前はどうなんだ。弁慶。なんでお前がここにいる。それに息子と娘っていうことはまさか…」
「竜馬、お前も犯行グループからの映像を見ただろう。その中に日本人、いやイレブンの子供たちがいたのに気がついたろう?」
竜馬は先ほどの映像を思い出し、渓の顔を思い浮かべる。
「…じゃあやっぱりあの娘は」
「ああ、元気ちゃんだ。今は車 渓と名乗っているが…。それともう一人、息子の號もいっしょに捕まっている」
「やっぱりか。だが息子? どういうことだ。お前に息子はいなかったはずだろう?」
「あいつもオレが引き取った子だ。あの戦争中にな…。
ブリタニア軍に親を殺され、ダイナマイト片手に復讐しようとしていたのを止めた縁でな。
それもあってオレの息子だが一文字の性を名乗ってる」
「そうか。義理とはいえ、自分のガキが捕まってるんだ。親としちゃ気が気じゃねえよな。
そういえば名誉ブリタニア人、って言われてたな。いつの間にブリタニアに?」
「…あの戦争のあと、オレみたいなのが子供二人も養うためにはそれしかなかった。
仕事を探すにもただのイレブンを雇う所なんてねえ。
武蔵先輩から元気ちゃんを頼まれて、號だってオレが育てると決めたんだ。
そのためになら俺は自分のプライドくらい犠牲にしてやるさ」
弁慶の事情に竜馬はどう言っていいかわからなかった。
自分ばかりが地獄を味わっていたと思っていたが、まさか弁慶まで、辛い経験をしていたとは思ってもみなかった。
だが、ひとつだけ、竜馬の頭に引っかかることがあった。
「そうだ、元気ちゃんは、博士が死んだ後、武蔵が面倒を見るはずだったろう?
その武蔵はどこに行ったんだ!?」
武蔵、彼もかつての竜馬たちの仲間だった。
博士殺害の容疑で逮捕された後、一度だけ面会に来て早乙女博士の遺児、元気は自分が育てると言っていたのを竜馬は思い出した。
「…武蔵先輩はあの戦争で死んだよ。一人で、ミチルさんの事故で修復中だったゲッターに乗ってブリタニアと戦ってな…。
研究所に迫るブリタニア軍をひきつける囮になって、俺達が逃げるチャンスをつくるためだった。
何度も謝られたよ。元気は自分が育てるって言ったのに俺に任せることになってスマンって」
「そう、か…」
弁慶の口から武蔵の死を告げられショックを受ける。
これまで自分が去った後の研究所がどうなったかなど気にしたことなどなかったが、知らないでは済まされない事が起こっていたことに驚いた。
「あの武蔵が…」
「ああ。いくらゲッターがあの当時でもKMF相手でも優位だったとは言え、ブリタニア軍のあの数じゃあなあ。
しかもゲッター本体も修理が不完全で、パイロットも一人だけ。
初めの内はブリタニア軍を圧倒していたが、物量差でじわじわと…。
最後には武蔵先輩がブリタニアにゲッターのデータを渡すまいとして自爆。
それを見た元気ちゃんは完全に自分の過去を忘れちまった。
そう、武蔵先輩も、元気ちゃんも研究所もろとも消え去ったんだ。止めれなかった。スマン。俺には止めれなかった!」
「いや、悪いのはお前じゃねえ。武蔵が死んだのは俺のせいかもしれん。俺の…」
過去を思い出し、自責の念に駆られる弁慶を竜馬は慰める。
「リョウ君、ここに居たの!? 大変なの! 人質が!」
そこにセシルが現れる。かなり焦っているようだ。
「人質? まさか!」
人質が大変なことになっていると聞いて、弁慶が走り出す。
「おい弁慶! セシル、あいつの説明は後回しだ! 一体人質がどうなったんだ?」
弁慶を追いかけようとしたが、すぐに見失ってしまい、竜馬はセシルを連れて戻ることにする。
「それが、軍が要求をのまないから、ハア、30分ごとに、ハアハア、ひと、じちを…」
「ああくそ!」
竜馬の速さに合わせようと走ったため、セシルはすぐに息を切らす。
それでは肝心の情報も、戻るのも遅くなるため、竜馬はなかば強引にセシルを抱きかかえ走る。
「え、ちょっとリョウ君!」
「で、30分ごとにどうするって?」
「あ、そう! これ以上要求に対する返答がない場合30分毎に一人ずつビルの屋上から人質を…」
「…っ! 馬鹿どもが!!」
セシルの言わんとしたことが分かり、舌打ちをする。
「セシル、舌をかむなよ」
「へ、きゃっ!」
これは早急に戻る必要があるとみて、竜馬は全力で走り始めた。


670:ゲッターギアス
10/03/06 15:28:33 bepqGNWd

この少し前のホテル内。
ホテルビルの上層食糧庫に人質は捕えられていた。
「號、どうしよう…。このままじゃ私たち…」
「安心しろ渓。こいつらも元軍人だ。人質をそう簡単に殺したりしねえよ」
(だが、こう思うのは楽観的過ぎるな…。結局要求が通っちまえばきっとアイツらは俺らをも殺すだろう。
名誉ブリタニア人の俺らはたぶん、国を売った裏切り者扱いで…。
いや、こんなこと考えてる場合じゃねえ。どうやったらここから皆を逃がせるか考えるんだ)
號はこの状況下でなんとか諦めずにいた。しかしいくら考えようが、どうすることも出来そうにない。
(クソ、オレはここまで無力だったのかよ! このままじゃ皆、皆殺られちまうんだぞ!
ミレイ会長も、シャーリーも、ニーナも、そして、渓も…!)
そうやって號が焦っていると、新たに解放戦線の人間が数人、食糧庫に入ってきた。
「君達には悪いが、ブリタニア軍は我々の要求に対し、一切の返答をよこさない。
よって、これから30分ごとに君達の中から一人を選び、屋上から飛び降りてもらう!
恨むのであれば君達を見捨てたブリタニアを恨むのだな!」
突然の死刑宣告に人質たちがざわめく。神に祈るもの、もう駄目だ、と泣き崩れるもの。
様々な反応を見せる中、解放戦線側を最初の犠牲者を選び始める。
そして一人の男性に目をつけたようだった。
「そうだな。ではまず君から――」
「 待 て ! 」
解放戦線がその男性を選んだ瞬間、號が大声を出してそれを止める。
「なんだ国を売った裏切り者の学生君。我々に文句でもあるのかね?」
「ああ、俺はてめえらみたいに弱いモンいじめするような奴らが大嫌いだ」
「弱いものいじめだと? 学生が! 生意気なことを!!」
銃床で號を殴りつける。だが號は倒れようとはしない。
「抵抗もしない奴に銃向けて、要求が叶わないから死ねだと? これが日本を取り戻そうって連中のやることか!?」
「な!?」
號の気迫に解放戦線のメンバーがたじろぐ。
「く、日本を捨ててブリタニアについた売国奴がほざきおって…。
いいだろう。まずとんでもらうのは君に決定だ。来い!
来なければ君のお仲間からにするが?」
「っく、卑怯モンがぁ…」
啖呵を切ったものの、解放戦線の脅しに號は従うしかなかった。あまりにうかつだったことに今さらになって気付く。
両手を縛られ、連行されていく。
渓が何か言おうとするが、それを號は目で「心配するな」と伝えた。
こうして、初めての犠牲者として號は選ばれてしまった。
屋上に着くまで、號は様々な罵声を解放戦線の人間から言われたが、耐えた。
ブリタニア軍が自分達名誉ブリタニア人を嫌っていても、この次がブリタニア人だと知れば行動を起こすはずだ。そう信じて。
「さあ、とんでもらおうか」
屋上についてすぐに號はそう宣告された。
そして、数十メートルはあるであろう屋上から、静かに號はとんだ。



671:ゲッターギアス
10/03/06 15:29:29 bepqGNWd
「ゼロが現れた?」
機体の調整を進めていると、ゼロが現場に現れ、コーネリアと取引をしているという知らせをうける。
「うん。どーやら軍が動かないのを見て、ユーフェミア皇女殿下が人質内にいるってバレちゃってるみたい。
んで、自分が首謀者の草壁中佐を説得するから、通せって。
んっふ~、ほんと面白い人物だよねえ~。
しかも、お~め~で~と~! ゼロが草壁中佐を説得して時間稼ぎしている間に僕ら特派は囮役が決定しました♪
地下の物資搬入用の坑道から侵入を試みろってさ。その間に別働隊が人質救出をやるんだって」
出撃が決定したのがうれしいのか、ロイドはかなり上機嫌だ。
不謹慎極まりないが、あとでセシルにシめられるからほっといた方がいいだろう。
「囮、ですか。でも、今僕達が必要とされて、それが人質救出につながるのなら、僕はやります!」
作戦目的に何の文句もないといった様子でスザクが語る。
「で、作戦開始時間と方法は?」
「ええ、それは今から説明するわ。
ランスロットは可変弾薬反発衝撃砲ヴァリスを使用。これによりホテルの基礎の破壊を試みます。
基礎が破壊されたホテルは水没を開始、人質がいる階層まで水没するには時間があるので、別働隊が後の作戦を行います。
また、坑道内のリニアカノンKMF対策として、ドラゴンはアサルトマシンガンを使用。
これにより敵の散弾を可能な限り撃破、回避率を格段に向上させ、敵の兵器を無力化します」
「アサルトマシンガンか…。スペックは…と。ほう、かなりの連射速度だな。
その割に集弾性もいいみたいだ。これなら向かってくる散弾を撃ち落とすのも楽かもな」
モニターに映るアサルトマシンガンは白い銃身に、ドラム型のマガジン、とかなり特異な形をしていた。
軽くシミュレーションを行ったあと、すぐさま坑道入り口まで搬送される。
その間にドラゴンはアサルトマシンガン二丁を両手に装備し、ヴァリスを腰にマウントしたランスロットと共に坑道内に降ろされていく。
坑道に着くと、時間合わせのため、しばらくの待機を命じられる。
その間、機体の最終チェックおよび作戦の概要を再確認する。
「ランスロットの機動力なら、オレが弾を掃除してやらなくても避けきれるかもしれんが、無理はするなよ」
「分かっています。今は人質救出の時間稼ぎが重要です。でも…」
「やりきっちまうつもりなんだろう?」
分かっているさ、というようにスザクの考えていたことを言い当てる。
「…はい!」
スザクはそれに対し、力強くうなずく。
「ランスロット、およびドラゴン、作戦開始です」
セシルのアナウンスが届く。
「MEブースト!!」
「しゃあ! 全開で行くぜ!」
合図が出された瞬間、2機のKMFが出力全開で発進する。

『反応2! 敵性ナイトメアです!』
『ふん。ブリタニアめ。何度来ようともこの雷光の超電磁式榴散弾重砲の前では同じことよ! 構わん、撃て!』
スザク達の接近を感知した雷光の砲身が一瞬輝くと、大量の弾丸が竜馬達に向かって放たれる。
「来やがった! いくぜ!! スザク当たるなよ!! うおおおおお!」
発射を確認した竜馬は両手のアサルトマシンガンを乱射する。
吐き出された弾丸は、瞬時にして分厚い弾幕を形成する。
その弾幕に阻まれ、雷光の放った散弾はほとんど撃ち落とされ、ランスロットとドラゴンは易々と残りを回避し、雷光へと近づいてゆく。
『な、回避されました! 敵は強力な連射兵器により弾幕を張っている模様!』
『く、構うな! 撃て!撃て! 撃て~!!』
防がれたことに動揺し、超電磁式榴散弾重砲を乱射する雷光。
「何度やろうが効くもんかよ! スザク、この調子ならあと、もう何発かかわせば敵の懐だ!」
「分かりました! 敵に接近しだい、格闘戦にて敵の無力化を図ります!」
しかし、いくら撃とうとも、竜馬たちは難なくそれらを攻略していく。
そうしていくうちに、徐々に距離は埋められていく。
『く、このままでは…。切り札を使う!! 砲のシステムを切り替えよ!』
『了解、モードGBに切り替えます!』
砲のシステムを切り替える間、一瞬ではあるが、敵の抵抗が弱まる。
「なんだ? もう終わりか? スザク、この間に一気に近づくぞ!」
これを好機と見た竜馬とスザクは、敵を無力化させるために近づく。
だが――。

672:ゲッターギアス
10/03/06 15:30:26 bepqGNWd
『ブリタニアの豚ども! 日本の誇る兵器の力受けてみろ!
発射!! ゲッタービーム!!!』
「な!? まさかあの光! やべえ! スザク! ドラゴンの後ろに下がれ!」
「え、うわああ!!」
ドシュォオオ!!!
先程とはまるで異なる光が雷光から放たれるのだった!

「スザク君!! リョウ君!」
地上でモニターしていたセシルとロイドが叫ぶ。
雷光が放ったもの。それは、その正体は、ゲッタービームであった。
かつて早乙女博士が開発したゲッター線を利用した驚異の破壊力を誇った兵器。
それが雷光が放った光の正体だった。
「くおおおおおお!!?」
発射の瞬間に感じた既視観を頼りに、即座に防御のためブレイズルミナスを張ったものの、ゲッタービームの威力は想像以上だった。
防ぎきれない衝撃がドラゴンの各部を次々と破壊していく。
そしてついにはブレイズルミナスを発生させている両腕が過負荷に耐え切れず爆発をおこした。
それと同時に雷光のゲッタービームも途切れる。ドラゴンの爆発により、あたりは煙で見えなくなる。
『どうだ! みたかゲッタービームの威力!』
『いえ、反応、まだあります!』
煙が晴れると、そこには両腕を失ったドラゴンと、脚部を損傷したランスロットが存在した。
「く、ランスロットの調子はどうだ?」
「ランドスピナーがさっきの攻撃で…。このままじゃ次の攻撃は避けれそうもありません。
ましてやあのビーム攻撃なんかは…。ドラゴンのブレイズルミナスで防ぎきれないということはランスロットでも…」
「いや、あのビームはしばらくは撃てないはずだ」
「え?」
何故、とスザクは思った。さっきの攻撃がどうして連続して撃てないのかと。
「アレが何発も撃てるんだったら、最初っから使ってるさ。
それにな、アレはゲッター線をチャージする必要がある。今のゲッター線濃度じゃ、そのチャージにも時間がかかるはずだ」
過去の経験と、現在の計器の様子からの推理だった。
「それじゃあ、そのチャージが行われる前に、敵を叩かないと。でもこれじゃあ…」
「ふ、幸い、ドラゴンがぶっ壊れたのは上半身だけみてえだ。足は問題ない
だが肝心の腕がなけりゃ敵を攻撃できない。そこでだ。
機動力はこっちがカヴァーする。攻撃はお前に任す。大丈夫か」
「…そういうことですか、それならば愚問です!」
スザクは竜馬が一体何をしようとしているかを把握すると、ランスロットをドラゴンにもたれかけさせる。
そう、彼らがやろうとしていること、それはドラゴンが足となり、ランスロットが腕となる、欠けた機能をお互いに補う協力攻撃だった。
『敵ナイトメア、再起動! 攻撃来ます!』
『く、ゲッタービームは!?』
『先程の使用により、チャージに時間がかかります!』
『ええい! 超電磁式榴散弾重砲に切り替えろ! 今度はあたるはずだ!』
再び雷光が砲の切り替えを行う。だが、その隙を竜馬達が見逃すはずもなかった。
「スザク! 外すなよ!!」
「分かっています! 敵破壊の爆風の対処、よろしくお願いします!」
『や、やらせるな! 攻撃! 攻撃ぃ!!』
雷光が精一杯の反撃を行うが、ドラゴンはそれを見事に避け、ランスロットは腰に装備していたヴァリスを展開する。
収納されていた銃身部がせり出し、そして照準を合わし、引き金を引く。
バシュ!という音とともにヴァリスから砲弾が射出される。
それは吸い込まれるように雷光に命中する。そして――。

ドワオ!!!!!



673:ゲッターギアス
10/03/06 15:31:08 bepqGNWd
雷光の機体が大爆発を起こし、坑道の天井ごと吹き飛ばす。
爆風にあおられながらも、その穴から竜馬達は飛び出し、スザクは任務を果たすためにビルの基礎部分めがけヴァリスを連射する。
その何発かが見事基礎ブロックに命中し、ビルは予定通り水没を開始する。
「やった!」
「まて! ビルのあそこを見ろ!!」
竜馬が指摘したところの窓をズームしてみると、そこにはゼロがいた。
スザクは忌々しそうにそれを見つめる。
だが、竜馬はまた別の場所で重要な人物を発見する。
(な!? なんでてめえがこんなところに居やがる!)
竜馬が驚くのも無理はなかった。それは誰あろう、早乙女博士だった。
こちらを見てにやりと笑みすら浮かべている。
まるで待っていたと言わんばかりに。
二人がそうしていると、突然ビルの各所が爆発を起こす。
「ま、まさか! やめろ! 人質も巻き込んで自爆なんて!!」
爆発にハッとし、ビル内の人質のことを思い出す。まだ人質がいるとすればあの爆発は…。
スザクは爆発の中に飛び込もうとするが、ランスロットの脚部の故障により、思うように動けない。
その間にもビルは爆発と水没により、みるみる崩壊してゆくのだった。

時間は少し遡り、ビルに侵入した連中は、ゼロの指示どおり行動を開始した。
その中には当然、あの神隼人もいた。
「それで、ビルから飛び降りた少年はどうだった?」
「ええ…驚くべきことに外傷が全くなく、擦り傷以外は無傷といってもいいくらいで…」
隼人はこのビルについた途端、部下にビルから飛び降りさせられた號の安否の確認を行わせた。
すると、なんと驚くべきことに號は全くの無傷で、本人いわく「ちょっと高すぎた」というだけらしい。
「フフ、全く持って面白い男じゃないか。地上数十メートルから落とされて無傷とは。
まるであの男を思い出す。おい、彼は丁重に扱え。そのうち我々の仲間となるやもしれんからな」
「了解しました。ところで、ゼロは一人で草壁の元に行きましたが、よろしかったので?」
部下が隼人にゼロの事を聞く。指示通り、爆弾の設置は完了し、人質の救助を完了したが、未だゼロは戻らない。
「彼の能力は高い。彼自身が彼だけでやるというならば、任せても大丈夫だろう。
今頃は草壁を説得しているところだろうよ」
「はあ…」
「それともうひとつ、解放戦線がゲッタービームを搭載した雷光を保持していた件はどうなった?」
「はい、その件に関してですが、解放戦線メンバーを尋問したところ、不可解な事を言っていまして」
「不可解なこと?」
「ええ、なんでも早乙女博士がやってきて、調整してくれた、と。
早乙女博士って確か7年前にお亡くなりになっているはずなのですが…」
「なるほど、死んだはずの人間から、か。分かった。その件はもういい」
納得してない様子の部下をさておいて、隼人は事の次第を把握した。
まさか早乙女博士がこのビルにいるとは思ってもみなかったが。
シンジュクでの一件のあと、早乙女博士は解放戦線と合流したのだろう。
そして、自分を匿う見返りにゲッタービームの技術供与をいた。
これが事の次第なのだろうと隼人は考えた。
そこにゼロから合図の通信が入る。
「さあ、これからこの舞台のクライマックスだ。全員持ち場につけ!」
隼人の号令の後、ゼロが建てた作戦を遂行するため、全員が動き出す。


674:ゲッターギアス
10/03/06 15:34:23 bepqGNWd

爆発もおさまり、ビルが完全に崩壊した後。
スザクは誰も救えなかったと、自責の念にかられていた。
竜馬も一瞬だけ見たあの博士は見間違いではなかったのか、と自問自答を繰り返していた。
『ブリタニア人よ』
すると突如、ゼロの声が聞こえてくる。放送波をジャックしているらしい。
『ホテルに捕らわれていた人質は全員救出した。あなた方の元へお返ししよう』
見ると、人質だった人々がボートに乗せられ、次々と現れる。
人質の無事を知ったスザクは安心し、目に涙を浮かべている。
(よく言うぜ。これで軍がゼロに手出ししようとすれば、また人質にするつもりのクセに…)
しかし竜馬はこの、ゼロという男の胡散臭さに気付いていた。
『人々よ!! 我らを恐れ、求めるがいい!』
ゼロの周囲がライトアップされ、ゼロに協力している連中も姿を現す。
全員がゼロに合わせたのか黒い服とバイザーをつけている。
『我らの名は黒の騎士団!!』
そしてゼロの口から、彼らの組織の名が明かされる。
『我々は武器を持たぬ人々の味方である! それがブリタニア人でもイレブンでも関係ない。
ましてや、日本解放戦線のような卑劣な暴力も許容しない!
我々は弱者の味方、力を持つすべてのものが弱者を虐げる時、我々は再び現れる!
力あるものよ、我を恐れよ!!
力なきものよ、我を求めよ!!
世界は、我々黒の騎士団が裁く!!』
これが、世界を混乱に導く、黒の騎士団のデビューであった。


以上です。ちょと長くなったかな?
>>667
自分は普通にファーストとのクロス考えたことはありますwどっちかというとアムロとかが石川キャラ化ですけど
コアファイター3機が合体して、ガンダム、ガンキャノン、ガンタンクの3体に変形合体!みたいな
ガンダムっぽさがあまりにもなくなりましたけどw

675:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 17:05:44 JAOs4RxQ
ゲッターギアス乙
號がいい感じだ

676:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 19:36:04 P4Mbqgn0
乙、さすが號だなんともないぜ

弁慶はどうなるんだろう

677:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 20:12:55 q6wvoH1g
この竜馬もいいんですけどやはり新ゲの方が良いな。
まあこれは好みですし仕方ありません。隼人はいつ眼だ!耳だ!をやってくれるんだろうか?
ああっ正造の兄貴はまだか!?
でもGJです。



678:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 20:39:52 P4Mbqgn0
えーと アレだ、チェンゲの隼人だからやらないんじゃないかな

679:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 21:28:44 JAOs4RxQ
チェンゲといえば、あれの隼人の顔の傷はタワー建造やロボット軍編成のためのゴタゴタや
それに乗じたインベーダーの奇襲で負ったものなんだろうか
空白の13年になにがあったのか妄想するのも面白いな

680:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 23:18:37 P4Mbqgn0
竜馬と號はともかくとして、隼人はどうやってミサイルの爆心地から生き延びたのか

681:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 23:26:09 JAOs4RxQ
>>680
俺の勝手な妄想だが、ゲッター2のドリルが開口するとこから、
気絶してたところをゲッタードリルに押し込まれてドリルミサイルとして飛ばされたんじゃないかと思ってる
その後ドリルはACEよろしく再生してゴウは13年間活動停止って感じで

682:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 23:56:48 q6wvoH1g
石川キャラは特殊能力がなくても大丈夫ってイメージがあるから扱いに困ります。

特に正造の親分はどんな世界でも生き残れそうだwwwwww。
ふと電波で正造を極道兵器に改造する代わりに某金ぴか英雄王の能力を身につけるというネタSSが閃いたけど、
それだとマジで強すぎて断念した黒歴史があります。


683:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 00:03:36 JAOs4RxQ
>>682
金ピカの将造・・・想像して腹筋がメルトダウンしたぞwww

684:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 00:35:44 gKd5fp90
>>683
一応ネタですので受けていただければ幸いです。
ぶっちゃけステータスは第4次の金ぴかです。
でもステータスは同じでもオリジナルの金ぴかよりはるかに強い気がするのですが気のせいでしょか……。

685:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 00:36:34 C+hRRfne
>>667
SガンダムをWIKIで調べたら
機体スペックのみが肥大化しており、機体操作に伴うパイロットへの負荷は全く考慮されておらず、
運用に耐えられるパイロットは極めて高度な技量を持った者のみに限られていた
という設定らしいから、ゲッターと一緒だな。
人工知能「ALICE」というののコンセプトが
どんな理不尽な要求にも応えられる従順な「女性」を目指して開発され、
その教育のために問題児が使うことになったらしいから。
ゲッターチームに最適だな。
あと、ニュータイプ抹殺の為のEXAMシステムってのは
意図的に暴走させて狂戦士にさせるとか、
意外と宇宙世紀とゲッター(というか石川イズム)と相性がよさそう


686:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 01:35:38 coMjzUzC
>>685
うぇ? Sガンダムが? あれのテストパイロットやってた問題児どもは「問題児である」事以外なんの取柄も無いへっぽこな新兵だったんだが、「極めて高度な技量」を持ってるようには欠片も見えないぞ。
ダメなパイロットがやらかすダメな判断を「学習」させるためだけに選ばれたテストパイロットどもだ。
例えば、アムロ・レイとかをベースに学習させちゃうと、一般のパイロットが乗ってもALICEが「パイロットならアムロと同じことできて当然よね」とか考えちゃうから、そうならないようにダメな連中を選んだはず。
ぶっちゃけ、ハイメガキャノンが無い代わりにインコム積んだダブルゼータだから、機体スペック的に高いのは間違いないんだが。

687:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 01:41:17 C+hRRfne
すまん、そこの部分はZZだったわ

688:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 01:44:13 MKpMZIC8
どっちかと言うとジャキオーかな?

689:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 01:56:29 FF9IpT4N
ジャキオーはあのグチャグチャさと犬の可愛さが混じったスーパーウェポンなところが好きだ

690:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 02:35:18 dA6F9AGC
全然話は全然変わるんだが
千葉真一の裏代表作「直撃地獄拳」シリーズはゲッター好きならぜひ必見

忍者の末裔、元警官の殺し屋、元合気道師範の金庫破りというゲッターチームのような3人のアウトローが組んで、犯罪組織と戦うんだが
馴れ合いではなく腕っ節を信じる人間関係や「マフィアに日本に麻薬を流されたくないから、それを取り上げて海外に流し返して
ついでに金もガッポリw」という行動理由も実にケンイシカワ的

第1作の公開年がそれぞれ1974年とかぶってるので、ひょっとしたらお互い何かしらの影響を受けてるのかもしれないね



691:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 02:40:33 FF9IpT4N
漫画版ゲッターチームのアニメからの(語弊があるが)豹変っぷりはそれなのか?w

また話は変わるが、菊池秀行の小説のひとつにクトゥルフを題材にしたやつがあって、
その中の一文にラブクラフトはクトゥルフ神話を創造したのではなくて実際に外宇宙に存在する
それを感じることができて、それを活字したものが彼の小説であると記述したものがあった。
これを石川先生に対して通じるものがあるかな
というよりも石川先生の場合は先生=時天空でも足り無そうだ

長文失礼、作業に戻るわ

692:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 09:56:08 gKd5fp90
>>689
邪鬼王スパロボででたら嬉しいんだが一応正義のスーパーロボットだし……もっとも食人鬼な敵達がアウトか……でもあるいみ一番マトモな侵略理由だし。
食人鬼な敵って凄く個性的で良いと思うんだが……。


693:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 10:26:26 MKpMZIC8
一番の理由は元は自分の土地だから返せ
ついでにお前らは食料な
って、やつだからな
一番の壁は知名度だろうけど

694:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 10:33:29 gwflEVuq
>>691
石川先生は宇宙からのメッセージを受信できるけど、それを人間が表現するには宇宙の終りまで時間があっても足りないので、結局虚無るしかなかったんだよ

695:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 12:47:08 FQFkuu0w
もしかしたら今もあの世で続編書いてるのかもな

696:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 13:08:29 gKd5fp90
>>692
まじで邪鬼王をスパロボでだすなら虚無戦記とのリンクはなしですな収集つかなくなるし。
個人的には邪鬼王を散歩に連れて歩くエピソードもぜひとも再現して欲しい。

それと新ゲとマクロスフロンティアのクロスも面白いかも
とりあえずアルトにシェリルを渡す事態派避けられると思し新ゲ竜馬はわりと融通が利くっぽいし。


697:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 15:09:13 oxJr4Af/
>>692
スパロボで敵を喰う奴だとインベーダーとかぐらいか
ジャキオーは終盤に行くにつれて精悍な顔つきになっていくし、面白いと思うんだけどなあ
最後はラ=グース勢とも戦ってるし

698:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 15:19:09 29HXLEPG
>>682
亀レスだが、タイトルつけるなら「英雄兵器」か?

699:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 17:42:08 gKd5fp90
>>697
たしかに出して欲しいです。
ただ寺田は信用できんからな……。

>>698
それいいですね!!
英雄兵器か誰も勝てそうにねぇwwwww。

700:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 18:01:05 ZQYv5XGi
極道王だろ常考

701:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 19:15:23 oxJr4Af/
もはやネーミングが最強だな>>極道王

702:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 19:45:44 YkLzHxy5
英雄兵器ゴクドーオー
スパロボNEOのやり過ぎかな・・・。

703:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 19:50:02 gKd5fp90
>>700,701,702
まいりましたorz。
極道王こそ相応しいですwwww。
やばいマジで読みたくなってきた……。

704:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 19:54:36 oxJr4Af/
スーパーサイボーグ大戦とかこないかなあ

705:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 19:58:54 sxCYWGYA
極道兵器ロックマン
主演:岩木将造
なら見たことがある

>>702
脱帽するぜ

706:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 20:04:09 o/ju/P69
話をかえて悪いが
ハッピーツリーフレンズの覚醒フリッピーがどことなく隼人に似てる

元軍人だしエグいことするしカートゥーン版「目だ!耳だ!鼻!」やらかした奴だし

今、隼人とフリッピーをタイマンはらせるクロスを考えている

707:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 20:16:38 C+hRRfne
>>697
インベーダーは食事的な意味ではないでしょ。
あれが含まれるなら、ゾンダーも入るしな。
スパロボで人に敵対していて、
種族レベルでも、個人レベルでも和解できる可能性がないのは
知ってる限りではデビルガンダム本体、宇宙怪獣、ぐらいかな。

708:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 20:22:10 SKvP/A2x
>>707
DGは落下時の衝撃でバグったんじゃなかったっけ?
仮にそうだとしたらプログラム書き換えれば何とかなる希ガス

709:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 20:36:52 C+hRRfne
>>708
それは、洗脳と一緒だから改心とかと違う気が下から除外しました。
というか、書き直すのは倒すより難しいだろうな

710:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 20:45:24 hGvz40nh
ライフ作者どうしたんだろうか。フェードアウトしちゃって心配だな
もし「俺って需要ねーのかな・・・」とか思って自粛、ってんなら大間違いだぜ!

711:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 20:49:35 oxJr4Af/
インベーダーは公式に食欲旺盛ってあるから食餌としても喰うんじゃないかな?
あの記載がゲッター線をエネルギーとして取り込むことの「食欲」として示されてるなら別だけど

ピクミン、愛の歌ならぬゲッターロボ、愛の歌という電波を受信した

今日も~屠る、闘う、虚無るそして進化する~

712:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 20:50:46 oxJr4Af/
>>710
同士よ

イジメっ子が宇宙規模で脅威に晒されるのが待ち遠しいぜ

713:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 21:52:32 MGC04mQS
竜馬苛めても最悪タコ殴りにされるだけで済むが、他の石川キャラだったらどんな悲惨な事になるのやら

例えば虎だったらそれはもうすごい目に会わされるんだろうなぁ…

714:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 22:11:38 oxJr4Af/
将造は島田ことシャブ島の親分が身を持って教えてくれたしな…
逆に魔界転生とかの十兵衛達なら命は取らなそうだ(程度にもよるが

715:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 22:43:52 MGC04mQS
将造はすぐにキレるキャラと思っていたので、結構耐えたのは意外だった

怒りを解き放つ時の将造の嬉しそうな顔を見たら、見てるこっちも「さぁ~ヤバイぞシャブ島w」とにやにやが止まらなかった

716:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 23:23:33 oxJr4Af/
量産型ゲッターG愛のうた


量産されて、ジジイだけについて行く
今日も集う、腕組む、増える、そして無双される

布を巻かれて、殴られて、墜とされて
でも私たちあなたに抗い尽します 

ビートと遊んじゃおうかな
ミサイルぶつけてみようかなーんて

嗚呼 嗚呼 ガニメデに
恋とか、しながら

いろんな狂気で満ちているこの☆で
今日も集う、腕組む、増える、そして屠られる

(研究所が)せり上がって、分離して、飛んでって
でも私たち大事にしてとは言わないよ

そろそろ繋いじゃおうかな
ずっと連なってみようかなーんて
嗚呼 嗚呼 恐竜たちに
恋とか、しながら

力合わせて、斧持って、無双されて
でも私たちあなたに抗い尽くします

立ち向かって、切り払って、砕かれて
でも私たち愛してくれとは言わないよ


ピクミンのCMが出たときに真っ先に思いついたんだ、すまない
すまないと思っている
よく中国産AIとか言われる量産型Gだけど、スパイラルゲッタービームを楽々と
切り払ってるあたり、性能としては悪くないと思うんだ

717:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 23:56:39 Sw2so/ob
>>715
つうか、ある意味石川作品中最も人間臭いキャラだぞw

718:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/08 11:07:23 RWahIuNz
そういえばゲッターシリーズの時代設定って
初代⇒1974年
G⇒1975年
真⇒1976年
ゴウ⇒1991年
アーク⇒2010年(拓馬が18才なら)
だよな。うまい具合にかみ合いそうな作品無いかな?

719:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/08 14:09:51 BS0wbrA8
>>718
アークを基準にすれば現代ということになるから、
日常系や西暦とか時代が原題基準の非日常系な作品となら組合すことはできそうな気がする

720:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/08 16:07:46 sCvZVMfO
ちなみにOVAのネオと新は現代ってことしかわからなく
真は月面に基地やハイパーレールガンがあったりしてるので近未来かな?
……ハイパーレールガンってなんだ?
元はマスドライバーだったものの改造か?


721:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/08 16:16:50 zOIuyqnQ
コーウェン君&スティンガー君に生身で受け止められたから、どれぐらいの威力か分からない<ハイパーレールガン

ストナーサンシャインよりちょっと劣るくらいかな

722:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/08 16:31:53 sCvZVMfO
>>721
そのあと超光速で打ち返してんだから、彼ら基準にしたらダメ。木星ゲッター太陽化で相当強くなってそうだし。
さらに、ガニメデ内部のインベーダーすらストナーサンシャインも平気で打ち返すし。
というか、月面戦争時から放置してるなら20年以上昔のものかもしれん

723:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/08 17:08:55 BS0wbrA8
>>722
そう考えると当時のインベーダーは機械を乗っ取ることが出来なくて良かったな
当時からメタルビースト化ができてたら地球が13年後並みに荒廃してたかもしれない

724:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/08 23:23:58 BS0wbrA8
お、復活したか
流石2ch、これぐらいどうってことないぜ

725:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/09 10:19:56 0Ni8B951
>>723
そういえば、外伝のクレーターバトルでは。
壊れたステルボンバーを食べていたが融合してる気配はなかったな。
きっと、エネルギーを吸収していたんだろうな。

726:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/09 10:42:43 NUObjHrl
あとその時は人間喰ってたな
やっぱ人間を喰うとか食い殺すとかそういう生理的嫌悪がある敵は欲しいなあ

727:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/09 21:11:27 1AgkNahL
ゲッターロボにおけるゲッター線や、魔獣戦線における大いなる意思みたいな超存在って何があるかなあ

728:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/09 21:38:47 NUObjHrl
>>727
情報統合思念体はそれに比べると弱いかな?

729:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/09 21:55:35 0Ni8B951
>>727
スパロボ第三次αはそんな存在の同窓会だった。
ゲッターは人類を守るという立場を最後までする。
イデはゲッターより性格が悪い。
監督があの有名な皆殺し
エネルギー自体が成長するビムラーとかあった。
これは、平和を望んでいる存在だった。
ザ・パワー(ガオガイガー)はあんまり意思があるようには見えない。
っと感じで、シリーズ全部出たのはゲッター線だけかな

730:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/09 21:56:05 UkvHBGwk
>>728
その場合ハルヒが一種の兵器になるなw
自己の空想を具現化させ宇宙を喰いつぶす化け物!!涼宮ハルヒ!!
あれ?これじゃあハルヒが石川キャラに殺されちゃうぞ?

731:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/09 21:59:32 NUObjHrl
ギャグだろうが、ちよちゃんのお父さんは51461367522cmの
大きさで夢や現実に影響を与える謎のキャラクター
作中での存在も異質でなんとなく宇宙的だ

732:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/09 22:02:54 NUObjHrl
>>730
しかも本人は力を行使してるのが分からないためキョンや古泉達が虚無って行く中置いてけぼりになるんですね分かります
数年後、世界の平和を護るために若者たちに地獄を見せ、次々と虚無の世界に誘っていくハルヒの姿が!

あれ、どこかでデジャヴが・・・

733: ◆FoWMLIHGkc
10/03/10 05:02:15 T0WrROxT
やたらと時間が開いちゃったけど、ゲッター+あずまんが、投下します。

734:ゲッターロボ+あずまんが大王 第4話-(6)
10/03/10 05:03:45 T0WrROxT
翌日。
町と瓦礫の境目に佇む一軒の建物の戸を叩く少女がいた。
昨日よりは翳りのある日光の中、その音と勢いは、積もる雪のように増していく。
その数が20に迫ったとき、それは止んだ。
嵐の前の静けさという言葉があるが、この場合も、まさにそれだった。

扉との距離がほぼ密着に近い位置であった場所から数歩下がると、
集中の意を表すかのように目を閉じると、肩がすっと上がるほどに大きく息を吸った。
空気が小さな肺を満たしたとき、閉じられていた眼がかっと開いた。

「ちょいやああーーーーーー!!!!!」

奇声を智とし、いや、友として、前蹴りが繰り出た。
その的は、眼前に聳える古びた戸である。
それが、何の前触れもなく開いた。
開かれた先に広がる薄闇の世界に、日光と、彼女の細い脚が突き刺さるように入っていく。
日の場合は、問題は無い。
遮蔽物を取り除かれた先の闇に侵食するように、その姿を映えさせればよい。
ただ、肉の身体を持つ智にとってはそうはいかない。
力学的な法則に則って、転倒へのガイダンスを踏むことになる。

「うぉお!?」

女の子らしからぬ勇ましげで間抜けな声を上げて無様につんのめるそれを、支えるものがあった。
僅かな光に照らされたそれは、包帯に覆われていた。

「テメ、何やってんだ」

腹を支える腕にしがみ付きつつ見上げた視線に、これまた包帯で顔を包んだ男がいた。
流れる焔か荒波か。
連なる刃を連想させる髪型の下の包帯の縫い目から、
鋭くも惚けたような眼光と自らの目線が交わったことを彼女は知った。
心なしか、昨日よりも解れている巻き具合を見て取ると、智は腕に寄りかかったまま、左の手を垂直に伸ばした。


735:ゲッターロボ+あずまんが大王 第4話-(6)
10/03/10 05:04:52 T0WrROxT

「おっす」
「…おう」

反応に困ったか、僅かに時間が空いた。
やりとりを見る限りぶっきらぼうな性格であるとされる彼にも、困るということはあるらしい。
立てるか?と聞いて智が頷いたのを確認すると彼は壁に身を預け、
そのまま壁を這うように移動すると、崩れるように腰を下ろした。
智が、この中で彼と初めてであった場所よりも入り口側にやや近い。
その脇に、光の円が降りているのは、天井に空いた大穴のせいである。

「お前、また来たのか」
「へへーん、嬉しい?」
「…昨日、俺が何つったか覚えてるか?」

そう彼が言う最中に、彼女もまた靴を履き捨てるように脱ぎ、壁に身を預ける彼の元へと歩み寄った。
どっかりと尻を床に下ろした彼女は、学習ということを知らないのか覚えていないのか、
またもや胡坐をかいている。
彼もそれに気付いたが、注意しないところをみるに、面倒なので無視することにしたようだ。

「今何時?」
「さあな」

半ばうんざりしたような口調で、彼は返した。
皮肉のつもりらしかった。
しかし、返ってきたのはそれを意にも解さない快声だった。

「うわ!今時時計も持ってないんだ!遅れてやんのー!」
「お前、昨日俺になんつったっけ」
「脱げ?」
「違ぇよバカ野朗!!」
「野朗とはなんだ野朗とは!これでも私はか弱き乙女だ!」

乙女なら胡坐はかくんじゃねえよ。見えるじゃねえか。
との声が喉を潜ったが、それを唾液ごと飲み込むと、彼は天井の穴から空を覗き見た。


736:ゲッターロボ+あずまんが大王 第4話-(6)
10/03/10 05:06:52 T0WrROxT

「今は大体12時ぐれえじゃねえのか。学生っつうのは随分寝起きが楽なんだな。羨ましいもんだ」
「ばっかでー。そんなわけねえじゃん」
「なんだと?」
「あたしゃまだ療養中で学校はお休み。お腹とかズキズキ痛いんだよね。足腰も立ってるだけでがくがくするし」
「療養ってコトバをもうちっと勉強した方がいいらしいな、お前さんは。」
「あんたバカだなぁ」
「なんだと!?」
「療養中だからこうしてるんじゃん?分かる?分かるかい?少年よ」
「…俺に分かるように説明しろ!!」

その言葉に、智は何故か鋭い威圧感を感じた。
口調が変化していないにも関わらず生じたそれは、まるで別の次元から去来したエネルギー体のように
一瞬彼女の心を掴んだが、過ぎ去るのも一瞬であり、ほどなく彼女の思考は通常に戻った。
余計かもしれないが、彼女の場合の通常とは常人の通常とは異なるのだが。

「つまりこれはアレよ。リハビリってやつですよ」
「………ほう。で、何でここに来たんだよ?」
「だって日中は友達学校だしぃー、眠ってばっかでもつまんないしさぁ」
「学生の本分は勉強だって聞いたぞ。本でも読んだらいいじゃねえか」
「いやあー、私理数系だから本を読むのは苦手なんだよねぇ。五文字読むともう夢の中ってゆーか」
「そいつあ便利だなおい。ってかそれで時間潰れるじゃねえかよ」
「私は限りある時間は有意義に使いたいんだよ。マンガを読むとか」
「マンガなんて持ってるのかよ」
「ううん」

胡坐によって開かれていた脚が、もぞもぞと閉じると、今度は体育座りになった。

「持ってたけど、戦争で全部燃えちゃった」

顔を二つの膝小僧の間に埋めつつ、細い腕で抱き寄せるように脚を包む姿は
寒さに震える小動物の姿を連想させた。

「…悪いな」

彼らしからぬ、シンとした声に、彼女は顔を上げた。


737:ゲッターロボ+あずまんが大王 第4話-(6)
10/03/10 05:10:38 T0WrROxT

「な、何だよ!謝る必要なんてねえよ!別にあんたのせいじゃないだろ!」
「ならいいんだがな」

その声に自嘲気味な笑いが混じっていたことに、彼女は気付けただろうか。

「話、戻すぜ」
「ああ」

彼女もそれに合わせるように、座りの体勢を胡坐へと戻した。
やはり、正座をするタチではないらしい。

「だからさ、その代わりにマンガみたいな奴のところに来たってわけっすよ」
「そのマンガみてえな奴ってのは、俺か」
「うん」

腹が立つほどの良い返事に、彼の考えに意地の悪い考えが湧いた。

「奇遇だな。俺もそう思ってたところだ」
「自分のギャグマンガ的な面白さに気がついたのか?」
「てめえだよ」

包帯が巻かれた筋肉質な腕が伸びると、その先端の五指が一指し指を伸ばした。
それはまるで先端から稲妻でも出そうなほどにぴんと伸びており、その先端には
眼をぱちくりとさせている智がいる。

「怪我してるっつのに縦横無尽に動き回りやがって。そっちこそギャグの世界から出てきたって感じだぜ、お前」
「なんだとう!それならお前は何なんだ!?」
「背景その1とか2じゃねえのかな。いや、なら1がいいな。2はダメだ。
 それに、お前が主役なら野朗どもの影は薄そうだしよ」
「私をマンガ基準に考えるなー!!」
「多分最初の説明にはこう書かれるだろうな。『熱血の塊。すぐに暴走してしまう』とか」
「何おう!暴走は私の専売特許だ!!」
「だからそう言ってんだろ!ちゃんと聞け!!」
「暴走とか言われると、何か取られたような気分になるんだよ。なんとなく」
「ああ、なんでか知らんが俺もだ」

そこで、智は大きく息を吐いた。

738:ゲッターロボ+あずまんが大王 第4話-(6)
10/03/10 05:11:38 T0WrROxT
溜息と呼ぶには、あまり少々大きすぎる。

「疲れてんのか」
「あんた相手にしてたらな」
「…それはこっちのセリフだ!」
「こっちでいいんだよ!!」
「よくねえよ!!…まぁこれでも飲んでろ」

ここで、彼の現在の服装について記載すると、彼は今、オーバーコートを脱いでいる。
袖の無い黒のタンクトップから伸びた両腕は一面の包帯で覆われ、
それが長袖であるのようさえ見えた。
顔もそれと同様であり、首元も鎖骨の近くまでが包帯で包まれている。
巻いてから時間が経過しているためか、前述の通り解れが至る所に見え、土汚れなのか
黒くくすんだ部分が薄闇の中でも確認できた。

そして、それらの間を縫うようにして、いくつもの赤い斑点が滲んでいる。
下半身では、昨日と変わるところは無い。
ごわついた灰色っぽいジーンズが、昨日と変わらずの、床に置かれた刃のようにその足を伸ばしている。

話を戻す。
彼が羽織っていたオーバーコートは彼の真横に丸められていたようで、
その傍らに向けて彼は手を伸ばした。
何かを掴んで持ち上げると、でんというでかい音を立てて智の前へと置いた。

「安心しな、口は付けてねえからよ」

昨日、彼女が買ってきた2リットルのペットボトル入りのコーラ水である。

「…飲んで無いじゃん」

それの封は、切られてはいなかった。

「帰ってきたばかりでな」
「……やっぱ、あんただったんだな。私を運んでくれたのは」
「他に誰がいるってんだ。流石の俺も苦労したぜ、女の部屋捜しなんてやるガラじゃねえしよ」

指にまで及ぶ包帯ごしに、頬の辺りをぽりぽりと掻いた。
彼にとってもそんなことを行うのは初めてであったようで、痒くも無いのに
そこを掻いたのは照れ隠しの一端でもあるためらしい。

739:ゲッターロボ+あずまんが大王 第4話-(6)
10/03/10 05:15:03 T0WrROxT

「あんたさぁ、私が寝てるスキに……なんかした?」

コーラを飲んでいたら、確実に彼女の顔面にぶちまけていただろう。
頬を掻いていた指が、一瞬力が入ったために、傷口を僅かながらだが抉ってしまっていた。

「怒らないから言ってみ?どうだった?色とか艶や触り心地は?」
「俺はそこまで飢えてねえ!!」
「なぁんだ。つまんねえの」

つまらなくない場合には何が起こることになるのかという考えは彼女にあるのだろうか。
しかしながら、詳細に告げたのならば頬どころか脳天までを紅潮させるだけの羞恥心と純情さはあるだろう。
あるのだろうか。
恐らくは。
願わくば。
残念ながら。
いとあはれ。

「…でも、ありがとな、送ってもらって」
「あのままってのもアレだったしな」
「部屋はどうやって知ったの?」
「ああ、それは」
「分かった!」

いきなり、智は立ち上がった。
嫌な予感しかしなかった。

「匂いを辿ったな!」
「…あ?」
「いや!いいって!そんな詳しくは!」

眼をつぶって首と両手をぶんぶん振りつつ、呆れきった彼に向けて智は叫んでいる。
その表情には、どこか恥ずかしげなものが混じっている。

「私のカラダから発せられるフローラルでセクスィーな香りを辿るとは!中々オツなことやりますなぁあんた!」
「…………」

彼に代わって詳細を述べる。
彼女を抱え、彼女らの宿舎へ辿り付いた時、ぴったりと閉じられていたガラス窓の中に
一つだけ全開にされたものがあった。
もしやと思って覗くと、窓と室内の丁度境目の床に生徒手帳が落ちており、
それに貼られた写真から部屋がそこだと断定したのである。
尚、生徒手帳には謎のポエム染みたものや往年のロボットアニメの主題歌、のようなものが乱雑な字で書かれており、
挙句、彼が彼女のものであると定める要因となった写真に映っていた彼女の姿は、
歯を剥いてにかっと笑いつつピースサインを突き出した、例えようも無く間抜けな代物であった。

ついでに記載すると、その時の彼の鼻孔を占めていたのは凝り固まった血漿の匂いと、
必要以上に添加された保存料の薬品染みた嫌な香りである。
そして運搬中に数度、彼女の寝相が奇声とともにアバラの辺りに痛烈な打撃を見舞っていたことも記載する。


740:ゲッターロボ+あずまんが大王 第4話-(6)
10/03/10 05:17:31 T0WrROxT

「お前………アホか」
「ふーんだ!馬鹿にアホなんて言われても全然悔しくないもーんだ!」
「誰が馬鹿だ!!」
「私の怪我ばっか言うけどさ、あんただってヤバげじゃん。オマケに、こんなのまで渡しちゃってさ」

尻のあたりの布地に隠れたポケットから、無地のチューブを取り出すと、彼の前にぽんと置いた。

「その包帯だって、換えてないんだろ」
「さぁな。俺が包帯巻くのが下手なだけかもしれねえぞ」
「……強がりでいじっぱりだな」
「これぐらいしか取り得がなくてよ」
「…私と似てるな」
「何か言ったか?」
「…別に何も言ってねーよーだ!」

そう言うと、彼女は彼にぐいと近寄った。

「あんた、やっぱ面白いわ」
「ああ、もう好きにしろ」
「ありゃ?さっきまでの反抗的な態度は?」
「めんどいからやめた」
「そうそう、最初っからそういてりゃいいんだよ。仔犬みたいな従順さが、女の子には好まれるしねー」
「バカ相手にすんのに疲れただけだ」
「さっきからバカバカいいやがって!私には特別な意味が籠(こ)もった立派な名前があるんだぞー!!」
「親に感謝しな」
「ムキィー!!全然従順じゃないじゃんかー!!」
「餌付けされた覚えはねえからな」
「このう!!さっきからこの滝野智ちゃんを馬鹿にしてー!!
 もういいよーだ!私の高貴でラブリーな自慢の名前は、あんたなんかにゃ土下座されても教えてやんねーもんねー!!」
「おい、13文字目をよく確かめてみな。馬鹿っぷりが分かるぜ」

そう言われ、ひふみひふみと指を使って何やら数え始めた。
活字をそのまま読んだかのように返答した男も色々とおかしいが、
智の場合も、それは数えただけで解決することなのだろうか。


741:ゲッターロボ+あずまんが大王 第4話-(6)
10/03/10 05:20:10 T0WrROxT
「やられた!誘導尋問に!」
「ハメた覚えは無えよ」
「スケベ!」
「なんでだよ!?」
「ハメたなんて言うからだ!」
「意味が違えよ!!つうか恥らえ!女だろてめぇ!!」
「男女差別反対!!」
「うるせえよ馬鹿! ちなみにタキノってのは、沢山の道の後に野原の野か?」
「それは多岐だ!滝だよ滝!水がざばーって落ちてるのだよ!!それに野原の野!!!」
「トモは戦友のトモか?」
「例え恐っ!」
「じゃあ強敵と書いて?」
「その二文字はそうは読まん!!」
「違うのかよ」

一息ついたとばかりに、彼は息を吸った。
やや呼吸が荒れているのは、叫び声に近い声を数度上げたせいであるためと、
彼女のテンションによるものであろう。
ただ、それは彼女の場合でも同じらしく、彼以上にぜぇぜぇと息を荒げている。

「なんというか、凄まじい男だなキミは。よく分からないがスサマジイな」
「そう言われて悪い気はしねえな。で、なんだよ。特別な意味ってのは」
「ふふん。よくぞ聞いてくれました!」

そう言って、彼女は光が指す場所へと歩を進めた。
鮮烈なスポットライトのごとく輝く日光が、彼女の全身を染め上げた。

「リュウ!!」

にかっと歯を見せながら、彼女は彼にVサインを見せつつ叫んだ。
間抜けなポーズと素っ頓狂な声だったが、彼はその叫びに、素直に耳を傾けた。

「滝のシを取って竜!ドラゴン!ロン!ドラゴンだぜドラゴン!かっこいいと思わない!?」
「一部の読み方が違えようだがな」
「まー気にしない気にしない。リュウってのはいいよねぇ。とにかく格好いいし、
 口から火を吹いたりで滅茶苦茶に強いしさ。空も飛べるから、
 どんな場所でも一っ飛び!まるで私のようではありませんか!」
「お前、飛べる上にクチから熱線吐けるのかのか」
「うーん、卒業するまでにはそうなりたいな」
「恐ろしい女だな。ってか馬鹿だな」
「はっはー!なんとでも言え!この字がある限り私は無敵なのだ!!だからそんな罵倒なんて気にしねー!
 それともアレか?あんたもこんな立派な名前だってのか!?」

気にしないといいつつ、馬鹿の言葉を言われた彼女の眼は半月の形を作っている。
だが、それは、彼の顔を見たときに消えた。

742:ゲッターロボ+あずまんが大王 第4話-(6)
10/03/10 05:21:22 T0WrROxT

「ああ」

包帯越しにも分かるほど、不敵に、大胆に、彼は笑っていた。

「ふふ、訊こうではないか、少年よ」

期待を浮かべつつ、にやぁっとした顔を作って智は指し伸ばすように手を伸ばして言った。
彼が放つであろう名前に対するからかいの言葉も考える楽しみも、この時の彼女にはあった。



「竜馬だ」



どきり、と心臓が高鳴り、身体を巡る血が滾るのを、智は感じた。
頭に浮かべていた思考のほとんどが、この言葉を前に、木っ端か、粉雪の如く砕け散った。

「それの頭に、風や波の流れを付けて、流竜馬。流竜馬だ」

流れる風、荒れる波。
そして、人の姿をした竜のようなその魂。
深い意味を考えずとも、彼のことを未だ深くは知らない彼女であっても。
その名前が肺腑と脳髄と、魂に刻まれるには容易かった。


「ナガレ…リョウマか」
「あんまり聞かねえし、珍しいとは思うがよ。俺はこの名が好きだ」


陶酔や自慢の類ではない。
魂に染み込む名前を、季節や星のように、生き方のように、
好いているための言葉であることが、彼女には分かった。

「ああ」

こくり、と細い首が傾いた。

「すっげー……いい名前だな」

僅かだが、眼が濡れそぼっていたのは日の光に当てられた為ではないだろう。


743:ゲッターロボ+あずまんが大王 第4話-(6)
10/03/10 05:22:42 T0WrROxT

「ありがとよ。てめぇも良い名前を貰ったな」
「へへ…まーな。私もこの名前が好きだな。トモ、っていうのは男の子っぽいけどさ」
「好きならそれでいいじゃねえか。俺は悪くねえと思うぜ。それに、てめぇはちゃんとした女だろ」
「当たり前だ!確かめるか!?」

思わず叫び、即座に沈黙した。
やはり羞恥心はあったらしい。
一安心である。

「お前、暇つぶしに来たんだよな?」

紅潮したそこに、彼、否。
流竜馬は投げかける。

「えと…迷惑か」

顔の紅色が引かぬまま、もじっとした態度で応える様は、まるで別人のようだ。

「どうせ帰る時ゃまた俺の手を使うんだろ」
「うん、アテにしてる」
「ようし、いい度胸だ」

思わず竜馬は指をごきごきと軋ませた。

「…ダメ?」

やや涙ぐんだ顔で、顎を引いて上目遣いで智は竜馬を見た。
それが届いたか、手の軋みはそこで止んだ。

「…仕方ねえな」

その言葉に、智の顔が輝いた。

744:ゲッターロボ+あずまんが大王 第4話-(6)
10/03/10 05:23:51 T0WrROxT
「よっしゃー!暇つぶし相手と場所ゲットー!!」
「はしゃぎ過ぎなんだよてめえは!!何だよ!騙しか!?新手の詐欺か!?」
「まぁまぁ気にしない気にしない。気にしないと身長伸びないよ?」
「マジか!?」
「うん。科学的に証明されてる」

ストレス云々が起因するとは思われるが、大局的に見て、嘘である。

「そいつは困るな。俺は180は欲しいんだよ」
「今いくつよ?176くらい」
「よく分かるな。丁度そんなもんだ」
「友達の女の子がそのぐらいだから」
「…マジか」
「ん?いや、今はもっと大きいのかな」
「こうしちゃおれねえな。こんなもんさっさと治さねえとイカン」
「よし、私が一肌脱ぎましょう!」
「お前はいらん」
「そう言うなって。リハビリの手伝いくらいはするぜー?」
「リハビリか」

ふむ、と考えると、彼は不敵に笑った。
反撃の手段を思いついたのである。

「確かにそいつぁいいや」
「だろう?」
「ダンベル持つよか運動になるしよ」

げしっという音が彼の顔面で鳴った。
彼女が右足で蹴りを放ったのである。
その足裏は今も彼の顔を覆っていた。

「わ、私を陸上部の砂袋扱いすんなー!!」
「ちなみに重さはいくらだ?」
「んー、確か××キロかな」
「ああー、丁度いい重さだな」

再び音が鳴った。
今度は右足もそれに参加し、彼の顔面のほぼ総てを覆うこととなった。
だが、ダメージは皆無と見え、彼の不敵な笑みは絶えずにそこにあった。


745:ゲッターロボ+あずまんが大王 第4話-(6)
10/03/10 05:27:53 T0WrROxT
「二度目の誘導尋問とは卑怯なー!!」
「ひっかけたつもりはねえがよ、二度目で引っかかるてめえもてめえだ!!」
「ムキィー!!これでも喰らえ!うりゃうりゃうりゃー!!」
「おい、また見えんぞ。てめえの下g」


その時、彼は見た。
開いた戸の先に、白衣の末端が翻っていたことを。
そして、その白衣には見覚えがあった。
彼の中で、遭遇したくない人間の、五本の指に入る女史がそれに該当している。

不敵な笑みが、その姿が脳裏に浮かんだ途端に張り付いた皮のように硬直した。

「ん?どしたの?」

腹をごろんと仰向けにしたあられもない格好になりつつ、智は竜馬を見た。

「い、いや。なんでもねえ」

声が上擦っていないか彼は心配に至る感情を孕んだが、見事に上擦っていた。
その声に、理由は分からずとも智は満足げな気持ちになった。

「まぁいいや。面白いもの見れたし、許してあげましょう。私の心は広いのだー!」
「ほう、どのぐらいだ」
「例えるなら瀬戸内海ぐらいかな」
「一ッ飛び出来る距離だな」
「でもチョッカクガイとかも棲んでるんだぜ?」
「そいつあ懐かしいなオイ」

見れたといえば、彼も彼女の下着を見れたが、
その詳細は神のみぞ知る。
彼女が足をどけると、顔の硬直から回復しつつある竜馬の顔が現れた。
オレンジ色の靴下の間から覗いた彼は、どことなく吹っ切れたような顔をしていた。

「ま、それはそれ。これはこれだ。どうせ俺は動けねえ。暇潰しぐらいなら付き合ってやらぁ」
「おう!よろしく頼むわ!」

寝そべっていた体勢から、怪我人らしからぬ動きでがばっと起き上がると、智は右手を伸ばした。
差し出した掌は親指が天井を向いていた。
訝しげにそれを眺めると、それがくいっと動いた。


746:ゲッターロボ+あずまんが大王 第4話-(6)
10/03/10 05:29:33 T0WrROxT
「握手しようぜ、握手」

親指がぐにぐにと動いている。
何の意味があるのだろうか。

「大丈夫。握り潰したりはしないからさ!」
「それはお前の言うことか?」
「何ィ!?あんた私のか弱きこの手を握り潰す気だったのか!?」
「なわきゃねえだろ!!」
「じゃあよし」

そう言うと、智は彼の手を取った。
小柄で繊細な彼女の手に比べ、竜馬の手の皮は分厚く、そして一回り以上大きかった。

「思ったより柔らかいな。意外だわ」
「そりゃ、鉄で出来てるわけじゃねえからな」
「ま、当然だよな。温かいし」

言いつつ、握った腕を上下に振った。

「…ッ」

僅かにだが、苦鳴が聞こえた。

「ご、ごめん!」

智は瞬時に離そうとしたが、離れなかった。

「ばーか。どってことねえよ。女一人の力ぐらい受け止めてやらあ」

智は、握られている右手を見た。
自らも怪我をしているはずだが、そこに痛みは無かった。
人肌以上の暖かさが、包帯越しに伝わるのが分かった。

747:ゲッターロボ+あずまんが大王 第4話-(6)
10/03/10 05:31:37 T0WrROxT

そして、彼女もまた緩やかな力を込めてそれを握った。

そして、友人に浮かべるのと同じ笑顔を作ると、彼へと向けた。
そこに普段以外の別のものが混じっていると、本人でも気付いたか、どうか。

「ま、ダチに心配かけない程度に遊んでな。どうせ俺も暫くは動けねえしよ」

そう言った竜馬の顔に浮かんだ表情の詳細は、包帯のせいで完全には分からない。
だが、そこには敵意や殺意といった類は、欠片としても存在していない。

「おう!それに甘えさせてもらいますわ!」

女の子らしい、眩しい笑顔で、智は返した。
そこにもまた、数日前の出来事による負の要素は微塵も無く、かつて以上の明るさがあるとさえ見えた。
活発な暴走少女と、凶暴そうだが、どこかユーモラスな包帯男。

滝野智と流竜馬。

萌えと燃えの、水と油どころか世界そのものが違うと見えるが、
どことなくだが、僅かに似た両者の、手と名を交わした邂逅がそこにはあった。














「……なぁにやってんのかしら」

両者が佇む室内の外。
戸から見て右の、路地に面した部分に、白衣の女性が外壁に背を預けていた。
呆れて頭を垂れた首の動きに合わせて、喉と胸元を覆う黒い布地の上に横たわる十字架が揺れた。
その光に目を這わせたとき、声の主は、十字架に映る一つの影を見つけた。


748:ゲッターロボ+あずまんが大王 第4話-(6)
10/03/10 05:36:24 T0WrROxT
それは、町側の方にいた。
陽光を全身に浴び、それを陽炎の如く纏っている。
否、それ以外に、その全身から鬼気に至る何かが発せられている。
正面からでも分かるほどにふわっと伸びたウェーブを纏ったセミロング。
縞の入ったセーターと丁度膝まで伸びたスカート。
対峙するのは、これで二度目である。

その姿に、彼女―早乙女ミチルは冷酷な笑みを浮かべて視線を送った。
睨みではなく、ただ見ただけである。
それでも小さな子供なら、視線の先にある人物の教え子の一人のとある天才少女程度なら
すでに大泣きしているだろう。

しかし、彼女は全く動じない。
それどころか、半月を剥いた強烈な眼光を送ってくる有様である。
その姿に、闘志に足りるものを感じたか、焚き付けられたのか、
彼女もまたそちらの方へ足先を向けた。

視線の先にいる人物、滝野智を初めとする二年三組の担任を勤める女教師、『谷崎ゆかり』の方へと。

前日の前哨戦では、かろうじてミチルが勝った。
彼女が胃袋に流し込んだコンビニ弁当はその勝利の証である。

今日はどうか?勝てるだろうか?

彼女自身にも分からぬまま、彼女は歩みを始めた。

勝率はともかく、彼女は負ける気は無かった。
そして恐らくは、ゆかりの方も同様であろう。

陽光の中、避けられない戦いが始まろうとしていた。



その陽光に、不意に翳りが刺したことに、彼女は気付いた。
そして一度だけ、振り向くように空を見た。
見上げた空には、一点の雲や、翳りも無い。

それを確認すると、何も無かったように冷ややかな微笑を浮かべ、
前方の怨敵を見つめると、そちらに向けて歩を進め始めるのであった。











つづく

749:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/10 05:41:41 T0WrROxT
会話が多くなったので、なんか長めになりました。
智ちゃんが可愛く書けてるかどうかが自分には分かり難いので難しいですね
脳内妄想で、この二人ならこんな風に会話すんのかなぁなどと思いつつ描きました。
俺もゲッターギアスの作者さん見たく作品作ったり描いたりできたりしたらどれだけいいことかw

書いてる途中、智ちゃんは怪獣で例えればシーモンス、竜馬はタイラントかなぁなどと謎の妄想で思いつつ。
長文、失礼します。

750:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/10 09:04:43 IwxHN17w
あずまんが乙。そろそろ溜まって来たから読み返してくる

>>728
ああいうのに、強い弱いは無いと思うよ。もはやそういう次元を超えてる

751:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/10 14:14:28 KnQFpOXX
>>728
ちょっと、WIKIで調べて見たら自分で進化できない生命体だから
ハルヒを調べてその手掛かりにしようとしてるということは
神の軍団と似たような性質なのかな?
ただ、あれはアンドロイドとか端末使う必要はないが。

752:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/10 16:00:42 +fd2maRn
>>750
書いてる奴だけどサンクス
読み返しとかされたりするとモチベーションと言う名の気力が150どころか300まで上がるわ
wikiの方もはやいうちに上げるように作業します

wikiで自分のSSを閲覧されてる人たちにお尋ねしたいんですが、
話を複数に分けるのって読みづらかったりする?
文章の構築と展開上、会話とかが多いとどうしても長くなってしまうんだけど、
ある程度一まとめにした方がいいかな?

753:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/10 18:44:11 KnQFpOXX
>>752
長さからして、ちょうどいい長さで分けてると思うよ。

754:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/10 18:58:26 +fd2maRn
>>753
どうもです
なんとかペースを落さず書いていきたい

ちなみに文中でもあるけど、作中の竜馬の身長は175~6センチ
榊さんは設定だと178~180くらいで竜馬は榊さんより若干身長が低いです
このあたりはラノベ版を参考にしました

755:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/10 20:04:22 +kLvbdCO
隼人さんは185~190くらいか?

756:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/10 20:10:01 +fd2maRn
新ゲ竜馬の身長が183、ネオが189、チェンゲでは185だそうだが、隼人は特に資料が無いな
漫画で見る限りだと結構差があるみたいだけど個人的には4~5センチ前後竜馬より高いんじゃないかと思ってる
ってかネオゲ竜馬でかいな

757:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/10 20:34:30 KnQFpOXX
>>756
OVAの設定では
真は10年戦争という大規模な戦争があった。
新は原作以上に貧乏
っということがあったから、若干伸びなかったんじゃね?

まあ、あずまんがの人のはマンガ版だし、そこまで大きい描写はないな
でも、號で再登場したときは號とくらべても大きすぎるな。
男は20前後まで伸びるらしいからそれだろうかな。
らぶひなの主人公は171→178と、7センチも伸びてるしな
まあ、無理やりだがゲッター線で延びたということで


758:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/10 20:45:05 +fd2maRn
>>757
無印の最初だとミチルさんより若干大きいぐらいだしな
ミチルさんが160~5だとすれば170そこそこぐらいじゃないかと思える
小説版だと無闇に筋肉が着き過ぎると身長や成長が伸び悩むから
年上の相手と比べれば細身にさえ見えるってあったな

759:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/11 00:02:10 z7YUvS7b
>>前日の前哨戦では、かろうじてミチルが勝った。
彼女が胃袋に流し込んだコンビニ弁当はその勝利の証である。

>>369
「なんでも、昼食のコンビニ飯を争ったらしい。医者と」

これかw

760:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/11 00:57:39 5FFfAdyi
竜馬「恐ろしいぜ!ドSミチルとゆかり先生のタイトル・マッチなんてよ。金くれたって逃げ出したいぜ!」

761:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/11 11:32:42 +PwTdXVk
あずまんがの人乙
この作品以外で竜馬の人間らしさを書いてるSSはあんまり見ないな
見て思ったんだが、おバカには突っ込みがいないと暴走するな。
あと滝はシとらなくてもシードラゴン……すまん。
Gと真の間ならアンドロメダとの戦いにあずまんがキャラが巻き込まれてもおかしくはないんだよな

762:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/11 12:01:35 5FFfAdyi
書いてる奴です
竜馬の性格とか日常風景っていうのを、新を見たときから書きたかったもんで

竜馬=馬鹿
智ちゃん=バカ
同じようで違う不思議

ちなみに智ちゃんの身長は154ぐらい
隼人は文中にもあるけど榊さんとの身長差はあまりなくて、大体180~2ぐらいかなと思います。前髪込みで。

>>761
確かにシードラゴンだwww
竜馬=ゴジラ、智ちゃん=ジラ
などと失礼なことを言ってみるテス(ry

あずまんが連中が野朗と会話するとどうなるのかの資料が少ないから
妄想で書いたけど、智ちゃんと竜馬は脳内の構造が少なからず似てそうだし
こうなるんじゃないかと思って書いた
とりあえずおバカさが伝わったので良かったw

763:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/11 19:35:57 YTuqjrxp
古本屋で桃太郎地獄変を購入した訳だが、これに登場するキャラは時天空よりぶっちぎりで強くないか

あとこの本にいい言葉が書いてあった
「つまり…漫画家が頭で考えて漫画を描く、その頭で考えたことが宇宙に新たな次元を作る」
「その次元は、作者が死んでも独自の発展というか、行動を…その次元で遂げとるのじゃ」

「ここに異次元の不思議さがあるのじゃ、だから宇宙には手塚治虫の次元や…永井豪の次元や…チョット落ちるけど石川賢の次元もあると考える訳。かなり落ちるな…」

764:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/11 19:58:32 +PwTdXVk
>>763
>これに登場するキャラは時天空よりぶっちぎりで強くないか
すまん、俺にもわかるように説明してくれ

765:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/11 20:02:55 Rw5x+llq
>>763
ギャグマンガだっけ?

766:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/11 21:54:50 4RhsYnj5
そんなことより、石川キャラのおっぱいについて語ろうぜ!
あれ、寒気がしてきた・・・い、いや、ベアトリスとか!

767:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/11 22:03:13 dYliMwX+
>>766
伊佐入道について語ると聞いてby三好入道

夜叉姫も中々美人だよな
初期の頃は美人というか美少女って感じで

768:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/11 22:15:06 YTuqjrxp
>>765
そうそう、賢ちゃんが描いたギャグマンガ

我々の宇宙は無限の次元があって、その無限の世界は賢ちゃんの頭の中に広がっている
で、作中のキャラが「こんな世界ぶっとばしてやる~~!!」とミサイルをぶっ放したら、無限の次元ごと世界の創造者たる賢ちゃんの頭がぶっ飛んだ…というオチ

769:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/11 22:16:25 dYliMwX+
>>768
つまり、それが石川先生が旅立たれた理由か…
凄すぎるぜ石川先生

770:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/11 23:16:12 3cTTYFyD
テスト

771:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/11 23:21:16 plAdtQ2m
賢ちゃんだから不思議は無いな

772:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/11 23:30:28 dYliMwX+
久しぶりに神州~を読んだけど、壮絶な拷問(のようなもの)の末に
血を絞りきって惨殺するっていうのが敵だと生理的嫌悪感が半端ないな
敵もこの上ないぐらい醜悪なのに、主人公サイドの人間としてのクセが引き立つのはやっぱ賢ちゃん漫画なんだなあと感じた

773:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/12 00:04:45 +lFCMOlg
>>761
-おバカには突っ込みがいないと

すまん、なんとなくエロい意味に見えてしまった
隼人はボインちゃん、それとヤマザキとかを見るに理知的な女性が好みみたいだけど、
竜馬の好きな女性のタイプってどんなのだろうか?

774:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/12 00:26:07 YccLpP0M
>>773
若いな……
TV版はともかく
OVA版もマンガも特に好みのタイプとかが分からなかったな
拓馬の母も向こうからの押しかけ女房だしな。
もしかして、リードされるタイプか?

775:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/12 00:33:45 +lFCMOlg
前のレスだと元気印の女の子か母性ある包容力のある女性ではないかとあったな
新は結構遊んでるっぽいが、根本は割りと純情な奴なのかもしれないな>>竜馬

776:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/12 18:35:56 YccLpP0M
>>775
基本竜馬は敵に回さない限りいいやつだから。
ツンデレ系みたいな多少捻くれというか我が強くてもそれなりにつきあえるだろう。
まあ、仲が進展するかは別として。
襲いかからない奴ならいいんじゃね?
あ、いや、性的な意味じゃないからな。
あの、その……その場合はわからないんだよな。
拓馬の母の性格からしてなぁ

777:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/12 20:02:05 +lFCMOlg
なんか竜馬って怪獣的な感じがするなぁ、特に平成のVSシリーズのゴジラ
途中から自発的に破壊行動を行わなくなった二代目にも通じるものがあるけれど、
侵略者とか操られたりとかしたとき以外は街を襲ったりしてない。
平成だと、まぁ街は破壊されるんだが、同族を捜したりとか仇を討つために戦ってるし、
恐竜が射能を浴びてゴジラに変化したみたいに最終的にはゲッター線の力で
時間や時空を知覚する存在にまでなったりもしてるから通じるものがあるんじゃないかと思うんだ

>>776
拓馬の母は典型的な押しかけ女房だな
喋り方からは教養の良さというか良い育ちの出みたいなのが感じられる
でももしかしたら最初に会ったときはもっとジャジャ馬で竜馬に惚れていくうちにああいう風になったのかも

778:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/12 22:05:50 Gh+yV+uq
女性がたくましく強いのも石川イズムだ

スパロボOGとクロスしてみようか。どの作品、どの時代のものをクロスさせるか

779:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/12 22:09:29 +lFCMOlg
無限のフロンティアに参戦→乳揺れの効果音が「ドワオ!」「ギャオン!」に

780:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 00:02:48 qC+0J6Ng
>>778
そうしてクロス先の女の子はドワオドワオと進化をしていくのでした…

とりあえずぐるぐる目は必須かな?

781:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 12:46:32 M99JbU/h
>>780
それはやめてぇええええ。
オナゴは元のまんまが良い。

それはそれとしてよく見たら石川キャラって「祈らない」ですね?
何かに祈らない、「こんなハズじゃなかったのに」とも言わない。
なんか未来にバラ色の未来とかいう幻想も持っていなさそうだしそこが昨今のアニメ・漫画のキャラと決定的に違う気がする。

782:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 12:54:32 qC+0J6Ng
個人的な意見だけど、ぐるぐる眼も使い方によっては可愛くないだろうか?w


通常
やばいとき→何かを信じる、女性やメンタル面が多少弱いと死人あたりに祈る

石川連中
やばいとき→「何かやっといた方がエンマ様に言い訳がしやすい」

未来への幻想というか、絶望に向かって意気揚々と挑んでるからなぁ
恐怖はあるだろうけどぶっちゃけ味方連中の方が数段怖いわ

783:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 13:10:10 qC+0J6Ng
実現はほぼ不可能だろうが、以前ディケイドの話が上がったときに
保管庫にある全クロスにいる竜馬でゲッター大戦をやってみる妄想が浮かんだ

「幾多の世界にゲッターが干渉しました。それにより世界は崩壊します。最強の竜馬を決めなければなりません」

とかなんとかで(やってることは普段とあまり変わらない気がするけどね


784:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 16:17:11 M99JbU/h
>>782
やっぱり石川キャラは某リリカルとクロスして欲しい。
「こんなハズじゃない」に対して鼻で笑いながら絶望に向かって意気揚々と挑む姿をみたいです。

785:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 17:09:10 jeJJCePN
>>777
竜馬も隼人も目的という有り余る力をぶつける対象
がなければゴジラが見たいな暴れん坊だからな

>>784
一応その組み合わせならあるんだけどね
その理由なら
個人的には禁書とかならでもよさそう
「本当はやりたくなかった」とか逆恨みとかそういう連中が多いからな

786:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 17:43:41 b6Ngue1h
彼らは誰もが諦める絶望的な状況でも、鼻で笑い、肩を怒らせ胸を張り、
まっすぐ前を見据え、立ち向かっていくだろう。そして、どうにかしてしまう。そんな奴らさ

スパロボOGとのクロスは號あたりとクロスかな。ロボット軍団をAM、PTに置き換えて
DC、號の敵、エアロゲイター、地球連邦政府、神隼人等が入り乱れる大戦争に
最後はOG2終盤でアインスト、蟲、ゲストを飲み込んで火星に飛び立つ真ゲッターロボ
後は双方原作通りのエンディングを迎えて終了

手のを考えたことがある。収拾がつかなくなったけどなッ!

787:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 18:08:04 M99JbU/h
そういうクロスさせたら石川キャラの精神のあり方が凄い化学反応を起こすという作品はなんだろうな……。
ナルトとかだとサスケの師匠がそんな石川キャラなら復讐目的でも凄く前と進むための肯定的なもの(少なくとも仲間を使い捨てにはしないだろう)になるのに……少なくともナルトの言葉など鼻で笑異飛ばしてくれると思う。
ナルトの偽善ぶりにはホント腹が立つし。

788:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 19:28:46 gz61sd2Z
>>787
ん?ナルト今偽善者になってるのか・・・ショックだ

789:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 19:28:58 Rhp9lH88
「だめだとわかってても戦うんだ!」とか「たとえ俺たちがくたばろうと、ゲッターがボロクズのようになろうとも、俺たちゃ俺たちの未来のために戦うんだあ~~!」

というGの時の竜馬のセリフが痺れる。ゲッターが、石川キャラが強い理由はここにこそあるんだろうと思う

790:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 19:44:40 jeJJCePN
>>789
常にゲッターは最後の砦だからな。
甘えも絶望するわけにはいかないからな。

791:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 20:02:30 c4TadDs6
竜馬=ゴジラなら隼人=ガイガンだと思ってる

石川キャラは自分に凄まじく素直で、且つ強大な邪悪に対して他人のために怒れるから好きだ

792:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 21:01:39 gz61sd2Z
>>自分に凄まじく素直で、且つ強大な邪悪に対して他人のために怒れる
重要だよなこれ。こういうキャラって最近少ないからなホント
萌えはいらんとです
>>784
もうクロスしとるちゅーに

793:Nanohaクロスの人 ◆YScGkYiEapLg
10/03/13 21:12:08 bNdvjV6+
呼ばれた気がした。
現在、自分ノルマのテキスト10kb以上に向けて執筆中です。
近日中に投下できるよう頑張ります。

「世界はこんなハズじゃないことばかりだ」って台詞は、
“どうしようもない現実だからって他人に迷惑掛けてるんじゃねえ!”
という作中人物の思いの象徴だったりします。けっこう好きな台詞。

―なにかドワオと盛り上がるBGMないかなあ

794:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 21:16:03 c4TadDs6
>>792
批判の意見じゃないけど、萌えキャラとクロスさせててすまん
なんていうか、視点的なものが欲しかったんだ、うん
でも萌え要素の無いロボットアニメとして、過去の無印ゲッターを原作の要素も交えて
リメイクとかされないかなぁ
ミチルさんは基本的にほぼ人質とか足手まといだし(Gでは役に立ってたが)、
メンバーの対立とか武蔵の男気やフンチラとかを再現して欲しい

ゲッターギアスにつられてギアスを見始めたけど、こんなに面白いものを俺は見逃してたのか
俺だらしねえな

795:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 21:24:21 c4TadDs6
>>793
なのはクロスの文章の細かさが好きです
描写も残虐で、ドワオギャオンと激しく冴えてて

URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)

あずまんがクロス書いてる奴ですが、自分はこれをよく聴きます
一番上のやつは中盤辺りからの盛り上がりが神です
お役に立てれば幸いです

796:Nanohaクロスの人 ◆YScGkYiEapLg
10/03/13 21:35:30 bNdvjV6+
>>795
うぉ、素早い反応に感謝!
って執筆スピードと言い、ネタの意外性と言い予想外なSSの人だ!?
第一話の描写で度肝抜かれて吃驚しましたw
なにか生存報告はここいらにしておきますので、引き続き通常の稼働にどぞー

797:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 21:57:49 c4TadDs6
>>796
お役に立てれば幸いです
こちらも引き続き作業に移ります
応援してますので、こちらも続きを期待させていただきますw

ライフの作者さん、急かすように聞こえたらすみません
でも地獄のような報復を期待してますので、作品をお待ちしております。

798:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 22:41:12 az95KGf2
久々にオーウェルの1984を読んで少し鬱な気分になったんだが、竜馬や隼人をあの世界に放り込めば何とかなる気がした。


799:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 22:48:54 c4TadDs6
某動画サイトのタグに「鬱クラッシャーズ」(例えばコブラ)というのがあるけど、
それに似たものが感じられるな
wikiで調べただけだけどかなり陰湿な時代背景だな…

800:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 23:39:22 b6Ngue1h
萌えはいらないっちゅーけど、マスコットキャラは必要よ。清涼剤というか癒しというか
非戦闘員やそれに関わらないキャラは結構重要。守るべきものの総称として扱える。もしくは帰る場所だったり、安全圏だったり
要はギャップよ、ギャップ。緩急つけないと作ってるほうも、呼んでるほうも疲れちゃう(例としてカイジをあげよう)

つまり、作者さん頑張ってってことです

801:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 23:43:16 c4TadDs6
書きつつ掲示板覗いてるので自分のレスが増えてしまってるけど、どうもです
確かに竜馬や隼人が女の子と会話してる場面を書いてると自分でも和むなぁ
安全圏という言葉が出たけど、竜馬や隼人の近くって地球で最も危険でありつつ
世界で一番安全な場所だと思う

その言葉を励みに完結に向けて頑張ってみるわ
何時になるかは分からないけどなw

802:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/14 02:06:04 MEOCcWB8
>>801
確かにずっと戦ってるだけの作品は見てるのも疲れますからな。
でも、日常パートはある意味気を使わないとフラグが立つな
もちろん……死亡フラグがな
日常パートで立つ例
「結婚しよう」「俺の故郷行ってみないか?」「これ、俺の○○だったものだ預かってくれないか?」
「この戦いが終わったら○○」
ただ、隼人は逆手に取ったな(TVアニメ版G)
竜馬
戦闘中に暴走した味方(民間人だが)に「やめろ」と攻撃に割り込む、でも生還。
弁慶
一人だけ基地に居残り
武蔵
生きる死亡フラグ、ゲームでしか生存できない
意外なことに大決戦では死なないんだよな。

803:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/14 02:11:14 MuPEOn5/
>>802
連中の死亡フラグ…やっぱ伝説的なのはアニメ武蔵の
博士「武蔵君、絶対に死ぬんじゃないぞ。必ず戻ってくるんだ」
武蔵「勿論です博士。だっておいら、まだやらなきゃいけないことがいっぱいありますからね。
    そうだ、まずミチルさんに謝らなくちゃ。ごめんよ、ミチルさん」

まずい、書いてて泣きたくなってきた…


確か攻略本のインタビューだと
「駒数が足りなくなっちゃいますから(笑)」って言われてた気がする>>武蔵
あのゲームで味方で死ぬのはテキサスの艦長だけだっけな

804:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/14 09:43:56 6rpD0f5V
シリアス漫画がたまにはさむギャグパートが、妙に印象に残ったりするんだよな
永井、石川共にギャグなんだかシリアスなんだかわからない作品書くことがあるけど

805:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/14 10:40:39 MEOCcWB8
>>803
あのゲーム、ゲッター中心に使うと人手不足になるんだよな。
でもその他のロボットは微妙だからな
強いて言うなら水中ステージのキングダムぐらいしか……

806:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/14 15:39:17 cVcOr5UJ
ゴジラVS山田係長VSスカルキラー邪鬼王

ゴジラから新築のマイホームを守るために奮闘する山田一家とムー大陸からの
侵略者から日本を守るために奮闘する島本一家が共同戦線を張っていく…

何かゴメン。ちょっと骨法を使ってゴジラに挑んでくるわ

807:Nanohaクロスの人 ◆YScGkYiEapLg
10/03/14 15:52:37 g0Tf07Zp
よし、ちょうど10kbでキリが良いので投下します。
久しぶりですいません。

808:ゲッターロボ昴 ◆YScGkYiEapLg
10/03/14 15:53:29 g0Tf07Zp
第3話「夢の残り火」Aパート


武蔵坊弁慶は坊主である。今は亡き師匠や兄弟子たちと修行したから、少なくとも本人はそう思っている。
はっきり言って悪人面の集まりみたいな連中―旧ゲッターチームにおいて唯一人懐っこい男であるが、そんな彼は悪癖を持っていた。
横幅もすごいが身長もすごい、要するにものすごく筋肉質な熊みたいな男だったが、その愛嬌あるキャラクターから弁慶は女によくモテた。
なにせ現代では強姦同然に襲った女とベッタリよろしくやっていて、
鬼の本拠地たる黒平安京に飛ばされた時も近くの村の女とデキていたほどだ。
彼の悪癖というのは要するに三大欲求に正直すぎるところで、女を抱きたくなれば抱くし理解するのが面倒な話をされれば速攻で寝る。
隼人ともども異世界ミッドチルダでゲッター線を巡る戦いに巻き込まれた今も、その本質は変わっていない。
であるからして―弁慶が職場の一角であるゲッターロボシミュレーターの座席で、
管理局の広告本を読みながら夕飯を食べていても不思議はなかった。
今回の巻頭特集は『衝撃! エースオブエースと美女執務官の美麗写真!』だとかで、
乳ケツの発達した美人が制服姿で笑みを浮かべているというものだ。
なんでも今回の特集は管理局のイメージアップのため、見目麗しい魔導師―プログラム化された魔術を使う異能者―を記事に出したらしい。
そのためか笑顔がぎこちなかったりするが、目の保養を求める弁慶にはどうでもいいことだった。

「ん~む。やっぱりこっちの女は美女ぞろいだなあ……いかんいかん、メシを喰わねば」
言いつつ目が離せないのは男の性か……ともあれゲッターロボが動かせる状態でない現状、パイロットの仕事など休養以外ない。
哀しいかな、今や生き残りのゲッターパイロットは武蔵坊弁慶以外に存在していないのだ。
すべては数年前に侵攻してきた鬼獣の大軍団―鬼獣王ブライ率いる鬼獣軍の暴虐と、それにヒヨッコ共が立ち向かったことに起因する。
試作型ゲッターロボ“コードG”による防衛戦は、当初うまく機能しているかに見えた。
だが戦線は敵の総大将たるブライの圧倒的戦力―鬼獣の頂点に立つ“鬼帝獣”の前に崩壊し、
最後はティーダ・ランスター空尉の乗っていたゲッターロボを、神隼人の駆る試作ネオゲッターロボが敵諸共に爆砕。
ミッドチルダ南部の無人地帯にゲッター線を撒き散らし、ブライ共々試作ゲッターのパイロットたちは消え去ったのだ。
多大なる犠牲を出したが、敵の人類殲滅部隊の隊長格を倒せたのがせめてもの救いだった。
しかし……ブライは生きていた。よりによって首都クラナガンで怪物を召喚し、再び宣戦布告してきたのだ。
サンドイッチを喰いちぎり腹に納め、雑誌を放ると弁慶の人相が著しく悪くなった。

「ブライの野郎……まだ生きてやがったのか」
クソッタレが!
そう呻こうとしたとき、携帯端末に着信音。
どうやら戦友・隼人からの連絡らしい。

「おう、どうした隼人」
『弁慶。少々面白いことになった』
ニヤリ、と口の端を歪ませる神隼人―画面の向こうで色々と指示を出しつつ、空中に投影されたモニターに目を通しているらしい。
根本的に狂っているような言動の時期もあったが、神隼人という青年は基本的に天才だ。
優れた才能という意味でも……常人に理解しえないほどのロジカルさという意味でも。
隼人の言動の含む所など熟知している弁慶は、要するに厄介ごとが転がり込んできたのだ、と認識する。
だから呆れた様子で返した。

「おいおい、また面倒事を押し付ける気かお前、言っておくがオラァ理屈くさいのは無理だぞ?」
『そういうな。さっきこちらで拘束した陸士の娘がいただろ?』
いた。青い髪のショートカット、治安防災部隊なんぞより学校の陸上部にでもいた方が良さそうな娘だ。
この異世界は個人の資質が最重視視され、適正と覚悟があれば就業が容易であるが……それにしても、
あたら若者は傷つく立場であるべきでない。そう、武蔵坊弁慶の良心は思うのだ。

809:ゲッターロボ昴 ◆YScGkYiEapLg
10/03/14 15:54:11 g0Tf07Zp
そう、たとえ少女が稀有な才能を持つ―ネオゲッターロボの持つ機動性の代償たる殺人的負荷に耐え、
たった一度で癖の強いプラズマ・ゲッター線のハイブリッド機を操縦してみせるほどの―人間だったとしても。
少なくとも故郷の第97管理外世界“地球”で、新宿ごと敵を消滅させた記憶はこれ以上の犠牲を望まない。

「ああ……それが?」
『身体検査の結果、その娘―スバル・ナカジマ二等陸士は【戦闘機人】だと判明した』
「っ! ……厭な偶然だな」
戦闘機人。名前どおり戦うために生み出された生命……こちら側、異世界の科学者たちの歪んだ理想の結晶。
最も兵器として可能性のあるインターフェイスとして“人体”を選び、適正化処理をした生体―人間そのもの―に、
強化生体部品や機械化されたフレームを埋め込んで生み出される“人間の姿をした兵器”・“ヒトとして生きる可能性を残されたモノ”。
兵器ではなく、兵士。あくまで自由意志のある即応戦力として扱える道具。
敢えて人間としての生殖機能を残してあるあたりに、基礎理論を作った人間の歪みが見え隠れする。
弁慶の不機嫌さが増し、視線だけで人が殺せそうなレベルになった。

「……隼人、おめえ」
『いや、こちらはどうするか決めかねている。ゲッターの反応が、竜馬と同じ代物ならあるいは、と言ったところだ』
竜馬―たった一人でゲッターの限界スペックを超越した戦闘能力を発揮し、次元の違う敵さえ殺せる男。
あの暗黒の次元で異形のゲッターにただ一人立ち向かい、戦いの世界へ続く門の向こうに消えた青年。
神隼人と武蔵坊弁慶の、今でもかけがえのない戦友だった。

「……巻き込むのか!? あんな娘を―」
『現状で戦えるゲッターは実質三号機のみ、パイロットはお前一人だ。俺は新しい力が必要だと思うが?』
そう言われれば黙る他ない。
元々、弁慶はバカと言われても仕方が無いほど、この手の議論に弱いのだから。
画面の向こうでシャープな黒豹じみた顔に微笑を浮かべていた隼人は「本題だ」と言った。
こう言われれば誰だって気づく。隼人が話したかったのはこちらの話なのだろう、と。

『ランスターの妹が、ネイサーにアポを取ってきた。ナカジマ陸士の件だと言ってはいるが、おそらく用は俺たちにある』
「特務機関って言ってもこんなもんか? どうやって知ったんだよ」
『さてな。ミッドの連中も一枚岩じゃないし、胡散臭い“最高評議会”も思惑があるんだろう。
簡単に言えば―俺たちはどこぞのバカに試されてるんだ。どう対処するか、とな』
弁慶は陰謀かよ、と溜息を吐くと愉快そうに笑った。
ランスター。鬼帝獣と刺し違えるように倒れ、オーバーヒートした炉心を神隼人その人に撃ち抜かれたゲッターパイロット。
戦術核にも匹敵する大爆発で彼の機体は粉々に砕け散り、死体どころかDNAの一欠片さえ回収出来なかった。
しかも当時は情報規制がされていたので、その妹となればさぞや疑念や恨みがあることだろう。
だが、その程度のことは慣れた。少なくとも俺たちには苦難だな、と笑える程度には。
その精神的タフネスこそ、戦士の資質ゆえに。

「で? どうするんだ、我らがネイサー機関長は」
『なに、簡単だ。真相を俺の口から話す―』

神隼人の冷徹な表情―ゲッターの地獄に身を置いた男。
その言葉は死神の誘いに似て、残酷だ。

『―願わくば、ティアナ・ランスターが戦士たることを望むさ』





さて、その頃の別室に、特務機関ネイサー基地へ連行された少女が一人。

810:ゲッターロボ昴 ◆YScGkYiEapLg
10/03/14 15:54:54 g0Tf07Zp
病院のような検査服、青い髪に利発な表情、元気の良さそうな十代半ばの女の子―その実、人にあらざる身体の持ち主。
スバル・ナカジマは検査室という名の部屋に数時間ほど監禁されているも同然であり、有り体に言って暇だった。
座学や戦術眼は陸士訓練校でも主席だっただけあり優れたものだが、人並みの好奇心や精神がある年頃の女の子だ。
退屈にだってなる。

「うーん……ネイサーって管理局の部門って言ってたけど、聞いたこと無いなあ」
よもや世界征服を企む悪の秘密結社ではあるまい、―巨大ロボットと悪人面がいたけど。
スバルの妄想領域では一瞬、「ふははは、このネオゲッターロボにディバインバスターが効くかー!」とかやってる男達が思い浮かんだ。
……すごくバカっぽい。少しだけ笑みを取り戻すと、彼女はドアの向こうから近づく足音に気づいた。
とりあえず、何時になったら開放されるのか、ドア越しに尋ねようとした。

「あのー、いつ頃―」
「ここかぁ!!!」
「う、うひゃぁああ!?」
ドアを勢いよく開け放つ影―しわくちゃの白衣を着た老人―が入室。
その目に浮かぶのは歓喜の色であり、とんでもないことを口走った。

「お前さんかぁぁあ! わしのネオゲッターを一発で乗りこなしたサイボーグっちゅうんわ!」
「ふぇ、へ!? あの、あたし―」
自分が人間ではない―戦闘機人という兵器であること―は、スバルにとっての秘密であり隠したいことだ。
隠せば誰だって自分から離れていく、人間じゃないバケモノだと哀れむ、という思いがあった。
否、事実だったのかもしれない。必死に忘れようとしているだけで、この世界は思ったより残酷だから。
しかし目の前の老人はすごく嬉しそうだ。ひょっとするとあれか、マッドサイエンティストなのだろうか。
だが悪い感じはしない。ひどく陽気な感情を向けられていると、スバルは感じていた。
ひっひっひ、と笑うヒヒのような老人が、教えてもいないことを喋り始めた。

「すごい! 格好良い! こんなベッピンのねーちゃんがのぅ、そこらの戦車より強いなんて最高じゃっ!!」
「あ、あの……貴方は……」
「おおっと、わしは敷島っちゅうもんじゃ。ここでドパーン、とすごい兵器作っとる。
“あの”ネオゲッターロボも、基礎設計はわしが担当した究極大殺戮―もごっ!?」
なにか不穏な台詞が聞こえたところで「だぁぁあ、何やってるんだよ敷島の爺さんは!」と声。
横幅も身長もすごく大きい異相の巨漢―武蔵坊弁慶が、老人の口を押さえつけていた。
この大男は顔に汗を浮かべ、暴走しそうな“敷島博士”を取り押さえる。
もごもごと何事か口走ろうとする敷島博士を、巨漢が締め上げている。
……すぐ締め落としそうだったので、少女は全力で止めた。

811:ゲッターロボ昴 ◆YScGkYiEapLg
10/03/14 15:55:37 g0Tf07Zp
「ああもう! えっと、―弁慶さん、それ以上やると死んじゃいますよ!?」
「大丈夫だよ、この爺さんは自分が作った兵器でむごたらしく死ぬのが夢とか言う変人だからな!」
「どんな願望ですかそれ!?」
何が大丈夫なのかさっぱりわからない会話だったが、
敷島という老人がマッドで簡単に死にそうにないことは違いなかった。
どたばたどたばた、と騒ぐこと数分間……敷島を部屋から追い出し、ようやく落ち着いた状況。
弁慶は坊主頭を掻きながらスバルに向けた頭を下げた。

「すまん、敷島の爺さんも悪気はないんだ。監督不届きは俺らネイサーの責任だがな」
「えっと、いえ。別にそれは気にしてません……あの、やっぱり乗っちゃったのが不味かったんですか?」
「ん、どうなんだろうなあ……俺はパイロットの教官役であって、他はしらねぇんだ」
この弁慶という人物は誠実な男のようなので、嘘をついているようには見えない。
彼が口を重々しく開いたのは、スバルがそう考えたときだった。

「……スバル・ナカジマ。お前、あの怪物やネイサーのことを知りたいか?」
「え?」
「どうしてこの世界に化け物が現れ、人間を襲うのか……お前は四年前の空港火災事件で、“鬼”を見ただろ?
俺たちの出身世界でも似たような戦いがあったし、おそらくこれからも事件は起こる。その理由だ」
そう言う男の顔に嘘がないことを知り、彼女は記憶を反芻する。
燃え盛る紅蓮の炎、鬼と称すに相応しい人食いたちによって食い散らかされた犠牲者。
人類種にたいする絶対的な悪意を持つ黒衣の怪人と、それに立ち向かった勇気ある男―

「―流竜馬、さんのことも……?」
「その名前を知ってるんじゃ、いよいよ他人事じゃねぇな―ついてこい」
くるりと踵を返した弁慶の背を追い、スバルは足早に歩んだ。
ずっと知りたかった。夢に見る啓示のような声の意味を。
そして願った。せめて大切な人たちが巻き込まれないことを。


―既に時遅いとは夢にも思わなかったから。


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