あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part178at ANICHARA
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part178 - 暇つぶし2ch27:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 12:52:13 4Jz3x/qW
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会

最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち

爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり

途中飛ばすけど、

 対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)

28:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 12:52:21 CEzDz2Y3
今回効いたみたいだから次スレ以降以下の文を
カウンター用に>>2あたりに当面入れるって事でどうだろう?

本スレのテンプレは現在>>1のみです
それ以後は完全なコピペ荒らし

荒らしコピペに関する説明

このぐらいまで単純化できそうな気がする。

(中略)
 対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)

単なる荒らし文の一部抜粋
こんな物が役に立つと言う人間は常識が欠落しています


ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
 ※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
  最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大

1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり

さるさん規制への無頓着な書き手の多発に注意を呼びかける有意情報+α
荒らしが面白がってコピペに組み入れたためいまだにスルーされて役に立ってないだけで
ここだけは見る意味有り

4 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/08/17(日) 02:13:03 ID:9AxAAVZE
やる夫が小説家になるようです (以下略)

これも荒らしコピペの一部

荒らし本人以外に「役に立つ」人間など居ない

【書き手の方々ヘ】
(中略)
・盗作は卑劣な犯罪行為であり。物書きとして当然超えてはならぬ一線です。一切を固く禁じます。
いかなるソースからであっても、文章を無断でそのままコピーすることは盗作に当たります。
・盗作者は言わずもがな、盗作を助長・許容する類の発言もまた、断固としてこれを禁じます。
・盗作ではないかと証拠もなく無責任に疑う発言は、盗作と同じく罪深い行為です。
追及する際は必ず該当部分を併記して、誰もが納得する発言を心掛けてください。

他所(リリカルなのはクロスSSスレ)のテンプレ丸コピ
まさに盗作そのもの
盗作者が盗作禁止を訴えるというまさに狂人の所業である

29:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 12:53:03 4Jz3x/qW
ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
 ※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
  最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大

1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり

4 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/08/17(日) 02:13:03 ID:9AxAAVZE
やる夫が小説家になるようです
URLリンク(urasoku.blog106.fc2.com)

完結:やる夫が小説家になるようです
URLリンク(urasoku.blog106.fc2.com)

やる夫が「売れっ子」ラノベ作家を目指すそうです
URLリンク(urasoku.blog106.fc2.com)

やる夫が同人小説家になるようです
URLリンク(urasoku.blog106.fc2.com)

30:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 12:54:50 4Jz3x/qW
【書き手の方々ヘ】
・作品投下時はコテトリ推奨。トリップは「名前#任意の文字列」で付きます。
・レスは60行、1行につき全角128文字まで。
・一度に書き込めるのは4096Byts、全角だと2048文字分。
・先頭行が改行だけで22行を超えると、投下した文章がエラー無しに削除されます。空白だけでも入れて下さい。
・専用ブラウザなら文字数、行数表示機能付きです。推奨。
・専用ブラウザはこちらのリンクからどうぞ
・ギコナビ(フリーソフト)
  URLリンク(gikonavi.sourceforge.jp)
・Jane Style(フリーソフト)
  URLリンク(janestyle.s11.xrea.com)
・投下時以外のコテトリでの発言は自己責任で、当局は一切の関与を致しません 。
・投下の際には予約を確認してダブルブッキングなどの問題が無いかどうかを前もって確認する事。
・作品の投下は前の投下作品の感想レスが一通り終わった後にしてください。
 前の作品投下終了から30分以上が目安です。

【読み手の方々ヘ】
・リアルタイム投下に遭遇したら、支援レスで援護しよう。
・投下直後以外の感想は応援スレ、もしくはまとめwikiのweb拍手へどうぞ。
・気に入らない作品・職人はスルーしよう。そのためのNG機能です。
・度を過ぎた展開予測・要望レスは控えましょう。
・過度の本編叩きはご法度なの。口で言って分からない人は悪魔らしいやり方で分かってもらうの。

【注意】
・運営に関する案が出た場合皆積極的に議論に参加しましょう。雑談で流すのはもってのほか。
 議論が起こった際には必ず誘導があり、意見がまとまったらその旨の告知があるので、
 皆さま是非ご参加ください。
・書き込みの際、とくにコテハンを付けての発言の際には、この場が衆目の前に在ることを自覚しましょう。
・youtubeやニコ動に代表される動画投稿サイトに嫌悪感を持つ方は多数いらっしゃいます。
 著作権を侵害する動画もあり、スレが荒れる元になるのでリンクは止めましょう。
・盗作は卑劣な犯罪行為であり。物書きとして当然超えてはならぬ一線です。一切を固く禁じます。
 いかなるソースからであっても、文章を無断でそのままコピーすることは盗作に当たります。
・盗作者は言わずもがな、盗作を助長・許容する類の発言もまた、断固としてこれを禁じます。
・盗作ではないかと証拠もなく無責任に疑う発言は、盗作と同じく罪深い行為です。
 追及する際は必ず該当部分を併記して、誰もが納得する発言を心掛けてください。

31:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 12:56:09 HN8Q2THM
今頃コピペ荒らしか
ヘボいなぁ

32:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 12:56:35 dUrRom1V
荒らしコピペしか仕事がないニートの分際なのに遅せえぞpgr

33:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 13:12:30 VY5OQ8cp
テンプレ改変追加はこっちで相談してくれ。

URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

34:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 15:10:02 CEzDz2Y3
テンプレじゃない、有志の注意文だ
コピペ荒らしが湧かない限り貼ることすら必要でない

35:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 15:14:22 VY5OQ8cp
だから区別がつかないからそこら辺をはっきりさせようと言うことだ。

荒れるからこれ以上このことについては避難所で頼む。

36:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 15:20:17 CEzDz2Y3
>だから区別がつかないからそこら辺をはっきりさせようと言うことだ。

だから冒頭で断言してるじゃないか

「本スレのテンプレは現在>>1のみです」と

37:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 15:26:21 B3lCEz9a
だったら、わざわざ転写する必要がない。
逃げ道を作ってるけど、ただの荒らしにすぎんよ

38:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 15:26:48 jODzP6hq
正直言って要らん。

39:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 15:50:05 kbJRDW01
・繰り返し偽テンプレを貼っている方へ

行為障害の可能性があります。
大至急精神科に問い合わせてください。

40:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 16:18:40 +IacEBFA
また猿が来やがった。

41:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 16:29:23 DJsUQnLR
スル-だ

42:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 16:32:50 bMy+zgV8
【NGWord:このぐらいまで単純化できそうな気がする】
とかで全部消えるから。

43:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 16:39:05 CEzDz2Y3
Part175立てたテンプレと荒らしの区別も出来ない馬鹿の所業を忘れたか?
荒らしに礼を言われると言うある意味最低の>>1だったあの馬鹿を

そしてなし崩しに荒らしの存在に考え及ばせる事無く継続投稿強行した
軽率な書き手たちと馬鹿丸出しの>>1乙レスした連中を

それらが「荒らしはスルー」と言う観点上最悪に近い行為だと言う事実には
目もくれないで話を聞く態度の見える相手となったら問答無用で拒否か?
初心者にスルー対象を教えるための臨機応変な情報開示は必要だ

やり方に関しては一考の余地は残ってるがな

44:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 16:48:30 jODzP6hq
頼むからみんなからウザがられていることに気づいてくれID:CEzDz2Y3
なんて、口が裂けても言えねえ……

45:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 16:54:15 iWZrDc8E
wikiにあるのは大体読んだ。
エヴァの再帰モノもそうだがこういう一定の枠で色んな人が書くという
ジャンルがたまらなく好き。
何か他にもあったら教えて欲しい

46:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 16:56:16 VY5OQ8cp
>>45
「ゼロ使い魔」とか「SS」とかの単語でググれ。
これ以上はスレ違いだ。

47:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 17:32:15 LQhXZWG8
秋と言えば運動会。
どの作品とのクロスか覚えてないがギーシュとルイズが決闘で
なぜか障害物競争で戦おうとするSSあったなww
戦う前に作者が力つきたみたいだがw

48:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 17:48:39 E+hShXU3
つーか前スレがまだ埋まってないのだが

49:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 18:33:01 6HyXeAQa
>>47
たしか、かの伝説の奇作怪作「バハムート・ラグーン」とのクロスでした
個人的には最後にタバサと結ばれ、彼女を連れてラグーンに帰還するというのを期待していたのだが

50:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 18:45:49 jckNfP3H
サイトより……はやーいwww

51:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 18:51:44 9q6dxEbs
ビュウよりサラマンダーの方がかわいそう。

52:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 18:59:37 GoUPFtY8
久保乙です
召喚時の声が、久保では無くイングラムに脳内自動変換されたww
まぁ、初登場時からして禍々しさの塊でしたからなぁ

>>23 そして髪の色だけでなく声と性格も変わるとww
悪魔とアクマとAKUMA
人の畏怖するものって意味では、LOWもCHAOSも似通ったもの?

53:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 19:23:15 jN1iL5EB
だれか恋姫†無双のキャラを召喚しないかな

54:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 19:23:12 ihkDkWMP
LAW

55:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 19:34:37 SVdlKAFQ
>>53

自分でやるのも手だぜ。

56:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:01:38 8dw1XUGv
ハルケギニアの暦
→1年は12の月と4の週(1週間8日)で構成される384日
 新年の始まり(日本の元旦)から10日間は始祖ブリミルの降臨祭という休暇となる(戦争も休戦とする習わし)

 0.虚無の曜日 (1巻p.165) 休暇である虚無の曜日の夜に「破壊の杖」盗難
 1.ユルの曜日 (1巻p.141) フリッグの舞踏会は「破壊の杖」盗難の翌日
 2.
 3.
 4.ラーグの曜日(8巻p.221)
 5.
 6.
 7.ダエグの曜日(9巻p.169) 翌日は虚無の曜日
 順番不明 マンの曜日(6巻p.150)
      イングの曜日(7巻p.125)

 1.ヤラの月  (7巻p.164)
 2.ハガルの月 (8巻p.221)
 3.
 4.フェオの月 (5巻p.130)
 5.
 6.
 7.
 8.
 9.
 10.
 11.
 12.ウィンの月 (6巻p.150)
 順番不明  5? ウルの月   (5巻p.145, 12巻p.146)
       6? ニューイの月 (3巻p.203) アンリエッタの結婚式
      11? ケンの月   (6巻p.20) 夏休みが終わって二ヶ月

第一週 フレイヤの週
第二週 ヘイムダルの週 (5巻p.131)
第三週 エオローの週 (8巻p.20)

57:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:03:16 8dw1XUGv
貨幣
→金貨 エキュー
 銀貨 スゥ  100スゥ = 1エキュー
 銅貨 ドニエ 10ドニエ = 1スゥ
 新金貨    金貨の四分の三の価値 3/4エキュー(1新金貨で75スゥ)

 デルフリンガー    新金貨100枚 = 75エキュー
 官能小説       55スゥ
 トリステインの生活費 1人1年120エキュー
 シュヴァリエの年金  年500エキュー

ハルケギニアの衛星(月)
→大(青)小(赤)二つある。大きい方は地球の月の見た目で二倍ほどの大きさ。
 小さい月の軌道は大きい月より内側にある。よって、小さい月の公転周期は大きい月よりも短い。
 二つの月が重なる夜を「スヴェル」の月夜と呼ぶ(2巻p.119)。

サモン・サーヴァントの呪文
→原作(何度か失敗)
 我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン!
 我の運命に従いし、"使い魔"を召喚せよ!
→アニメ版(一発で成功)
 宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ
 神聖で美しく強力な使い魔よ
 私は心より求め訴えるわ
 我が導きに答えなさい!

コントラクト・サーヴァントの呪文
→我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
 五つの力を司るペンタゴン
 この者に祝福を与え、我の使い魔となせ

コントラクト・サーヴァントの洗脳効果
→現状(11巻&タバサの冒険2)では情報は足りず、荒れるばかりで話題にするだけ無駄っぽい。
 スレ住人のスルー力に期待。

長さの単位

1サントは約1センチ(1巻p.39 / 2巻口絵人物紹介)
1メイル=約1m
1リーグ=約1km

58:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:04:23 8dw1XUGv
一日目
昼   :召喚される
夜   :使い魔とハルケギニアに関して話して、洗濯するよう下着を押しつけられる

 二日目
早朝  :シエスタに洗濯場を教えてもらう(アニメ版)
朝   :ルイズを起こして着替えをしてるところにキュルケがからかいに来る
朝食  :アルヴィーズの食堂で貧しい朝食
授業  :ルイズがシュヴルーズの授業で錬金失敗、後かたづけ、渾名をからかってメシ抜き
昼食  :シエスタから賄いを貰う代わりに配膳手伝い、ギーシュが恥を掻き口論に(小説版ではここでシエスタ初登場)
決闘  :ワルキューレにボコられる、諦めないでいるとギーシュが剣を寄越してガンダールヴ発動、ワルキューレ七体をなで切りにして勝利
 ※同時刻、コルベールがオスマンの執務室にルーンのことで報告に来てロングビルが追い出され、王宮に報告するしないの口論の後、ロングビルが戻ってきて決闘事件を報告、決闘を静観してルーンはガンダールヴのものと断定
 ※ここから三日間負傷が元でルイズの部屋で寝たきり

 四日目
朝   :目覚める、シエスタに事情説明を受け、ルイズに礼を言うとベッドから追い出される

 使い魔生活一週間
うち三日間はパンツのゴムの件でルイズからメシ抜き(正式な食事は厨房で貰っている)

 十一日目(“使い魔としての生活”が四日目からはじまったとして)
朝食  :厨房で食事しているとフレイムが姿を見せる
授業  :夢の件でルイズに折檻される、フレイムの視線を感じる
 ※同時刻、ロングビルがコルベールから宝物庫についての情報を聞き出している
夜   :キュルケの誘惑があるがルイズに邪魔され断念、キュルケの男から襲われるかもと思って武器を欲しがるついでにルーンの力について相談、ルイズは武器には快諾してルーンについては推測と忠告をする

 十二日目 虚無の休日
昼前  :キュルケが目を覚まして出かけるルイズ達を発見、タバサに追跡を頼む
三時間後:トリスティンの武器屋でデルフリンガーを買い求める、ルイズ達がでたあとキュルケがシュペー卿の剣を買い叩く
夜   :フーケが宝物庫の下見、ルイズ達が決闘に来て壁にヒビを入れる、フーケがゴーレムを使って「破壊の杖」を盗む


59:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:05:22 8dw1XUGv
 十三日目
朝   :フーケ対策会議が開かれてその場にいたルイズ達が証言をする、ロングビルがフーケの情報をもって来る、ルイズ達だけが捜索隊に志願
昼   :情報のあった小屋に到着、破壊の杖を取り戻す、ゴーレムに襲われ破壊の杖を使って倒す、ロングビルが正体を現すが捕まる、帰ってオスマンに褒められる
夜   :フリッグの舞踏会

23日目
夜:サイトがルイズに夜這いをかける。ワルドがフーケを脱獄させる

24日目
朝:(授業):ギトーの授業
昼:アンリエッタが学院に来る
夜:アンリエッタがルイズの部屋にお忍び。ルイズがアンリエッタの手紙を取ってくることになる

25日目
朝:ルイズ、サイト、ギーシュ、ワルドがラ・ロシェールに向け出発。キュルケがタバサに頼んでルイズ等を追跡開始
昼:フーケがラ・ロシェール金の酒樽停にて傭兵を雇う
夜:ルイズ一行、ラ・ロシェールに到着、直前に地上のサイトとギーシュは傭兵に襲われるがキュルケ達に助けられ無事に到着、ルイズ一行にキュルケとタバサが参加

26日目 スヴェルの夜
朝:ワルドの発案で女神の杵停中庭にてサイトとワルドが決闘
夜:ルイズ一行、フーケ・傭兵達・仮面の男(ワルド)に襲われる
  キュルケ・タバサ・ギーシュを囮に残し、ルイズ達は船を買い取ってアルビオンへ出航
  キュルケ達は傭兵を追い散らすが精神力切れ、フーケも同じく、キュルケとフーケが殴り合い

27日目 アルビオン-ラ・ロシェールの最接近日
朝:空賊船に捕まるが、すぐに王党派の船であることが発覚し、ウェールズ皇太子に出会う
夜:手紙を返して貰う。戦前パーティーに参加

※キュルケ達はこの間、シルフィードに乗りアルビオンへ向かっている

28日目
朝:ワルドとルイズの結婚式だが、ルイズが断りワルドは本性を現す。ウェールズが殺されワルドはサイトに敗れる
昼:(正午):貴族派の総攻撃開始。キュルケ達が助けに来て、シルフィードに乗ってアルビオンから離脱、キス(二巻はここまで)
昼:(日中):アンリエッタに報告を済ませて学院に帰還

※攻撃開始からすぐニューカッスル城は落ちた

60:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:06:18 8dw1XUGv
29日目
昼:(授業):コルベールが内燃機関を披露
夜:フーケがロンディニウムの酒場でワルドと合流

30日目
昼:(日中):ワルドとフーケが戦跡を検分、クロムウェルがウェールズを生き返らせる

31日目
 アンリエッタとアブレヒト三世の婚約が公式に発表される。式は一ヶ月後を予定


 それを受けゲルマニア首都ヴィンドボナにてトリスティン-ゲルマニア軍事同盟締結
 その翌日アルビオン新政府樹立公布
 すぐにトリスティン・ゲルマニアに不可侵条約の締結を打診し、両国は協議の結果これを受ける

約32日目
朝:オスマン経由でルイズに『始祖の祈祷書』が渡される
夜:サイト、シエスタにお茶を貰い、一緒に風呂につかりながら四方山話

約38日目
昼:(昼食後):ルイズ、ヒトデ型セーターを編む。サイト、シエスタを押し倒して(但し、ものの弾み)ルイズに追い出される。

約41日目
昼:ギーシュがテント生活をしているサイトを発見して、一緒に飲んだくれる
夜:キュルケの発案で、サイト・ギーシュ・タバサ・シエスタとその使い魔一行で宝探しに出発する。

約51日目
昼:(昼食前):宝探しでガラクタを発見する。昼食を取って次の目的地をタルブの村に決定
昼:(昼食後):タルブの村で零戦を発見
夜:(夕方):学院から伝書フクロウが来る

約52日目
サイト達、学院に帰還。持って帰った零戦の運賃をコルベールに肩代わりして貰う。

約55日目
 コルベールがガソリンの精製に成功し、エンジンが少しだけ動く

約57日目
昼:(日中):ラ・ロシェール上空にて、アルビオン艦隊がトリスティン艦隊を奇襲。アルビオンはトリスティン艦隊に対し宣戦を布告
 迎撃に向かったと思われるタルブ領主アストン伯戦死
 アンリエッタを筆頭に、トリスティンは開戦を決意
 同盟に基づきゲルマニアに援軍を要請。回答は、「先陣の到着は三週間後」

約58日目
朝:学院に宣戦布告の報。サイトと、勝手について来たルイズはゼロ戦でタルブへ。
昼:(日中):サイトが零戦で竜騎士とワルドを蹴散らし、ルイズは虚無の魔法『爆発』を発動させ、アルビオン艦隊を焼き墜落させる

約60日目 ニューイの月一日
 アンリエッタの結婚式予定日

61:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:07:24 8dw1XUGv
 タバサの冒険1・2
全てタバサの春の使い魔召喚の儀式より後(ルイズと同時かは不明)
全てタバサ二年次のスレイプニィルの舞踏会まで
第●日目、はその話の中だけの時間、●日目、となっているのは本編と同期しています
朝でも夜でもない時間は全て昼です

『翼竜人』
第一日目
 昼:指令を受ける、翼竜人と交戦、
 夜:ヨシュアの懇願
第二日目
 昼:暴走ガーゴイル作戦
第五日目
 昼:結婚式

『吸血鬼』
 サイトとギーシュの決闘以後
第一日目
 昼:命令を受ける、村について調査開始
 夜:エルザ襲撃される、屍鬼人を倒す
第二日目
 昼:村人が占い師の老婆を殺す
 夜:吸血鬼を殺す
第三日目
 早朝:村長に置き手紙を残し帰還

『暗殺者』
 サイトとギーシュの決闘以後
第一日目
 昼:影武者開始
 夜:宿場で一泊、地下水襲撃一回目
第二日目
 昼:グルノープル・アトワール伯邸到着
 夜:地下水二回目
第三日目
 昼:イザベラ裸踊り

『魔法人形』
八日目
 昼:スニキニル入手、学校に放り出したオリヴァンいじめられる
九日目
 昼:オリヴァン実力詐称の片棒を担ぐ
十日目
 昼:引き続き詐称
十一日目
 昼:オリヴァンの決闘、元北花壇騎士団団員と交戦
十二日目
 昼:虚無の休日だがキュルケに請われルイズ達を追いかける

62:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:08:42 8dw1XUGv
『ギャンブラー』
十三日目
 夜:フリッグの舞踏会中に伝令、プチ・トロワでイザベラから指令
十四日目
 昼:賭場でいかさまを暴く

『ミノタウロス』
 不明(他の任務の帰り道で、この事件は北花壇騎士団としてのものではない)
第一日目
 昼:依頼を受ける
第二日目
 昼:人さらい一味を退治しラスカルと会話
第三日目
 昼:ラスカルを退治
 
『シルフィードの一日』
 サイトのテントがある、サイトが洗濯をしている

『極楽鳥』
 火竜の繁殖時期
第一日目
 昼:イザベラから依頼を受ける
第二日目
 昼:火竜山脈に到着、リュリュと出会う
第三日目
 昼:囮作戦失敗
第四日目
 昼:ニセ焼肉作戦失敗
 夜:リュリュにハッパをかける
~シルフィードは火竜に化ける特訓、リュリュは代用肉錬金のために絶食中
第七日目
 昼:ニセ焼肉作戦成功

『軍港』
 アルビオン侵攻開始(夏休みから二月)から一週間後、ウィンの月の半ば
 髪の毛を追跡するアルヴィーを持っている
第一日目
 昼:到着、リュシーと接触
第二日目
 昼:調査、リュシーを疑いカマをかける、『グロワール』号爆破
第三日目
 昼:『シャルル・オルレアン』囮作戦決行
 夜:爆破阻止、リュシー自殺

63:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:09:42 8dw1XUGv
1月:ヤラ(降臨祭)
2月:ハガル
3月:ティール
4月:フェオ(入学式/使い魔召喚の義)
5月:ウル(フリッグの舞踏会)
6月:ニューイ(夏休み)
7月:アンスール(夏休み)
8月:ニイド(夏休み)
9月:ラド
10月:ケン
11月:ギューフ
12月:ウィン

第一週:フレイヤ
第二週:ヘイムダル
第三週:エオロー
第四週:ティワズ

曜日
1:虚無(休日)
2:ユル
3:エオー
4:マン
5:ラーグ
6:イング
7:オセル
8:ダエグ

64:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:11:24 8dw1XUGv
2巻P172にてアルビオンとトリスタニアは同じくらいの面積とある。
4巻P134にてオランダとベルギーを合わせたくらいとある。
4巻P134にて、北東のゲルマニア、南東のガリアはトリスタニアの10倍ほどの面積とある。
南の海に面した半島「郡」に「かつてのゲルマニアのような」都市国家「郡」があり、
ロマリアはその一つと記述されている。
ハルケギニアは「大洋に突き出た緩やかに弧を描く巨大な半島」とある。
未開の地、エルフの治めるサハラとは別物のように記述されている。
よって、現行の地図はあまり正確では無いものと考えられる。
(今後設定が変更されるかもしれませんが)

国土面積が約72054平方キロである場合、
正方形の国土だと1辺が268キロ程度、
三角形など、いびつな形である事が当然推測される(地図上からも)ので
45度-90度-45度の三角形の場合、
底辺が532キロ、高さが268キロ程度になる。
中心に首都があると仮定した場合、国境までは最短直線で134キロ。
これは1日32キロ歩けると仮定すると直線街道で3.5日程度。
道のくねりなどを考慮した場合、1.5倍なら5日強、倍なら7日程度。

タバサの冒険 P26 よりリュティスからアルデラ地方まで、馬で二日、徒歩で五日、シルフィードなら二時間。
よって、馬は徒歩の2.5倍。1日の移動時間を8時間とした場合、
シルフィードは徒歩の20倍。1日10時間移動なら徒歩の25倍。

時速4キロ×8時間なら1日の歩行距離は32キロ。
シルフィードは時速80キロ。
時速6キロ×10時間なら1日の歩行距離は60キロ。
シルフィードは時速150キロ。

3巻P203にて、3日後、ニューイの月の1日にゲルマニア首府、
ヴィンドボナにて結婚式がおこなわれる予定なのに、
3巻P211にて、アンリエッタは本縫いが終わったばかりウェディング衣装で、
結婚式のための出発におおわらわの王宮に居る。
王族の移動は馬車で行うのが慣例のようなので、トリスタニア-ヴィンドボナ間は
馬車で3日以内の距離と考えられる。

トリスティン魔法学院はヴィンドボナからアンリエッタが帰る時に寄った点から、
トリスタニア-ヴィンドボナ間にあると思われる。

ラ・ロシェール
学院から港町ラ・ロシェールまでは早馬で2日、代え馬を使い走り続けて
早朝-深夜なので、1日8時間程度の移動を基本として馬で十数時間程度、
馬で2日程度との記述と矛盾しない。
よって歩いて5日程度と考えられる。
4巻P228にて、トリスティンから街道を南下→ラ・ロシェール方面
夜明けまでに追いつかないと間に合わないらしい。


2巻P168 夜中に出発した船にて
「アルビオンにはいつ着く?」
「明日の昼過ぎには、スカボローの港に到着しまさあ」


65:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:12:37 8dw1XUGv
ルイズ     16歳 / 身長153 / B76( -8.0%)-62(C) / W53(-8.8%) / H75( -9.2%) / BW比1.43 / HW比1.42
シエスタ    17歳 / 身長162 / B83( -5.1%)-69(C) / W60(-2.5%) / H85( -2.8%) / BW比1.38 / HW比1.42
タバサ     15歳 / 身長142 / B68(-11.3%)-57(A) / W49(-9.2%) / H67(-12.6%) / BW比1.39 / HW比1.37
キュルケ    18歳 / 身長171 / B94( 1.8%)-72(F) / W63(-3.0%) / H95( 2.9%) / BW比1.49 / HW比1.51
モンモランシー 16歳 / 身長166 / B80(-10.8%)-68(B) / W58(-8.1%) / H79(-11.9%) / BW比1.38 / HW比1.36
アンリエッタ  17歳 / 身長158 / B84( -1.5%)-67(D) / W59(-1.7%) / H85( -0.4%) / BW比1.42 / HW比1.44


ルイズ      16歳 / 身長153 / B76-65(A)  / 体重42.4 / BMI 18.0
シエスタ     17歳 / 身長162 / B83-68(C)  / 体重51.8 / BMI 19.5
タバサ      15歳 / 身長142 / B68-62(AA) / 体重36.2 / BMI 17.9
キュルケ     18歳 / 身長171 / B94-69(G)  / 体重62.1 / BMI 20.5
モンモランシー 16歳 / 身長166 / B80-72(A) / 体重48.8 / BMI 17.6
アンリエッタ   17歳 / 身長158 / B84-65(E) / 体重51.6 / BMI 20.2


計算するとルイズはB~Cカップ。なのに何故胸が小さいと言われるのか?
それは要するに純粋な胸の体積が小さいから。つまり、UBが細いからです。
そこで、胸の体積とカップ数の比較をしてみました。
平均身長時の平均UBからカップ数ごとの体積を算出し、実測体積が近いものを割り出せば、実際にはどの程度のカップ数に相当するかがわかるはずです。
大雑把に胸を半球状としてふたつ合わせて楕円体になると考え、半径の組み合わせを3通り用意して計算していきます。

これらの計算結果は以下の通りです。()内は市販ブラのサイズを示しています。

ルイズ      16歳 / 身長153 / B76-62.5(B65) / 実測体積893  / 体積比A~B相当
シエスタ     17歳 / 身長162 / B83-65.5(D65) / 実測体積1274 / 体積比C~D相当
タバサ      15歳 / 身長142 / B68-58.9(A60) / 実測体積501  / 体積比AA~A相当
キュルケ     18歳 / 身長171 / B94-70.3(G70) / 実測体積1959 / 体積比F~G相当
モンモランシー 16歳 / 身長166 / B80-68.2(B70) / 実測体積903  / 体積比A~B相当
アンリエッタ   17歳 / 身長158 / B84-65.3(E65) / 実測体積1348 / 体積比C~D相当

ハルケギニアにはブラがないし、見た目的にも揉みごたえ的にも体積比で比べた方が正確です。現実でもUBが細いとカップが大きくても小さいですし。
体積の小さい順に並べると、タバサ、ルイズ、モンモン、シエスタ、アンアン、キュルケになります。これは作中描写通り。
体積比だけであえて「○○は×カップ」と呼ぶとすれば、タバサAA、ルイズB、モンモンB、シエスタC、アンアンD、キュルケG。
実測値とくびれ具合(UB―W―Hのライン)も鑑みれば、タバサAA、ルイズA、モンモンB、シエスタD、アンアンE、キュルケHと呼ぶのが妥当なとこだと思います。

ちなみにくびれ具合は寸胴な順に、タバサ、モンモン、ルイズ、シエスタ、アンアン、キュルケでした。

66:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:14:53 VY5OQ8cp
この労力を何かに使えば人生もっと実りあるモノになるだろうに。

67:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:19:10 QFpDkHna
今日は汽車の日ということで、FFⅥから魔列車を召喚。
ウェールズ皇太子、冥府の車窓から
「明日は、幽霊共和国に停まります」

68:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:26:03 HN8Q2THM
>>66
結局他人書いたものをそのまま頂くしか能のない時点でもう・・・

69:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:30:15 CkRVyn9B
>>67
ワルドは母親に引っ張られそうだな

70:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:32:04 Acohak5E
偽テンプレ……きっと香しいほどにスイーツ脳の人間がやってるんですよ。……腐ってやがる、ってくらいに臭う奴が。

71:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:32:51 K49L4sm4
しかも遅いときている

72:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:35:03 bMy+zgV8
まあ、腐ったものには触らずにおこうぜ

冷蔵庫で「じっくり腐らせて」から生ゴミに出そう出そうとしているうちに
いつしか冷蔵庫を掃除する機会を失って
気がついたら部屋全体に異臭が

73:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:36:19 jODzP6hq
いや、スイーツ脳の意味まちがってるような。

74:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:40:27 vcrkLIlx
正しく「無能な働き者」だな。銃殺決定w

75:狂蛇の使い魔
08/10/14 20:40:39 4Jh5mhPO
投下予約等なければ20:50くらいから投下します

76:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:43:40 ihkDkWMP
狂蛇キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!

お待ち申し上げておりますよ。

77:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:46:26 DX27irWO
惨劇ですね?惨劇なんですね?支援用意!

78:狂蛇の使い魔
08/10/14 20:50:31 4Jh5mhPO
では、投下します

79:狂蛇の使い魔
08/10/14 20:51:47 4Jh5mhPO
第四話



目の前で一体何が起こったのか、ギーシュには理解できなかった。

マジックアイテムらしき箱を使い、奇妙な鎧を身に纏ったルイズの使い魔の平民。
不思議な形をした剣をどこからともなく呼び出すと、ワルキューレに向かって駆け出したのだ。

「でやあぁぁぁ!!」
そしてワルキューレが攻撃の体勢に入るよりも早く、順手に持ち変えた剣を上から振り降ろしてきた。



ワルキューレは青銅でできている。
たとえ相手が武器を持っていようと、並みの攻撃ではびくともしないはずだ。
攻撃を受け止め、その隙をついて攻撃を仕掛ければいい。

そう、僕はふんでいた。

しかし、やつが二度三度と剣を振るっただけで、その考えは脆くも崩れ去った。

やつの斬撃に、自慢の防御力が意味をなさないどころか、攻撃を受けた箇所にヒビが入り、ついには砕け始めた。

「ハァッ!」
トドメとばかりに下から放たれたその一撃で、ワルキューレの体が宙を舞い、僕の目の前に落ちてきた。
もはや戦える状態にない。



「ふん……もう終わりか? つまらんな」
剣で肩をトントンと叩きながら、『平民だったもの』が呟いた。

80:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:52:29 DX27irWO
支援

81:狂蛇の使い魔
08/10/14 20:54:07 4Jh5mhPO
 
「ま、まだだ! 勝負はこれからだ!」

正直、侮りすぎていた。
あのパワーとスピードでは、ワルキューレ一体だけだと相手にならないだろう。

(だが、複数ならば此方にも分がある!)

そう思うと、すぐに二体のワルキューレを出現させ、指示をだす。
「いけ!」
青銅の長剣で武装した二体が、同時に走り出す。



「ほう。もうしばらくは楽しめそうだな」
そう言って、手にした剣を放り投げる。
再び紫の杖を取り出すと、箱からカードを引き、杖に差し込んだ。

『SWING VENT』

杖から声がすると、鏡から赤色の鞭が飛び出し、先ほどの剣と同じように王蛇の手に収まる。

エビルウィップと呼ばれるこの鞭は、剣よりも広い攻撃範囲と、自在な動きで敵を翻弄する。

王蛇は鞭を地面に一振りすると、近づいてきた二体の人形に向けて、上下左右あらゆる方向に何度も振り抜いた。
その攻撃に、ワルキューレたちは思うように近づけず、ついには二体とも武器が弾き飛ばされてしまった。

今は二体とも両腕で守りを固めているが、体のあちこちに傷や破損が目立つ。

82:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:55:46 kvCI/JWp
支援

83:狂蛇の使い魔
08/10/14 20:57:09 4Jh5mhPO
 
頃合いを見計らって、王蛇はワルキューレたちに猛スピードで近づくと、その場で勢いよく回転し、右から回し蹴りを叩き込む。
蹴り飛ばされた一体がもう一体を巻き込み、観衆がいる方向へと飛んでいった。
見物人たちが悲鳴をあげてそれを避ける。

王蛇に傷一つつけることができぬまま、またしてもワルキューレたちはその機能を停止した。



(くそっ、こうなったら……!)
ギーシュは残る四体のワルキューレを呼び出し、突撃の指示を出す。
各々が剣や槍で武装されている。



「ほう……」
王蛇は手にした鞭を投げ捨て、紫の杖を取り出す。
箱からカードを引き、杖に差し込んだ。

『STRIKE VENT』

杖から声がし、鏡から鉄の盾のような物体が飛び出すと、王蛇の右腕に装着された。

メタルホーンと呼ばれるそれは、腕に着ける灰色の盾のような部分と、先端部分から伸びる黄色い角のような突起物でできている。
その形状から、攻撃と防御を両方ともこなすことのできる武器なのである。



突撃してきた四体のワルキューレに向かって、王蛇はメタルホーンを構えた。

84:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:59:07 Acohak5E
ギーシュの命を心配しつつ支援。

85:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 20:59:56 0Rhn5cDA
ギーシュの冥福を祈りつつ(?)支援

86:狂蛇の使い魔
08/10/14 21:00:29 4Jh5mhPO
 
王蛇は一体目と二体目の攻撃を避けると、残る二体の攻撃を両方とも盾の部分で受け止め、そのまま横になぎはらった。
二体のワルキューレが地面に転がる。

攻撃を避けられた一体が、再び攻撃を仕掛けた。
が、攻撃が届くよりも前に、王蛇によって上から振り降ろされた一撃を顔面にくらい、地面に叩きつけられる。
その顔には、縦に大きな亀裂が走っていた。

もう一体も王蛇に攻撃を仕掛けたが、盾の部分で攻撃を受け止められると、蹴りで武器を叩き落とされた。
そして、無防備になったその胴体に、王蛇はメタルホーンを勢いよく突き出す。

ワルキューレは咄嗟に避けようとしたが、間に合わず脇腹に攻撃をくらい、弾き飛ばされた。
脇腹の一部が砕け散る。

地面へ倒れたところに、王蛇はすかさず追撃を仕掛ける。
「ダァァッ!!」
メタルホーンの角がワルキューレの首元を砕き、首から上が吹き飛ばされた。



なぎはらわれ、地面に倒れていた二体が起き上がるのを見ると、王蛇は言った

「今日はなぜか調子がいい。……だが、そろそろ雑魚の相手も飽きてきたな」

87:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:04:29 HN8Q2THM
支援

むぅ、さるさんか?

88:狂蛇の使い魔
08/10/14 21:04:39 4Jh5mhPO
 
王蛇はメタルホーンを腕から外すと、そのまま地面に振り落とし、紫の杖を取り出す。
紫の箱から、それと同じ模様が描かれたカードを引くと、杖に差し込んだ。

『FINAL VENT』

杖から声がし、その直後手鏡から巨大な紫の蛇が現れた。
観客たちが悲鳴をあげる。

顔の周りに無数の鋭い刃を持つその大蛇―名をベノスネーカーという―は、シューという声をあげながら、王蛇の方に向かって地を這い進む。
王蛇はその場で構えると、後ろに向かって大きくバック宙をした。

そして、王蛇の背後にまで迫ったベノスネーカーが、口から毒液を吐き出す。
その勢いに乗り、王蛇が二体のワルキューレたちに向かって、両足を交互に上下させる、奇妙な形式の蹴りを放った。
「ウオオオォォ!!!」

(避けられない!!)
獲物を何度も噛み砕く、蛇の牙を彷彿とさせるその攻撃は、身構えるワルキューレたちをものともせずに蹴り砕いていき、そして―爆発した。
二体のワルキューレは木っ端微塵に吹き飛ぶ。



「そん……な……」
ギーシュが、崩れるようにして膝をつき、うつむく。

89:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:05:41 kvCI/JWp
支援 これからの惨劇が楽しみだw

90:狂蛇の使い魔
08/10/14 21:06:17 4Jh5mhPO
 
いくら奇妙な鎧を纏ったとはいえ、ワルキューレたちが平民を相手に、全く手も足も出なかった。
それどころか、戦いにすらなっていなかった。

あったのは、圧倒的な力による、破壊。
一方的な暴力のみだ。



「この感覚……! やっぱり戦いは最っ高だ……!!」

しばらく愕然としていると、王蛇がギーシュに近づいてきた。

「おい。……ギーシュとかいったか」
「ひぃっ!!」
殺される!と思ったギーシュであったが。

「時々、俺の相手をしろ。……モンスター以下だが、少しはイライラも収まる」

返ってきたのは、予想もできない言葉であった。



一方で、ルイズもまた、愕然としていた。

ただの乱暴者だと思っていた男が、何かとてつもない力を秘めていた。
しかも、この上なく強い。

(あんなのを使い魔にしちゃったのか、私……)
頼れる使い魔だったという喜びよりも、もしあいつが牙をむいたら、という恐怖が、ルイズの胸の中に広がっていく。
ルイズは思わず身震いした。



―これからどう接すればいいんだろう。

そんな疑問を抱えながら、ルイズは広場を立ち去った浅倉の後を追うのであった。

91:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:08:29 kmcuKoQ6
お供三匹ヴァージョンだったのか支援w



92:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:09:48 Acohak5E
契約モンスターが三体ってことは、ご飯も三倍。
……トリステイン魔法学園には、人が夜な夜な消える怪談話があってですね。

93:狂蛇の使い魔
08/10/14 21:10:26 4Jh5mhPO
以上です。
惨劇とか書いちゃいましたが、ギーシュを始め誰一人死なないような結果になってしまいました。期待させてしまって申し訳ないです

それでは、支援ありがとうございました!

94:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:10:54 fxziop7p
あって良かったルーンの刷り込み
それでもイライラを抑える程度ってのがww

レコスタに寝返る事はなくても場をかき乱すんだろうなぁ、色々と

95:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:12:51 HN8Q2THM
蛇の人乙

原作が原作なだけに、つい死人を期待しちゃったよ
いや寧ろガンガン殺しちゃってください

96:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:13:15 kvCI/JWp
惨劇期待していたのになぁ とにかく乙!

97:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:13:48 9MobT5po
狂蛇の人乙でした
ライダーは爆発すると証明してくれた浅倉さんだけにゴーレムや偏在も爆発するのかどうか期待

98:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:18:55 jgrZhr8s
浅倉の人、乙です

しかし龍騎のライダーは変身中に周りの鏡を錬金されたらどうなるんだろう
モンスターとか武装を召喚できなくなったりしないだろうか

99:ゲーッ!熊の爪の使い魔
08/10/14 21:23:16 A4I8V2Lj
21時30分ごろから投下します。

100:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:24:43 zTOHPIez
>>98
ライダーのスーツが何で構成しているか分からないと無理なんじゃない?

101:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:26:27 GTKGwqOM
キタァァ

102:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:28:36 VY5OQ8cp
USSR代表支援

103:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:29:43 zTOHPIez
実はヘルズベアは

104:ゲーッ!熊の爪の使い魔
08/10/14 21:30:40 A4I8V2Lj
では、久しぶりですが次から投下します。

105:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:31:31 DLldR9dk
その後、>>103の姿を見たものは…あれ、こんな時間に誰d

106:ゲーッ!熊の爪の使い魔1/19
08/10/14 21:32:03 A4I8V2Lj
第七話 ヘルズ・ベアー

その日の昼、コルベールはオールド・オスマンにベルモンドについての発見を報告するため学院長室を訪れていた。
そして報告する。現れたルーンは特別であり、古文書によるとそれが伝説のルーンであると。
「見てください、ベルモンド君のルーンはあのガンダールヴのものなのです!
素晴らしい、あんなに愛らしいだけでなく伝説の使い魔でもあるなんて!
このコルベール、この魔法学院で教師をしてきたかいがありました」
「まあ、少し落ち着きたまえ。それで間違いはないんじゃな」
「はい、ベルモンド君にいい加減なことを伝えるわけにはいきませんからね、
何度も確認しました」
それを聞いてオスマンは思案する。もし本当ならいったいどう扱うものやら。
そのときドアがノックされ、オスマンの秘書ミス・ロングビルがやってきた。
なんでも決闘をしようとしている生徒がいるらしい。そのうちの一人はギーシュ、
そしてもう一人は今話に上がっていたベルモンド。
それを聞くとコルベールは飛び上がりオスマンに向かってまくし立てた。
「お願いです、今すぐ眠りの鐘の使用を!
ああ、決闘などと、ベルモンド君が殺されてしまう!
躊躇している場合ではありませんぞ、早く眠りの鐘を。
いやそれでは生ぬるい、いっそギーシュ君には実力行使で」
「……さっき自分で言ったことを忘れたのかの?
伝説のガンダールヴじゃなかったのかの、あの使い魔は」
「だってクマちゃんなんですよ!!あんなかわいいクマちゃんが戦うなんて。
ああ、ベルモンド君……」
「いいから落ち着きなさい」
オスマンはロングビルを下がらせるとヒートアップするコルベールをなだめながら、
杖を振ると鏡に広場の様子を映し出した。

107:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:32:03 vlHbIb9/
着ぐるみ支援

108:ゲーッ!熊の爪の使い魔2/19
08/10/14 21:33:21 A4I8V2Lj
ベルモンドがヴェストリの広場に到着すると、そこにはすでに大勢の生徒がギャラリーとしてたむろしていた。
そしてその中心にいるギーシュがベルモンドを見ると口を開く。
「やあ、逃げ出さずによく来たね。ボロ屑になる覚悟はできているようだな。
じゃあ始めよう。諸君、けっと」
「さあ!ついにこのヴェストリの広場に両雄が揃いました。
いよいよ決闘が始まります!
立ちはだかるのはドットクラス、土のメイジ、
「青銅」のギーシュ・ド・グラモンーー!!
対するはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔、
「かわいいクマちゃん(チャーミング・ベアー)」ベルモンドォー!」
「実況」の二つ名をもつ生徒が皆に渡る声を響かせる。
なお、彼の使い魔はすでに彼とは反対側に位置し、「実況」本人が見聞きできない位置をカバーすべく待機している。
「……まあいい、そういうことだ。始めさせてもらうよ」
口上を途中で邪魔をされて憮然としながらもギーシュは早速行動を開始する。
ギーシュが薔薇の花を振ると花びらが一枚宙に舞い、 甲冑を着た女戦士の形をした人形が現れる。
「先ほど言われたように僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するよ」
ギーシュはこれを見てあのふざけたクマ公も震え上がるだろうと考えていた。
だが、ベルモンドの行動はそんな彼の想像を超えたものだった。
「わあーい、お人形さんだー。なーんだ、決闘なんて言うから何やるのかなって思ったけどお人形遊びしてくれるんだ。
遊ぼ、遊ぼ」
そう言って手を差し出してワルキューレに近づいていく。
「ふざけるな、行け!」
それを見てギーシュは怒りとともにワルキューレを突進させていく。
「うわっと」
さすがに無防備にそれを受けはせずベルモンドは突き出された拳をよけようと身をひねる。
その結果、
ガシャーーン!

109:ゲーッ!熊の爪の使い魔3/19
08/10/14 21:34:12 A4I8V2Lj
「あーっと、ベルモンドとワルキューレ、もつれ合ってともに地面に倒れたてしまった!
が、単に倒れただけなのだろう、ベルモンドはすぐに起き上がる。
しかしワルキューレも起き上がろうとするがうまく立ち上がれずまた倒れてしまった。
「なんだ、どうしたんだ!?」
「おい、何やってんだよ!」
「お、おい、見ろよ、足のところを」
ギーシュやギャラリーが混乱する中一人の生徒が異常に気付く。
すかさずそれを「実況」が続ける。
「なんと!ワルキューレの足が歪んでしまっている!!
先ほどの転倒で変にひねってしまったのかーー!?」
「なんだよ、手抜きなんじゃないのか?」
「おいギーシュ、ろくにきちんとした錬金もできないのかよ!」
それを聞いた周りから馬鹿にした声が上がる。
「う、うるさい、これならどうだ!!」
ギーシュはそう言うと、立ち上がれないワルキューレをおいて、新たに二体ワルキューレを呼び出しベルモンドへと向かわせる。
「うわーい、今度は二人だー」
しかしベルモンドはまたしてもてってっと近づいてゆく。
そんなベルモンドにワルキューレが拳を突き出すが、それはむなしく宙を切った。
「おおっ、ベルモンド、巧みに二体の間をすり抜けたあっ!」
そして背後に回ったベルモンドは二体の腰にそれぞれ手を回すと、
「楽しーなー、楽しーなー」
スキップしながら二体と一緒にくるくると回り始めた。
「きゃー、かわいーー!」
そんな、クマと青銅の人形が戯れるようにしか見えない図に女生徒から黄色い声が上がる。
しかしギーシュにとっては馬鹿にされているようなものであり、離れようとワルキューレの足を動かす。
だが、それが地面を蹴ることはなかった。

110:ゲーッ!熊の爪の使い魔4/19
08/10/14 21:35:13 A4I8V2Lj
「ああーーっ、いったいどこにそんな力があるのか、ベルモンドに抱えられたワルキューレが宙に浮いているーー」
なんと、ワルキューレは二体ともべとモンドに回されながら持ち上げられていた。
ワルキューレは腕を動かしベルモンドを振りほどこうとするが、
「おっと、いけない」
そのせいでバランスを崩したのか、ベルモンドが転んでしまい、
ドガアァッ!!
「あーーっと、体勢を崩したベルモンドから二体のワルキューレ、
投げっぱなしジャーマン気味に投げ飛ばされ頭から地面に叩きつけられたーー!!」
その二体のワルキューレは、金属製の体からくる体重を受けたことにより、頭部が完全にひしゃげてしまっていた。
無論、もう起き上れはしなかった。
「あれー?お人形さん、動かなくなっちゃったー」
そんな様子を見てベルモンドは残念そうな声を上げる。
「おい、見た目だけじゃなく作りにも凝れよ」
「真面目にやれよ、ギーシュ!」
再び男子生徒から囃し立てる声が起こる。
が、彼らとも黄色い声を上げる女生徒とも違う者たちもいた。

111:ゲーッ!熊の爪の使い魔5/19
08/10/14 21:36:55 A4I8V2Lj
「珍しいわねえ、タバサがこんなのに興味を持つなんて、やっぱりあのクマちゃんがかわいい?」
「確かにかわいいけどそういうわけではない、でもあの使い魔には興味がある」
「なによ、もって回った言い回しねえ。
でもギーシュも情けないわねえ、あんな倒れただけでダメになるようなゴーレムしか出せないなんて」
「倒れただけ、そう見えた?」
「見えたもなにも実際そうじゃない。転んで足ひねったりクマごと倒れて頭打ったり」
キュルケが見たままの感想を述べる。しかしそれに対してタバサは、
「違う、最初はあのベルモンドが倒れるときにワルキューレの足をつかんで
しっかりとアンクルホールドに固めていた。
次の二体も投げ飛ばされるまで見事なジャーマンスープレックスのブリッジを描いている。
倒れた拍子にもつれたとか転んだ際に投げ出されたとかではない」
「えー、ちょっと待って。その前にアンクルホールドとか「実況」も言ってたけど
ジャーマンなんとかってなに?」
「プロレス技の一種」
プロレス、そういえばキュルケも聞いたことがあった。
確か平民の中で現在はやっている格闘のスポーツだったか。
でも、それは、
「プロレス、あれって見せもののショーなんじゃないの?そんな物の技が本当に効くの?」
だがタバサはすかさず反論する。

112:ゲーッ!熊の爪の使い魔6/19
08/10/14 21:38:33 A4I8V2Lj
「確かに基本的には見せもの。でも技の威力は種類によっては本物。
むしろ本気で技をかけると危険だからこそ真剣勝負ではなく
筋書きに沿ったショーとして見せているという部分もある」
祖国ガリアでの立場上危険な任務にたびたび駆り出されるタバサは単純な魔法の知識、技術だけでなく
他の戦闘技術にももしもの対策のため一応の知識を持つようにしている。
それゆえプロレス技の危険性についても分かっていた。
「ええっと、じゃあワルキューレが壊れたのは
ギーシュの作りが悪いからでも打ち所が悪かったわけでもなくて
あのクマちゃんがそのプロレス技ってのを掛けたからって言うこと?」
「そう、あの使い魔は明らかな確信を持って技をかけている。
見た目通りのかわいいクマちゃんではない」

113:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:39:16 6nI5gsio
sien

114:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:39:44 n+hEO10k
「実況」www支援

115:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:39:51 HN8Q2THM
じゃれついてパロスペシャル支援

116:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:40:38 6nI5gsio
ゲェーッ!知っているのか!タバサ! 支援

117:ゲーッ!熊の爪の使い魔7/19
08/10/14 21:41:54 A4I8V2Lj
「くそっ、もうお遊びは終わりだ!」
そんな中、ギーシュはそう叫ぶと今度は今出せる限界である
4体のワルキューレを一度に呼び出した。
しかも今度は素手ではなくそれぞれ剣、槍、斧、ハンマーを手にしている。
「ボロ屑にしてやれっ!」
そう言うと一斉に突撃させていく。
四つの武器による一斉攻撃、先ほどのようなくぐれる様なスペースもなく、
今度こそベルモンドを捉えられると思われたそれもやはり宙を切った。
「なんだあーー!ベルモンドが消えたーー!?
い、いや違う、ボールだ、ワルキューレに交じって茶色いボールのようなものが見えるっ!
なんとベルモンド、自分の身をボール状に小さく丸めて一斉攻撃をかわしていたーー!」
「くうーん」
「くそっ!」
ギーシュも手を休めずさらに攻撃を繰り返していく。
だが、ベルモンドはボール状に丸まったままころころと転がり、
ぽんぽんと跳ねて迫りくる攻撃をかいくぐっていく。
「かわいー、クマちゃーん頑張ってー!」
そんな光景にまたしてもベルモンドへ黄色い声が上がり、
「ちゃんとやれよ下手くそー!」
ギーシュを囃すが上がる。
ギーシュはさらに激しく攻撃を行うが逆に冷静さを欠いた結果、
ガスガシャァァッ!!
ベルモンドを攻撃しようとしてかわされ、勢い余って後ろのワルキューレを攻撃してしまった。

118:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:41:59 c7jiWogg
プロレスに造詣の深いタバサwwwwwwwwwwwwwww

119:ゲーッ!熊の爪の使い魔8/19
08/10/14 21:43:20 A4I8V2Lj
「これは痛い!斧を持ったワルキューレ、
他の三体の攻撃を受けてぐしゃぐしゃになってしまったーー!」
「なんだよ、ギーシュ、ばっかじゃねーの!」
「ぎゃはははは」
もはやギーシュへの声は嘲笑へと変わっていた。
ギーシュは唇を噛みしめ倒れたワルキューレを見つめる。
かろうじて人型を留めているだけのぼろぼろのワルキューレ、
これが逆にこちらの攻撃力を証明してもいたがどうしても当たらない。
もっと広く攻撃できるような方法があれば。
土の属性の魔法なら、石つぶてを飛ばすというものがあり、それなら条件を満たしている。
しかし、自分の得意とするのはワルキューレの錬金だ。
それを7体全部出し、しかも先ほど激しい攻撃を行ったため
かなり精神力を食ってしまっている。
この状態で、広範囲に十分な威力で石つぶてを飛ばせる自信はギーシュにはなかった。
くそっ、何か方法は。
その時ギーシュに閃きが舞い降りた。
飛ばすものならあるじゃないか。
「おい、こっちを見ろクマ公!!」
「くうーん?」
ギーシュは剣と槍をもつワルキューレに武器を捨てさせると、
先ほど同志討ちでボロボロになったワルキューレを両脇から抱えあげる。
「青銅の力を見せてやるっ!!」
そして、最後のハンマーを持ったワルキューレがハンマーを大きく振りかぶり、背後から叩きつけた。
ドガァッ!
すでにボロボロになっていたワルキューレはこの一撃でばらばらに砕け散り、
正面のベルモンドへと飛び散っていた。
ガスガスガスガスッ!!
「うわーー!」

120:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:44:17 6nI5gsio
らめー!オーバーボディ破れちゃらめー!支援

121:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:44:21 Rp0/PI7B
タバサ、なんというロビンやラーメンマン先生並みの分析力

122:ゲーッ!熊の爪の使い魔9/19
08/10/14 21:45:11 A4I8V2Lj
多少時が戻るがそのころルイズとシエスタはまだ食堂にいた。
決闘に向かうと告げるベルモンドの、これまで見せたことのない迫力に気圧されてしまっていたのだ。
そして、出遅れてタイミングを逃すと一層足が重くなってゆく。
どうしよう、自分のせいで。
行ってどうなる、もうベルモンドはやられてしまっているのではないか。
いやな想像が頭に次々と浮かび、今向かえばそれを現実に
目の当たりにしてしまうのではないのかという恐怖が足を留めてしまっていた。
しかし、真の貴族は立派な行いをするから偉いんだ、
そのベルモンドの言葉がルイズを奮い立たせる。
そうだ、私もそれを目指していたじゃない。
魔法が使えなくても、貴族として立派であろうって。
こんなことをしている場合じゃない。
「行かなきゃ、ほら、あなたも行くわよ。
私たちのために戦ってくれてるベルもん簿をほおっておくつもり?」
「そ、そんなことしません、待っててくださいベルモンドさん」
そうしてシエスタにも声をかけ二人は広場へと向かった。
しかしそこで二人が見たものは、

123:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:46:26 CEzDz2Y3
キン肉マンのテンプレにゼロ魔キャラ入れ込んだだけじゃねえか





・・・・・・・・・・だがそれがいい

124:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:47:03 6nI5gsio
「実況」のメイジと使い魔についてくやしく 支援

125:ゲーッ!熊の爪の使い魔10/19
08/10/14 21:48:07 A4I8V2Lj
全身穴だらけになって立ちすくむベルモンドだった。
「そ、そんな、ベルモンド……」
「い、いやーー!」
そんな二人に何があったかを教えるように「実況」からの声が上がる。
「なんと、ギーシュ!傷ついたワルキューレを打ちすえ、破片として飛散させたーー!
これはまさに、青銅の散弾だーーー!!
これは効いたか!?ベルモンド、微動だにしないー!」
「はははははっ!貴族であるこの僕にたてつくからこうなるんだ、この畜生め!」
そう、高笑いを上げるギーシュに対して、ルイズとシエスタ以外の女生徒からも非難の声が上がる。
「ひどい、なんてことするの!」
「死なないで、クマちゃん!」
一方キュルケ達は、
「あーらら、結局やられちゃってるじゃない。
ドットのギーシュにも負けるんじゃあ、
あのクマちゃんが強いなんてのはやっぱりタバサの思い過ごしだったわね」
「だと、いいのだけれど」
だが、タバサにはまだこれで終わりだとは思えなかった。
これまで死地をくぐった経験が告げている。
あのクマちゃんの中にはまだ何かがあると。

126:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:49:29 6nI5gsio
オーバーボディがボロボロ……!ここでやっぱ正体バレか! 支援

127:ゲーッ!熊の爪の使い魔11/19
08/10/14 21:50:01 A4I8V2Lj
そんなタバサの内心を知る由もなくギーシュは続ける。
「所詮は低能なケダモノにすぎなかったようだね、
ああ、まさに「ゼロ」のルイズの使い魔にふさわしいよ」
「……!」
自分の口上に酔っていたギーシュは気がつかなかった。
このとき、ベルモンドの目に力がこもったことを。
「やめなさい、これ以上私の使い魔を侮辱することは許さないわ!」
そんな中、ルイズは自分の使い魔を救おうと声をかける。
「ああ、無能なご主人様のお出ましかい?
だが悪いね、これはこのクマ野郎も認めた決闘だ。
例え主人であっても口出しはできないよ。
そこでこのクマ公が布と綿のボロ屑になるところを見ていたまえ、
行け!とどめだワルキューレ!」
そう言ってハンマーを持ったワルキューレが一撃を加えようと前に出てハンマーを振りかぶる。
「やめてーー!」
ルイズの悲鳴が響き渡る。

128:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:50:12 B1QBN2Yz
支援クマちゃんが死んじゃうー

129:ゲーッ!熊の爪の使い魔12/19
08/10/14 21:51:08 A4I8V2Lj
が、その時、
「グギャワアーン!」
突如ベルモンドが叫びをあげワルキューレに飛びかかった。
しかも足の筋肉は隆起し、着ぐるみの上からでも足の形がはっきり分かるほどに肥大していた。
バギャ!
そしれそのままワルキューレを蹴り飛ばす。
そのままワルキューレは10メイルは吹っ飛んで行った。
「ああーーっ!ベルモンド、突如生気が戻りワルキューレにドロップキックを叩き込んだー!!
なんという威力だ!青銅製のワルキューレがまるでおもちゃの人形であるかのように軽々しく吹っ飛んでいくー!!」
もちろんこれだけでは終わらなかった。
「グギャワアーン!」
ベルモンドは残る二体のワルキューレのもとへも向かっていく。
その二体は先ほどボロボロになったワルキューレを抱えるため武器を置いてしまっていたため、
拳での攻撃を繰り出すがあっさりかわされると一体が懐に潜り込まれる。
ガスッ!
そして腹部へのひざ蹴りを食らって片膝をついた所に、
ドガアアァッ!
その膝を踏み台にして飛び上がったベルモンドからの強烈な飛び膝蹴りが頭部に叩き込まれた。
「おおーっ、これはすごい、膝をつかせたところへ流れるようにシャイニングウィザード
(相手の膝などを踏み台に飛び膝蹴りを仕掛ける技)
が叩き込まれたー!!」

130:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:51:15 c7jiWogg
ガワが取れるwwwwwwwトラウマもんだぞwwwwwwwwww

131:ゲーッ!熊の爪の使い魔13/19
08/10/14 21:52:19 A4I8V2Lj
これは先ほどのドロップキックと違い斜め上からの攻撃であったためそこまで吹っ飛びはしなかったが、
それでもワルキューレは2-3メイルは地面を転がって行った。
ゴスゥッ!
さらに残る一体へと襲いかかるとラリアットを叩き込む。
倒れたところにすかさず両足を取ってわきに抱えるとそのまま自分を軸に振り回した。
ミスミスミスミス……
そして勢いが付いてくると、何とそのまま上へと向かって投げ上げた。
「うわあーー!!これは信じられない!!
ラリアットで倒したワルキューレをジャイアントスイングにとらえたかと思うと、
なんと横ではなくて上に!投げ飛ばしたぁーーー!!!」
「う、うあわああぁー!」
次々と、もはやだれの目にもわかるような力でワルキューレを倒されたギーシュは恐慌状態になり、
自分を守らせようと先ほどシャイニングウィザードを受け倒れたワルキューレを立ち上がらせた。

132:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:53:11 6nI5gsio
ヤバい!オーバーボディの内側でウォーズマンスマイル入ってる! 支援

133:ゲーッ!熊の爪の使い魔14/19
08/10/14 21:54:27 A4I8V2Lj
が、その瞬間ベルモンドが正面から組みついてベアー・ハッグで締め付ける。
「くそっ、振りほどけ、ワルキューレ!」
ギーシュはそう命令を与えるが、そのかいもなく、
ミシミシミシミシッ!!
「うわああぁぁー!!なんということだ!
ベルモンド、ベアー・ハッグで青銅製のワルキューレを腕だけでなくボディまでもへし折っていくーー!!!」
「ゴギャアアアアアァァァーーーーッ!」
一体どれだけのパワーが必要なのか、
投げ飛ばしたり蹴り飛ばしたりというように勢いをつけるわけでもなく密着状態から締め上げているだけで、
ワルキューレの体は軋み、歪み、ねじ曲がっていった。
「ね、ねえ、クマちゃんが元気だったのはいいけど、なんだか変じゃない?」
「う、うん。私も思う、何だか怖いような……」
そんな様子にベルモンドに黄色い声をあげていた女生徒たちも違和感を感じ始める。
が、そんなものは無視して、
「うおおーーっ、いくぜーー!」
そう、アグレッシブな声を上げると、ワルキューレをベアー・ハッグに捉えたまま、
「ゴギャア!」
上空へと飛びあがった。
さらにその上からは先ほど投げ飛ばされたワルキューレが頭を下に落下してくる。
そして、
「ロンリー・テディー・クラッシャーーー!!!」
ガッグゴオオォォンン!!!!

134:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:55:30 6nI5gsio
ああ、ガワが取れちゃう…… 支援

135:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:56:01 Rp0/PI7B
ちょwロンリーw

136:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:56:42 Cs9agPiD
パンダだってあんなに可愛くても凶暴な動物なんだぞ支援

137:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 21:57:08 GTKGwqOM
やべえええええ、ついに出るのか中身が!?支援

138:ゲーッ!熊の爪の使い魔15/19
08/10/14 21:57:46 A4I8V2Lj
「あああぁーーっ!こ、これはなんという凄まじい大技!!
投げ上げられ落下してくるワルキューレとベアー・ハッグに捉えて上昇させたワルキューレの頭部同士を
空中で激突させたーー!!
これはもはや「かわいいクマちゃん(チャーミング・ベアー)」などではない、
これはまさしく、「地獄のクマ(ヘルズ・ベアー)」だあぁぁーーーっっ!!!」
そのまま、完全に破壊された二体のワルキューレはギーシュの手前に落下し、
先ほど投げっぱなしジャーマンで倒された二体に折り重なるように倒れた。
「ゴギャ」
そしてベルモンドもその後ろに降り立つと、
ドバドバドバ!
突如体から何かを放出した。
「うわっなんだ!?」
それは一部観客にまで降り注ぎ混乱を呼んだが、
タバサはそれと風で防ぐとキュルケと二人で飛んできたものを見つめた。
「青銅の破片」
「それにこっちの木片ってルイズが授業で吹っ飛ばした机とかの破片?
じゃあ、あのクマちゃんはルイズの起こした爆発で吹っ飛んだ破片も
ギーシュがハンマーで飛ばした青銅の散弾も体に通さなかったて言うこと!?」
「そうなる、恐るべき頑強な肉体」

139:ゲーッ!熊の爪の使い魔16/19
08/10/14 21:59:14 A4I8V2Lj
この事実を前にタバサの声にも珍しく感情がこもる。
しかしそんな考察などしている余裕のない者がいた。
ギーシュである。
この間に、さきほどドロップキックで遠くへ吹っ飛んだワルキューレをようやく自分のもとへ戻すことはできていたが、
たかが一体ではこのクマを相手に何の役にも立たないことはもはや明らかだった。
そんな彼を睨みつけるベルモンド。
「ゆ、許してくれ、僕の負けだ!」
半ば無意識にギーシュはそう言っていた。
「ほんと?」
「あ、ああ。約束通りキチンと謝りもする」
「そう、じゃあみんなに謝りに行こう」
そう言うとベルモンドの目も穏やかになりギーシュのもとに近づいていく。
確かにこの降参にうそ偽りはなかった。ギーシュの理性はこの実力差に間違いなく敗北を認めていた。
しかし感情はそうではなかった。
ゼロのルイズの使い魔のクマ公ごときに負けを認めることを受け入れられずにいた。
そしてその想いが、折り重なって倒れる4体のワルキューレをベルモンドがまたごうとしたときにある閃きを与えたのだった。

140:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:00:23 6nI5gsio
らめぇ!ギーシュらめぇ!オーバーボディ剥いじゃらめぇ! 支援

141:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:00:32 B1QBN2Yz
支援ギーシュそれは死亡フラグだ

142:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:00:38 hovxNWLe
ドロップキックで吹っ飛んだのにまだ原形をとどめていたのか!
支援

143:ゲーッ!熊の爪の使い魔17/19
08/10/14 22:00:52 A4I8V2Lj
「そ、そうだ、これだ!くらえクマ野郎!!」
そう言うや否やギーシュは残る精神力を振り絞り、ベルモンドの足元のワルキューレを足に絡みつく青銅の塊に変えた。
「ク、クゥーン」
ベルモンドは当然ふりほどこうとするものの、さすがにワルキューレ4体分の重さに完全に足は固定されてしまっていた。
「ははは、どうだクマ公!これが偉大なる魔法の力だ!
メイジであるこの僕にたてついた愚かしさを思い知るんだよぉっ」
ガスゥッ!
そう言うと最後に残ったワルキューレがベルモンドに正面からハンマーを叩きつけた。
「キュウーン」
しかもこれだけでは終わらず、
ガスッ!ガスッ!ガスッ!ガスゥッ!
何度も何度もハンマーを叩き込んでいく。
「あああー!これは残酷!足を固められたベルモンドに対して、
さきほどワルキューレを散弾に変えたハンマーの一撃が、直に! しかも何度も叩き込まれるーー!!」
その一撃一撃はベルモンドの着ぐるみを破り、綿と血しぶきを舞わせていく。

144:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:01:39 GTKGwqOM
戦争男の微笑が見れるのか…支援

145:ゲーッ!熊の爪の使い魔18/19
08/10/14 22:01:41 A4I8V2Lj
「クゥーンクゥーンクゥーン!」
これにはベルモンドも悲鳴を上げる。
「卑怯よー、ギーシュ!」
「やめてー!クマちゃんを殺さないでー!」
非難の声が上がるも、食堂の時のようにまたしてもそれらは逆にギーシュをヒートアップさせていく。
「うるさい!黙れ!こんなクマ野郎にさっきからキャーキャー言いやがって!
こんなボロ屑の畜生が何だって言うんだ。こんなやつ所詮は血にまみれた布と綿に過ぎないことを教えてやる!」
そう、普段は決して口にしないような言葉を吐くとさらにベルモンドを打ちすえる。
ガスッ!ガスッ!ガスッ!ガスッ!
「いやーー、もうやめてーーー!!」
その惨状にルイズはひときわ大きな声を上げる。
それすらも無視して打ち続けるギーシュにベルモンドの弱弱しい声が掛けられた。
「ね、ねえ、さっき自分の負けだって……みんなに謝るっていたのはウソだったの……?」
「はははっ、そんなの当たり前だろう。
どうしてこんな畜生ごときに約束など守らなければいけないんだい!」
「ど、どうしても謝ってくれない……?」
「まだ言うのかい?そんなの当たり前だろうがーー!」
そう言ってワルキューレはひときわ大きくハンマーを振りかぶる。
「………………そうか、もういい」

146:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:02:10 6nI5gsio
しかし、携帯でなければ1レスにもっとまとめられると思うですよ 支援

147:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:02:37 hovxNWLe
ギーシュ…死んだな

148:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:03:18 6nI5gsio
【自業自得】ああ、ギーシュ……追悼スレ22【因果応報】 支援

149:ゲーッ!熊の爪の使い魔19/19
08/10/14 22:04:33 A4I8V2Lj
ザグ!
だが、次の瞬間、ベルモンドの胴体を突き破って回転する漆黒の何かが飛び出した。
そして、
ギュガガガガガガガ!
それはそのままワルキューレの胴体をえぐり飛ばすとギーシュの目の前に着地した。
そこには、左手の甲に4本の鋭い爪をもち、表情のない仮面をつけた、
鍛えこまれ抜いた肉体をもつ漆黒の戦士が降り立っていた。
この出来事を前に誰一人として声を上げられるものはいなかった。
ギャラリーも「実況」もシエスタもギーシュもルイズでさえも。
その静寂の中、
コーホーー
彼の呼吸音だけが広場に響いていた。

150:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:06:24 hovxNWLe
ゲェー!?ベルモンドの中から謎の超人が!?


151:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:07:26 vlHbIb9/
コーホー支援

152:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:08:01 6nI5gsio
ウォーズマンスマイルktkr 乙でしたー

153:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:08:04 B1QBN2Yz
イヤァーーーーっ!!
クマちゃんの中から残虐そうな怪人がーっ

154:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:08:56 c7jiWogg
とうとう出てしまったw乙wwwwww

155:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:09:03 89ZJS9BB
中の人って血しぶき出るっけか?
まあどうであれ笑ってたらギーシュ死亡確定だな


156:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:09:38 kix1YsXY
ゲェーッ!機械の超人!
ついに出てきちまったかwwww

157:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:09:45 9IReH0ji
ああ、ついに中の人がwww
これは乙せざるを得ない

158:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:10:02 L4CucRdQ
ファイティングコンピューターがとうとう出てきたか

159:ゲーッ!熊の爪の使い魔
08/10/14 22:10:25 A4I8V2Lj
以上で投下は終了します。
プロレスはハルゲニアでも流行ってることにしてみました。
というわけでこの作品内では皆さん普通にプロレス用語を使ってもおかしくないということで。

160:鋼の使い魔(前書き) ◆qtfp0iDgnk
08/10/14 22:10:27 9MwjkrRV
ウォーズマンの人、おつかれですー。
んー、でももう少しコンパクトにされるとやはりよろしいのではと愚考。
でもこの後のルイズの対応が非常に気になりますね。
では予告。22:30から。

161:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:14:08 hovxNWLe
ギュス様支援

162:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:19:56 CEzDz2Y3
>プロレスはハルゲニアでも流行ってることにしてみました。

志村ー
ハルケギニアー

163:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:20:09 n+hEO10k
お!待ってました!

お姉さまとのトレンディ・ドラマに期待。

164:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:20:17 LgPGcuRk
ミスロングビルっぽいAA見つけた
               _,,,,__/;;ヽ
             ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;丶;;;ヽ
           /;;;;;;;;::::::;;;;;;;;;;;;;;;;ヽノ
           i;;;;|.      !|;;;;;;;;;;;',
          i;;;;;|-   ー- |;;;;;;|;;;;;|
          |;;;r'7o、 r''て '|;;;;;r^ v
          |;;弋_タ ̄ヽ、ニ|;;;;レ ノ
          |;;;;;',  '_  |;;;;;/、
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      ./: : : :{: : : : : : : : : : : : : : : : !: : : : : : : ',
      ヽ: : : ヽ: : : : : : : : : : : : : : : :i: : : : : : ;ノ

165:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:22:07 fxziop7p
コーホーで死んだ
クマちゃんからの超進化っぷりに周りは絶対ついてけないwww

166:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:31:19 HN8Q2THM
戦争さん乙

・・・なんか所々あぼーんしているレスが

167:鋼の使い魔(前書き) ◆qtfp0iDgnk
08/10/14 22:32:33 9MwjkrRV
では投下していきます。

 昼下がりのトリステイン魔法学院。
 ルイズは一人、風通しを良くした自室で机に齧りついていた。
「ん~……う~……ん~……」
 つらつらと便箋に書き連ねては、クシャリと丸めて捨てる。
 床にはそんな具合に丸められた便箋があちこちに転がっていた。机には、開かれた詩集と『始祖の祈祷書』、そしてペンに綺麗な便箋が置かれている。
 
 ルイズはギュスターヴ達が王都に出かけている間、部屋に残って祝詞を考えていたのだった。
 座学では優良な成績を誇るルイズだったが、なにぶん、詩というのは感性の世界である。魔法という世の真理に触れられない、という潜在化のコンプレックスは、
自然ルイズにそれらへの食指の発達を阻害する一面があり、なかなか名文、美文が思いつきもしなかった。
 しかも今回は王家の婚儀で使う詩である。色々と制約がつく。使ってはいけない語句、使わなければいけない語句、韻の踏み方、最低字数、最大字数、…と、
課題は山ほどある。
 流石のルイズも参り始め、耳から煙が湧き上がりそうだった。
 …そして不意に、ルイズの中で何かが切れる。
「あー、もう!部屋に篭っててもいい語句なんて思いつかないわ!…そうよ、外に出ましょう。外に出て新鮮な風と緑に触れればきっといい文句が浮かぶわ!」
 確かモノの本にある有名な文豪は、日がな領地の緑に戯れて文章を作るというではないか!
 …と、いささか逃避気味に結論を出したルイズ。祈祷書と便箋、そして携帯用のペン及びインク壷を持って部屋を出る。
 学生寮の外、学院敷地内の広場の一つに出た。王家の婚儀が近い事もあってか、学院の授業は近頃半分ほどに減らされ、代わりに生徒や教師の一部は、
こういった時に家門が王国より架せられる仕事を持つ者もいるために、王宮に借り出されている。
 しかしそれほど身に忙しい用事のない生徒達は、降って湧いたのどかな時間を思い思いに過していた。平時のタバサのように図書館に篭る者もいる。
 広場に目を移せば、そこにも学院の生徒はいる。車座になっておしゃべりに耽る者。木陰で使い魔とともに午睡に興じる者。
 広場の一角では、男子生徒二人が杖を抜いて対峙していた。決闘…ではない。
 二人の間には線が引かれ、その間を鳥の羽で作った玩具が行きつ戻りつしている。向かい合う両者が浮遊【レビテイション】で羽を拾い合い、
お互いが線の向こう側に落そうと競争する。最近学生の間で逸り始めた遊びらしい…。
 天気も良く、のどかな風が吹いて心地よい。肺一杯に空気を吸って気持ちを入れ替えたルイズだったが、残念ながらその場で名文の類は思いつかなかった。
 そこで学院にいくつかある広場を練り歩いてみる。その内の一つ、目立たない壁際の木陰でケティとモンモランシーがなにやら
絡み合って寝転んでいたような気がするが、多分気のせいだろうと思う。
 
 そんな具合で、最終的に足が向いた先は、このところよく通い始めたコルベール師の研究塔前だった。
 
 
 
 『下準備の日々』
 
 
 


168:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:33:09 HN8Q2THM
支援

169:鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk
08/10/14 22:34:17 9MwjkrRV
「習慣って怖いわねー…」
 とはいえ、仮にもコルベールは教師だ。何かしら助力を得られるかもしれない。そう思って塔の中を覗いたが、中は無人。
その代わり、塔の脇に建てられた大きな天幕から、定期的に火の粉が吹き上がっていた。
 近寄ってみると、天幕の中に作られた溶鉱炉のそばで、コルベール師がえっちらおっちらと箱ふいごの取っ手を押し引きしている。
押すとそれに合せて、溶鉱炉の天井から火の粉が吹き出ていく。
「ふっ、ふっ、…おや、ミス・ヴァリエール。今日は、一体、何の、用ですかな?」
 小刻みに息を切りながらコルベールはふいごを動かしている。
 用と言う用があってきたわけではないルイズは、少し困った。
「いえ、ちょっと近くまできたものですから…」
 といって、天幕の影に置かれたテーブルセットの一角に座る。
 座ってルイズは暫く、コルベール師の動きに合せて動く溶鉱炉を眺めていた。ふいごの運動に合せて火を噴く溶鉱炉は、ふと、昔見た解剖学書に書かれていた
心臓の挿絵を想起させる。脈に合せて熱せられた空気を送る、鉄の心臓…。
「…ミスタ・コルベールは詩を作られたりはしますか?」
 問われたコルベール。少し手を止めて答えた。
「詩ですか?…生憎と文学の素養は、持ちえませんでしてな…」
 暗に自分が粗忽者であると言っているようで、コルベールは苦笑した。ルイズはそこまで表情を読めず、言葉の表面だけを受け取る。
「そうですか…」
 ルイズが落胆しているようで、何か声をかけようとしたコルベールだが、溶鉱炉が冷め始めていると見て急いでふいごを動かし始める。
「そういえば、貴女は、王室の婚儀の、巫女役に、選ばれたのでしたな」
 教師の中でもオスマンと繋がりの深いコルベールはそれを知らされていたのである。
「はい。家名の恥にならぬよう、大役を果たして見せます」
「そうですか、ふっ、私は助力、できませんが、オールド・オスマンに、やはり、聞かれると、よいでしょうな」
 結局オスマンの手を借りた方が良いらしいと、今日の散策で結論付けられてしまったルイズであった。
 
 そのまましばらく、コルベールの溶鉱炉を観察していたルイズ。ふと疑問が浮かんだ。
「ミスタ・コルベール。そもそもこの溶鉱炉って何のために作られたんですか?」
 最もな話で、ルイズは溶鉱炉の落成を見たが、何のために作られたのかはさっぱり知らなかった。ただ、ギュスターヴが協力しているらしい、とだけは察知している。
「ん…そうですな。しばしお待ちを…」
 ふいごを止め、そばの麻袋からスコップで石炭を掬って溶鉱炉の中へ投下し、コルベールはやっと体を止めた。
「ふぅ、やはり人力では限界がありますな。塔に風車をつけてそこから動力を得ますか…」
 後退した額には玉の汗が浮かび、コルベールは懐のハンケチーフでそれを拭った。
「…さて。この溶鉱炉はですね、まず材料を用意する為のものなのですよ」
「材料?」
「ええ。この溶鉱炉で作った鋼材を使って、私はやりたい事があるのです」
 ルイズには俄に理解しがたい志向だった。例えるなら、普通パンを焼く時に小麦粉を求めるが、この場合まず小麦を畑で作るところから始める、ということである。
「残念ながらトリステイン産の鋼材では用件を満たさないのです。ですから自分で作ることにしたのですよ」
「はぁ。…じゃあ、その鋼材でやりたいことってなんですか?…その、姉様は外道な研究と言っていましたが…」
「ははは、確かに、エレオノール君のような生粋の魔法研究者から見れば、私の研究は外道もいいところでしょうな。
…私はね、魔法に寄らない技術の開発をしているのですよ」
「魔法の力によらない…?」
 時にこの教師は貴族らしからぬ、メイジらしからぬ事をいう。柔軟である。ルイズの知性が刺激されうることも多岐に渡る。
 コルベールは続ける。「例えばメイジは浮遊【レビテイション】や飛翔【フライ】で空を飛ぶ事が出来ます。といっても、精々地上40メイルほどですが…。
しかし平民の、魔法の使えない人々にとっては、どうやっても空を飛ぶ事が出来ない」
「あたりまえじゃないですか」
「そこです。その『当たり前』というのは、魔法を使うことが前提だからですよ。技術の全てを魔法に傾注する事を私は良しとしません。
世の理の全てが魔法であるというのは、遺憾ながら貴族の持つ幻想であると私は思ってますぞ」
「はぁ」コルベールの思想を受け止めきれないルイズだった。

170:鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk
08/10/14 22:36:12 9MwjkrRV
 コルベールの思考、実に柔軟である。縛られぬ小貴族だからこそ、貴族の特権たる魔法にこだわらないのか。はたまた、うやむやに伏せられる半生に、何を見たのか…。
 ともかくも、コルベールの思想はトリステインの、いや、ハルケギニア全域のメイジと貴族にとって危険極まりないものであろう。ルイズがそれを聞いても判然としないのは、やはり魔法の使えない『ゼロ』だからなのかもしれない。
「今の私の目標は『魔法を使わずに人を空に飛ばすこと』です。…といっても、現状の計画では一部に魔法を使わざるを得ないのですが、ゆくゆくは全て、非メイジの労働力で作成が可能なものを作り上げるつもりですぞ」
「本当にそのようなことが可能なんですか?」
「ははッ、ミス・ヴァリエールは鳥や蝶も魔法で飛んでいるとお思いですか?」
 はっとするルイズ。以前、ギュスターヴにも似たようなこと言われたことがある…。
「まッ、夢物語の様でもありますし、普通のメイジからすれば異端の研究と謗られても仕方がありません」
 とはいえ、コルベールの目には背徳に慄く素振りなど欠片もない。彼は夢見ているのだ。いつかメイジと非メイジが互いの技術を競い合い、社会がより円満に回転する未来を見たいと願うのである。
 ルイズは思わず、そんなコルベールの一旦を垣間見たのだった。
 
 
 さて、学院の散策を終えて部屋に帰ってきたルイズ。結局、詩の新しい一行が思い浮かぶことはなかった。
 部屋の前に立つと、人の気配がする。そっとドアを開ける。
 中では、いつもの場所にギュスターヴが座っている。以前は床にべた座りだったが、何処からか調達した丸椅子に腰掛け、まんじりとせず瞠目していた。しかし、ルイズが部屋に帰ってきたと見ると、目を開いて、朗らかに笑った。
「お帰り、ルイズ」
 思わずルイズの頬も緩んだ。
「ただいまギュスターヴ。…お店の方はどうだったの」
「順調な滑り出しだったよ。…ちょっといざこざもあったが」
「?」
 どこか話しにくそうにするギュスターヴである。
「まぁ俺のことはいい。ルイズは祝詞ってやつができたのか?」
「まだぜーんぜんよ…。どうしたものかしら」
「まだ時間はあるんだろう?ゆっくり考えればいいだろう」
「そうね。…ところで、ギュスターヴは…」
「生憎詩の才能はないぞ。そのあたりは全部友人に任せてたから」
「あらそう…」
 ルイズの落胆は深い。
 若い頃はケルヴィンに手紙の代筆を頼んだ事もあるギュスターヴだった…。
 
 
 


171:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:37:21 hVw9Nchr
支援

172:鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk
08/10/14 22:38:05 9MwjkrRV
 夕刻の王都トリステインの王宮。通廊という通廊には魔法で設えられた尽きないランプが灯されていく。
 通い詰める官僚たちは連日部屋に篭り、三国不可侵条約のすり合わせや、婚儀の準備などで大忙しである。
 王女アンリエッタもまた、婚儀の為のドレス合せや何やらで引っ張り回されていた。
 
 「ふぅ…」
 やっと一日のお努めが終り、王宮の内部―王族一家の私空間である―に引っ込んだアンリエッタ。その目は自然と、指に嵌めた『風のルビー』に向かう。
「お疲れのようね、アン」
「お母様…」
 振り向けばトリステイン女王、母マリアンヌが自分を見つめていた。政務らしい政務の殆どを自分を含めた他者に押し付け、一人自分は
私室で夫を思う寡婦として暮す母…。
「この婚儀でトリステインが救われるのだと思って頂戴」
 どこか哀れむように娘を見るマリアンヌ。まるで他人事のように聞こえたアンリエッタの脳裏がささくれる。自然、口を出る言葉は針を含む。
「トリステインの何を守れると言うのですか。ゲルマニアから兵を借りたとしても、戦端が開けば結局、トリステインの民草の血は流れざるを得ません」
「ゲルマニアと繋がればアルビオンの愚か者とて安易に手は出せませんよ。それを察してアルビオン側から和平の打診があったじゃないですか」
「王家を蹂躙した連中の言葉など信用できるものですか」
 座るアンリエッタの肩に手を置くマリアンヌ。ふっくらとした、穢れの無い手である。
「貴女がウェールズ殿下と親しくしていたのは判っていたわ」
「…!」
 きゅっ、と手のひらを片手で握り締める。
「あの人が生きていれば王子を産んで貴女に幸せを与えることも出来たのでしょうけど、今となっては過去の事。忘れなさい」
 …なんと無責任な。握り締める手に力が篭る。
「……全て貴女のせいだわ、お母様。貴女が王子を産まないから、貴女がもっとこの国を盛り立てないから、私は今……」
 その先が言葉にならない。ならなくて俯き、殺すように泣いた。
「私は貴女が願うように、強く生きられるでしょうか…?」
 か細く、つぶやくアンリエッタの言葉を、『風のルビー』は静かに聴いていた…。
 
 
 
 夜も更けて月が天頂を昇りきる頃。神聖アルビオン共和国、ロサイスは一部を除いて夜の帳の中であった。
 ロサイスはアルビオンの中でも古くから造船、特に軍艦の建造で名を残す都市である。
 内乱終息後、ロサイスは消耗した空軍が注文した建造や改修、修理で活気づいていた。職人にとってお上の戦争よりも仕事が第一である。
 
 そのようなロサイスのドックの中でも最も大きなものの一つに、『レキシントン』が停泊していた。
 ニューカッスル攻防戦において船体が受けた損傷は、既に8割ほど修復を終え、現在は皇帝クロムウェル傘下の技術者集団考案による『新兵器』実装の為の
艤装に取り掛かっていた。
 今朝方もクロムウェルがわざわざ視察に訪れ、『レキシントン』艦長、現在は艤装主任に就いているヘンリー・ボーウッドによる艦隊整備の進行状況の説明を受けていた。
「余の考案せし『火竜弾』はどれだけ載せられるかね、ボーウッド君。」
 ボーウッドが答える。「現在の生産状況と弾薬庫の改装計画から、従来砲弾10に対して1から3の割合で積み込める計算になっています」
 クロムウェルは眉をひそめる。くどいほどに顔を憂いで染めてボーウッドに語る。
「それは少ないぞボーウッド君。余と余の議会が企画した『親善訪問』では従来砲弾10に5は必要なのだよ」
「…恐れながら閣下。我がアルビオン艦隊の腕を以ってすれば、新兵器に頼らなくとも従来砲弾で事は達成できます」
 ボーウッドはかねてより聞かされていた『親善訪問』の内容を思い出して顔をわずかに曇らせた。
「ならぬぞボーウッド君。計画通り、従来比5は搭載するように。…なに、場所が足らぬなら砲を下ろせばよい」
「……は」
 所詮ボーウッドは軍人である。上が首を振るままに働くのみだった。
 

173:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:38:35 hVw9Nchr
支援

174:鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk
08/10/14 22:40:26 9MwjkrRV
 さて、そのような一幕もあったロサイスには、駐留するアルビオン軍向けに建てられた兵舎がある。その中の一室から、男の呻き叫ぶ声が漏れ聞こえる…。
「うぅ…あぁ!ぐあぁぁぁっ!!」
 男は明かりのない部屋でテーブルに置かれた瓶やグラスを腕で払い飛ばす。床に落ちて音を立てて砕け散るガラスの音が続く。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
 椅子にもたれかかって男はうなだれていた。夏には少し早いはずなのに、上半身にはシャツの一枚も羽織っておらず、さらに身体は汗で濡れていた。
 男は左腕をぎこちなく掲げては、それを掻き抱いたり、振り回したりしている…。
「随分荒れてるねぇ色男」
 男…ワルドが振り向くと、部屋の扉が空けられてローブを纏う女が壁に寄りかかっていた。
 フーケである。アルビオンの内乱が終わったと聞くと、ラ・ロシェールからアルビオンに渡り、レコン・キスタ内の符丁を使いつつこのロサイスまでやって来ていたのだった。
「失せろ盗賊。お前にもう用はない…」
 濡れたグレーの髪が顔に張り付いているワルド。その髪の根元は…白くなっていた。
「私だって用はないよ。ただ、挨拶代わりに顔を出しに着ただけさ。…それにしても、どうだい?片輪の仲間入りを果たした気分は」
 フーケの口角が悪意を満ちてつり上がっている。その目はワルドの新たな左腕を見ていた。
 彼女の両脚もまた、ワルドの左手と同じく作られたもの……義足である。その芯材に魔法の杖と同じ技法が施されており、素手でも魔法を使うことが出来る代物である。
 ただし、フーケは自らそれを欲したわけではなかった。監獄から脱出した時、既にその両足は血が滞り腐り始めていた。
ワルドはトリステイン内に潜伏する親レコンキスタ勢力に要請し、義足を与えたのだった。
 その手術の折、ワルドはスクウェアメイジという技量を買われて、自らフーケの脚を切り落としたのだ。
「無くした腕が恋しいかい?眠る夜にふと、既にありもしない指先が痺れたりするだろう?」
 例え腐り落ちると知っていても自分の身体の一部を棄て去るのは精神を病む。フーケは新たな両脚が生み出す『無手による魔法』と
メイジとして破格の『脚力』を手にしたが、反面、無くした脚の代わりである義足に尋常ならざる依存心を芽生えさせていた。
「…常に油鍋で煮込まれているかのようだ」
「ほぅ。そりゃあいい」
 ケタケタとフーケが哂う。
 その時、ワルドがバネ人形のように椅子から飛び上がり、フーケを銀の左腕で壁に叩き付けた。
「がうっ?!」
 金属特有の冷たい質感の指先がフーケの首にめり込んでいる。
「お前のような薄汚れた盗賊と一緒にするな。お前の足はお前自身の責任で失ったものだろう。俺は違う。あのような、魔法も使えぬ使い魔如きにっ!
あの野蛮極まる剣にっ!…判るか?俺の気持ちが、俺の屈辱が、俺のこの煮えたぎる怒りがお前ごとき盗賊に判って堪るか!!」
「がっ…あ゛ぁっ…」
 指先がフーケのしなやかな首を締め上げ続ける。フーケの口先から舌が零れ、潰される気管から笛のように空気が漏れている。
 憤りのままにフーケを締め上げるワルドの左腕。その付け根の触手が不意に動いた。
「がぁぁぁぁぁ!!」
 たちまちワルドは叫び声を上げて悶え狂う。意識の落ちる直前でフーケは解放された。
「かぁ!はぁ!はぁっ…はぁっ……ちっ、精々その立派な左腕で生きながらえるといいさ。裏切り者のグリフィン隊隊長さんよ」
 捨て台詞を吐き捨て、フーケは逃げるように部屋を出て行った。
(チッ…何か金目の物があればせびってやろうと思ったんだけど、失敗だったね。…こんな形(ナリ)じゃ、あの娘に会いに行くのも、な…)
 
 また、月明かりだけの暗い部屋で、ワルドは窓から見える月に向かって、その銀の左腕を掲げていた。
「ふふふ…はっはっはっ…クロムウェルから貰い受けたこの左腕で…俺は…世界を手に入れるのだ…はっはっはっはっは…!!」
 その両目は双月を映し込み、炯炯と暗い炎を灯している…。
 いみじくも、ワルドもフーケと同じく、身体の欠損によって心を壊し始めていた…。

175:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:43:14 MtIL0sX6
支援

176:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:44:08 E+hShXU3
支援

177:鋼の使い魔(後書き) ◆qtfp0iDgnk
08/10/14 22:44:47 9MwjkrRV
投下終了。今回は前回出なかった人たちがほぼ同時刻にどうなっていたか、ってところですかね…。
ぁー、最近読んでる「紺碧の艦隊」の影響が各所に見られます。反省…。

ぇー、つきましては、付録といたしまして『鋼の使い魔』用王都の簡略ながら地図を作成しました。
極めて粗雑ですが大まかにわかってもらえたら嬉しいかなぁとおもいます。若干重たいですが、ペイントで書いたものなのであしからず…。
URLリンク(roofcity.hp.infoseek.co.jp)
ファンタジー世界を描写する時に地形を念頭に置くと少し違った見方が出来ていいですね。王都というならやはり川が近くにあると考えました。
他にも地図めいたものはぽつぽつ作成していたり…。でも、プロットも未だ未完…。

178:THE GUN OF ZERO 10 インセクト・ケージ(0/2)
08/10/14 22:50:22 n+hEO10k
鋼の人乙ですー。

って言うかすげぇ!地図とか!
そこまで考えてるのか!脱帽ッス……



たぁいむだぁいばぁあ~おぉお~れぇはぁ~

そして一日に三度投下するのも私だ……!
先に誰かいらっしゃらなければ22:55頃より……

今回は幕間的な短めのお話です。
順調にテンプレをこなしている久保ですが、このままでは戦力が圧倒的すぎて

5万?7万?テトラクテュス・グラマトンしてやんよ

                     / /  丿 :
                   //ミ /_,. -;=''" _,
                   // '-'"`" -‐ニ‐"___=__--_ __ _ __ ___ _____
    /ノ         |\ :/レ    ____-__-__-__=_--_-__=__=_=_=____=__--
  / \   \_\_ / .,/′ ミ   : =  _-
 /    \ (  ゚∀゚)  ; i:::″  ;ミ  二 __=__--_ __ _ __ ____-__-__-__=
(   (    ⊂ ◎⊃ )..!::^:     三____-__-__-__=_--_-__=__=_=_=____=__--
 ∨⌒\ /   |   | ⌒!::^:   ミ) ≡ _ __ _ __ _
     ∨    し ⌒J   i:: :: :  ミ    _-__-__-__=_--_-__=_=_=___
                 ヽ  ヾ ) ) ヽ_ __ _ __ ___ _____-__-__-__=_--_-__
                  ヾ\\:  \,. -;=''" _,.-;-
                   \ |\  :: |i''-'"`" -
                    丶 :: ,. -;=''"

するのが目に見えているので敵にも梃子入れしておきます。まぁ、前フリみたいなモンですね。

179:THE GUN OF ZERO 10 インセクト・ケージ(1/2)
08/10/14 22:54:54 n+hEO10k
探索一日目。
 宇宙をディス・アストラナガンで飛びながら、クォヴレーは先程から気になっていることがあった。
 周りにあるのが若く、小さな星ばかりなのだ。
 しかも、どれもこれも軽元素ばかりからなる種族Ⅱの星。
 ハルケギニアを含む大地を持つ惑星の親星たる恒星は、もちろんのこと種族Ⅰだったが、それ以外に重金属を含有した恒星が見つからない。
 そして、尚奇異なことに、それらの恒星には、一つとして惑星を持つものがなかった。

探索二日目。
 その日の探索で、クォヴレーはあり得ないものにたどり着く。
 世界の果て。
 漆黒の宇宙の先。本来なら、常に膨張を続けていて観測不能であるはずのそこは、微動だにせぬダークマターの壁だった。
 しかも何故、これがこんなにも近くに存在しているのか?
 あの星を出てから、ほんの1光年しか移動していないのに。

探索五日目。
 クォヴレーは青い顔をしていた。
 ディス・アストラナガンの目前には、やはりダークマターで構成された壁。
 光を反射しないその壁は、ハルケギニアから仰げる太陽を中心として、東西南北四方八方360度、ありとあらゆる方向に張られていた。
「まるで……箱庭だな」
 その大きさ。僅か、半径1光年。
 銀河一つすら内包出来ない箱庭だ。
 そして、その箱庭で生きる者が居るのはあの惑星ただ一つ。
「箱庭で生かされるモルモットたちか……」
 何故に見る星見る星、種族Ⅱの星ばかりなのか。そして何故一つとして惑星を連れているものがないのか。それが判った気がした。
 この恒星達は全て書き割りだ。
 ハルケギニアの大地から見て、夜空が星で溢れているように見せかけるためだけに用意された舞台なのだ。種族Ⅱの星ばかりなのは、おそらくただ単に箱庭制作者の手間を省くため。
 そしてハルケギニアの科学力でいえば、書き割りの星にわざわざ惑星を付けておく必要はない。誰もそんなことに気づきはしないのだから。
 この箱庭の主は一体誰なのか?そして何のためにこの箱庭を作ったのか?
 情報が足りなさすぎる。

 再度転移して帰還する中、クォヴレーは思いがけないものを視界に捕らえた。
「あれは……!?」
 箱庭に浮かぶ即席の星々に惑星はなかったはずだが、その恒星はただ一つ惑星を従えていた。

180:THE GUN OF ZERO 10 インセクト・ケージ(2/2)
08/10/14 22:56:21 n+hEO10k
 ただ、それをクォヴレーは惑星と呼んだことは無かったが。
「自動攻撃衛星、ネビーイーム……」
 ゼ・バルマリィ帝国バルマー本星防衛の切り札にして、侵攻作戦の駒の一つ。白き魔星。
 要塞側のプロテクトにアクセス。―解放、進入。
 コクピット後部のトランクからベレッタ90-Twoを取り出し、ネビーイーム内部機動兵器発着用のハッチに降り立つ。
 ひとまず手近な端末にとりつき、情報を引き出す。
 ……これは侵攻作戦用のネビーイームであるらしい。バルマー本星の情報ではなく、銀河を航行するデータがインプットされていた。それも地球への。
 続けてネビーイーム内生命反応を探査。
 ―自分以外に反応無し。
「生命反応ゼロ?」
 思わず驚きの声も上げてしまう。
 そんなはずはない。
 防衛用のネビーイームでも、自分たちバルシェムのような人造生命は兵士として配備されているし、これが侵攻作戦用のネビーイームであるというのなら、なおさら侵攻を統括する役目のハイブリット・ヒューマンが一人はいるはずだ。
 とりあえずネビーイーム内部の全防衛機構を外そうとして……外せなかった。
 既に外されていたのだ。
 尚のこと不信感を大きくしつつ、ディス・アストラナガンに戻りネビーイーム内部の探査を始める。
 ……兵器貯蔵施設、サンプルデータ収集用プラント『キブツ』、コールド・スリープ施設、中央制御室。全てもぬけの殻だった。
 メギロート一体、見つからない。プラントでは機器の一つに至るまでもなくなっているし、何より、全ての制御系たるジュデッカも消えている。
「どうなっている……」
 このネビーイームの戦力。ハルケギニアどころかあの惑星そのものを征服するのにも困らない質・量の筈だ。
 交戦の跡が全く見られないということは、この世界に存在する誰かが、根こそぎその戦力を保有しているという事になる。
 しかし、クォヴレーの確認する限り、バルマーの兵器をあの惑星周辺で未だ見かけたことはない。
 単なる世界征服が目的ではないということか?
「いや、そもそも……」
 慌てて首を振る。
 何故ネビーイームがここにあるのかという根本的な疑問が解決出来ていない。
(この書き割りの世界に、コイツを持ち込んで何をするつもりか?)
 現状では、箱庭の主が持ち込んだのかどうかさえ判らない。
 そして、あるべき戦力がどこへ行ったのかも、掴めない。
 ネビーイーム内には、何も残っていないとはいえ、未だに兵器製造プラントは生きていた。
 今後利用させないため、自爆シークエンスを作動させ、クォヴレーは白き魔星を飛び立ち、
(ネビーイームを利用する者……その影を追うにも、鍵を握るのはやはりあの星か)
 一路、ハルケギニアへと戻った。


ホントに短いですが、他の話に混ぜ込むのも難しかったので、こうさせて頂きました。

181:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 22:58:26 rCBl9KtL
毒の爪、熊の爪ときたら次は鷹の爪か?

182:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 23:11:51 ruGvtNwE
鋼の人乙

似た者親子だなw

183:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 23:19:17 9MwjkrRV
久保の人投下お疲れです。
その昔夜華に投稿されていた「幼年期の終り」というSSを思い出します。(世界は書割だった、的なくだりが)


184:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 23:24:50 tD8LS0zX
久保の人乙です。
なんか背後にどこぞのロリコンにやられたヘッポコ邪神の影が見えるなw

185:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 23:31:48 87kUUJ2N
久保様乙です!

186:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/14 23:33:53 tvU3YBw0
鋼の人乙

母親が王子を産んでればってセリフはまぁその通りだわな。
それが望めない今アンアンが隣国に身売りするのが国家にとっても民衆にとっても最良だ。
アンアンは王の器じゃないし。






187:夜明けの使い魔 ◆Chaos55.a2
08/10/14 23:35:09 zRyJkiRy
よろしければ40分から拙作を投下させていただきます。

188:夜明けの使い魔 1/5 ◆Chaos55.a2
08/10/14 23:40:09 zRyJkiRy
 業火が唸りを上げ、その身を広げる。
 龍の炎すら児戯と見まがうほどのその灼熱が、大地を覆い軍を囲んでいく。
 ―不味い。
 怜悧なジョゼフの頭脳が警鐘を告げていた。
 この怪炎は炎そのもの、すなわち無慈悲なその一撃はアムルタートとガリアの兵のみならず、その陣まで焼き払う。
 近づかれればそれをふりほどくには打ち倒す他無い。
 これを打ち倒し得るのはアムルタートの一部と、そして姪であるシャルロットを含めたメイジ、それも手練れのみ。
 軍に率いられる有象無象では致命の一撃も遠いだろう。
 更に、ジョゼフには見える。虚無である故か、それともグリシーナと共にいた時が長かったことが原因か、この炎は決して一体ではない、と。
 姿定まらぬ炎故に一体と見えるが、ジョゼフの目には二体は存在すると見える。一体でさえあの脅威、それが倍となれば―。
 そして、意識を向けるべきはそればかりではない。同時に存在する同数の大地の化身。
 見るに大地の堅牢さをその身に宿したと思しき、怪炎と同種の怪物。その実力は未知数だ。
 恐らくは数日の奇妙な体験があるからこそ兵士達も動揺は薄かろう。けれども、太刀打ちできるかどうか。
 ―だが、それを気にとめたところで何にもなるまい。
 剣を構える者がいる。杖を構えるものがいる。あるいは盾を構え、あるいは槍を手に取り炎に岩に挑みかかる。
 ジョゼフの叱責を恐れてか、それとも本能的にこれが敵だと悟ったか、いや、ジョゼフにとっては兵が果敢に挑むのであればどちらでも良い。
 不意に、氷の槍が飛んだ。炎を貫かんとタバサの放った氷の矢。
 目を細める。最適解を探し即座に動くその姿。敵を貫く氷の槍。どちらも弟を思い出させる。
 ここにシャルルがいれば。恐らくジョゼフはシャルルに指揮を任せ逃げたグリシーナを叩くべく追撃しただろう。
 グリシーナ。あの女怪。あれの存在を、これ以上許すわけにはいかない。あれの陰謀をこれ以上のさばらせるわけにはいかない。
 シャルル、お前がいれば。
 けれど、それは自ら潰えさせた可能性だ。
 グリシーナの掌で踊らされたわけでもなく、他の何者かの意志によって決定したものでもなく。
 ただ、己の決断によって成し遂げたことだ。
 ならば、ジョゼフが今それを悩むことはない。いや、思い悩んでいてはいけない。
 それは己の道、己の意志。それに慚愧を覚えるなど、そんなことはありえてはいけないのだ。
 タバサの氷に貫かれた炎はわずかに動きを鈍らせたが、それまでだ。やはり一撃で消し去るのはやや難しい。
 だが、難しいだけだ。確実に動きは鈍った。タバサの一撃でも、だ。―あるいはタバサだからこそだろうか。
 視界の中、龍が飛んだ。青い鱗を持つ龍たちだ。翼の一打ちごとに氷の粒が舞う。氷を宿した龍か、ジョゼフは龍たちを見上げ、頷く。
 恐らくタバサとあの龍たちが攻撃を加えれば、炎は僅かずつ消えていくだろう。そうすればグリシーナを追うことも容易となる。
 氷の龍が顎門を開く。口腔にきらきらと輝くそれは恐らく極低温の大気だろう。
 豪と音を立てて、吹雪が吹き荒れた。
「寒覇白冷轟。いかに炎のアルコーンといえども防ぐことは出来ん!」
 青い龍の一体の、その背に立つハイゼンガーが声を張り上げた。
 高らかと歌い上げるようなその言葉は、周囲の怒号を貫いてジョゼフの耳に届く。
 言葉通り、この吹雪ならあるいは一撃で炎を霧散させることとて―否。
 不意に、大地の巨怪が腕を伸ばした。あるいは人として見たときに腕と映るような岩塊を。
 吹雪は炎に届かず、ことごとくそれに食い止められる。炎への攻撃を割り込み己で受けたのだ。馬鹿な。
 いかな岩とは言え、氷龍の一撃を受け削られている、がそれは炎のアルコーンに比べれば恐らく微々たるものだ。
 厄介な、とジョゼフは歯がみした。
 同時に炎の触腕が四方に走った。ガリアもアムルタートも一切の区別なく、その炎が襲う。
 薙ぎ払われ、焼き尽くされ、兵士達が倒れていく。その盾と仲間の挺身をもって生き残る兵もあるが―あまりにも無力だ。

189:夜明けの使い魔 2/5 ◆Chaos55.a2
08/10/14 23:40:53 zRyJkiRy
 時間をかけるわけにはいかん、とジョゼフは眉を寄せた。
 視線を周囲に飛ばし、冥龍皇と名乗る龍の支配者、あのタバサより幼い少女にしか見えぬ姿を探す。
 果たして、その姿はすぐに見つかった。石と変わりつつあるリムシュとか言った龍をかばい、炎をしっかと睨みつけている。
 その目に宿る、殺気。
 炎も岩怪も近づくことすらままならず、手を出しかねているようにさえ見える。
「冥龍皇!」
 周囲に響く怒号や轟音にかき消されること無いように、ジョゼフは声を荒げた。
 揺らめく何かをその身に宿して見える冥龍皇が、その言葉に合わせて視線を向ける。
 鋭い。あるいは死そのものを表すか。
 その眼光に射貫かれて一瞬、ジョゼフは死を感じた。
 けれど冥龍皇イルルヤンカシュは即座にそれがジョゼフであると悟ってか、眼光を緩める。
「なんじゃ!」
「手を分けろ、冥龍皇! グリシーナの向かった先を探らせよ!」
 戦場で、この怪物たちを相手にするのに配下を別のことに振り分けろ、と言う。
 その言葉に、冥龍皇イルルヤンカシュはジョゼフを測るように目を細める。
「その言葉、なにゆえじゃ! なにかもくろみでもあると言うのか?」
 イルルヤンカシュのもとへと足を進めて、ジョゼフはああと頷く。
「その通り。情報源は言えぬが―奴の目的はアポルオンを支配下に置くために死人を造ることだ」
「……なに?」
 姉上を、と冥龍皇が呟いたのを、ジョゼフは聞かなかったことにした。
「今頃我らが来ないと踏んで悠々と殺戮を繰り広げているだろうな。だが、そうはいかぬ。そうだろう?」
 ああ、とイルルヤンカシュが頷く。
「そうと知ってはこのような雑兵相手にしておる気にもならん! 者ども、総攻撃じゃ!」
 総攻撃という単語をイルルヤンカシュが叫んだ瞬間に、アムルタートの軍は高らかに雄叫びを上げた。
 さすがはアムルタートの女王というべきか、その言葉はある種の魔法に似ている。
 己が号令を下したところで―と、自嘲しながらも、ジョゼフはイルルヤンカシュに声をかける。
「今の内に奴を追わねばならん。居所を誰かに探らさねば」
 うむ、とイルルヤンカシュが答える。
 ジョゼフは自軍の者を裂くわけにはいかぬと考える。
 メイジでもなければ奴を探るような手は無かろうが、この現状でメイジを動かすわけにはいかないのだ。
 対してイルルヤンカシュ率いるアムルタートならば、飛ぶことの出来るものは数多くある。
 重要な戦力を削るということには、ならないだろう。
 不意に蜥蜴のような顔の龍がイルルヤンカシュに向けて一歩詰めた。
「イルルヤンカシュ様。僭越ながらその任、この震龍将ラハブめに」
「ほう、ラハブか。しかしおぬしは……」
 イルルヤンカシュがそのラハブを見つめ、僅か思案するように口を閉ざす。
「我が震龍軍は炎龍軍ほどの火力も氷龍軍ほどの技巧もありませんので。戦線から離脱しても問題はありません。それに―」
 悩むイルルヤンカシュに決断を早めるためかラハブが言う。
 そして、わずかに笑い―少なくとも、それに類する表情を浮かべてラハブが言う。
「わたくしは頭が回りますので」
 目を閉ざし、悩むこと一秒、二秒。ぱちりと目を開き、イルルヤンカシュは頷く。
「良かろう、ラハブ。おぬしと配下の震龍軍へと命ずる! 一刻も早くグリシーナを探し出し、可能ならば打ち砕くのじゃ!」


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