09/05/11 17:26:11 CrTZvb36
引用。
ラ ねぇ、聞いてもいい?
ア ん?
ラ アルト君はどうして空を飛ぼうと思ったの?
ア それは…。俺のおふくろは体が弱くて、いつも空ばかり見てる人だった。
俺も一緒に見てて、そんな時おふくろが言ったんだ。本物の空が見たいって。
ラ 本物?
ア あぁ。青く果てしなく続く水平線と白い雲、そんな本物の自由な空。
おとぎばなしみたいだったよ、この船で生まれた俺にとっては。
ラ 素敵だね。
ア ありがとう、ランカ。
「この船で生まれた俺にとっては」って言ってそっちの話に戻ってるのに「素敵だね」っていう
返答だから、やっぱりズレてると思う。
アルトは、狭い船で生まれて偽者の空しか知らず、「本物の空」というのがおとぎばなしみたいに
しか思えない自分の限界をどうにかしたい、という意味で「空を飛びたい」という夢を持つように
なった、という話をしているのに、ランカは「本物の空がステキ」っていう風にしか理解していない。
夢を持つようになった背景にある、現実の自分への苦々しい思いみたいなものに思い至らず、
思い描く夢の素晴らしさにしか思い描けない…という、夢見る少女なランカらしさと、それゆえに
アルトの本当の姿に近づけない限界みたいなものがよく現れてる会話だったと思う。