あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part187at ANICHARA
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part187 - 暇つぶし2ch86:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 19:41:58 HZWbPE1A
「そうだな、ではどこか証明のできる場所へ移動したいのだが」
「何で?」
「クラスチェンジでは外見は変わらない。能力の変化を見せるには実演して見せるのが一番だろうが、エレメントを室内で使うのはよくないだろう」
「なるほどね。わかったわ、ついてきなさい」

 そういうと、ルイズは部屋を出る。

「とりあえず、その魔法を見せてみなさい。見た感じは平民のあなたが魔法を使えれば信じてあげるわ。武器なんかは使い慣れてそうだから判断できないし」

 そう言いながら、歩いてきたのは最初に俺が召喚された、召喚の儀式を行っていた平原だ。

「ここならいいでしょう」
「あぁ。では……アクセス!」

 ARMを握り締め、スペルキャスターのクラスを展開する。瞬間、周囲から光が集まり俺の体を覆う。見慣れたクラスチェンジの瞬間だ。

「何!?急に光が」
「これがクラスチェンジ、スペルキャスターのクラスを展開したところだ」
「ふ、ふぅん、本当に外見は変わらないのね。で、魔法は?」
「ではあの石に。ファイア!」

 術式を展開。と同時に、小石を中心として炎が勢いよく燃え上がる。

「ほ、他にも使えるの?」
「では、フリーズ!」

 今度は氷柱が立ち上がる。

「他にも土属性のクラッシュ、風属性のヴォルテックがあるが」
「わかった、わかったわ。なによそれ、杖も無しに、しかも四属性全て使えるなんて反則じゃない!」

 憤慨している様子のルイズに、どうしたものかと考える。

「だが多様性は無い。今見せた通り、攻撃にしか使えない術式だからな」

 納得はしてないだろうが、効果は実証して見せた。これでARMのことは信じてもらえるだろう。

「ね。もしかしてそのARMを使えば、誰でもそんなことができるの?」
「個人の脳波への調整が必要だから、これ自体を誰か別の人が使うことはできない。だがファルガイアではARMを購入さえすれば誰でも使用は可能だ。
 あとはクラスさえシェアリングしていれば……もっとも、今のスペルキャスターは基本クラスだから、ARMに初期状態で登録されてあるのだが」

 その説明に、なぜか落胆の色を隠せないルイズ。

「……?どうかしたのか?」
「な、何でも無いわよ。とりあえずそのARMの能力と、あなたが別の世界から来たって話、信じてあげるとするわ」

 あからさまに何かを隠しているのが分かる。が、詮索するのもよくないだろう。人には言えないことだってある。

「あと、その魔法は他の人には見せないようにしなさい」
「何故だ?」
「杖も使わずに魔法を使うなんて、メイジには不可能だからよ。魔物とか、ヘタをすればエルフと間違えられたり、そうじゃなくてもアカデミーでモルモットにされかねないわよ」

 それは流石に困るな。

「わかった、気をつける」
「じゃ、とりあえずわたしの部屋へ戻るわよ」

87:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 19:42:14 O4xjs9V3
うぉいw 予告なしかよw

88:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 19:42:55 0vJoLso+
前スレからの転載っぽいが何をしたいのか分からない

89:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 19:58:12 ncNNgUQy
NG推奨
HZWbPE1A

90:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 20:13:49 Ua9X6TwM
鷲の人乙です。
遅くても面白いので問題ナシ。
次回に超wktk。


91:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 20:20:10 wVGTtOa/
>>88
作者がやったかのように見せたいんじゃね?

92:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 20:23:39 +vhdoGMA
レコンキスタ株大暴落の新聞を見たワルドが自己破産
「まさかアルビオンを占領して財政破綻させるとは・・・」

そう語るのはトリステインの髭面貴公子 ジャン・ジャック・ワルド(35歳)だ、今年の初頭、突如として立ち上げられたレコンキスタの債権を買い
数ヵ月後にはアルビオンを占領しまさに鰻上りのレコンキスタであったが
単なる政権交代であり改革など微塵も行われないどころか戦費負担を
平民に押し付け、近隣諸国の投資家から信頼を失った挙句に債権は紙くずになった。

現在ワルド氏は婚約者であるヴァリエール家の三女・ルイズと交際を続けているが、烈風氏からの強い風当たりに婚約を白紙に戻した。

「魔法衛士隊の皆から借りた金の返済期限が迫っているんだ」
そう話すワルドは国から貸与されたグリフォンをレンタルに出し
毎月利子に当てている

このような一攫千金を狙って多額の借金を背負ったメイジの自己破産が相次ぎ、
トリステインに限らず周辺国でも野良メイジの増加が大きな社会問題となっている。




というネタ



93:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 20:26:24 mmNxHhAx
野良メイジwwww

94:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 20:28:04 O4xjs9V3
ワルドwwww

95:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 20:38:03 WXT2TXnp
妙に生々しいと言うか、何と言うかwww

96:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 20:43:22 Ua9X6TwM
W=faceからイデタツとレフィオ召喚
ワルキューレの攻撃を顔で防ぐイデタツとライトニングクラウドを喰うレフィオを幻視したw


97:魔導書が使い魔-03
08/11/21 20:57:52 O4xjs9V3
さてさて、ようやく載せられる分が書き終わりました。
投下予定もないみたいなので、21時10分から投下したいと思います。

98:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:00:08 ruWxJq8z
支援ぬ

99:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:00:54 WXT2TXnp
支援

100:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:01:19 8xvo1qLe
しえn

101:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:03:04 pIAeAW/Y
お前ら落ちつけ始まる前から支援しても意味ねぇって

102:魔導書が使い魔-03
08/11/21 21:10:41 O4xjs9V3
それは正四角形を保ちながら、内部に正三角形を隙間なく詰め込んだ図形だっ
た。
その正三角形の中には正二角形がこれもまた隙間なく詰め込まれ。
その正二角形の中には正五角形が詰め込まれていた。
図形は、捻じ曲がった直角の石柱に施され。石柱は隙間からぬらぬらと濃い緑
色の粘液を出して、表面を真っ赤に染め上げる。
石柱はとてつもなく大きかった。石柱の一節が小さい城程度の大きさとなって
いる。さらに人間が感じる物理法則という概念からすると、それはとても考え
られない長さである。その長さと大きさ“だけ”見るならばユークリッド幾何
学の概念から理論上では存在できる物体であろう。だが、それが存在すること
自体がこの世界への冒涜とも言える。
事実、天へと伸びるその柱は何度も折れ曲がり曲がりくねり波打ち枝分かれし
ながらも、虚空を突き破らんと一直線に伸び。その一節一節は分子一個分すら
も通らないほど精密に組み合わされ、その境目から湯水のように粘液が滴って
いく。
矛盾→矛盾/曲がった直線/円状の正三角形/真っ赤な緑色粘液
それは在るだけで人の精神を蹂躙するような“神聖なる邪気”を放ち、世界を
侵す冒す犯す。
なぜこんな石柱があるのだろうか? こんな物が早々あるのだろうか? これ
は人の作り出せるものなのだろうか? いや、そもそもこれは人にとって理解
できるものなのだろうか?
広がる拡がる疑問苦悶煩悶。
そして気がついた。石柱に亀裂があることに。
その亀裂は真っ赤な粘液を垂れ流し、真っ赤な緑色粘液を真っ赤に染め直し。

     グバリと  亀裂

から       その       目

    が  開い     た

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
●●●●●●●●●<◎>●●●●●●●●●
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

「あ、あ、あ……あ―」
その時は“私”は思わず声を上げた。
壊れる……乞われる……恋われる……。
その眸に、その視線に、その眼球に。
精神を、魂を、心を、肉体を、髪も/肉も/血も/爪も/唇も/皮も/ありと
あらゆる物ものモノ全てがその視線に壊れされる。
バラバラになり魂の欠片まで磨り潰されそうになる瞬間。
私の前に―
清らかな光を放つ、五芒星形が、描かれた。

103:魔導書が使い魔-03
08/11/21 21:11:44 O4xjs9V3



そうして“私”の意識は急速に浮上した。
遠く小鳥の囀りが聞こえ、朝の冷たい空気が肺腑に行き渡る。
閉じた目蓋から穏やかな日光が透ける。完全には覚醒していない意識が、ここ
が現実だと語ってくれる。
安堵しまた眠りの淵へと落ちそうな私を、優しい揺れが襲った。
誰だろうと思うも。
ゆさゆさとひたひたと体が揺すられる。
他人の感触。それでルイズは昨日使い魔を召喚したんだと思い出した。昨日の
寝る前の出来事が薄ぼんやりと再生される。
揺すられる体に加え、ぬたぬたぺたぺたと頬を優しく叩かれる。
頼んでないのに、自発的に主人を起こす。あの生意気な使い魔に少しは自覚が
芽生えたのか。
そう少し感心するルイズは。
「てけり・り」
(そうそう、こんな声……で?)
なにか、重大な間違いが各所にある気がした。
なぜ、体が揺すられるたびに近くから粘着質な音がするのか。なぜ、頬を優し
く叩かれるたびに湿っぽいゼリーのような感触がするのか。というか、あいつ
はあんな声だったか。
(ひたひた? ぬたぬた? ぺたぺた?)
得体も知れない恐怖。
暖かい布団の中、這いずるように背中を進んでいく悪寒。
本能は叫んでいる。それは決して見てはならないと。
予感は戦いている。それは目で触れてはならないと。
警告は響いている。それは理解してはならないと。
だが人類が人間であるがゆえに理性を、霊長の頂点とおこがましく思う知性を
持ち。賢く、聡明で……ゆえに愚かな理性は、その本能の警告を捻じ伏せる。
好奇心という名の蛮勇と無知を武器に、理性と知性と言う欲望と愚かさを指針
に人類は発展と愚進を続けてきたのだ。
だが覚悟せよ人間。深淵を覗き込む時、その深淵もこちらを見つめている。
そしてその例に乗り、ルイズが覚悟を決めてゆっくりと目を開けると。

目の前に。

半透明な。

不定形生命体の。

目玉があった。

「……」


104:魔導書が使い魔-03
08/11/21 21:15:06 O4xjs9V3
その姿はまさにスライム。なぜかぐっすりと眠るアルを背(?)に乗せ。そこ
から触手を伸ばし、ルイズの体を揺すり、頬を優しく叩いている。
顔の前に伸ばされた眼球と目が合った。
「てけり・り」
容姿の割には可愛らしい声を上げた。
「―」
それに対して、ルイズは胸いっぱいに息を吸い。

「―いやああああぁぁぁぁああああっ!!」

朝一番に悲鳴を女寮中に響かせた。



キュルケの朝は意外と早い。
見た目と性格からずぼらと思われがちであるが、その実ルイズが起きる前から
起きている。
確かにキュルケはあまり朝に強いわけではないが、だからといってそれで朝の
貴重な時間を浪費することをよしとしない。
彼女は情熱と恋に彩られる女。だから朝のわずかな時間すらも消費することを
惜しむ。
まあ、簡単に言えば朝の化粧なのだが。
それに先ほど述べたように、キュルケはあまり朝に強いほうではない。本来な
ら時間ぎりぎりまで寝ていたいほどであるが、化粧にはなにかと時間がかかる。
どうせいつ起きても眠いのなら、早めに起きて身だしなみを整えた方がいい。
それがキュルケの出した結論である。もちろん虚無の曜日などといった休日は
除くが。
そういうことで、眠気眼で起きたキュルケは、袖で目元を擦りながら小さくあ
くびをした。
その身を包むのはクマ柄の入った可愛いパジャマ。
普段の彼女は薄いネグリジェやレースのベビードールといった色気のあるもの
を着て、幾人も男を時間差で部屋に招きいれ篭絡しているのだが。
昨日は使い魔の召喚の儀式があり、想像していた以上にキュルケも他の生徒も
疲れていた。そして熱しやすく冷めやすい……つまりは興が乗らなかったキュ
ルケは、その日は全ての男の誘いを蹴って、早々に眠りについたのである。
そこで話は戻るのだが、キュルケは実のところ意外と乙女チックである。普段
から情熱や色気を前面に出し、自身のスタイルや周囲の評価を熟知している彼
女はそれを晒すことを恥と思っていることもあり。だからだろうか。誰も招か
ずに1人で眠る夜など、ときおりこのクマ柄のパジャマを着ることがある。
このことを知るのは、母国にいる母か―
「キュルキュル」
今、自分をうかがうこのサラマンダーぐらいなものだろう。
キュルケは頬を緩め自らがフレイムと名づけたサラマンダーの頭を撫でると、
フレイムは目を細めてじゃれ付く。
「ん~っ!」
ぐぐっと背を伸ばす。胸元にあるクマが必要以上に前にせり出した。
ようやく頭がはっきりしてくる。肺の空気を入れ替えながら立ち上がると、パ
ジャマへと手をかけた。
着替えを背に乗せて持ってきてくれるフレイムに微笑みながら、その意識は別
の場所へと移される。

105:魔導書が使い魔-03
08/11/21 21:17:52 O4xjs9V3
昨日の儀式を思い出す。そう、深く印象に残っているのはこのフレイムとタバ
サの風竜。そして―ルイズのゴーレム。
轟音と共に黒雲を呼び寄せ、魔方陣から降り立った傷だらけのゴーレム。
周囲の評価は冷ややかで残酷なものが多かったが、キュルケはそんなものに惑
わされはしない。
たとえ傷だらけだとしても跪いて30メイル、立ったなら50メイルに届くと思わ
れる巨大なゴーレムを呼ぶなど普通に出来ることではない。
ルイズ―この学園の嘲笑の対象にして、ツェルプストー家因縁の家系の子。
幾十幾百年争いあった呪いともいえる争いの血筋。
だが、キュルケには関係なかった。因縁の家系、嘲笑の対象、争う血筋、そん
なものはなんら意味を持たない言葉。
ルイズがここでは落ちこぼれと言われ蔑まれ、自分の足元にも及ばぬ実力だと
して。キュルケはルイズを一度も見下したことはない。彼女にとって、ルイズ
とは数少ない対等の相手なのだから。
そういえば昨日は結局ルイズが契約のためにゴーレムの顔まで上った後、なぜ
か慌てたコルベールが急遽生徒を先に学院に帰るように促していたが。ルイズ
になにかあったのだろうか? もしなにかあれば、“いつもの方法”で発破を
かけなければならない。でなければひどく、つまらない。
脳内で、からかわれ憤慨しまくし立てるルイズの姿を想像して、思わず不適な
笑いが浮かぶ。
そう、キュルケにとって、相手を対等として認める条件。それは―

『―いやああああぁぁぁぁああああっ!!』

突然壁越しに大音量の悲鳴が響いた。
思わずキュルケは手を止めるが。
「……まあいいでしょ」
朝からあんなに元気なら、少々やりすぎてもかまわないだろう。
取りとめもなくそう考え、着替えを再開する。
無論キュルケの中には、そもそもからかわないという選択肢は端から存在しな
かった。



世界にはびこる邪悪は日々静かにそして確実に、日常の裏側で進行している。
邪悪は時として、表舞台から迷い込んできた罪無き人を容赦なく引きずり込み
冒していく。
そう今も、現在進行形で……。

「……五月蝿いぞ」
アルは朝から大声を聞かされ、不満気に起きだした。
「ふあぁっ……んんっ!」
まだ眠気の残る眼を擦ると猫のように伸びをし、ルイズの様子に気がついた。
「汝、なにをしている?」
ベッドの端。最もアルから遠い場所で、後ずさった格好でガタガタ震えながら
ルイズは叫んだ。
「な、ななななななんなのよそれはっ!?」
若干細かく震えているが、指差された先には。
「てけり・り」
アルを乗せ、プルプルと可愛らしく(個人によって感性差あり)震える生命体
Xが1匹。

106:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:18:10 dBV5rCmR
正二角形てなんだ?
支援

107:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:18:56 ruWxJq8z
だーれす支援

108:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:19:14 0HGMJSyr
元ネタ知らないけど鳴き声可愛いなぁ支援

109:魔導書が使い魔-03
08/11/21 21:19:37 O4xjs9V3
「ああ、こいつか」
言葉の意味を理解したアルはこう答えた。
「こやつの名はダンセイニだ」
「だ、ダンセイニ?」
随分と立派な名前だった。それがなぜか気に入らない。
「ダンセイニ挨拶をしてやれ」
「てけり・り」
人類的な恐怖―ダンセイニから触手が伸びて、指差していた手を握られる。
そのままシェイクハンド。
貴族の挨拶ではないが、礼節はあるらしい。
ひんやりとした少し水っぽい粘着感が堪らなく嫌だった。
「―って! なんの回答にもなってないわよ!」
アルはさもなにが不満なのかという顔をして。
「なにが不満なのだ?」
「字面のまま言うんじゃないわよ! そうじゃなくて不満もなにも、なんでそ
んなものがいるの!」
ダンセイニの上でアルは腕を組む。
「なんでもなにも、童が喚(よ)んだからだ」
「あなたが……喚んだ?」
「うむ」
喚んだってことは、召喚? メイジでもない者が召喚? しかも使い魔が?
いやあれは意志があり魔力を持つ齢1000年にいくインテリジェンスブックなの
だ。召喚ぐらいしておかしくない……決してわたしがこんな簡単に魔法を使え
るから悔しいわけじゃない……うん。
半場ぼーぜんとするルイズ
「ショゴスという元々は『古きもの』の奴隷だった種族でな。それにこやつは、
前にいた場所でも世話になった童の友人でもあるのだ」
あー、今日の朝食はなにかしら。
どこか思考が上の空となったルイズに、アルはこう続けた。
「それで昨晩、汝が言った雑用はこやつに全てまかせることとした」
「てけり・り」
ふんと胸を張る人外たち……て。
「ちょーっと待ったぁぁぁっ!!」
「さっきからなんだ汝は」
不愉快そうにアルは顔を歪めるが、こっちはそうは言ってられない。
「なんでこいつがわたしの世話をするのよ!」
再三ダンセイニを指差す。
「だから、なにが不満なのだ」
「わ、わたしの身の回りの世話は、あんたがするもんじゃない!」
それにアルはさもめんどくさそうな顔をして。
「なぜ童がせねばならぬ。雑用なら誰がやっても同じだ。それにこやつは元が
奴隷種族だけあって意外と奉仕は得意なほうだ」
「てけり・り」
任せろといわんばかりに波打つ体。
「止めてそれ……夢にでそう……」
その悪夢の権現たるゼリーを見てルイズは。
「もう……それでいい」
なし崩し的にその存在を認めた。
「はじめからそう言えばいいのだ」
さっきから偉そうな古本娘はこのさい置いておくとして。ここでふと朝食の時
間が迫っていることに気がついた。そろそろ着替えなければ間に合わない。
「あ、着が……」
ルイズは着替えさせようとアルに顔を向け。
「てけり・り」
うじゅるうじゅると触手をうごめかす狂気の産物と目が合った。
「き、きききき着替えは自分でしようかしらっ!」
そうしてルイズは1人ベッドの端でモソモソと着替えだした。

110:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:20:59 pIAeAW/Y
>>106
クトゥルーだしデモンベインだしそんなもんだと思っておけば

支援

111:魔導書が使い魔-03
08/11/21 21:21:50 O4xjs9V3
 


「さて、急がなくちゃ」
アルと連れ立って部屋を出る。部屋でうねっていた不可思議生命体はできるだ
け視界に入れないようにして……。
なんか触手をいってらっしゃいみたいに振っているけど気のせいだろう……う
ん、全力で気のせいにした。
必死に狂気に抗ったルイズが、日常の香りに安堵していると。まるで計ったか
のように隣の扉が開け放たれる。そしてその扉から1人の女の子が出てきた。
燃えるように赤く波打つ髪、豊満な胸をはち切れそうなシャツが辛うじて留め、
高い身長はそれに似合う肉付きを現し、褐色の肌と相成って体全体から発する
色気。いろんな意味でルイズとは正反対である彼女―キュルケはルイズを見
ると、まるで大好物を目の前にした猫のような目を細めた。
「おはようルイズ」
彼女たちは因縁の家柄。普段であれば、キュルケにファーストネームを呼ばれ
たらいくらか反論をするルイズだが。
「……おはようキュルケ」
ルイズはぐったりとそれに応えた。
「あら?」
手ごたえの無さに拍子抜けするキュルケは、ルイズの後ろにいるアルに気が付
いた。
「ルイズ、後ろの子は?」
「……使い魔」
「―え?」
それにルイズは投げやり気味に応える。
「だって昨日、あなたが呼んだのはあのゴーレムじゃない」
なにかの間違いじゃ? と言う風に窓の外を指差すと。そこには平原の真ん中
に跪き佇む巨体があった。
ルイズもつられる様に外を見ると、少し苦い顔をして。
「……うるさいわね、ちょっとした手違いがあったのよ」
キュルケはその言葉にアルをジーと観察するように見つめ。
「アル・アジフだ。苦しゅうない、楽にせよ人間」
無い胸を張るアル。
「なにを偉そうに……」
疲れた声でつっこみを入れるルイズ。
「ぷ」
そしてキュルケは思わずといった風に噴出すと。途端に笑い出す。
「あはははは! あなたらしくていいじゃない、こんな平民を使い魔にするな
んて」
杖もない、マントもない。容姿はかなり整っているが、なにか特殊なものも感
じない。ならば平民だろうとあたりをつけた。
それにアルは。
「所詮人間はこんなものか」
外見ばかりに気を取られる、そう呟きため息をついた。
だがキュルケは、それに対して負け惜しみとでも思ったのだろう。
「ふふ、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプ
ストーよ。キュルケでいいわ。あなたは?」
「ふむ。童はアル・アジフ。なんの因果かこやつの所有物となっておる」
「所有物……?」
妙な言い回しにキュルケは戸惑ったが、まあ使い魔も所有物という意味では同
じだと納得した。
「そう、これからもよろしく」
これでアルのことを注意深く観察したなら、平民と断定することは無いだろう。
彼女の祖国では平民も領地があれば貴族になれる、ある意味常識外で育ったが。
やはりその思考は常識の範疇に収まっていた。
「にしても平民とはね。ルイズ、使い魔ってのはね。こういうのをいうのよ」
キュルケはそういうと、開け放たれた扉へ顔を向けた。
「いらっしゃいフレイム」

112:魔導書が使い魔-03
08/11/21 21:23:50 O4xjs9V3
そこからのっそりと真っ赤で巨大なトカゲが出てくる。
「ほう」
アルが興味深そうにトカゲを見た。
「みなさい、これが私の使い魔、サラマンダーのフレイムよ」
フレイムと呼ばれたサラマンダーは火のついた尻尾を振る。
キュルケは胸を張るとフレイムへ言った。
「フレイム、挨拶をしてあげなさい」
「きゅるきゅる」
フレイムはそう鳴くと2人へ向き直り。
「きゅる」
ルイズへと頭を下げ。アルへ向き直り。
「…………」
「…………」
なんとなしに目が合った。
「……………………」
「……………………」
互いに沈黙。
一言も喋らない。
「………………………………」
「………………………………」
見つめ合い。
「………………………………………………」
「………………………………………………」
見つめ合い―
「……………………………………………………………………………………」
「……………………………………………………………………………………」
見つめ―
「…………………………………………………………………………………………
………………………………………………」
「…………………………………………………………………………………………
……………………………………おいおい」
見つめ合っていた異形の内、アルが思わずつっこむと。
「きゅるきゅるきゅるっ」
「わっ! な、汝! なにをするか!」
突然フレイムがアルへとじゃれる様に、顔をすり寄せてきた。
「や、止めぬかっ! 火を噴くな! 童が燃えたらどうすのだ!」
「フレイムがここまで懐くなんて」
なんだか納得いかないと微妙な顔をするキュルケ。
「汝の使い魔だろう止めぬか!」
「きゅるきゅる」
仲良きことは良いことか。でも思ったのだろうか、キュルケはそれを放置する。
「それでどう? うらやましいでしょう」
そうして、ある種恒例の挑発行為を続けるのだが。
「あーそうね……」
いまいちルイズの反応は薄かった。
人型となる喋る魔導書や、本能が恐怖するゼリーとかと朝から争ったルイズに
はもう気力がなかった。
「……なーんか、元気ないわね」
まあ、いつまでもここにいるわけにもいかずキュルケは身を翻し。
「まあいいわ。フレイム、行くわよ」
「きゅる」
「ルイズ、朝食に遅れないようにね」
そうしてフレイムを連れてさっさと歩み去っていった。
後に残された2人は。
「むう、騒がしき者だったな。何者だ?」
「ご先祖様の代から争い合っている宿敵の家系よ」
「中々溝が深いな」
「まあね」
「まあよい、童は腹が減った。さっさと案内せよ」
「なんでそんなに偉そうなのよ!」

113:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:24:38 pIAeAW/Y
支援

114:魔導書が使い魔-03
08/11/21 21:26:21 O4xjs9V3
「なぜ童が小娘ごときに畏まらなければならぬ」
「また小娘って!」
再び言い争いながら食堂へと向かった。



「ほう、これはまた」
食堂へと入ったとき、アルは感嘆の声を漏らした。
多少は気分が払拭されたのかルイズが少し誇らしげになる。
「ふふん、どうかしら」
目の前にはやたら長いテーブルが三つ並んでおり、今もメイドが忙しく料理を
並べている。
「このトリステイン魔法学院が教えているのは魔法だけじゃないのよ」
ルイズは得意気に指を立てると、説明するかのように語りだした。
「メイジは全員貴族であるから、貴族としての作法や礼儀。そして一番に精神
を育むことをモットーとしてるの。『貴族は魔法をもってしてその精神となす』
ってね」
鳶色の瞳を片方瞑り、指揮棒のように指を振りながら続ける。
「本来ならあなたのようなのが、この『アルヴィーズの食堂』へ入ることは
―あれ?」
後ろを向き、指をアルへ突きつけようとして―そこに誰も居ないことに気が
付いた。
「え? え? どこに……」
慌てて周囲を見回そうとした時。
「むぐむぐ……これは、中々の美味……だな」
振り向くと、巨大なソーセージをくわえ込むアルの姿があった。
いきなりのことで誰も彼女を止めることができず、むしろ幾人かの生徒は
(主に男子)はなぜか生唾を飲み込みながら食い入るように、太くて長いソー
セージを咥えるアルに見入っている。(やや前屈み)
「って、またあんたはなに勝手に食べてんのよぉぉぉっ!!」
勢いよくルイズが詰め寄るが。
アルはやたらカッコよく、まるで歴戦の兵士のような笑みを浮かべ。
「ふ。食とは、つまりは本能が求める欲求にして闘争! 誰も童を止められん!」
なぜか背後で飢えに苦しむ貧乏人のような男の姿が見えたが……幻だろう。
「というかあんたに食なんて必要あるの!?」
「必要不必要は関係ない! ただ我は食らうのみだ!」
「なにが、本能が求める欲求にして闘争よ! ただの食い意地じゃない!」
結局アルはこのまま食べ続け、ルイズは使い魔の管理がなっていないと教師か
らお叱りを受けることとなる。



教室へ入った2人を出迎えたのは、くすくすという小鳥の囀りのような笑い声
と視線だった。
軽く教室を見回すと、多種多様雑多な使い魔たちと少し離れた場所で、アルを
見ては笑う生徒がいる。
散々食堂で騒いだことにより、すっかりと顔を覚えられてしまったらしい。
「……不愉快だな」
「…………」
ぽつりとアルが言うが、ルイズはまるで慣れているかのごとく笑い声には反応
せず進む。
近くを通るたびに、使い魔、平民、契約、ゼロ、などと言った小声が聞こえて
くる。
その中にはキュルケもいたが、これは笑みの種類が違った。
「ふふ」
「……?」
それがなんなのかと、探ろうとした時。
ルイズはほぼ無表情で席に座った。しかたなしにアルもその横の席にドカリと
座り込む。
「―」

115:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:26:31 jGEvLjo4
sien

116:魔導書が使い魔-03
08/11/21 21:27:19 O4xjs9V3
一瞬ルイズがなにか言おうとしたが、結局はなにも言わなかった。
「ふむ、作りは立派なのだな」
改めて教室を見回しなんとなしに呟くと、ルイズが口を開く。
「当たり前よ、トリステインの貴族の嫡子が集まるこの場所はこの魔法学院は
大陸でも有数の名門なの」
窓枠や扉などには精緻な彫刻や壁には所々幻獣などのレリーフを見ながらアル
は言う。
「ふむ、それでか。なんというか成金趣味だな」
それにルイズはため息を付きながら。
「貴族が暮らす場所なのに、平民と同じような環境ではいけないでしょう?
ちゃんとした威厳を保つためには必要なことなのよ」
その言葉を疑いのかけらもなく口にするルイズを見て、アルは既視感のような
ものを感じた。
(どこかで……似たような存在を……)
だがいくら記憶を遡ろうとしても、出てくるのはエラーか混在した記録ばかり。
(っく。記録自体が破損したか、目録が使えないことで掘り出せぬだけなのか)
アルが思考に埋没しようとしたとき、扉が開いてふくよかな中年の女が入って
きた。
彼女は生徒たちを見回すと、穏やかな笑みを浮かべると口を開く。
「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。このシュヴァルーズ、
こうやって春の新学期に、様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのです
よ」
その声に、周囲はルイズの隣―アルを見ると一斉にクスクスと笑い出す。
「おやおや。変わった使い魔を召喚したものですね。ミス・ヴァリエール」
シュヴァルーズがそういうと、周囲の小笑いが、一気に大笑いになる。
(くだらん……)
それを冷めた目でアルが見ていると。一人の生徒が勢いよく立ち上がり、ルイ
ズを指差し大声で言った。
「ゼロのルイズ! 昨日のゴーレムがボロかったからって、代わりに平民なん
て連れてくるなよ!」
それに、ルイズは極々静かに立ち上がる。
当人―マリコルヌはそれに気が付かぬのか、大きく手を広げながら演説よう
に語り続ける。
「どうせ、そこらにいた平民を捕まえて―」
周囲の生徒はいつもの癇癪か怒鳴り声が続くかと思い、それにより口論を騒ぎ
立てようと待ち構えていたが。
「マリコルヌ」
予想に反してルイズの顔は笑顔で、その声は非常に穏やかで。
「―黙りやがれ、このブタ野郎」
人生的に絶望より深い部分に潜ったような。あらゆる悲哀を受け止めたような。
てめえ俺は疲れてるんだ、少しは静かにしやがれ殺されてぇのか? と語るよ
うな超々々々低温の視線でマリコルヌを睨んだ。
「ぎろり」
「ひぃっ!?」
周囲を凍りつかせた。

後にマリコルヌは語る。
「ま、またあの視線に睨まれたら……ブヒィッ!!」
その彼が特殊な性癖に目覚めるまであと少し時間がかかる。

すとんとルイズが座ると、まるで止まった時間が戻るかのごとく周囲はざわめ
き始める。
だが当の本人であるルイズはなぜかぐったりとしたまま、アルにいたっては、
よっぽど暗いものを押し込めていたのだな、と感心していた。
そしてその空気に気づかぬのか、シュヴァルーズは大きく手を叩く。
「はいはい、みなさん雑談はここまでです」
空気の読めないものの強さか、教室は強制的に授業の空気へと流されていく。
「…………」
ルイズも、気持ちを切り替えたのか授業へと集中した。

117:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:28:37 0HGMJSyr
マリコルヌwwwww
支援

118:魔導書が使い魔-03
08/11/21 21:28:51 O4xjs9V3
シュヴァルーズは一度せきをしたあと、杖を振ると机の上に数個の石ころが現
れる。
「私の2つ名は『赤土』。赤土のシュヴァルーズです。『土』系統の魔法を、
これから1年みなさんに講義します。まず―」

騒ぐ当人達が集中しているため、授業は円滑に進む。アルもあまり出会わない
魔術のことに多少興味はあった。
失われた『虚無』を含めた『火』『水』『風』『土』の5つの系統魔法。その
系統魔法の使える数を表す『ドット』『ライン』『トライアングル』『スクウ
ェア』のメイジの位階(クラス)など。
(ふむ、ここまで闇の臭いのない魔術はめずらしい)
教師本人の系統もあるのだろう『土』を全面的に肯定しているが、年初めの授
業なのかその内容は模範的で知識の無いものにはちょうどいい。
だがアルは。
「……つまらん」
そう言って机へと突っ伏した。
「あんた、なにしてるのよ」
ルイズが思わず、顔を向ける。
教卓でシュヴァルーズが石ころを真鍮へと変えているが、アルはもう見向きも
しない。
それどころか、あくびをして眠りにつこうともしている。
「今は授業中なのよ、失礼じゃない」
ひそひそ声でルイズが注意するとアルは疲れたかのように言った。
「あんなもの児戯にも等しい」
「なっ―」
突然のことに言葉が詰まる中、アルはさらに続ける。
「魔術とは本来、世界の裏をかく物。世界の裏を、常識の非常識を疾走し汲み
上げるのが本分だ。だがあれはなんだ? ただの物質変換ではないか」
1000年もの長き時を闇の世界で暮らしてきた彼女にとって、説明された物はま
さに児戯である。
火を出すだけ? 風を吹かすだけ? 水を噴出すだけ? 土を操作するだけ?
実演した『錬金』にしても“既存の物質を作り出すけだけ”という、彼女の知
る魔術の中でも“基礎以下”と称されるものである。
術を使うあの教師でさえ、簡易な精神統一すらなっていない。
様々な、それこそ比喩ではない地獄にいた彼女からすれば余りにもぬるかった。
「よって、童には無意味どころの話でない。むしろ退屈を誘う害悪だな、うむ」
だが、そんなことを―彼女の潜り抜けた世界を―知らないルイズにとって
は、それはこの世界のメイジの存在全てを、彼女自身を愚弄する行為にも等し
かった。
無意味―それは、彼女が目指す夢をまさに汚す言葉である。
「―あんたっ!」
そして勢いよくルイズが立ち上がり。
「ミス・ヴァリエールあなたが立候補しますか。いいでしょう、こちらに来な
さい」
おっとりとした声をかけられた。
「―へ?」
いきなり名指しされ置いていかれるルイズに、シュヴァルーズはなおも優しく
声をかける。
「ミス・ヴァリエール。この小石を『錬金』してみなさい」
どうやら、あの中年教師は『錬金』をする生徒を募っていたところ、ちょうど
ルイズが立ち上がったことでそれを立候補と間違えたらしい。
「さあ、ミス・ヴァリエール」
「あ―」
そして、ルイズが反応するより早く。
「ミス・シュヴァルーズ! それは危険です!」
生徒たちが反応した。
「絶対ルイズにはやらせてはいけません!」
「危ないです!」
口々に言う生徒たち。

119:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:29:17 WXT2TXnp
ブヒィてww 支援

120:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:31:10 ruWxJq8z
これは支援

121:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:31:46 +vhdoGMA
派遣衛士ワルドの憂鬱

支援

122:魔導書が使い魔(代理)
08/11/21 21:36:50 jGEvLjo4
さるさん食らったそうなので代理投下いきます

123:魔導書が使い魔-03(代理)
08/11/21 21:38:08 jGEvLjo4
「あら、ミス・ヴァリエールは座学でも優秀な成績を収めていると聞きますよ」
「それでもです!」
みんな必死になって気が付かない。ルイズの手が硬く握られブルブルと震えて
いるのに。
「ですが―」
「ルイズに魔法なんて使えるはずありません!」
それは誰が言ったことだろう。
その言葉を聞いたとき、ルイズの中のなにかが切れた。
「ミス・シュヴァルーズ! わたしはやります!」
勢いよく言い放つと、堂々とルイズは教卓へと歩き出す。
悲鳴を上げたり顔面が蒼白になったりする生徒たちは、次々と机の下へと潜っ
ていく。
「なにをしておるのだ?」
それを見て首をかしげるアルに、机の下からキュルケが苦笑しながら話しかけ
た。
「あなたも巻き込まれないように隠れたほうがいいわよ」
「……?」
そうこうしている間に教卓についたルイズにシュヴァルーズは笑いかける。
「さあ、ミス・ヴァリエール」
この時、シュヴァルーズは油断していたのだろう。いくら実技が苦手な生徒だ
と噂されても。ただそれだけだろうと。
「はい!」
この時、ルイズも油断していたのだろう。サモン・サーヴァントと、不完全な
がらコントラクト・サーヴァントを成功させたことで、彼女にわずかな希望を
もたらしたのだろう。
「緊張することはありません。さあ、『錬金』したい金属を強く思い浮かべる
のです」
だがそれは、ルイズが杖を振り上げ。
「錬金―!」
振り下ろしたことで、粉々に吹き飛んだ。
爆風が吹き荒れ、ルイズとシュヴァルーズは吹き飛ばされ黒板へと叩きつけら
れる。
「―にゃにぃぃっ!」
顔を出していたアルは爆風に煽られた。
その爆音に飛び起き、混乱した使い魔たちが暴れだし。それによりよけいに混
乱する生徒達。
「ああ! 僕のラッキーが!」
「や、止めろハスタール! 痛たたたっ!!」
「腕が! おでの腕がぁぁ!!」
阿鼻叫喚の地獄であった。
「なにがどうなって……」
ふらふらと頭を振ったアルが教卓を見ると。
黒い煤につつまれた教卓の周囲。
ボロボロになったルイズがむくりと立ち上がると、一言言った。
「ちょっと失敗みたいね」
「「「「「「どこがちょっとだ!」」」」」」
ここにいるみんなの心が一つになった。
「だからやるなと言ったんだよ! ゼロのルイズ!」
「確立ゼロだからゼロのルイズ!」
そこでアルは、大声でどなる生徒達に言った。
「ところで、あやつは大丈夫なのか?」
アルが指差した先。
ぴくぴくとやばい痙攣のしかたをしているシュヴァルーズがいた。
「「「「「「あ」」」」」」

124:魔導書が使い魔-03(代理)
08/11/21 21:39:04 jGEvLjo4
今回はこれで終わりです。
次回はとうとう、ギーシュとの戦い。
ふふ……どうしよう?w

まあ、できるかぎりデモベ風に熱くかける頑張ります。あと、早く書けるように……。


以上、代理でした。

125:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:39:51 pIAeAW/Y
カリグラなにやってんのwwww
作者さんも代理の人もGJでした

126:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:43:35 WXT2TXnp
魔道書の人、代理の人、乙です。
見つめ合うアルとフレイムが何ともww

127:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 21:52:14 +vhdoGMA
よんでますよ、アザゼルさんから アザゼルさん

「こんのぉ、薔薇咥えてイケメン気取ったキザ野郎がぁああああ」
「だいじょうぶ、だいじょうぶ、これを突きつければあのキザ野郎とは別れられますって」
「そういう問題じゃあないのよ!私の気がすまないのぉ!」

モンモラシーがルイズを捕まえて
ギーシュの浮気を何とかしろと頼んだ
そしてルイズは気が重いが悪魔を呼び出した

「もう、ルイズはん、飯時に召還するなって何べん言うたらわかってくれますのん?」
こかかかか
ちゃぶ台ごと召還されたアザゼルさん

「それで生贄はどこですのん」
「それよ」

どーん
底には豚足が一本、皿に載せてある
”完璧 悪魔 舐めとるな コイツ”
「あれ、でも、これ、意外と、キラいじゃないかも」
ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ

「ほいで今回は何がしたいの」
「甲と乙を別れさせたいの」
「あーわかったー、別れさすんやねー」

魔方陣にもぐって帰るアザゼルさん

次の日
 全身からモンモラシーの香水をプンプン香らせたギーシュが引きこもってしまった
 そして怒鳴り込んでくるモンモラシー
「ちょっとあれどういうことよー、なんで私が香水をぶっ掛けた事になってるのよー」

ここでいいかげんちからつきた

128:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 22:19:24 ruWxJq8z
デモペ乙
クトゥルー題材ものは多いだけあって、このスレにも何度か現れてるからそれぞれ展開が違うのがいいね。

129:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 22:29:02 rv4VOrEW
魔導書の人乙でした。
そりゃあ、アル…というかデモベの化物マギウス連中にしてみればそりゃあ詰まらんわな。四系統、虚無、先住といったハルケギニアの魔法は。


130:ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g
08/11/21 22:29:14 WXT2TXnp
 こんばんは。
 第5話の投下を、22:40から行ってもよろしいでしょうか。
 …しかし、もう5回目だというのに、この投下前のプレッシャーのような物には一向に慣れる気配がいたしませんな。

131:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 22:33:12 RlZa2A3I
>127
アザゼルさんは脳みそがはみ出しても頑丈だったな

132:ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g
08/11/21 22:40:26 WXT2TXnp
「………」
 ようやく2冊目を読み終えた。かなり遅いペースである。
 そもそも、いちいち辞書を参照しながら専門書を読み進む――という行為に無理があるようにも思う。
(ともあれ、焦る必要もないが……)
 1冊目の本を読んでいる時に感じた『強烈な反応』に関しては、少なくともこちらからは絶対にアクションを起こさない、
と決定している。『一ヶ月前の反応』も『一週間後の反応』も同様だ。
 こんな未知数な存在を相手に、うかつに行動を起こすほど、自分は若くもなければ勇気もないのである。
 今まさに調べている『魔法』のように、自分の興味を引く物であればその限りではないが、何せ精神年齢はもう70歳近
く。
 40年前のように、

(…地球人の凶暴性、ウルトラマン、そしてデビルガンダム…私の汚名を返上するには最高の素材だ…。
 クククク…全宇宙に私の才能を示してやる…)

 このような思考に行き着くのは、少々困難だろう。大体、ハルケギニアの人間に自分の才能を示したところで、あまり大
した意味もない。
 そもそもこのハルケギニアでは魔法が使えない『平民』の地位がかなり低いらしい。『貴族にあらざれば人にあらず』
――というほど酷くもないようだが、決定的な『壁』のようなものがあるのだ。
(……どうでもいいことだな)
 今の制度が続こうが、市民革命が起きようが、異邦人である自分にはあまり関係がない。
 ならば自分の趣味に没頭しよう、と本2冊分の知識を元に考察を始める。
(まずは『杖』か)
 エルフなどが使う『先住魔法』とやらは置いておくとして、魔法の行使には絶対に『杖』が必要とされている。
 メイジの『精神力』を外に『出力』するための装置、あるいはメイジが『精神力』を使ってこの『世界』そのものに対し
て影響を及ぼすための媒介のようなものだろうか。
 ……仮に前者だった場合、『魔法』はメイジ自身の力となり、後者だった場合はメイジというより『世界』自体が反応、
あるいは呼応していると捉えることも出来るが。
 『杖』もまた、その辺の木を切ればいいという物ではなく、数日以上かけて契約したその個人専用のものでなくてはなら
ないらしい。
 この行為が『世界』と『メイジ』とを接続するためのものだとすると、後者の方が可能性が高いのではないかと考えられ
るが――
(あくまで『可能性』の話だからな…)
 あるいは、全く別の要因が絡んでいるのかも知れない。
 なかなか興味深い、などと思いつつ、ユーゼスは次のテーマに移る。
(メイジの能力は遺伝される………ふむ)
 階級制度が導入されているということは、おそらく長い間メイジ同士で血を交わらせてきたのだろうが、そのメイジと平
民が子を成した場合、その子供は魔法を使えるのだろうか?
 考えられるパターンとしては、『魔法が普通に使える』、『魔法は使えるが威力は弱くなる』、『魔法が使えない』、
『隔世遺伝によって数世代後に発現する』くらいだが、少なくとも自分が読んだ本にはそんな事例は書いていなかった。
 本によると、このハルケギニアには6000年も歴史があるのに、そのような例が1件も無いとは不自然すぎる。
(……平民と子を成すことを『家の恥』とでも考えたのだろうか。ならば記録に残すわけはないな)
 次に、レベルを上げる条件には、大きな感情のうねりかメイジの修練が必要とされる件について。
 ……感情のうねりについては、それこそスーパーモードかハイパーモードのようなものだろう。人間の感情を安易に単純
化するのは危険だが、『激しい怒り』や『憎悪』などがキーになるはずだ。……『明鏡止水の境地』に至れば、一体ランク
はどうなるのだろう。
 よく分からないのは、修練によってレベルが上昇する場合である。
 これは、ある日突然にレベルが上がるのか、それとも『そろそろ上がりそうだな』という手応えのような物と共に上がるの
か。
 あるいは、その『修練』の果てに至った精神的な境地こそが、レベルを上げるキーなのかも知れないが。

133:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 22:40:39 v0Sp93d8
ラスボスさん支援
もう聖地にいるのはイデオンクラスじゃないと手におえん

134:ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g
08/11/21 22:42:14 WXT2TXnp
 続いて、魔法そのもの――とは言え、コモンマジックについてしか読んでいないが――について考える。
 『ライト』。そのままストレートなネーミングだ。光を放出する魔法だが、瞬間的に使って敵の眼をくらませる、という
使い方も出来るだろう。
 『ブレイド』。魔力を刃とする魔法であり、そのメイジが得意とする系統によって刃の色も異なるらしい。ウルトラマン
もスペシウム光線のエネルギーを使って八つ裂き光輪やキャッチリングを使っていたので、原理的には同じものかもしれな
い。
 『レビテーション』。浮揚の魔法。最初は念力か念動力のようなものかと思ったが、どうやら違うらしい。重力を軽減す
る――対象の物体を軽くするだけで、逆に重くしたり力で押さえつけたりは出来ないようである。
 人間を始めとする生物にとって飛行が困難である理由としては、体重を超える上向きの力を捻出することが出来ないから
だ。重力を軽減する能力があれば、どんな生物でも浮くなり飛ぶなり出来るだろう。あとは微細な重心移動や重量の増減の
コントロールが可能となれば、自由自在に空を飛べる。
 『ディテクト・マジック』。魔法やマジックアイテムを探知するための魔法。応用として、その魔法やマジックアイテム
の詳細を分析することも出来るのだとか。
 ……かなり大雑把な例えだが、リトマス紙を使って酸性かアルカリ性かを調べたり、ヨウ素液を使ってデンプンを検知す
るようなものだろうか。しかし詳細を分析するとは……。……自分が使えれば、おそらく乱用しているに違いない。
 『サモン・サーヴァント』と、『コントラクト・サーヴァント』。……これらが『コモン』であるということに非常に納
得がいかない。
 仮にも空間を捻じ曲げる魔法と、ゲートを潜り抜けた生物にクサビを打ち込む魔法なのである。ルイズに至っては時空間
まで捻じ曲げ、自分に特殊能力まで付加させたのだ。これが専門的なものでも、高度な魔法でもなく『コモン(共通)』。
 自分は40年かけてクロスゲート・パラダイム・システムを造り出し、ほとんど生涯を懸けて時空間を超えたのに、
『コモン』。
(…………………………)
 ……深く考えると、めまいや頭痛が起きそうなので、これについては打ち切ることにする。
 『ロック』と『アンロック』。………………これに至っては、わけが分からない。鍵の構造など無数にあるはずなのに、
それに対して施錠と開錠を行うとは、どういうことだろうか?
 しかも『アンロック』が効かない鍵もあるという。おそらくこの鍵はマジックアイテムの類ではないか……と推測する
(あくまで『推測』である)が、そうするとこの『アンロック』の存在意義とは何なのだろうか。
 ――と、基本的なコモンマジックだけでこれだけの疑問や考察が出て来る。
 これがそれぞれの系統魔法にまで及んだら、おそらくとんでもないことになるのだろうな――などと考えていると、窓の
外の空が白んでいるのが見えた。
(……徹夜してしまったな)
 研究に没頭して時間を忘れるなど、研究者にとってはよくあることである。
 無論、身体に良いわけはないが。
「――そう言えば」
 自分はルイズから洗濯を頼まれていたのだった。
 率直に言って、こんなことはやりたくないが、これが務めだと言うのなら仕方がない。
 下着や肌着を持ち、ドアを開けて部屋の外に出る。
 そこで気付く。
「しまった」
 ……洗濯はどこでやれば良いのだろう。
 そもそも、この建築物の構造はどうなっているのか。
 いや、それ以前に、洗濯とはどうやるのだろう。
「………むう」
 途方に暮れるユーゼス。
 すると、そこに。
「……あら? たしか、ミス・ヴァリエールの使い魔の……」
 ルイズから状況説明を受ける前に、自分にパンを運んで来てくれた黒髪のメイドが現れたのだった。

135:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 22:42:55 iuahaw3Q
支援

136:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 22:44:44 tecngpHx
支援

137:ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g
08/11/21 22:44:46 WXT2TXnp
 ちょうど良い。洗濯の場所、およびそこに至るまでの経路を説明してもらおう。
「……すまないが、洗濯する場所を教えてくれ」
「え? どうして使い魔さんが洗濯を?」
「御主人様に命じられたのでな」
 あはは、と苦笑しながら部屋の前に置かれた皿とコップを片づけるメイド。
「…えっと、私がやっておきましょうか、お洗濯? 多分、私の方が慣れてると思いますし」
 メイドは朗らかに笑いながら、ユーゼスの仕事の肩代わりを買って出る。
 ……ここまで邪気のない笑顔を向けられたのは、かなり久し振りである。
(逆にやりにくい相手だな)
 敵意や悪意、疑念などを向けられるのに慣れすぎたせいか、このような『見返りを求めない善意』はかえって危険かも知れ
ない。
「………一応、私に与えられた仕事だからな。私が果たさねばなるまい」
「はあ、律儀な方ですねぇ。
 そういうわけなら、私が実地も込みで教えてあげます」
 そして洗濯物を持って歩くユーゼスとメイド。二人は連れ立って歩きながら、
「ふーん、それじゃ使い魔さんは東方から来たんですか?」
「……それに近い」
 正確に言うと『東方』どころではないのだが、東にはクロスゲートが頻出しているようだし、自分は擬似的なクロスゲー
トから出現したのだから、完全に間違いというわけでもない。ような気がする。
「む?」
 ふとメイドの顔を見てみると、そのすぐ下………襟元に光る物があった。
 よく見ると、それは……。
「? 使い魔さん、どうしました?」
「……その襟に付けているものは、何だ?」
 ユーゼスにとっては、どうにも見覚えのあるマークである。
 何せ、かつて自分が地球に赴任した折に、一番最初に所属した組織のマークなのだから。
「これですか? 我が家に伝わるお守りです。何でも、ひいおじいちゃんの故郷では、選ばれた人しかこれを貰えなかったそ
うですよ」
 ……あの組織は何だかんだ言ってもエリート集団だったのだから、当然である。

138:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 22:46:04 iuahaw3Q
支援

139:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 22:46:08 i0/0NN0c
円谷マーク支援

140:ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g
08/11/21 22:46:29 WXT2TXnp
 しかし。
「曽祖父の故郷?」
「はい。60年前に、東の地から空を飛ぶ『銀の方舟』に乗ってやって来た、ってお父さんは言ってました。
 でも、『銀の方舟』をもう一度飛ばすことは出来なくって、そのまま村に住み着いてちゃって――」
「……その『銀の方舟』とやらの、形状や色を教えてもらおう」
「えっとですね、『銀の方舟』ですから、やっぱり銀色で……ああ、先の部分あたりが赤かったですね。形は、こう……丸っ
こい形をしてるんですけど」
 メイドから『銀の方舟』についての情報を聞いたユーゼスは、乗っていた人間やその状況について思考を巡らせる。
(………空間の歪みか、ウルトラゾーンにでも巻き込まれたのか?)
 このメイドの曽祖父が乗っていた物がユーゼスの推測通りの物だとしたら、アレにワープ機能などないはずである。つまり
ワープ中の事故ではないことになるが…。
(……いや、待て)
 こちらに転移してきたシチュエーションは、大体ではあるが察しがつく。
 その転移してきた人間とやらの詳細については、これも察しがつく。人格などはどうでもいい。
 問題は。
「曽祖父は、お前の村で子を作ったのか?」
「はい。私の髪の色って珍しいでしょ? ひいおじいちゃん譲りらしいです」
「………」
(私の世界の人間と、ハルケギニアの人間で遺伝子交配が出来るだと……!?)
 ユーゼスは機会があればいずれ試してみようか(『試せる』可能性は限りなく低そうだが)とも思ったが、遺伝子交配につ
いては十中八九失敗すると考えていたのである。
 極端な話、自分は異次元人のようなものであるし、ハルケギニアの人間と遺伝子配列が極端に似通っている可能性は、限り
なく低い。
 一条寺 烈こと、宇宙刑事ギャバンは地球人とバード星人の混血であるが、バード星には遺伝子変換のための技術もある。
 ……いや、そう言えば『母親は遺伝子変換を行ったのか?』と直接に聞いたことは無かったか……。
 仮にギャバンの母親である地球人が、遺伝子変換を行っていないとしたら……。
(……都合が良すぎるな)
 いくら何でも、そんな訳はないだろう。
 ユーゼスは思考をハルケギニアの人間に関するものに戻し、あらためて考える。
(やはり、ハルケギニアは地球の並行世界なのか……)
 隣り合っているとまでは言い切れないが、かなり『近い位置』にあるようだ。
(……まあ、私には関係のないことだな)
 並行世界だの、時空間の移動だのについては、今まで散々研究してきた。
 今はどちらかと言うと、この世界の『魔法』の方が興味深い。
 そして何より、今の自分には『洗濯』という困難な使命がある。
 メイドの襟に輝く流星のマークを視界に入れながら、ユーゼスは彼女と歩いていくのだった。

141:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 22:49:36 v0Sp93d8
早川じゃないのか支援!シエスタ毒蝮か!


142:ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g
08/11/21 22:49:40 WXT2TXnp
「ちょっと待っててくださいね、私の分の洗濯物を持って来ますから」
 そう言って、メイドはどこかへと小走りに駆けていった。
 待つこと10分ほど。…遠くから、何か布のカタマリのようなものがこちらへと向かって来る。
「………」
「よいしょ、っと」
 そこから聞こえるメイドの声。
 自分が手に持つ洗濯物の量と、メイドの洗濯物の量を、改めて比べてみる。
(………まあ、いいか)
 慣れていない人間に手伝われても、かえって足手まといになるだけである。そのあたりの割り切りは大切だ。
「じゃあ、行きましょうか」
「分かった」
 そして洗い場に到着し、メイドの指導を受けながらの、たどたどしい洗濯が始まった。
「あっ、駄目です、まだ十分に濡れてません……!」
「む、そうか?」
「焦っちゃダメです。もっとゆっくり……そうです、やさしく……」
「加減が……難しいな……」
「ああっ! そんなに乱暴にしたら破れちゃいますっ!!」
「……申し訳ない」
「もうっ、けっこうデリケートなんですからね? まあ、経験を積めば、使い魔さんももっと上手になると思いますけど」
「うむ」
「し、しぼる力が強すぎですっ! ちぎっちゃうつもりですか!?」
「いや、そんなつもりは無いのだが」 
 洗濯終了。……なかなかハードな内容だった。
「それじゃ、私はまだ続きがありますから」
「分かった」
 洗濯物を干す場所は教えてもらったので、メイドに教えてもらった通りに干す。……これも、意外にコツが必要だった。
 干し終わり、遠目に選択中のメイドを見つつ、ルイズの部屋に戻る。…気が付くと、既に日は昇りきっていた。
 ガチャッ
 ドアを開けると、ちょうどユーゼスの御主人様も目覚めた所だったようだ。
「……ぅあ?」
 寝ぼけた様子でこちらを見るルイズ。
「目が覚めたか、御主人様」
「……あ、アンタ、誰?」
「……………御挨拶だな」
 ルイズは数度まばたきをすると、『ああ、そう言えば昨日、召喚したんだっけ』と呟いてベッドから起き上がる。
「下着」
「どこにある?」
「そこのー、クローゼットのー、一番下の引き出しに入ってるー」
 言われた通りに見てみると、確かに入っていた。
 ……どれを持っていけば良いのか分からないので、適当に選んで手渡す。
 なお、さすがに下着は自分で替えるらしい。
「服」
 椅子にかかっていた制服を無言で持っていき、ブラウスやスカートを着せる。
「顔」
「?」
「……顔を洗うのよ」
「そういうことは前の日の内に言って貰いたい」
「ったく、気の利かない奴ね……」
 明日から仕事が一つ増えるな、などと考えるユーゼスに頓着もせず、ルイズは命令を出していく。
「髪を梳きなさい」
「…………言っておくが、私はその方面は素人だぞ」
「別に良いわよ、わたしの髪は質が良いんだから、ちょっとやそっとじゃ絡まったりはしないの。でも少し乱れてるで
しょ?」
「まあ、御主人様が良いと言うのなら構わないが」
 という訳で、言われた通りに桃色の髪を梳く。
「……じゃあ、食堂に行くわよ」
「分かった」
 そうしてルイズと部屋を出ると、ほぼ同じタイミングで真向かいの部屋のドアが開いた。
 そこから出て来た赤髪で色黒、長身でスタイルの良い女性がニヤリと笑って、ルイズに挨拶した。
「おはよう。ルイズ」

143:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 22:49:58 Q4wezpJt
支援

144:ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g
08/11/21 22:51:42 WXT2TXnp
「……おはよう。キュルケ」
 面倒臭そうと言うより、嫌そうな顔でその女性に挨拶をするルイズ。
「あなたの使い魔って、それ?」
 女性はユーゼスを指差して、馬鹿にしたような口調で問いかける。
「…………そうよ」
「あっはっは! ほんとに人間なのね! 凄いじゃない!」
(ふむ)
 『人間の使い魔』が異常であるということについては、昨日の時点で主人から言われている。
 しかし。
(『凄い』、か)
 よくよく考えてみれば、あの付加機能を差し引いたとしても、自分は『特殊な例』なのである。凄いと言えば、確かに凄
い。
(後で使い魔に関する本も読んでみるか)
 そんなユーゼスの思考などつゆ知らず、女性とルイズの会話は続く。
「『サモン・サーヴァント』で平民を喚(ヨ)んじゃうなんて、あなたらしいわ。さすがはゼロのルイズ」
「……うるさいわね」
「あたしも昨日、使い魔を召喚したのよ。誰かさんと違って、一発で呪文成功よ」
「あ、そう」
「どうせ使い魔にするなら、こういうのがいいわよねぇ~。フレイムー」
 女性が声をかけると、その部屋の奥からのっしのっしと、地球のトラくらいの大きさの、真っ赤な爬虫類と思しき生物が
現れ、その生物から熱気が伝わってくる。
(怪獣か)
 特に目を見張るものでもないな、とユーゼスは思った。
 彼のいた世界では、地球や他の惑星や宇宙などに、ウジャウジャこういう類の生物がいたのである。
 切られた尻尾がビチビチ動いたり、火を吐いたり、冷凍ガスのようなものを出したり、光線を吐いたり、その光線を腹か
ら吸収したりする怪獣がいるのだから、今更、熱気を出す程度では全く関心を引かない。
「あら、そっちのあなたは興味なさそうね?」
「…いや、それなりに興味はあるがな」
 『通常の使い魔』という面においては、興味を抱いている。
「襲いかかったりはしないのか?」
「平気よ。あたしが命令しない限り、襲ったりしないから。冷静そうな顔してるけど、意外と臆病なのね」
(命令に従うということは、あの『精神制御』は全ての使い魔に共通しているのか)
 自分のように『この世界よりの思考』を押し付けるものではないだろうが、それでも『主人の命令を聞く』という方向づ
けはなされているのだろう。
 その後、自分の使い魔の凄さをこれ見よがしにアピールした女性――『微熱』のキュルケというらしい――は、つい
でとばかりにユーゼスの名前を聞くと、颯爽と去っていった。
「くやしー! なんなのあの女! 自分が火竜山脈のサラマンダーを召喚したからって! ああもう!」
(希少価値という面で言えば、『人間の使い魔』の方が高いと思うが)
 わめくルイズを冷静に見ながらそんなことを思うユーゼスだったが、おそらくルイズにそんなことを言おうと、慰めにも
なるまい。むしろ逆効果の可能性もある。

145:ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g
08/11/21 22:53:38 WXT2TXnp
 ルイズは『う゛~』と唸って自分を見ると、
「ああもう、メイジの実力を測るには使い魔を見ろって言われているぐらいなのに! なんであのバカ女がサラマンダー
で、わたしがこんな平民なのよ!」
 今度は、ユーゼスに向かって喚き出した。
「それは私の方が聞きたい」
 ユーゼスもユーゼスで、主人と同じ疑問を主人自身に投げかけてみる。
「うっさいわね! ……ああそうだわ、今後、あの女には近付かないようにしなさい。いいわね?」
 主人はその疑問を一蹴し、かなり一方的な通告を使い魔に行った。
「理由を尋ねても良いか?」
「……そうね、どうもアンタは理屈で動くタイプみたいだから、ちゃんと説明してあげる」
 ルイズ曰く、
 ・キュルケはゲルマニアの貴族である。
 ・わたしは成り上がりのゲルマニアが大嫌い。
 ・実家のヴァリエールの領地はゲルマニアとの国境沿いにあり、逆にキュルケの実家のツェルプストーの領地はトリステ
  インとの国境沿いにある。
 ・つまり両国が戦争になったら、真っ先にヴァリエールとツェルプストーの戦いになる。
 ・要するに、先祖代々、両家は戦争のたびに殺しあっている関係。
 ・加えて先祖代々、婚約者や奥さんを寝取られている。
 ・小鳥一匹だって、あの女には取られたくない。
「わかった!?」
「概要はな」
(先祖はあくまで先祖であって、今代には直接的な関係はないのではないか?)
 そんな考えが頭に浮かぶが、どうもこの世界の『貴族』という人種は、歴史や伝統などを重要視しすぎる傾向にあるよう
だ。メンタリティの違いという物は、そう簡単に受け入れられるものではあるまい。
 ……自分が、地球人を受け入れられなかったように。
 それに、この主人の個人的な性格もある。下手な刺激は火に油を注ぐ結果になるだろう。
 頭から煙が噴き出しそうな勢いでプリプリ怒りながら、ルイズはユーゼスを連れて食堂へと歩いていくのだった。

146:ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g
08/11/21 22:55:02 WXT2TXnp
(……私の趣味ではないな)
 トリステイン魔法学院の食堂の内装を見た、ユーゼスの感想はそれだった。
 とにかくきらびやかで、派手、豪奢、贅沢、豪華絢爛。
「トリステイン魔法学院で教えるのは、魔法だけじゃないのよ」
「ふむ」
「貴族たるべき教育も存分に受けるの。だから食堂も、貴族の食卓にふさわしいものでなければならないのよ」
「ふむ」
「ホントならアンタみたいな平民は、この『アルヴィーズの食堂』には一生入れないのよ。感謝してよね」
「『アルヴィーズ』?」
「小人の名前よ。周りに像がたくさん並んでいるでしょ。夜になるとアレが踊ったりするわ」
「ほう……」
 どういう原理で動くのだろう、などとユーゼスがまた思考しようとすると、
「椅子」
 思考する間もなくルイズから指示が飛び、ユーゼスは無表情で主人の椅子を引く。
「アンタはそれを食べなさい」
 椅子に腰掛けたルイズが指差した先には、床の上にスープが一皿と、パンが二個。
「……………」
「ホントなら、使い魔は外なんだから。アンタはわたしの特別な計らいで、床。感謝しなさい」
「……………感謝しておく」
「よろしい」
 凶暴な地球人と傲慢なハルケギニア人、どちらがマシなのだろう……などと考えつつユーゼスは床に座り込む。
「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ。今朝もささやかな糧を我らに与えたもうたことを感謝いたします」
 唱和の声が、アルヴィーズの食堂に響く。
(ささやか、か)
 ここでは『ささやか』という言葉の意味が、自分の知っているものとは違うのだろうか、と思ったが、翻訳機能の正確さ
からすると同じなのだろうと溜息をつく。
 そもそも、朝から大きな鳥のローストや、高級そうなワイン、マスの形をしたパイなど、明らかにカロリー多可である。
よく胸焼けや胃が重くなったりしないものだ。
(かと言って、これもこれで極端だが)
 固いパンをスープでふやかしながら、ユーゼスはこの使い魔生活が早くも嫌になって来たことを自覚していた。
(………かと言って、支配や征服や君臨などをする気力もないし、滅亡させるのも意味がないがな)
 ゆっくりやっていこう、と改めて思う使い魔であった。
「ああそうだ、昨日は部屋の中にいたけど、今日からアンタも魔法の授業について来なさい」
「? 良いのか?」
 魔法に興味がある自分としては願ったり叶ったりであるが、この扱いからすると『授業に出るな』と言われると予想して
いたのである。
「……使い魔を連れてないせいで、色々と言われるのよ」
「ふむ」
 何はともあれ、『魔法の教育』が見られるのはありがたい。
 ユーゼスはその内容を期待しつつ、取りあえず今日一日の手始めのエネルギーの摂取を第一に行った。

147:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 22:56:38 iuahaw3Q
支援

148:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 22:56:54 P8IKgFRC
ゆっくり何をやる気だしえんww

149:ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g
08/11/21 22:57:18 WXT2TXnp
 以上です。
 めくるめくラスボスたちの思惑やら戦略やらが錯綜すると思ってた人はごめんなさい、しばらくは基本的にテンプレに沿お
うかと思ってます。
 次回はシュヴルーズ先生のはちみつじゅぎょ、あ、ごめんなさい、石を投げないでっ。

 『バード星には遺伝子変換のための技術もある』ってのは、私のオリジナル設定です。……いや、異性人との混血って、
普通に考えればそうなんじゃないのかなぁ、と思うのですが、どうなんでしょう?

 ところでみなさんにお聞きしたいんですが、こういう洗濯ってアリですかね?
 ちなみに昔のスパロボは、けっこう文章的にエロかったんですよ、これが。今は視覚的にエロいですけど。

 それでは、支援ありがとうございました。

150:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 23:03:00 nGCiT8qA
GJでしたッ!
テンプレ展開は内部の細かな差異を楽しみたいところである


151:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 23:05:33 rOx55PsY
>>148
ゆっくり滅亡して逝ってね!!(AA略
ってことじゃねwww

152:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 23:07:38 Zb+i/bpX
ここだけ読むとユーゼスさん大人で人格者に見えるw

153:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 23:10:40 hAPr6xM/
>>149
>ちなみに昔のスパロボは、けっこう文章的にエロかったんですよ
ああ、ウラキとニナがアレしてるように聞こえちゃうシーンとか
サフィーネの「シュウ様と○○○○するのよー!」とか?

154:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 23:12:00 DIu1Pabz
ゆっくり人体実験でしょうな、メイジとかモンスターとか腑分けしてしらべるんだお。


155:未来の大魔女候補2人 第11話 ◆kjjFwxYIok
08/11/21 23:15:22 tecngpHx
完成したので10分後、23:25から投下したいと思います。

あと、前スレで投下した後の容量を確認してなかったため、XFの人には迷惑をかけました。
本当なら、俺がスレ立てなくちゃならなかったんだよなぁ……
今更ながら>>1乙。

156:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 23:18:02 WXT2TXnp
支援。

157:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 23:20:25 sNq4ogse
サフィーネやモニカは存在自体がアレだったからなー。戦闘セリフがあえぎ声だったりギャグボールかまされてたり。
まぁゼロ魔のほうがエロいから目立たないっちゃ目立たないんだがw

158:未来の大魔女候補2人 第11話 1/8 ◆kjjFwxYIok
08/11/21 23:26:15 tecngpHx
 
 きらびやかに彩られた会場に、華やかな音楽が流れる。
 時刻は既に夜。夜空には、赤と青の2つの月が昇り、学院を煌々と照らしていた。
 本塔の2階、アルヴィーズの食堂の上は大きなホールとなっており、そこで舞踏会は開かれていた。
 ダンスフロアでは、華やかな衣装に身を包んだ男女が優雅にステップを踏み、曲調合わせてゆったりと踊っている。
 豪華な料理が盛られたテーブルの周りで歓談に興じている者もいる。
 2階の天井は吹き抜けになっており、3階の貴賓席からはホールが一望できる造りになっていた。
 高い天井では、幾つものシャンデリアが眩いばかりに光を放ち、まさしく光の世界である。
 しかし、光があれば闇があるように、光が当たらない場所も当然ある。そして光が強ければ強い程、闇もまた濃くなるのが道理である。
 つまり、この舞踏会を待ち望んでいなかった者、いや、その存在自体をうとんでいる者も多分に存在していた。
 『踊った相手と結ばれる』そういった噂があるように、この舞踏会は、恋人やその予備軍のためにあるようなものだ。
 当然、その尻馬に乗り遅れた者、乗れなかった者は、非常に肩身の狭い思いをすることになる。
 そういうわけで、この舞踏会の存在を心から呪っている一団が、ホールの一角に陣取っていた。
 太っちょな少年を筆頭とした集団だ。それは、今夜の舞踏会の下準備に失敗してしまった者達である。
 彼らの周りの空気は重く澱み、近寄りがたい雰囲気をかもしている。
 それこそ、王女が来校してさえいなければ、あらゆる手段を用いて舞踏会を台無しにしようとしただろう。
 血走った眼で何かを力説している少年のそばでは、黒いパーティードレスのタバサが一心不乱に料理を相手取っていた。そばで行われている集会には、全くの興味がないようである。
 そこから少し離れたホールの片隅。カーテンの裏にも闇の住人がまた一人。

「ちくしょー! いっつもこんな旨いモン食いやがって! ブリミルなんてクソくらえだ!」




            未来の大魔女候補2人 ~Judy & Louise~

              第11話 『舞踏会と魔女2人』




 カーテンの裏に隠れて、パンを齧りながら悪態をついているのはサイトであった。
 その顔にはやさぐれた表情を浮かべ、背中を丸めて屈み込んでいる。足は踵を床に密着させて膝を広げ、その上には腕を乗せている。いわゆる不良座りだ。
 その姿勢のままパンを咥え、口の動きだけで頬張り、咀嚼する。

「ああ、軟らけぇなぁ。いっつも食ってるパンなんてカチンコチンなのに、こんなに美味いなんて詐欺くせぇ。
 でも、テリヤキバーガーが無いなんて、寂しいトコだよな。あの甘辛いソースとマヨネーズのコラボが、たまんねぇんだよなぁ……」

 死んだ魚のような眼で呟きながらカーテンの陰からホールを覗き見る。
 目に映るのは、別世界ともいえる豪華絢爛な空間であった。
 それに比べて、カーテンの裏は冷気と湿気の溜まり場所でヒンヤリジメジメとしている。
 現在の状況を再認識したサイトは、まるで自分が鼠か何かになった様な気がして、幾度目かの深いため息を吐いた。

「テリヤキバッカってのは、なんなんだよ坊主?」

 話しかけるのは、サイトに背負われた大剣、デルフリンガーである。
 デルフリンガーは完全に鞘には収まってはおらず、僅かに鈍色の刀身を覗かせていた。言葉を発する度に鍔元の金具が動いていて、まるで口のようだ。

「故郷の料理だよ。パンとパンの間に野菜と肉を挟んだヤツだよ。
 ああ、もう随分と食ってねぇなぁ……
 俺、何してんだろ?」
「故郷には、帰れねぇのかい?」

 おどけた様な声でデルフリンガーは訊ねる。そんなに故郷に帰りたいのなら、帰ればいいと言いたげな口調だ。
 その問いに、サイトは力なく首を横に振る。そして、頬杖をつくと幾分投げやりな口調で話し始めた。


159:未来の大魔女候補2人 第11話 2/8 ◆kjjFwxYIok
08/11/21 23:29:48 tecngpHx
「無理。一体全体どうやって帰っていいのか分かんないね。
 とりあえず、今は金貯めてんの」
「金を貯めれば帰れるのかい?」
「さあ? わかんね。
 でも今は、どうやって帰りゃいいのかいいのか分かんねぇし、借りを返さなくちゃならないのも2人いるしな」
「借り? 1人は貴族の娘っ子だとして、もう1人は誰だい?」

 デルフリンガーが思い浮かべるのは、何かにつけて短気なピンク髪の少女である。
 彼女に借金をしているとデルフリンガーは聞いているが、もう1人には心当たりがない。
 目も合わさず、床を見つめながらサイトは答える。

「ロングビルの姐御だよ。
 こっちに来て暫く面倒みてくれてたし、この仕事を紹介してくれたのも姐御だからな。何か恩返しをしたいんだよ」
「へぇ、義理堅いこって。そういう奴、嫌いじゃないぜ」

 見直したというように、デルフリンガーは感心した声でサイトに共感する。
 率直な意見を受けて、サイトはむず痒く感じる。
 ドジだのノロマだのと常日頃から叱責されるのサイトにとって、褒められる事など随分と久しぶりであり、返答に窮してしまう。
 暫くの無言の後、ちょろまかしてきたパンを懐から取り出すと、一息に頬張る。どうやら照れ隠しのようだ。
 その一連の行動を見たデルフリンガーは、音も立てずに小さく鍔元の金具を震わせた。

「で、何時までこんな所に隠れてる気だい?」
「…………」

 モゴモゴと口を動かしながら逡巡する。
 咀嚼し、嚥下するまでどちらも言葉を発さなかった。談笑の声と優美なメロディーがその空白を埋める。
 そして、漸くパンを全て飲み込んだサイトが口を開いた。

「とりあえず、あそこにあるご馳走をどうやったら手に入れられるかを考えるのが先決だと思わないか?」
「思わんねぇ。まだサボリを続けんのかい?」

 サイトはふざけているわけではなく、いたって真面目な顔だ。
 が、デルフリンガーは呆れたと言わんばかりに落胆した声で返す。先程の言葉を撤回したいような口調であった。
 流石にバツが悪いと感じたらしく、サイトは不貞腐れた顔を背けて吐き捨てる様に呟く。

「……警備なんて、ちゃんちゃらおかしくてやってらんねぇよ」
「まあ、お城の腕っこきが警備についてるし、坊主に出番があるようには思えねぇな」
「だろ? だったら、とことんサボってやるさ」

 学院の内外には、城から来た兵士が警備についていた。
 特に、舞踏会が行われている本塔には魔法衛士隊が直々に警備についており、本来の警備員達は隅に追いやられている。
 いつもより強固な警備態勢が敷かれている場所に賊が入り込むと思えず、よしんば入り込んだとしても、すぐに取り押さえられるのは目に見えていた。
 そんなわけだから、やる気が起きるわけもなく、サイトは与えられた役割をサボタージュしたのであった。
 そして、職務を放棄したのがばれるといけないのと、舞踏会で振る舞われるご馳走を目当てにしてこんな場所に隠れているのであった。
 しかし、ただの下働きが堂々と会場に入れるはずもなく、手に入れられたのは、ホールに運び込まれる寸前のパンが2つ3つだけである。
 それでも、普段の彼が口に出来る物とは雲泥の差があった。
 ならば、テーブルに並べられている料理の数々を味わいたいと考えるのも、むべなるかなといったところだ。
 だが、料理を取るにはテーブルまで近づかなければならない。テーブルまで近づくには、カーテンから姿を現さなければならず、それは、あまりにも危険な試みである。
 頭を捻って考えても、サイトには姿を隠したままご馳走にありつけるアイデアは閃かなかった。

「こんな所で何してるの?」

 不意に、頭の上から声をかけられ、サイトは顔を挙げる。
 カーテンの隙間から差し込んでいた僅かな光は、小さな影で遮られていた。目を細めて光量を調節する。
 カーテンを引いて覗きこんで来ている人影は、ジュディであった。
 フリルがふんだんにあしらわれた淡いピンクのドレスに身を包み、金の髪は小奇麗に梳かされている。
 そして、珍しい物を見つけた様な色を宿したハシバミ色の大きな瞳で、サイトを覗きこんでいた。

「サイト君もデルフ君もこんな所でどうしたの? かくれんぼ?」
「か、かくれんぼじゃないよ」

160:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 23:30:22 WXT2TXnp
支援。

161:未来の大魔女候補2人 第11話 3/8 ◆kjjFwxYIok
08/11/21 23:31:20 tecngpHx
 
 無邪気な顔で訊ねてくるジュディに、サイトはどうやって言い訳をしようか迷い、口ごもり忙しなく辺りを見回す。
 それは、忍び込んでいるのがばれるのを恐れているがためであった。
 だが、そんな事情など知らないジュディは、構わずに話し掛ける。

「どうしたの、キョロキョロして? やっぱり、かくれんぼ?」
「えーと、違うんだけど…… まあ、それで良いや。
 だから、少し離れて。んでもって、あまりこっち見ないでくれたら嬉しい」
「うん分かった。
 それよりもどう?」

 ジュディは少し離れると、笑顔で訊ねてくる。
 だが、サイトは質問の意味が理解できずに、頭の中を疑問符だらけにして聞き返す。

「? なにが?」
「もうっ、鈍感ね! そんなんじゃ、レディにもてないよ!」

 サイトは本当に何も分かっていないらしく、ただただ聞き返す。
 その態度にジュディはプリプリと怒るが、サイトは首を捻るばかりだ。

「??」
「お嬢ちゃんは、ドレスが似合ってるかどうか訊いてるんじゃあないかい?」
「あっ! そっか」

 未だに疑問符を浮かべているサイトに、デルフリンガーが助け船を出す。その言葉にジュディは深く頷き、スカートの裾をつまんで持ち上げてみせる。
 漸く合点がいったサイトは、ポンと両手を打ち合わせた。その仕草を見て、デルフリンガーは小さく嘆息した。人よりも機微に長けた剣である。
 気を取り直し、ジュディは先程のやり取りをやり直す。

「どう? 似合ってる?」
「う、うん。似合ってる。可愛いよ」

 軽やかにその場で一回転してポーズをきめてみせるジュディに、サイトは慌てて頷いて褒め言葉をかける。
 それで機嫌を直したらしく、ジュディは満面の笑顔を浮かべた。 

「でしょ? 学院長先生が用意してくれたんだ。あと、髪とかはロングビル先生が整えてくれたの」
「へぇ、姐御がねぇ…… そういや、子供の世話は慣れたものなのかな?」

 一瞬、想像がつかないとも思ったが、サイトはロングビルと出会った時の事を思い出し、なるほどと納得する。
 ああ見えて義理や人情に厚い所もあり、家族を、特に妹を大事に想っている事をサイトは思い出した。
 それを知っていれば、ジュディに対する態度も、そうあり得ない事ではないと思える。

「それで、どうしてこんな所に隠れてるの?」
「別に好きで隠れてるわけじゃないけどね……」
「でも、此処にデルフ君を持ちこんで大丈夫なの? 怒られなかった?」

 ジュディは、サイトがデルフリンガーを背負っているのを見咎める。
 そんな事を聞かれるとは思ってもいなかったサイトは驚き、慌てて経緯の説明をする。

「えっ? いや、今日は警備員なんだ。
 ほら、王女様が来るからってんで警備を強化するために駆り出されたんだよ。剣を持ってるからってね」
「警備員? こんな所にいて大丈夫なの?」
「ホントは大丈夫じゃないんだけど大丈夫だろ。
 警備なんて、城の奴らに任せといた方が安全で確実だって。魔法衛士隊とか言うのに任せときゃいいの。
 あの髭、なぁーにが『本塔の警備は我らが受け持つ、せいぜい足を引っ張らないでくれたまえよ。はっはっは』だ。けっ!」

 サイトは厭味ったらしい声で誰かの物真似をする。恐らくは、件の魔法衛士隊の誰かの真似なのだろう。
 憎々しげな顔のまま、サイトは陰口をたたくが、デルフリンガーがそれを遮る


162:未来の大魔女候補2人 第11話 4/8 ◆kjjFwxYIok
08/11/21 23:33:00 tecngpHx
「それで拗ねちまってこんな所に隠れてんだよ、坊主は。情けねぇよなぁ?」
「拗ねてなんかねぇ!」
「それが拗ねてるってぇいうんだよ。まったく……」

 サイトはむきになって否定するが、デルフリンガーにあっさりと切り捨てられる。こういう切れ味だけは抜群だ。
 ぐうの音も出ないサイトは、これはいけないと思い、話題をそらすためにジュディに訊ね返す。

「っと。それはともかく、ジュディはなにしてんの? 舞踏会なんだから、誰かと踊ったりはしねぇの?」
「ううん、見てるだけだよ。それに、なんだか圧倒されて、ココにいていいのかなって思っちゃって居づらいの」
「ああ、なんだか分かるなぁ。綺麗で豪華過ぎて、なんだか場違いな気になるんだよね」
「うん、そうなの。だから一緒にお話ししましょ?」

 場の空気に馴染めないというジュディにサイトは親近感を覚える。
 いままで身構えていたのが馬鹿馬鹿しくなり、体から無駄な力が抜けていく。

『ぐぅううぅ~…ぅぅっ……』

 気持ちが軽くなったせいか、空気が押しつぶされるような音がサイトの腹部から響いた。
 サイトは赤くなって眼を逸らし、ジュディは声を上げずにクスクスと笑う。

「お腹空いてるの?」
「いや…… うん、まあ……」
「何か取って来てあげようか?」
「マジで!?」
「坊主…… 俺ぁ恥ずかしいよ……」

 願ってもない申し出に、サイトはすぐさま飛びつく。
 それを見ていたデルフリンガーは、忸怩たる思いを禁じえなかった。恥ずかしいやら情けないやらで、それっきり黙り込んでしまう。

「じゃあ、何がいい?」
「んじゃあ、肉がいいな。肉汁が滴ったヤツ。

 ……ぅん?」

 恥も外聞も気にしていないサイトであったが、ホールの雰囲気が変わったことに気がつき、カーテンから顔を出す。
 ホールに満ちていた穏やかな演奏は何時の間にか止んでいた。
 人々の視線は入口、開け放たれた壮麗な扉の奥に集まっていた。小さなざわめきが走り、歓談の声が一時止む。

「ヴァリエール公爵家が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢のおなーりぃーーっ!」

 門番を務めている衛士が声を張り上げると、ルイズが姿を現した。
 その姿を見て、サイトは息を飲む。
 バレッタで纏められた薄桃の髪、ホワイトのパーティードレスに包まれた慎ましやかな肢体と純白の長手袋に覆われた白魚のような腕。
 ドレスの胸元は大胆に開き、小さな顔には薄く化粧が施されている。
 それらの要素と持前の高貴な美貌が相まって、ルイズは熟練の職人の手によって磨き上げられた宝石のような輝きを湛えていた。
 そのルイズの姿からは、普段の尖がった雰囲気は鳴りを潜めており、まさに清楚な淑女のそれであった。
 ジュディは感嘆のため息を漏らし、大きな瞳をさらに大きくして、憧れの眼差しで見つめている。

「わぁ…… 綺麗だね」
「あ、あぁ…… 馬子にも衣装ってやつ、だな……」

 見とれていた事に気がついたサイトは、顔を振って自分の内に生じた感情を否定する。
 ルイズの登場を皮切りに、楽士たちは流麗な音楽を奏で始めた。
 いままでルイズの魅力に気がついていなかった男たちは、こぞってダンスに誘おうと彼女の周囲に群がっている。その中には、暗黒集会を開いていた太めの少年の姿もある。
 ルイズは群がる男どもを振り切りると、踊る男女の間を流れるようにすり抜け、階段を上っていった。


163:未来の大魔女候補2人 第11話 5/8 ◆kjjFwxYIok
08/11/21 23:34:24 tecngpHx
「それってどういう意味?」
「……よく似合ってるっていう意味だよ」
「素直じゃないねぇ……」

 でたらめを教えるサイトにデルフリンガーは嘆息する。

「そっかぁ。
 言ってあげたら喜んでくれるかなぁ?」
「やめときな、お嬢ちゃん」

 でたらめを真に受けるジュディをデルフリンガーは引き留めるのであった。



 ◆◇◆



 夜は深まり、華やかな舞踏会も既に終わりを告げた。
 学院は舞踏会があった事など嘘だったかの様に静かである。静かに吹く夜風は冷たく、舞踏会の余韻である熱を吹き飛ばしていく様だ。
 2つの月は陰り、穏やかな闇に包まれた魔法学院の女子寮に、ルイズとジュディは帰っていた。
 2人はベッドの上に座りこんでいる。
 クッションを両手で抱きかかえたジュディは、興奮したように舞踏会での出来事を余すことなく話している。
 それに対し、ルイズは頷いてはいるものの、時折、思考の空白が生まれている様子だ。

「でね、サイト君たら結局見つかっちゃって、窓から飛び降りたの。
 しかも、2階から飛び降りたのにピンピンしてて、わたしビックリしちゃったぁ」
「そう……」
「もぅ~ さっきから『うん』とか『そう』ばっかりじゃない!」
「……そう」

 どんなに一生懸命、楽しそうに話してもルイズは生返事を返すばかりで、張り合いというモノが感じられず、ジュディは嘆息を漏らす。
 そして、壁に預けていた背中を起こすと、ルイズの隣に移動する。

「どうしたの? 昼も何だかボーッとしてたみたいだけど、何かあったの?」
「えっ? うん…… 何でも無いのよ。だから、心配しなくても大丈夫よ!」

 ルイズは慌てて顔をあげると、両手と顔をプルプルと左右に振って否定する。

「はぁ……」
「ほら! また溜息」

 否定するのだが、また少し経つと再び溜息が洩れる。

「嘘っ! してないわよ」
「してたよ。自分じゃ気がついてないだけだよぉ。
 本当に今日は変だよ? なにか悩み事でもあるの?」

 それを見咎めたジュディに注意されるが、ルイズは頑なに否定する。
 しかし、ジュディも譲らず問い詰める。

「はぁ…… 駄目ね私。ジュディを心配させるなんて」

 ルイズはガックリと肩を落とすと、自己嫌悪を始める。


164:未来の大魔女候補2人 第11話 6/8 ◆kjjFwxYIok
08/11/21 23:35:52 tecngpHx
「ううん。気にしてないよ。悩み事があるなら聞いてあげるよ?」
「……そうね。1人で思い悩んでてもどうにもならないわよね。
 誰かに聞いてもらった方がいいのかしら?」
「わたしなら、いくらでも聞いてあげるよ?」
「ふふ…… ありがとう。
 じゃあ、話すわね。そうね、何処から話したものかしら……?」

 ジュディに解きほぐされ、ルイズは意地を張るのを諦めて素直に相談しようと決心した。
 ルイズは腕組みをして頭の中を整理し、ジュディはルイズが話し始めるのを正座をして待っている。
 不意に、静かになった部屋に乾いた音が響いた。誰かがルイズの部屋の扉を叩いているようだ。
 ノックの音は規則正しく、間を開けて2回、続けて短く3回叩かれる。

「お客さん?」
「このノックの仕方……
 まってジュディ、私が出るわ」

 ジュディが腰を上げようとするが、ルイズはそれを制止した。
 足を縺れさせながら扉に駆け寄ると、ドアノブを引いて訪問者の姿を確かめる。
 扉の先、薄暗い廊下に立っていたのは、黒いフードをすっぽりと被った人物であった。
 フードからは細い顎が覗き、体つきはふっくらとしている。それらの事から、少女だという事が見て取れる。
 ルイズは目を見開き、探るような仕草で少女をつぶさに観察した後、呆然と呟く。

「貴女は、もしかして……」

 少女はその先を片手で制する。そして、辺りの様子を窺った後、流れるような足取りで部屋へと侵入し、後ろ手で扉を閉めた。
 一息吐いた後、少女はフードと同じ色のマントの裾から杖を取り出すと、短くルーンを紡いで一振りした。
 振られた杖からは、輝く粒子が生まれ出て部屋中に広がり行く。

「デティクトマジック?」
「壁に耳あり私メアリーと言いますし、用心に越したことはありませんわ」

 使われた魔法を言い当てたルイズに、安全を確認した少女は悪戯っぽく微笑む。
 少女の声を聞いたルイズは、はっとした顔になった。
 慌ててジュディへと向き直る。そして、ベッドから枕を引っ掴むと、ジュディの両手にそれを押し付けた。

「ジュディ、悪いんだけど席を外してくれない?
 そうね…… 今夜はキュルケの部屋にでも泊まってほしいの」
「どうして?」
「今は理由を聞かないで。2人にさせて、お願い」
「むー…… しょうがないなぁ。後で説明してよね」

 渋々とジュディは承諾すると、枕を抱えたまま部屋の外へと出て行った。
 ルイズと少女は暫くの間見つめ合い、静寂が訪れる。
 その沈黙を破ったのは、少女の方であった。黒いフードを脱ぎ捨て、素顔を露わにする。
 少女が誰か確認したルイズは、慌てて膝をつくと、首を垂れた。

「お久しぶりね、ルイズ・フランソワーズ」
「姫殿下!」

 フードの奥から現れた顔は、トリステイン王国王女アンリエッタ。その人であった。 



 ◆◇◆




165:未来の大魔女候補2人 第11話 7/8 ◆kjjFwxYIok
08/11/21 23:38:11 tecngpHx
 ジュディは階段をのぼっていた。
 壁には等間隔にランプが掛っており、揺らめく緋色の炎がボンヤリと廊下を照らしている。
 だが、その光は頼りなく、足元を照らすには十全ではない。
 ジュディは躓かないように、薄暗い階段を一歩一歩確かめながらゆっくりと上がっていく。
 向かう先はタバサの部屋だ。
 キュルケの部屋にも行ったのだが、何か理由があるらしく断られたのであった。
 ジュディは、キュルケとのやり取りを思い出しながら階段を上っていく。

 ・
  ・
   ・

「ごめんね。今ちょっと立て込んでて、泊めてあげれないの。
 そうだわ。タバサに頼んでみたらどう? あの子なら、きっと泊めてくれるんじゃないかしら?」

 キュルケは顔だけをドアの隙間から出し、マントで体を隠すようにマントをピッタリと前で閉じている。
 言葉もそこそこにキュルケは部屋に引っ込んでしまった。
 閉じられた扉の向こう側から話し声が聞こえてくる。

「待たせたわねぇ…… ほら! ご褒美だよっ!」
「ひぃぅっ! ぁ、ありがとうございます……」

 何かが空を切る鋭い音とくぐもった男の声が僅かに耳に届いた。
 それの意味するところを完全に理解出来なかったジュディであったが、あれが大人の世界なのだろうかと漠然と思った。

 ・
  ・
   ・


166:未来の大魔女候補2人 第11話 8/8 ◆kjjFwxYIok
08/11/21 23:39:07 tecngpHx
 大したトラブルもなく、ジュディは5階に辿り着いた。
 廊下の両脇には幾つもの扉が並び、それぞれにネームプレートが掛っている。
 ジュディは、ネームプレートのひとつひとつを確かめながら廊下を進んでいき、タバサの部屋を探し当てた。
 つま先立ちになり、少し背伸びをしてドアをノックをする。だが、いくら待っても反応が返ってこない。
 ジュディは首を傾げるが、再びノックをして呼びかける。

「タバサさん、居ないの?」

 やはり返事はない。
 ここがダメなのならば、あとはコルベールの研究室くらいしか、ジュディには思いつかない。ロングビルを頼ろうにも、教職員用の寮には行ったことがないのであった。
 どうしたものかと途方に暮れていると、唐突に扉が開かれた。片手に本を携えたタバサが姿を現す。どうやら、読書中だったようだ。
 読書の邪魔をされて不機嫌な様子もなく、何時もの調子で簡潔に問うてくる。

「……何か、用?」
「あっ、こんばんは、タバサさん。
 えっとね、ルイズさんのお部屋にお客さんが来てるから、今晩泊めてほしいの」
「…………」

 タバサは無言で頷き、部屋の奥へと引っ込んでいった。扉は開いたままだ。
 ジュディは、置いてけぼりにされて暫く立ち尽くす。
 やがて、部屋の奥からタバサが目配せをしたのに気がつくと、部屋に足を踏み入れ、静かに扉を閉めた。

「ありがとう、タバサさん。あと、突然邪魔しちゃってゴメンナサイ」
「……問題、ない」

 感謝の言葉に一言だけ返すと、タバサは顔を覆い隠すように本を開いた。



 ・
 ・
 ・



 今回の成長。

  ルイズは、肉の鎧L2を破棄してマハラジャL3のスキルパネルを習得しました。
  ジュディは、聞き耳L2を破棄しておしゃれL2のスキルパネルを習得しました。
  魔道板を読み解き、『ビルドアップ』を習得しました。


 第11話 -了-


167:未来の大魔女候補2人 第11話 ◆kjjFwxYIok
08/11/21 23:40:54 tecngpHx
 第11話投下完了。

 ……今回もルイズのセリフが少ないなぁ。ま、いっか。一度あることは二度あると言うし。
 あと、誤解されぬよう言っておくと、作者はキュルケの事は嫌いじゃないですよ。
 本当なら、もう少し早く投下する予定だったんですけど、saga2が面白くて……

168:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 23:42:23 ruWxJq8z
支援

169:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 23:43:49 iWMNN6Ja
乙。
まぁたまには主役を変えてみるのもいいでしょう。

ところで、ルイズがRYU FINALのリュウvs豪鬼戦の記録映像か何かを見たらどんな顔するかな?

170:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/21 23:52:10 Dvpjon1P
乙。
ところで魔導書の人よ。
童じゃなくて妾じゃね?
あとシュヴルーズがシュヴァルーズになってね?

171:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 00:02:26 JgO9J3Vn
あと魔導書の人に関しては、改行位置が少し早すぎるのが気になった。

172:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 00:03:42 qvtdwdWe
ぎゃー! 本当だ!
>>170
の人報告感謝します。

173:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 00:06:54 i0/0NN0c
前も突っ込まれてたなぁ、と思って探してみた

あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part181
スレリンク(anichara板:386番)

ちょくちょく使う一人称なんだし、IMEに登録しとこうぜ>妾(めかけと書いてわらわ)

174:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 00:12:24 qvtdwdWe
大学で書くと、PCが変わるから登録されていない+それを忘れている=現在の悲劇。
なんて、悲劇……

175:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 00:14:09 JgO9J3Vn
「汝」と書いて「なれ」と読む、とか?

176:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 00:14:44 Iub1Rh4P
それは悲劇じゃなく喜劇w

177:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 01:35:16 jwqKLWyo
誘導がなかったのでスレが進んでることに気づかなかったぜ。

178:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 01:37:49 LNCGmHm9
シュラト呼ぼうぜ

179:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 01:40:08 retmQ04r
勝手に呼べ

180:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 01:45:13 qvtdwdWe
いまあっついたま~しい~を~♪
あかほりさとるかぁ……なにかあの人の作品って呼ばれてましたっけ?

181:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 02:04:02 NMAuvApO
>>174
学生の本分は勉学にあり、大学は学び舎であるという始祖ブリミルからのお告げなのです。

>>180
♪誰かの傷ついた心が~孤独な空で燃え上がる~
 もっとも呼ばれたというよりラダム樹でみんな改造されちゃってさぁ大変というお話だけど。

182:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 02:14:57 NAfWSHdG
>>180
ヤリパンサーがスタンばってる笑いの勇者がですね


セイバーの小樽と3人娘&花菱召還とか面白そうだけど俺には書けそうも無いぜorz

183:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 02:21:23 Ome4i6YQ
>>180ダ・サイダー

184:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 02:21:53 wLA3oQbx
ウィルフレド召喚。

185:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 02:29:50 Ome4i6YQ
ナルト召喚とかどうだろ?
三年間の修行のために自来也と里外に出てる時に召喚されてルイズに影分身の術とか教えたりww
逆口寄せでいつでも戻れるナルトとガマ親分の逆口寄せで来た自来也とか
本格的な諜報機関ができたり
シエスタが写輪眼持ちとか

才能があれば書けるのにorz

186:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 02:42:45 wzsZLEfp
ローディ先生呼ぼうぜ
同じ粗製同士ルイズと気が合うかも
まあ後に低い適正を経験で補って一企業最高戦力に上り詰めた努力型と
元々虚無の資質を持っていた才能型で違いはあるが

187:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 03:28:27 YbWlX1RH
求めよ、さらば与えられん、とは思わん事だ、
書けよ、さらば与えられん
だからこそ俺はSSを書きはじめたのさ


188:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 03:37:08 4rG8AHuC
ねだるな、勝ち取れ、さすればどうたらこうたら

189:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 04:23:57 CAB8Y4Bb
つまりエウレカセブンから…

…なんか誰を呼んでもいまいちパッとしないな。

190:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 04:30:42 HmTV18sO
レントンのコンビニからクワトロ大尉を召喚…

191:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 04:35:37 z8WPWHiN
三次創作なのでアウトー!となるぞ

192:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 04:39:44 K6KigEoI
ラノベだけど薔薇のマリアからSIXを召喚

初日に○イプされるルイズ
決闘で負けた後公衆の面前で掘られるギーシュ
バズーカでゴーレムぶっ壊された後レ○プされるおマチさん
お忍びでルイズの部屋にやって来てレイ○されるアンアン
ヒゲだから掘られたあと死姦までされるワルド

避難所行きってレベルじゃ無いな

193:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 04:46:38 lLuF5nuN
クラウザーさんは避難所行き?


194:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 08:53:56 wEinZASK
>>193
すでにデトロイトメタルシティーのクラウザーさんは喚ばれている。
まとめ調べろ。

それでもやるというのなら止めはしない。

195:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 09:10:34 OhgIOnci
>>96
超遅レスだが一言
『こ の マ ヌ ケ 面 が ぁっ!?』
ウッドゥン・フェイスなど…なんて素敵な提案をしてくれるんださあ早く書き上げるんだハリーハリーハリー!

196:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 09:32:21 vb1YGp8B
ゼロな提督見てて思ったんだが
ミサイル攻撃って現代レベルのミサイルと換装してたの?

197:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 09:45:42 WaeN1RJo
単に核じゃない通常弾頭に換装しただけじゃね?

198:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 09:53:18 gRvuNdtG
単純な運動エネルギーだけで十分じゃないか?

199:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 10:14:50 JgO9J3Vn
通常のミサイルは、その爆発自体のエネルギーよりも、飛び散る破片の方がダメージがでかいと聞いたことがある。

200:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 10:22:31 gE8wY6Gw
っていうか戦争に使う爆弾の類は大概がそうじゃないのか?
いわゆる「パイナップル」がボコボコにしてあるのは
効率的に破片を飛び散らせる為だろ?
爆発のエネルギーによるダメージが中心の兵器となると
燃料気化爆弾とか核兵器とかの大量破壊兵器クラスになっちゃうと思うんだが

201:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 10:37:24 JgO9J3Vn
単純な爆薬(ダイナマイトとか)の爆風を直接ぶつけるよりは、やっぱりそっちの方が効率が良いのかね。

202:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 10:40:51 8S2ECDpA
対人殺傷力を高めるのに、爆薬に周りに木ネジやら釘などを配置しておくのはセオリー。

203:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 10:44:20 hFOI35Oc
SASの隊員はアイスクリームの空き箱に鉄の破片や釘にC4をあわせて詰め込んで自作クレイモアを作ったらしいな

204:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 10:46:34 FesgWh93
台風の日に外にいると風自体は大丈夫だけど、
飛んできた看板の破片とかに当たると致命的なのと一緒なんでない?

205:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 10:50:25 zg/akoU5
それで結局>>196の疑問は解消されたのか?

206:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 10:54:07 retmQ04r
そこでエクスプロージョンだろ

207:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 11:14:00 eBBHm6vA
タルブ戦のエクスプロージョンを対人仕様にしてみる

208:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 11:17:57 FesgWh93
>>207
岩か何かにエクスプロージョン

209:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 11:19:05 CfeT1amt
そこまで言うんなら人間そのものを標的にしておけ
グロいことになるけどな

210:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 11:22:07 OE11V/Xg
エクスプロージョンの特性を考えれば
装備だけを吹き飛ばす事も可能なはず

つまり全裸(ry

211:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 11:24:23 z8WPWHiN
「だったら麻雀で勝負よ!!」 ってやつか

212:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 11:26:45 FesgWh93
人間を標的にすると一人粉砕だけど、岩を標的にすれば複数人を・・・


213:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 11:40:56 Ua+SU7WW
対人用エクスプロージョンってあべしとかひでぶ的な意味でヤバい気がする

214:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 11:42:48 qljQCJDi
>>212
肉塊で複数人を……

215:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 12:01:08 j7q6MY0d
ここは爆弾を語るスレですねわk(ry

だってルイズは爆弾むs(ry

216:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 12:02:19 06OJk2df
ケンシロウ召喚…
アルビオン編が凄い事にw
じゃあ前田慶次(花の慶次)召喚…一緒かw


217:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 12:08:57 7YzuxFmM
じゃあ斎藤杢之助を召喚しようぜ。
確か爆弾もイケたはずだ。

218:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 12:27:08 lLuF5nuN
前田慶次を喚ぶなら一夢庵ひょっとこ斉のほうがいいだろ

219:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 12:37:56 /9J3FJlf
>>216
どちらにしろギーシュは死亡ですね

220:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 12:41:52 W/fn4Mx1
>>200
関係ないけどパイナップルのでこぼこはあまり威力に寄与してないって、後の調査でわかったらしい。
外じゃなくて中に刻み目つけた方が効率よく破片が飛ぶんだって。

>>219
慶次だったら「ガキと喧嘩はできん」で済む。


だから爆弾つながりで捨丸呼ぼうぜ。

221:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 12:44:12 UUE2FdbY
ギーシュ「うっ…う…ぐ な…何をやってんだよ
       明日は死ぬかもしれないってのに…みんなバカだよ…
       そ…そんなんじゃ…おれ…行けねえじゃねえかよ!!」

あれ? 陥落直前のニューカッスル城での話みたいだ

222:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 12:59:59 zg1kJWew
爆弾だったらボムボムの実の人とか

223:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 13:08:26 3OqG/aN4
松風と一緒に召喚じゃないと、どっかで暴れ馬とか暴れ竜とか暴れマンティコアとか捕まえないと

224:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 13:11:35 IKsntG8r
>>221
確かあまったれボンボンだった若者が、慶次に触発されて男になるって話があったよなぁ。
あと、まだ幼い殿様が切腹する話とかも。

225:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 13:16:06 06OJk2df
>>223

フレイムかシルフィードでよくね?
あるいは野良ワイバーンを飼い馴らすとかw


226:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 13:42:40 oDaTfXU0
ルイズ・ヴァリエールの小便鉄砲くらいやがれ~!

227:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 13:48:10 6ZjNj5Rn
>>226
喜んで受けようではないか!

228:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 13:49:31 W/fn4Mx1
>>227
グランドプレ氏がアップを始めたようです

229:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 14:07:26 06OJk2df
>>226

是非ともここに!さぁ早く!


230:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 14:16:05 0woJ/rQV
ハイアットがカトレアに召還されました

「あらまぁ・・・ここはいったいどこでしょう」
「ごめんなさいね、私があなたを召還したの、うっ、ゴホゴホッ」
「はやくイルパラッツォさまの所に帰らなくては」オロオロ
「この病弱な体が憎いっ!えいえい」
胸をぽこぽこ叩いている
「そ、そんな事をしては駄目ですよ。そうだ、こういうとき飲む薬があったんだわ」

ジャラジャラ

説明中
「異国の薬ならもしかした治るかもしれないわっ!ありがとう綾杉さん」
「いえいえ」

ごくり

っかと目を見開き、口と耳と花から紫色の汁を出しながら
ヤバイ痙攣をし始める

ばたばたばたばた・・・へなり
「まぁ、大変・・・・息をしてないわ」

おわり

231:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 14:19:14 WABibZk0
>>226-229

おまえらwwwwwwwww

232:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 14:24:27 CR3mvn+K
>>226-229

お、俺も俺もおおおおおおおお

233:223
08/11/22 14:30:20 3OqG/aN4
>>225
慶次「速い。なんて速さだ。まるでお前は 松風だー」
シルフィード「(シルフィーはシルフィーなのね~)」

234:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 14:45:02 06OJk2df
>>233

違和感ゼロww
そして使い魔取られたタバサ涙目w


235:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 14:48:24 retmQ04r
>>230
カトレア姉様の花から汁とな

236:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 14:54:38 06OJk2df
そう言えば花の慶次で傷口洗うのに小便かけてたよな…
ゴクリ…


237:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 15:12:31 cB//A0E+
このロリコンどもが!(ry

238:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 15:15:23 06OJk2df
>>237

ありがとう、最高のホメ言葉だ。


239:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 15:55:18 NAfWSHdG
ルイズに召還させるならパッパラ隊(初期)の水島とかも良さそうな
例えどんな攻撃されてもほぼ無傷な不死身キャラ(一部例外在り)だから相性は良いかも

ただパッパラ隊だと嫉妬マスクシリーズととびかげ&ごうてんが他の虚無に呼出されてしまうのが容易に想像出来てしまうのが難点か
ジョゼフに嫉妬マスク召還されたら凄いだろうな、主抹殺しようとする使い魔との血で血を洗う戦いが…

240:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 15:59:42 fXL0sLyQ
いきなり関係ない話で悪いが、いままでの作品の中で、ガンダールウ゛としての力を一番引き出せてるキャラって誰だろう?

241:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 15:59:50 06OJk2df
>>239

大半のイベント(レコンキスタがらみ)が起こらなくなりそうだなw


242:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 16:05:58 SDMtx0j5
美形で愛人ありなのに弟萌え一筋なんてしっと団からみたら抹殺対象ど真ん中だろうなw

243:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 16:06:22 KXezUaXx
>>241
レコンキスタとはもてない男達の集団でイチャつくカップルを始祖の名の下に成敗する事を目的としている。
こんな感じで大半のイベントもパッパラ風に起きます。

244:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 16:06:25 PuTXMqd0
>>239
いや、とびかげ&轟天は召喚されなくても何時の間にかいるのでしょう
で、オスマンが「ややこれはとびかげ先生、お久しぶりです」

245:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 16:11:48 lLuF5nuN
>>240
才人

246:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 16:15:09 06OJk2df
しっとマスクがジョゼフに「メリィィィィークリスマーーース!」と言いながらフルボッコにする姿が見えたww


247:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 16:17:21 NAfWSHdG
ふとタバサへの嫉妬から嫉妬レディ二号となったイザベラとか
ときめも仮面を教皇が召還してしまって双方涙目な姿とかも毒電波に乗って脳裏に……


疲れているんだろうか.......

248:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 16:28:46 KXezUaXx
きっとタルブには温泉があって「ストライクフリーダム温泉じじい」
とかいう人気者が居たりするんだよ。

249:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 16:32:31 lSk92KeI
ギーシュが薔薇の湯を見て感激し中に入ったところ…これ以上は書かないでおこう。

250:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 16:33:49 06OJk2df
アッー!

251:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 16:34:37 QbrI5my6
>>249
そしてマリコルヌがry

252:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 18:15:18 uEJn2uGO
「虚無の使い魔と煉獄の虚神」の続きってまだでしょうか?
滅茶苦茶気になる
サイト君は何時まで女のトコに居るのだろう・・・

253:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 18:25:41 /606Vj/S
>>252
まだでしょうか? とか言われて分かる奴がどこにいるんだ

254:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/22 18:54:52 MjMWFswd
>>216
ケンシロウ召喚は考えてはいたけどギーシュとの決闘騒ぎは起きずに

ギーシュ「やいメイド、君が機転を利かさなかったからひどい目に会ったぞ!」
シエスタ「ひえー、めんごめんご」
ケンシロウ「あ、ちょっといいですか?虫が・・・ほっ!」
ぺし
ギーシュ「いて」
ケンシロウ「ああ、とれたとれた」
ギーシュ「やれやれ、なんだあいつ・・・はべら!」
マルコリヌ「うわぁ!なんだこいつ、急に死によったぞ」

ってなるからなぁ


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch