あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part175at ANICHARA
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part175 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 22:44:46 gtt424eV
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会

最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち

爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり

途中飛ばすけど、

 対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)

3:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 22:45:16 gtt424eV
ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
 ※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
  最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大

1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり

4 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/08/17(日) 02:13:03 ID:9AxAAVZE
やる夫が小説家になるようです
URLリンク(urasoku.blog106.fc2.com)

完結:やる夫が小説家になるようです
URLリンク(urasoku.blog106.fc2.com)

やる夫が「売れっ子」ラノベ作家を目指すそうです
URLリンク(urasoku.blog106.fc2.com)

やる夫が同人小説家になるようです
URLリンク(urasoku.blog106.fc2.com)

4:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 22:47:01 gtt424eV
【書き手の方々ヘ】
・作品投下時はコテトリ推奨。トリップは「名前#任意の文字列」で付きます。
・レスは60行、1行につき全角128文字まで。
・一度に書き込めるのは4096Byts、全角だと2048文字分。
・先頭行が改行だけで22行を超えると、投下した文章がエラー無しに削除されます。空白だけでも入れて下さい。
・専用ブラウザなら文字数、行数表示機能付きです。推奨。
・専用ブラウザはこちらのリンクからどうぞ
・ギコナビ(フリーソフト)
  URLリンク(gikonavi.sourceforge.jp)
・Jane Style(フリーソフト)
  URLリンク(janestyle.s11.xrea.com)
・投下時以外のコテトリでの発言は自己責任で、当局は一切の関与を致しません 。
・投下の際には予約を確認してダブルブッキングなどの問題が無いかどうかを前もって確認する事。
・作品の投下は前の投下作品の感想レスが一通り終わった後にしてください。
 前の作品投下終了から30分以上が目安です。

【読み手の方々ヘ】
・リアルタイム投下に遭遇したら、支援レスで援護しよう。
・投下直後以外の感想は応援スレ、もしくはまとめwikiのweb拍手へどうぞ。
・気に入らない作品・職人はスルーしよう。そのためのNG機能です。
・度を過ぎた展開予測・要望レスは控えましょう。
・過度の本編叩きはご法度なの。口で言って分からない人は悪魔らしいやり方で分かってもらうの。

【注意】
・運営に関する案が出た場合皆積極的に議論に参加しましょう。雑談で流すのはもってのほか。
 議論が起こった際には必ず誘導があり、意見がまとまったらその旨の告知があるので、
 皆さま是非ご参加ください。
・書き込みの際、とくにコテハンを付けての発言の際には、この場が衆目の前に在ることを自覚しましょう。
・youtubeやニコ動に代表される動画投稿サイトに嫌悪感を持つ方は多数いらっしゃいます。
 著作権を侵害する動画もあり、スレが荒れる元になるのでリンクは止めましょう。
・盗作は卑劣な犯罪行為であり。物書きとして当然超えてはならぬ一線です。一切を固く禁じます。
 いかなるソースからであっても、文章を無断でそのままコピーすることは盗作に当たります。
・盗作者は言わずもがな、盗作を助長・許容する類の発言もまた、断固としてこれを禁じます。
・盗作ではないかと証拠もなく無責任に疑う発言は、盗作と同じく罪深い行為です。
 追及する際は必ず該当部分を併記して、誰もが納得する発言を心掛けてください。

5:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 22:48:31 gtt424eV
ハルケギニアの暦
→1年は12の月と4の週(1週間8日)で構成される384日
 新年の始まり(日本の元旦)から10日間は始祖ブリミルの降臨祭という休暇となる(戦争も休戦とする習わし)

 0.虚無の曜日 (1巻p.165) 休暇である虚無の曜日の夜に「破壊の杖」盗難
 1.ユルの曜日 (1巻p.141) フリッグの舞踏会は「破壊の杖」盗難の翌日
 2.
 3.
 4.ラーグの曜日(8巻p.221)
 5.
 6.
 7.ダエグの曜日(9巻p.169) 翌日は虚無の曜日
 順番不明 マンの曜日(6巻p.150)
      イングの曜日(7巻p.125)

 1.ヤラの月  (7巻p.164)
 2.ハガルの月 (8巻p.221)
 3.
 4.フェオの月 (5巻p.130)
 5.
 6.
 7.
 8.
 9.
 10.
 11.
 12.ウィンの月 (6巻p.150)
 順番不明  5? ウルの月   (5巻p.145, 12巻p.146)
       6? ニューイの月 (3巻p.203) アンリエッタの結婚式
      11? ケンの月   (6巻p.20) 夏休みが終わって二ヶ月

第一週 フレイヤの週
第二週 ヘイムダルの週 (5巻p.131)
第三週 エオローの週 (8巻p.20)

6:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 22:49:08 gtt424eV
貨幣
→金貨 エキュー
 銀貨 スゥ  100スゥ = 1エキュー
 銅貨 ドニエ 10ドニエ = 1スゥ
 新金貨    金貨の四分の三の価値 3/4エキュー(1新金貨で75スゥ)

 デルフリンガー    新金貨100枚 = 75エキュー
 官能小説       55スゥ
 トリステインの生活費 1人1年120エキュー
 シュヴァリエの年金  年500エキュー

ハルケギニアの衛星(月)
→大(青)小(赤)二つある。大きい方は地球の月の見た目で二倍ほどの大きさ。
 小さい月の軌道は大きい月より内側にある。よって、小さい月の公転周期は大きい月よりも短い。
 二つの月が重なる夜を「スヴェル」の月夜と呼ぶ(2巻p.119)。

サモン・サーヴァントの呪文
→原作(何度か失敗)
 我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン!
 我の運命に従いし、"使い魔"を召喚せよ!
→アニメ版(一発で成功)
 宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ
 神聖で美しく強力な使い魔よ
 私は心より求め訴えるわ
 我が導きに答えなさい!

コントラクト・サーヴァントの呪文
→我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
 五つの力を司るペンタゴン
 この者に祝福を与え、我の使い魔となせ

コントラクト・サーヴァントの洗脳効果
→現状(11巻&タバサの冒険2)では情報は足りず、荒れるばかりで話題にするだけ無駄っぽい。
 スレ住人のスルー力に期待。

長さの単位

1サントは約1センチ(1巻p.39 / 2巻口絵人物紹介)
1メイル=約1m
1リーグ=約1km

7:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 22:49:44 gtt424eV
一日目
昼   :召喚される
夜   :使い魔とハルケギニアに関して話して、洗濯するよう下着を押しつけられる

 二日目
早朝  :シエスタに洗濯場を教えてもらう(アニメ版)
朝   :ルイズを起こして着替えをしてるところにキュルケがからかいに来る
朝食  :アルヴィーズの食堂で貧しい朝食
授業  :ルイズがシュヴルーズの授業で錬金失敗、後かたづけ、渾名をからかってメシ抜き
昼食  :シエスタから賄いを貰う代わりに配膳手伝い、ギーシュが恥を掻き口論に(小説版ではここでシエスタ初登場)
決闘  :ワルキューレにボコられる、諦めないでいるとギーシュが剣を寄越してガンダールヴ発動、ワルキューレ七体をなで切りにして勝利
 ※同時刻、コルベールがオスマンの執務室にルーンのことで報告に来てロングビルが追い出され、王宮に報告するしないの口論の後、ロングビルが戻ってきて決闘事件を報告、決闘を静観してルーンはガンダールヴのものと断定
 ※ここから三日間負傷が元でルイズの部屋で寝たきり

 四日目
朝   :目覚める、シエスタに事情説明を受け、ルイズに礼を言うとベッドから追い出される

 使い魔生活一週間
うち三日間はパンツのゴムの件でルイズからメシ抜き(正式な食事は厨房で貰っている)

 十一日目(“使い魔としての生活”が四日目からはじまったとして)
朝食  :厨房で食事しているとフレイムが姿を見せる
授業  :夢の件でルイズに折檻される、フレイムの視線を感じる
 ※同時刻、ロングビルがコルベールから宝物庫についての情報を聞き出している
夜   :キュルケの誘惑があるがルイズに邪魔され断念、キュルケの男から襲われるかもと思って武器を欲しがるついでにルーンの力について相談、ルイズは武器には快諾してルーンについては推測と忠告をする

 十二日目 虚無の休日
昼前  :キュルケが目を覚まして出かけるルイズ達を発見、タバサに追跡を頼む
三時間後:トリスティンの武器屋でデルフリンガーを買い求める、ルイズ達がでたあとキュルケがシュペー卿の剣を買い叩く
夜   :フーケが宝物庫の下見、ルイズ達が決闘に来て壁にヒビを入れる、フーケがゴーレムを使って「破壊の杖」を盗む

8:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 22:50:28 SL1Pz0K3
重複しています。


あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part175
スレリンク(anichara板)

9:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 22:50:34 gtt424eV
 十三日目
朝   :フーケ対策会議が開かれてその場にいたルイズ達が証言をする、ロングビルがフーケの情報をもって来る、ルイズ達だけが捜索隊に志願
昼   :情報のあった小屋に到着、破壊の杖を取り戻す、ゴーレムに襲われ破壊の杖を使って倒す、ロングビルが正体を現すが捕まる、帰ってオスマンに褒められる
夜   :フリッグの舞踏会

23日目
夜:サイトがルイズに夜這いをかける。ワルドがフーケを脱獄させる

24日目
朝:(授業):ギトーの授業
昼:アンリエッタが学院に来る
夜:アンリエッタがルイズの部屋にお忍び。ルイズがアンリエッタの手紙を取ってくることになる

25日目
朝:ルイズ、サイト、ギーシュ、ワルドがラ・ロシェールに向け出発。キュルケがタバサに頼んでルイズ等を追跡開始
昼:フーケがラ・ロシェール金の酒樽停にて傭兵を雇う
夜:ルイズ一行、ラ・ロシェールに到着、直前に地上のサイトとギーシュは傭兵に襲われるがキュルケ達に助けられ無事に到着、ルイズ一行にキュルケとタバサが参加

26日目 スヴェルの夜
朝:ワルドの発案で女神の杵停中庭にてサイトとワルドが決闘
夜:ルイズ一行、フーケ・傭兵達・仮面の男(ワルド)に襲われる
  キュルケ・タバサ・ギーシュを囮に残し、ルイズ達は船を買い取ってアルビオンへ出航
  キュルケ達は傭兵を追い散らすが精神力切れ、フーケも同じく、キュルケとフーケが殴り合い

27日目 アルビオン-ラ・ロシェールの最接近日
朝:空賊船に捕まるが、すぐに王党派の船であることが発覚し、ウェールズ皇太子に出会う
夜:手紙を返して貰う。戦前パーティーに参加

※キュルケ達はこの間、シルフィードに乗りアルビオンへ向かっている

28日目
朝:ワルドとルイズの結婚式だが、ルイズが断りワルドは本性を現す。ウェールズが殺されワルドはサイトに敗れる
昼:(正午):貴族派の総攻撃開始。キュルケ達が助けに来て、シルフィードに乗ってアルビオンから離脱、キス(二巻はここまで)
昼:(日中):アンリエッタに報告を済ませて学院に帰還

※攻撃開始からすぐニューカッスル城は落ちた

10:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 22:51:11 gtt424eV
29日目
昼:(授業):コルベールが内燃機関を披露
夜:フーケがロンディニウムの酒場でワルドと合流

30日目
昼:(日中):ワルドとフーケが戦跡を検分、クロムウェルがウェールズを生き返らせる

31日目
 アンリエッタとアブレヒト三世の婚約が公式に発表される。式は一ヶ月後を予定


 それを受けゲルマニア首都ヴィンドボナにてトリスティン-ゲルマニア軍事同盟締結
 その翌日アルビオン新政府樹立公布
 すぐにトリスティン・ゲルマニアに不可侵条約の締結を打診し、両国は協議の結果これを受ける

約32日目
朝:オスマン経由でルイズに『始祖の祈祷書』が渡される
夜:サイト、シエスタにお茶を貰い、一緒に風呂につかりながら四方山話

約38日目
昼:(昼食後):ルイズ、ヒトデ型セーターを編む。サイト、シエスタを押し倒して(但し、ものの弾み)ルイズに追い出される。

約41日目
昼:ギーシュがテント生活をしているサイトを発見して、一緒に飲んだくれる
夜:キュルケの発案で、サイト・ギーシュ・タバサ・シエスタとその使い魔一行で宝探しに出発する。

約51日目
昼:(昼食前):宝探しでガラクタを発見する。昼食を取って次の目的地をタルブの村に決定
昼:(昼食後):タルブの村で零戦を発見
夜:(夕方):学院から伝書フクロウが来る

約52日目
サイト達、学院に帰還。持って帰った零戦の運賃をコルベールに肩代わりして貰う。

約55日目
 コルベールがガソリンの精製に成功し、エンジンが少しだけ動く

約57日目
昼:(日中):ラ・ロシェール上空にて、アルビオン艦隊がトリスティン艦隊を奇襲。アルビオンはトリスティン艦隊に対し宣戦を布告
 迎撃に向かったと思われるタルブ領主アストン伯戦死
 アンリエッタを筆頭に、トリスティンは開戦を決意
 同盟に基づきゲルマニアに援軍を要請。回答は、「先陣の到着は三週間後」

約58日目
朝:学院に宣戦布告の報。サイトと、勝手について来たルイズはゼロ戦でタルブへ。
昼:(日中):サイトが零戦で竜騎士とワルドを蹴散らし、ルイズは虚無の魔法『爆発』を発動させ、アルビオン艦隊を焼き墜落させる

約60日目 ニューイの月一日
 アンリエッタの結婚式予定日

11:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 22:51:45 gtt424eV
 タバサの冒険1・2
全てタバサの春の使い魔召喚の儀式より後(ルイズと同時かは不明)
全てタバサ二年次のスレイプニィルの舞踏会まで
第●日目、はその話の中だけの時間、●日目、となっているのは本編と同期しています
朝でも夜でもない時間は全て昼です

『翼竜人』
第一日目
 昼:指令を受ける、翼竜人と交戦、
 夜:ヨシュアの懇願
第二日目
 昼:暴走ガーゴイル作戦
第五日目
 昼:結婚式

『吸血鬼』
 サイトとギーシュの決闘以後
第一日目
 昼:命令を受ける、村について調査開始
 夜:エルザ襲撃される、屍鬼人を倒す
第二日目
 昼:村人が占い師の老婆を殺す
 夜:吸血鬼を殺す
第三日目
 早朝:村長に置き手紙を残し帰還

『暗殺者』
 サイトとギーシュの決闘以後
第一日目
 昼:影武者開始
 夜:宿場で一泊、地下水襲撃一回目
第二日目
 昼:グルノープル・アトワール伯邸到着
 夜:地下水二回目
第三日目
 昼:イザベラ裸踊り

『魔法人形』
八日目
 昼:スニキニル入手、学校に放り出したオリヴァンいじめられる
九日目
 昼:オリヴァン実力詐称の片棒を担ぐ
十日目
 昼:引き続き詐称
十一日目
 昼:オリヴァンの決闘、元北花壇騎士団団員と交戦
十二日目
 昼:虚無の休日だがキュルケに請われルイズ達を追いかける

12:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 22:52:11 gtt424eV
『ギャンブラー』
十三日目
 夜:フリッグの舞踏会中に伝令、プチ・トロワでイザベラから指令
十四日目
 昼:賭場でいかさまを暴く

『ミノタウロス』
 不明(他の任務の帰り道で、この事件は北花壇騎士団としてのものではない)
第一日目
 昼:依頼を受ける
第二日目
 昼:人さらい一味を退治しラスカルと会話
第三日目
 昼:ラスカルを退治
 
『シルフィードの一日』
 サイトのテントがある、サイトが洗濯をしている

『極楽鳥』
 火竜の繁殖時期
第一日目
 昼:イザベラから依頼を受ける
第二日目
 昼:火竜山脈に到着、リュリュと出会う
第三日目
 昼:囮作戦失敗
第四日目
 昼:ニセ焼肉作戦失敗
 夜:リュリュにハッパをかける
~シルフィードは火竜に化ける特訓、リュリュは代用肉錬金のために絶食中
第七日目
 昼:ニセ焼肉作戦成功

『軍港』
 アルビオン侵攻開始(夏休みから二月)から一週間後、ウィンの月の半ば
 髪の毛を追跡するアルヴィーを持っている
第一日目
 昼:到着、リュシーと接触
第二日目
 昼:調査、リュシーを疑いカマをかける、『グロワール』号爆破
第三日目
 昼:『シャルル・オルレアン』囮作戦決行
 夜:爆破阻止、リュシー自殺

13:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 22:52:39 gtt424eV
1月:ヤラ(降臨祭)
2月:ハガル
3月:ティール
4月:フェオ(入学式/使い魔召喚の義)
5月:ウル(フリッグの舞踏会)
6月:ニューイ(夏休み)
7月:アンスール(夏休み)
8月:ニイド(夏休み)
9月:ラド
10月:ケン
11月:ギューフ
12月:ウィン

第一週:フレイヤ
第二週:ヘイムダル
第三週:エオロー
第四週:ティワズ

曜日
1:虚無(休日)
2:ユル
3:エオー
4:マン
5:ラーグ
6:イング
7:オセル
8:ダエグ

14:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 22:53:13 gtt424eV
2巻P172にてアルビオンとトリスタニアは同じくらいの面積とある。
4巻P134にてオランダとベルギーを合わせたくらいとある。
4巻P134にて、北東のゲルマニア、南東のガリアはトリスタニアの10倍ほどの面積とある。
南の海に面した半島「郡」に「かつてのゲルマニアのような」都市国家「郡」があり、
ロマリアはその一つと記述されている。
ハルケギニアは「大洋に突き出た緩やかに弧を描く巨大な半島」とある。
未開の地、エルフの治めるサハラとは別物のように記述されている。
よって、現行の地図はあまり正確では無いものと考えられる。
(今後設定が変更されるかもしれませんが)

国土面積が約72054平方キロである場合、
正方形の国土だと1辺が268キロ程度、
三角形など、いびつな形である事が当然推測される(地図上からも)ので
45度-90度-45度の三角形の場合、
底辺が532キロ、高さが268キロ程度になる。
中心に首都があると仮定した場合、国境までは最短直線で134キロ。
これは1日32キロ歩けると仮定すると直線街道で3.5日程度。
道のくねりなどを考慮した場合、1.5倍なら5日強、倍なら7日程度。

タバサの冒険 P26 よりリュティスからアルデラ地方まで、馬で二日、徒歩で五日、シルフィードなら二時間。
よって、馬は徒歩の2.5倍。1日の移動時間を8時間とした場合、
シルフィードは徒歩の20倍。1日10時間移動なら徒歩の25倍。

時速4キロ×8時間なら1日の歩行距離は32キロ。
シルフィードは時速80キロ。
時速6キロ×10時間なら1日の歩行距離は60キロ。
シルフィードは時速150キロ。

3巻P203にて、3日後、ニューイの月の1日にゲルマニア首府、
ヴィンドボナにて結婚式がおこなわれる予定なのに、
3巻P211にて、アンリエッタは本縫いが終わったばかりウェディング衣装で、
結婚式のための出発におおわらわの王宮に居る。
王族の移動は馬車で行うのが慣例のようなので、トリスタニア-ヴィンドボナ間は
馬車で3日以内の距離と考えられる。

トリスティン魔法学院はヴィンドボナからアンリエッタが帰る時に寄った点から、
トリスタニア-ヴィンドボナ間にあると思われる。

ラ・ロシェール
学院から港町ラ・ロシェールまでは早馬で2日、代え馬を使い走り続けて
早朝-深夜なので、1日8時間程度の移動を基本として馬で十数時間程度、
馬で2日程度との記述と矛盾しない。
よって歩いて5日程度と考えられる。
4巻P228にて、トリスティンから街道を南下→ラ・ロシェール方面
夜明けまでに追いつかないと間に合わないらしい。


2巻P168 夜中に出発した船にて
「アルビオンにはいつ着く?」
「明日の昼過ぎには、スカボローの港に到着しまさあ」

15:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 22:54:33 gtt424eV
ルイズ     16歳 / 身長153 / B76( -8.0%)-62(C) / W53(-8.8%) / H75( -9.2%) / BW比1.43 / HW比1.42
シエスタ    17歳 / 身長162 / B83( -5.1%)-69(C) / W60(-2.5%) / H85( -2.8%) / BW比1.38 / HW比1.42
タバサ     15歳 / 身長142 / B68(-11.3%)-57(A) / W49(-9.2%) / H67(-12.6%) / BW比1.39 / HW比1.37
キュルケ    18歳 / 身長171 / B94( 1.8%)-72(F) / W63(-3.0%) / H95( 2.9%) / BW比1.49 / HW比1.51
モンモランシー 16歳 / 身長166 / B80(-10.8%)-68(B) / W58(-8.1%) / H79(-11.9%) / BW比1.38 / HW比1.36
アンリエッタ  17歳 / 身長158 / B84( -1.5%)-67(D) / W59(-1.7%) / H85( -0.4%) / BW比1.42 / HW比1.44


ルイズ      16歳 / 身長153 / B76-65(A)  / 体重42.4 / BMI 18.0
シエスタ     17歳 / 身長162 / B83-68(C)  / 体重51.8 / BMI 19.5
タバサ      15歳 / 身長142 / B68-62(AA) / 体重36.2 / BMI 17.9
キュルケ     18歳 / 身長171 / B94-69(G)  / 体重62.1 / BMI 20.5
モンモランシー 16歳 / 身長166 / B80-72(A) / 体重48.8 / BMI 17.6
アンリエッタ   17歳 / 身長158 / B84-65(E) / 体重51.6 / BMI 20.2


計算するとルイズはB~Cカップ。なのに何故胸が小さいと言われるのか?
それは要するに純粋な胸の体積が小さいから。つまり、UBが細いからです。
そこで、胸の体積とカップ数の比較をしてみました。
平均身長時の平均UBからカップ数ごとの体積を算出し、実測体積が近いものを割り出せば、実際にはどの程度のカップ数に相当するかがわかるはずです。
大雑把に胸を半球状としてふたつ合わせて楕円体になると考え、半径の組み合わせを3通り用意して計算していきます。

これらの計算結果は以下の通りです。()内は市販ブラのサイズを示しています。

ルイズ      16歳 / 身長153 / B76-62.5(B65) / 実測体積893  / 体積比A~B相当
シエスタ     17歳 / 身長162 / B83-65.5(D65) / 実測体積1274 / 体積比C~D相当
タバサ      15歳 / 身長142 / B68-58.9(A60) / 実測体積501  / 体積比AA~A相当
キュルケ     18歳 / 身長171 / B94-70.3(G70) / 実測体積1959 / 体積比F~G相当
モンモランシー 16歳 / 身長166 / B80-68.2(B70) / 実測体積903  / 体積比A~B相当
アンリエッタ   17歳 / 身長158 / B84-65.3(E65) / 実測体積1348 / 体積比C~D相当

ハルケギニアにはブラがないし、見た目的にも揉みごたえ的にも体積比で比べた方が正確です。現実でもUBが細いとカップが大きくても小さいですし。
体積の小さい順に並べると、タバサ、ルイズ、モンモン、シエスタ、アンアン、キュルケになります。これは作中描写通り。
体積比だけであえて「○○は×カップ」と呼ぶとすれば、タバサAA、ルイズB、モンモンB、シエスタC、アンアンD、キュルケG。
実測値とくびれ具合(UB―W―Hのライン)も鑑みれば、タバサAA、ルイズA、モンモンB、シエスタD、アンアンE、キュルケHと呼ぶのが妥当なとこだと思います。

ちなみにくびれ具合は寸胴な順に、タバサ、モンモン、ルイズ、シエスタ、アンアン、キュルケでした。

16:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 22:55:54 3iCrhPyr
立てたとたんに荒らしが入ったなぁ

17:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 23:03:20 SL1Pz0K3
重複してたりするのよ。


あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part175
スレリンク(anichara板)

18:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 23:04:33 3iCrhPyr
げげっ!
どうしようか このスレは削除してもらった方が良いかしら?
削除はどこに申請するの?

19:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/02 23:19:57 3iCrhPyr
とりあえず削除依頼しておいた

20:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/03 00:32:16 bCeZ1tgy
残しておけば荒らしのログも残るから、報告用に消さなくてもいいと思うんだけどな
いつも処理前に本スレは流れてしまうし

21:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/03 05:13:09 oF235gCP
残しといて次スレにすればいいでしょ。重複なんて良くあることだし

22:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/03 15:59:48 H4gaAeTb
test

23:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/03 16:52:35 mMNHJYuY
残しておいて、176にすればおk

24:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/04 11:10:28 WJePudfA
そうだな

25:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 17:00:24 Ggr6q+7O
スレリンク(anichara板)
こちらのスレの577です。これよりSS投下します。


26:虚無と金の卵
08/10/05 17:01:11 Ggr6q+7O
プロローグ/???にて


 自閉し、外部との接触を絶った多次元構造の自己の中で、金の卵と呼ばれた鼠はまどろんでいた。

 虚無にあがく良心の存在を夢見ていた。

『“苦痛する価値”がかつて果たした役割は、今も全ての犠牲者に宿っている』

 自己が濫用される悪夢を見ていた。

『自分がどんどん小さくなっていく……俺が消えてしまいそうだ……』

 自己の存在を訴える夢を見ていた。

『俺もいつか必ず死ぬ。
それがいつかはわからない。
それまでに俺は見つけ出さなければいけないんだ。俺自身の有用性を』

 信頼する相棒に裏切られ、忌むべき凶器として操られた悪夢を見ていた。

『何故だ。何故俺を濫用した……ボイルド』

 相棒は、良心を振り切って加速し、虚無の権化と化してしまった。

 その裏切りの苦痛と果てない悪夢の狭間の中、あるとき、呼び声が聞こえた。
 虚無という属性に愛でられ、しかし不屈の輝きを秘めた少女の呼び声が。
 金の卵は、少女の呼び声に応えた。
 己の有用性を見出すために。
 何処かで泣く誰かのか細い手を、そっと握るために。


27:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 17:02:57 AELvMe6d
支援

28:虚無と金の卵
08/10/05 17:03:31 Ggr6q+7O
プロローグ/マルドゥック市 西三十二丁目五番地 ロビンプラント・グランドハウスの一室にて―


「これでメンテ終了、と。
 ウフコック、これで次に目覚めるときは“ターン”しても、十分な外部情報を認識できるはずさ。
 これで、使い手に騙されることも無いだろう。
 ……って、ぐっすり眠っているか」

 ここは、マルドゥック市における、“マルドゥック・スクランブル09”メンバーのオフィス。
 髪を七色に染め分けた奇矯な男は、外見に似合わぬ寂しげな声で愚痴りつつ情報端末を操っていた。

「しかし、随分広くなってしまったな……。一人と一匹じゃ、広すぎるよ」

 戦争による飛躍的な科学技術の進歩。
 それは余りにも凄まじく、既存の法律・倫理では制御しきれない、まさに社会にとって
 檻から放たれた猛獣であった。
 例えば、重力を操り、如何なる場所へでも移動することが可能な技術。
 容姿と声を自在に変化させ、あらゆる人間への変身が可能な技術。
 亜空間に物質を蓄え、あらゆる道具を出現させる技術。
 それらの恩恵を受けた人間と開発した研究者達を、戦争終結後に如何に扱うべきか。
 ―いやむしろ、そもそも存在を許して良いのか。
 喧々諤々の議論が行われた。

 ある集団は、閉鎖を望んだ。
 政府以外からの外界との直接的な接触を一切廃し、社会への影響を最小限に留めた。

 ある集団は、社会という階段を登ることを望んだ。
 科学技術による成果を活用し、都市の重要な役割を担う。
 やがては社会における高度な存在となることを目指した。

 ある集団は、社会という階段を降りることを選んだ。
 科学技術による成果を民衆の前に差し出し、その有用性の判断を民衆に任せることを選んだ。
 そして、無力な人間の楯となることを有用性の証明とした。
 証明できなかった場合、楯となれなかった場合のリスク―廃棄処分というペナルティを背負いつつ。

 有用性の証明―それこそがマルドゥック・スクランブル09である。
 事件における証人保護のための生命保全プログラムと、証人保護の成功と事件解決による利益の獲得。
 その執行者、09メンバーとして10人と2匹の人間と実験動物が、マルドゥック市に巣食う闇と戦ってきた。
 だがそれは果てしない艱難辛苦の旅路でもあった。


29:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 17:03:57 AELvMe6d
支援

30:ゼロと双子の使い魔
08/10/05 17:05:50 v8JUEtyi
続きが完成したので17:30くらいに投下しようと思います

このあと2~3日は仕事のため投下できませんが
支援があればがんばりたいと思います

31:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 17:06:12 Ggr6q+7O
 カトル・カール―異国の言葉で「4分の1」を示す言葉。
 マルドゥック市に巣食うダークタウンの住人。
 拷問、暗殺、誘拐、脅迫の4つを生業とする異形の巡回牧師達が、
 09メンバーに対し敢然と闘いを挑んできた。

 彼らと、そして彼らを操るバックの戦いの果て、有用性の証明の果てに生存したのは、
 2人と一匹。
 科学者のイースター博士。
 あらゆる機器/武器への変身が可能な鼠、“万能道具存在”、ウフコック。
 無睡眠処置を受け、また重力操作の能力を得た元パイロット、“徘徊者”、ボイルド。

 ボイルドは、ウフコックの相棒であった。
 ボイルドの要求に即応してあらゆる道具に変身し、都市を駆け抜けた。
 逃げる容疑者を捕らえ、武装し襲撃してきた敵を撃ち、狼狽し恐怖する被害者を慰撫してきた。
 多くの仲間が斃れる過酷な戦いの中で、ボイルドとウフコックとのその絆を、誰も疑うことはなかった。

 だが、とある事件において09メンバーの存在そのものが危ぶまれた瞬間、
 ボイルドは暴走した。
 09メンバーにとって有用性を損なう20数名の関係者の命を奪い、事件の『制圧』を
 迅速かつ確実に実行した。
 その結果、09メンバーは生存し、ボイルドは姿を消した。

「……ボイルドが勝手に操ったとはいえ、何人もの無辜の人間を撃ってしまったんだからね。
 今は、何も考えず休んでくれ、ウフコック……」

 髪を七色に染めた男、イースター博士は、ガラス管の如き、医療器具に似た大きな機材を撫でた。
 そのガラス管の中には、銀色の巨大な金属が浮かんでいる。
 その奥底で何かが深く眠る繭のように、ただそこに佇んでいる。


32:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 17:06:39 Bn3Drbnz
エルロイ文体ではないのか。 でも、その方がいいかも。支援

33:虚無と金の卵
08/10/05 17:08:03 Ggr6q+7O
第一章 使い魔は金の卵


 味方は一人もいない。

 貴族足り得たいという思い、屈辱を跳ね返したいという願い―どれも成し遂げるに足る力がない事実。
 絶望に囚われ、だがルイズは一人、諦めずに唱える。

「……我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」

 魔法を使えることが『貴族』の条件である。
 だがルイズには、魔法の才が無い。
 押しも押されもせぬ公爵家に生まれ、だが魔法が成功したことは一度として無かった。

 詠唱―誰よりも神聖で、美しく、強力な使い魔がほしい。
 自分を侮る誰も彼も見返してやりたい。
 召喚の儀は失敗した。

 これまでルイズは何度と無く、フライの呪文、ファイアボールの呪文、あるいは水の治癒の呪文等々を
 唱えようとした。
 コモンスペル、四大属性の系統呪文―種類を問わず全て成功することは無く、ただ爆発を引き起こした。

 詠唱―空駆ける風竜がほしい。
 自分を背に乗せて縦横無尽に飛び回りたい。
 召喚の儀は失敗した。

 実家の使用人、領地の平民にすら噂された公爵家の公然の秘密。
 かの公爵家の三女様は魔法が使えない。
 公爵様や公爵夫人様、他のご家族の方々はあんなに魔法がお出来になるのに―と。



34:虚無と金の卵
08/10/05 17:09:17 Ggr6q+7O
 詠唱―火竜山脈のサラマンダーがほしい。
 灼熱の大地を踏みしめたサラマンダーを連れて、火の息をもって悪党を蹴散らしたい。
 召喚の儀は失敗した。

 トリステイン魔法学院に入学した。
 己の魔法への才覚の無さが、日々暴露され証明され続けた。

 詠唱―森の賢者たる梟がほしい。
 深い思索と知恵を授けて貰い、仕える人を導く貴族の中の貴族となりたい。
 召喚の儀は失敗した。

 魔法を習熟し、実力とプライドを獲得する同級生を、ただ眺めていた。
 焦燥がただ駆り立てられる日々を送ってきた。

 詠唱―目も当てられない失敗の繰り返しの果てに。
 ぶしつけな好奇の目を投げていた学生も、続けざまの失敗に飽き飽きとして野次を投げることすら止めた。
 ただ、倦怠と無関心に包まれている。
 教師は溜息混じりに場の沈黙を守る。

「……五つの力を司るペンタゴン
 我の運命に従いし、"使い魔"を召喚せよ!」

 ルイズは思った。
 味方は一人もいない。
 それでも良い。
 でも―宇宙の果てのどこかにいる誰か。
 もし叶うならば、私の前に姿を見せて―!

 これまでとは段違いに大規模な爆発―爆心地には黄金の輝き。
 うっすらとした輝きは、爆発のもやが晴れるにつれて明らかとなっていく。
 黄金色の毛並みの、小さな鼠が横たわっていた。


35:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 17:10:24 Bn3Drbnz
違うか、薄めにしているのか支援

36:虚無と金の卵
08/10/05 17:11:07 Ggr6q+7O
「……けほ、げほっ……っせ、成功したぞ! ゼロのルイズが!」
「小さいな……?」
「普通のネズミじゃないわね……? ……何処の幻獣かしら」
「金色、綺麗ね……ルイズの癖に……」

 驚きと興奮の匂い。
 そして誰よりも大きな、とても大きな歓喜の匂い。
 驚きに紛れた、かすかな揶揄とやっかみの匂い。
 召喚された衝撃に混乱しながらも、嗅ぎ慣れない多くの若い人間の匂いが充満しているのを、
 ウフコックは感じた。

「や……やったの!? ……遂に……やったんだわ!」

 心の底から喜ぶ少女の声が聞こえた。
 無力感からくる自身へのかすかな疑いと、飛び上がらんばかりの喜びを放出している。
 そして、落ち着きのある中年の男性が祝いの言葉を描ける。

「おめでとう、ミス・ヴァリエール。成功したようだね。
 ……ふむ、私も初めて見る幻獣だ。実に興味深い。
 では、儀式を続けたまえ」

「はい、コルベール先生。……初めまして、ネズミさん。
 よろしくね。わたしの使い魔……」

 緊張した面持ちで、壊れ物を扱うような丁寧なしぐさで、ルイズは目の前の鼠を自分の手に促した。
 ウフコックは混乱冷めやらぬ中、促されるままに少女の手に乗った。

(ここは一体……? 使い魔?)

 眼前の少女からは、歓喜と、未来へ向かおうとする希望の匂いを感じる。
 ウフコックは現状に疑問を感じつつも、朦朧としたまま本能的に身を委ねた。
 そしてルイズはウフコックに口づけ―契約の証明を与えた。


37:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 17:12:54 Bn3Drbnz
支援

38:虚無と金の卵
08/10/05 17:13:24 Ggr6q+7O
以上、投下終了です。ありがとうございました。
続きは来週中にでも投下する予定です。

>>32
薄めです。ていうか技術的に乏しいので無理です;
フリーク連中が出てくれば、もう少しエルロイを意識すると思います。


39:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 17:20:06 Bn3Drbnz
乙でした!
あまりエルロイが濃くても見づらいのでこの粘りでよろしいかと
期待してます!

40:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 17:27:06 o/XTz9Ku
ここは実質Part176なPart175なのね

41:ゼロと双子の使い魔
08/10/05 17:30:52 v8JUEtyi
――ルイズは夢を見ていた

見慣れない公園のような場所に自分はいる
目の前の噴水女性が座っていた、ちょうど自分の姉のエレオノールのような金色の長い髪をした女性だ
ただ違うのはもっと年上で母カリンくらいの年齢だということ、そして全身見るに耐えない火傷の跡が目立つということだ

「おいたのことを謝ってもらわないと、とりあえず、そこに跪きなさいな」

いったい自分が何をしたって言うのか、いくら怒らせるようなことをしたって子供に跪いて許しを請わせるなんていい大人のすることじゃない

「ちょっと、そんなk「跪け!!」」

"あっあれ?立てられない?何で?"
"何で私の右足から血が出ているのよ?"
"このままじゃ殺されるわ、非常事態だからしょうがないわこの斧を目の前の女性いやおばさんに投げつけて逃げましょう"

そう思って左手に持っていた斧を振りかぶった時である

ドバンッ

左手ごと吹き飛ばされた
魔法で失敗した時だってこんなに痛くなかったし血も出なかったわ
なんかおばさんが言っているが会話をしている余裕もない
痛い!!本当に痛い!!助けて姉様!!!

「っうぐ、ヒック」
ついにルイズは痛みに耐えかねて泣いてしまった

「――泣くな馬鹿もん」

段々体が冷たくなってくる、鉛のように体が重くなってくる
そして、意識がだんだんと――――――


次の瞬間今ルイズは狭い部屋の中にいた
"すごく揺れるわね、潮の香りもするわ、まさかここは船の中?"

一人の男性が同じ部屋の中にいて今その男性に抱きしめられている
年齢的にはちい姉様位かしら?
いつもだったら知らない男性に抱きつかれでもしたらすごく不快なのだけれでも、この人、このお兄さんだけは許せる
あぁ、なんてあったかいのだろう兄様以外の人にこんなにも優しくされたのは初めてだわ
あら?泣いているの?いい大人なのにね。

そしてルイズは立ち上がるとこう言った

「あなたのような優しい人は始めて、だからね。お礼。」

バダン

逃げるように外に飛び出していってしまった
そのあと全身にルーンを刻んだような女の人が入ってきていきなり顔面を殴られた
ひとまずこれ以上あのお兄さんをからかったり目の前の女の人を怒らせたら私を殺すというのだ

まだ死にたくないから黙っている事にした
そのうちに揺れが止まった、どうやら目的地に到着したみたいだ




42:ゼロと双子の使い魔
08/10/05 17:34:50 v8JUEtyi
見上げると船の甲板にさっきのお兄さんがいる
「お兄さん、また会いましょう。今度はランチを持って」
「ああ、それは素「パン」敵だ―」

あ、足元がふらつく
倒れながら見上げた空、青く澄み渡る空、カモメの声がだんだん遠くに聞こえてきた

「きれいだわ、そら」

やわらかくてあったかい、いったいここは?まさか天国じゃないわよね?
しばらくベットの上でキョロキョロしていると隣のベットにあの二人が抱きしめあうように眠っている
まるで天使のような子供の寝顔だ、さっきまで斧を振り回していた子供には見えない

「やあルイズ君、気がついたみたいだね」
振り返ると禿げたおっさん...もといコルベール先生がそこにいた

「あっあの...」
言葉にならない、うまくしゃべれない

「君はあの後、少しだけ眠っていたんだよ」
「って先生!!腕は」
「学院には優秀な水のメイジがたくさんいるからね、見ての通りこの通りさ」
そういって腕をまくって見せたコルベールの腕にはうっすらと傷跡が残っている位だった

「よかった~~」
「ありがとう、君のおかげで被害を最小限で食い止められたよ」
「・・・私のおかげ?」
「そうだよ、君の使い魔のルーンがあと少し遅かったら君は殺されていた、
君が殺されれば使い魔の契約は誰にも結べない、つまり誰も彼らを止められなかったのだよ」
「はぁ...っルーンが現れたんですか!?」

「ああ、二人とも左手に同じルーンが現れていたよ」

そっと二人のベットを覗いてみると確かに二人とも左手にルーンが刻まれていた
当初コントラクトサーヴァントに失敗したら人間だからとか子供だからとかうまいこと言って再度召還する作戦を変更しなければならないようだ
がっくし肩を落とし、これからの事を考えていると

「ほら、まだ無理してはいけないよ、さ、ベットに戻って」
どうやら安心して力が抜けてしまったとでも思ったのだろう、まぁ確かに体がすごく重いからちょうどいいといえばちょうどいい

ベットに戻るとコルベールは
「あの男の子の斧はまた何かあったら危険だからね、校長に言って預かってもらっているよ、
あと女の子が持っていたのは武器みたいなんだがいまいちよくわからないんだ、一応ディティクトマジックをかけてみたんだが大丈夫そうだったよ」
「そうですか...すいません...」
「まぁ一応安全かどうか位はきちんと調べてから渡すよ、武器がなければ相手はただの子供なんだから心配要らないさ、それにこの子達の持っていたカバンを調べてみたんだが特に武器は見当たらなかったよ」
「はぁ...」

女の子の持っていたのはどうやらコルベールの知的好奇心を刺激したらしい段々興奮しているのがわかった

「それじゃ、君はゆっくり休んでいなさい」
「わかりました」

そういっていそいそと出て行ったコルベールを見送りながらルイズは考えた
「不思議な夢だったなぁ」

しばらくぼうっとしていたら
どうやら二人が起きだしたようだ



43:ゼロと双子の使い魔
08/10/05 17:35:40 v8JUEtyi
「…うん?ここは?」

一瞬ビクッとしたが二人の武器は今はここにはない武器を持たない子供たちなど怖くなどない...こわくなど...
そう自分自身に言い聞かせるように一先ず疑問をぶつけてみた

「起きたようね、ところであなた達どこから来たのよ?名前は?平民にだって名前くらいあるんでしょ?」
さっきの情けない姿を悟られないように精一杯平常心を装って聞いてみたが二人の頭の上には?マークがいっぱい出ていた

「えっとね、ここはトリステイン魔法学院。あなた達は私の使い魔としてここに召喚されたのよ」

使い魔と聞いて二人の雰囲気がガラッと変わった
顔には出ていないが明らかに自分に向けて敵意が向けられているのがわかった

「ねえお姉さん、私達をどうするの?あのひと達みたいに私達にひどいことするの?」

ここにきてルイズはハッ気づいた、なんせ子供、いくら危険な武器を持っていてもだ
いやむしろ武器としてではなく何らかの仕事のために持っていたのかもしれない、いきなり知らない所に連れてこられて驚いて斧を投げてしまったと考えるのが普通だ
そうルイズは考えると二人に悪いことをしてしまったと思った、身なりや話しぶりからすると没落貴族とか何とかできっと今までひどい目にあってしまったんだと思った
さらにそんな子達から家族を引き離してしまったと考えると申し訳ないという気持ちでいっぱいになり、とうとう泣き出してしまったのだ

「うぐっ、ごめん..なさい...」

二人は驚いた、今までの大人達は自分達に謝るということをしない大人たちだったからだ
さらにいきなり泣き出すものだからどうしていいのか分からなくなってしまったのだ

「ほんとに...ごめんなさい...」



44:ゼロと双子の使い魔
08/10/05 17:36:33 v8JUEtyi
「ねえお姉さんどうして泣いているの?」
「だって無理やり家族から引き離されて、その上使い魔になれなんていわれたら嫌じゃないの?」
「私達は慣れているのよ、大人たちはみんなそうだったから...」
「そうだよ、僕達は今までいっぱい殺してきたからね」
「だめよ、もうあなた達は誰も殺さなくてもいいのよ、すぐに家に帰してあげるわ」

二人は顔を近づけて何か話しているようだった
「今度の人は今までとは違うみたいだね姉様。」
「ええ。でも駄目よ兄様。最初は甘いことを言うのが大人なのよ」

その会話をさえぎるようにルイズは聞いた
「あなた達はどこから来たの?うちはどこなの?」

少し考えながら女の子はこう続けた
「あそこにはもう戻りたくないの、ぶつのもぶたれるのも痛いのは嫌いよ」
「でもお父さんとかお母さんに会いたくないの?もう会えなくてもいいの?」
「僕達には家族なんていないよ、家族は姉様ただ一人なんだから」
「ええ。そうね兄様。兄様だけが私の家族よ」

ルイズはこの子達はたった二人きりで今まで生きてきた、周りの大人たちはこの子達にひどいことを今までさせてきたのだという事を聞いて思った
"ああ、この子達は親に売られてしまった子なんだわ、平民の家では子供を売るような親がいるって聞いたことがあるけどこの子達もきっとそうなのね"

そう思うと自然に体が動いた、二人を抱きしめたのだ
「世界はあなた達を愛するためにあるのよ...だから...だからもう...だれも殺さなくてもいいのよ」

ルイズはむかし誰かにこんなことをしてもらったような感じがした
そしてそれはとてもうれしいことだったのだ

「優しいのね」「優しいんだね」

「私が二人のお母さんになってあげるわ」





こうしてルイズと双子の生活が始まった
ただ、二人はルイズのことを信用はしていなかった
ただいつもの大人のほんの少しだけ変わった大人としか考えていなかったのである―――

45:ゼロと双子の使い魔
08/10/05 17:37:38 v8JUEtyi
以上投下終了
続きはまた後日

46:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 17:40:22 m7IGkh/R
いえない…、半年ROMれなんて言えないわ!

47:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 17:41:12 1GrUHK/r
乙です。おお、今度は長い。さてギーシュはどうなるのか……。

48:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 17:42:33 9+3LyQYy
お喋りネズミ乙!
この話のメンヌヴィルやジョゼフは原作以上の異常者になってそうだw

49:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 17:54:09 nJ6GhBDp
>45
投下予告をしてから投下してください
マナー違反ですよ?

50:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 17:55:57 /QmyFMai
>>45
2度と来るな。
もしくはしたらばでやっててください。

51:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 17:56:25 m7IGkh/R
いや、投下予告したよ。
作品の投下中に。

52:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 18:08:43 y9NgcZfp
なかなか面白いと思います。

53:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 18:20:16 1+sOjIL1
>>45
しばらく投下自重すると言った6時間後に投下ですか。
6時間後はしばらくとは言いません。
まず日本語の勉強をやり直してきた方が懸命かと思いますが。

54:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 18:21:20 m7IGkh/R
これ以降は荒れるので毒吐きに行きましょう。


55:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 18:29:17 OsbeONqf
マルドゥックベロシティかあ、ちょっと評判あったけど食わず嫌いだったんだよなあ。
読んで見るかなあ。

56:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 18:38:42 pFddGLZI
>>49
投下予告してあるじゃん
恥ずかしいやつめ

57:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 18:41:57 hkYvaiMo
まぁ投下中に予告するとは普通思わんだろうからそう言うなよ

58:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 18:42:10 izSvlrND
人の投下中に予告ってのも問題だがナ

59:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 19:01:03 yNsUMP5R
他人の投下中に予告ってのはある意味で正しいような気がす

でも話がつまんないからイラッとくるんだよな

60:ゼロと双子の使い魔
08/10/05 19:03:43 v8JUEtyi
スレの空気を読まずにやってしまったため
多くの方にご迷惑をお掛け致しました。
申し訳ありません。

これ以降は一切投下いたしません。

61:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 19:21:49 TZg12G1/
>>60
空気というよりもルールね

62:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 19:43:00 m7IGkh/R
実質言うと。
前スレでもなんでも一通り読めば
どうやって投下すればいいかとか秩序なんて分かるもんだけどな。

63:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 19:52:28 apF9AEnd
>>60
出てけ。二度と来るな。


64:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 19:59:19 3Yf71Q24
キングクリムゾン!
荒れた時間を吹っ飛ばした! これ以降、平和なスレだけが残る!

65:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 19:59:37 d2sbXIFH
>>60
頭のおかしい人達の言葉なんて気にしないでもっと続けて下さい。

66:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:14:33 CvPX0Tf/
ただいまより、某所で拾得した短編を投下いたします。
全部で9本ありますので、どうか最後までお付き合いください。

67:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:15:21 BZ5sfd0W
>>66
拾った?

68:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:15:39 5YQcQDC9
拾得って転載ってこと?
作者の許可があるならいいんだけど……

69:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:15:57 CvPX0Tf/
>>67
はい、生まれたばかりの掲示板です

70:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:17:18 CvPX0Tf/
>>68
もう一年以上昔の作品ですし、作者とも連絡は付きません。
あまりに秀逸な作品ですので、紹介したいと思いました。

71:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:17:45 BZ5sfd0W
>>69
それは盗作と言うのです

72:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:18:28 K6ThEIdU
>>70
いやちょっと待て。
幾らなんでもそれは無い。
連絡と利用がないからといって勝手を矢っていい理由にはならない。
変なトラブルの元だからそう言う馬鹿な真似は止めてくれ。

73:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:19:34 CvPX0Tf/
ではかしこまりました
これはなかったことにさせていただきます

74:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:19:52 4m0hPRvX
まあ、前スレを埋めてしまおうぜ

75:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:20:29 5YQcQDC9
>>69,70
>生まれたばかりの掲示板
>一年以上昔の作品

とりあえず、経緯を詳しく書いてくれないか
いやまあどうでもいいが
確かに興味はそそられるが、君だけで楽しんどいてくれたまえ

76:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:21:40 hZqEn+6S
そもそも生まれたばかりの掲示板で拾った一年以上前の作品って何なんだ。

77:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:21:57 BZ5sfd0W
>>73
まあ、どうしても紹介しないと死んでしまうようだったら
キーワードなりそのHPの名前を書き込めば良い
作品自体をコピペしてはいけません。スレ違いだけど・・・

78:毒の爪の使い魔
08/10/05 20:22:16 idpnafxf
どうも、随分と間が開きましたが、第12話書きあがりました。
予定、その他が無ければ直ぐにでも投下したいのですが、宜しいでしょうか?

79:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:22:50 CvPX0Tf/
>>75
一時期定期的に投下された短編です。
全部で9話で、召喚されたのは井之頭五郎。

80:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:24:07 hZqEn+6S
ID:CvPX0Tf/、わかったからもう止めろ。
ここは紹介するとかそういう場所じゃないんだ。

>>78
支援します

81:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:24:23 TMocp27L
皆!話は後!まずは支援だ!

82:毒の爪の使い魔
08/10/05 20:27:29 idpnafxf
では、投下開始します。今回は外伝1の吸血鬼のお話です。
展開は少々速いかも…。


「ウザッてェんだよォォォーーー!!!」
叫びながらジャンガは爪を振るう。
目の前の巨躯が切り裂かれ、噴水のような鮮血を振りまく。
どう!と音を立てて切り裂かれた巨躯が倒れるが、同じような巨躯が周囲からまだ迫っている。
舌打し、爪を構えなおす。

ここはハルケギニアにある国の一つ、ガリア王国のとある森の中。
ジャンガは度々学院の外へ出て行く事があったが、今回はちょっとした遠出となっていた。
当人曰く、『例の件についての王宮のお偉いさんのしつこいほどの話に対するイライラの発散の為』との事。

「まァ…ちょいと遠くに来すぎたって感じはするがな?」
巨躯をまた一体切り倒し、ジャンガは呟く。
見渡せば大分数は減った。後2~3体と言ったところか?
地面には血の海が広がり、夥しい数の巨躯の死体が倒れている。
その巨躯がハルケギニアで恐れられている亜人の一種族=オーク鬼だと言う事をジャンガは知っていた。
もっとも、知っていなかったとしても”殺る”事は変わらなかっただろうが。
…ストレス発散には十分だった。

83:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:28:27 hZqEn+6S
支援

84:毒の爪の使い魔
08/10/05 20:30:18 idpnafxf
「これで終いだゼェェェーーー!」
叫び、腕を交差させる。二体の分身が背後から浮かび上がり、目の前の獲物に突撃する。
最後の一体を分身が捉え、ズタズタに引き裂くまでに五秒と掛からなかった。
動く物がいなくなったのを確認しながらジャンガはコートの埃を払う。
「ザコが…」
一言呟き、転がる死体には一瞥もしないままジャンガは歩き出した。
「にしても―」
ここはどこだ?ジャンガは森を見回しながら、落ち着きを取り戻した頭で考える。
実を言うと…彼は道に迷っていた。冗談抜きで迷っていた。
ストレス発散の為と学院を飛び出し、草原を疾走。時には町を、時には農地を、
時には今居る所のような森を駆け抜けた。
そうして、考え抜きに走りまくった結果―

「こんな森に来てたんだよな…」
溜息混じりにそう言って、ジャンガはズレた帽子を直す。
そんなこんなで森を訪れた際、先程のオーク鬼の群れと遭遇したのだ。
まぁ、いいストレス発散にはなったのだから、結果オーライだろう。
だが、問題はこれから。どうやったらこの森を抜けられるのだろう?
現在位置が分からないのだから、闇雲に走りまくるのも考え物だ。
ジャンガは懐に手を入れ、ワインのビンを取り出す。学院を出る際に偶然出くわしたシエスタに貰った物だ。
栓を取り、ぐびぐびと呷ると、大きくため息を吐く。
さて、どうしようか…と考えていると、ふと耳に何かの飛行音が聞こえた。
「ん?」
見上げると、上空を一匹の青い鱗の竜が飛んでいる。
その竜にジャンガは見覚えがあった。例の決闘で自分がボコにした小娘の使い魔(確かシルフィードだったか?)のはずだ。
なんでこんな所に?…ふと疑問に思った時、シルフィードが動きを止めたかと思うと、森に降下してくる。
位置から見て、自分の所へ降りてくるわけではないらしい。
気になったジャンガは栓をしたワインのビンを懐にしまい、シルフィードの落下地点へと向かった。



足音を消し、気配を消し、自分の存在を悟られぬように注意しつつ、ジャンガは近づいていく。
「化けて」
竜の主の声が聞こえ、ジャンガは片方の眉をピクリと動かす。
あのガキも来てたのか?こんな所に一体何のようだろうなどと考えながら、ジャンガは木の陰から覗く。
そこにはタバサと使い魔のシルフィードの姿が在った。
他には誰の姿も無い。…なら、今あの小娘は誰に向かって話しかけたんだ?

―疑問の答えは唐突に出された。

85:毒の爪の使い魔
08/10/05 20:33:14 idpnafxf
「後でいっぱいご飯貰うんだから!お肉たくさん!解った!?」
シルフィードの声に頷くタバサ。―対してジャンガは目を見開いていた。
(あの竜…喋れるのか?)
学院でも時々見かけていたが、喋った所は見ていない。
あの小娘が傷ついて気を失った時も、気遣う言葉などは一切言っていない。ただ、傍に寄り添っていただけだ。
なのに、あの小娘が驚いた様子は微塵も無い。つまり、喋れる事は承知らしい。
それなら何故、普段は話さないのだろう?
学院では―いや、他の人の前では喋れない理由でもあるのだろうか?
(まァ…俺には関係無ェがな)
そうして浮かんだ疑問を記憶の片隅に追いやると、ジャンガは一人と一匹の様子の観察に集中する。

シルフィードがお座りの姿勢で何かしら口ずさんでいる。呪文だろうか?
と、風が巻き起こり、シルフィードの身体に纏わり付くや、青い渦となって包み込む。
何をする気だ…?ジャンガが首を傾げるのと渦が消え去ったのはほぼ同時だった。
そこにはシルフィードの巨体は無く、代わりに二十歳ほどの若い女性の姿が在った。―しかも、何故か素っ裸だ。
「う~~、やっぱりこの身体嫌い!きゅいきゅい!」
女性はその美しい姿に似つかわしくない、子どもっぽい叫びを上げると、ドタバタと走り回ったり飛び跳ねたりを始めた。
(ほゥ?こいつは驚きだゼ…)
声から目の前の女性があの竜である事は解っている。
驚いたのはあの竜が喋れる上に、姿を変えるなどの真似ができると言う事実である。
ジョーカーも幻術で巨大化や変身などが出来るが、あの自分に食いついてきた…頭の悪そうな竜が出来るとは驚きだった。

一通り走り回ったシルフィードにタバサは服を手渡した。
シルフィードは始めは嫌がっていたが、やがて諦めたのか渋々と服を身に着けていく。
ごわごわする…などと言っているが、竜が服を着たりはしないのだから当然の事だろう。
と、タバサがマントを脱ぎシルフィードの肩にかける。次いで杖も手渡した。
一体何をするつもりだ、と覗き見ながらジャンガは思った。
「貴方、騎士。私、従者」
タバサはシルフィード、自分と指差しながら淡々と告げる。
怪訝な表情を浮かべるシルフィードだったが、やがてタバサと共に歩き出す。
そんな二人の後をジャンガは追った。

86:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:34:17 hZqEn+6S
支援

87:毒の爪の使い魔
08/10/05 20:36:20 idpnafxf
タバサとシルフィードの二人が辿り着いたのは山間の片田舎の町だった。
こんな所に何のようだろう…、ジャンガが考え込んでいると村人が二人の所へと集まってきた。
遠巻きに見つめる村人達は、ひそひそと心配そうな声で噂し合う。
耳を欹てると「今度の騎士様は大丈夫か?」「この間の騎士様の方が強そうだった」などの声が聞こえる。
騎士とはあの竜が化けた女を指しているのは間違いない。先程のタバサの言葉もそれを肯定している。
目が合った村人にシルフィードが笑いかけると、一様に落胆の表情を浮かべた。
今度の騎士様は二日で葬式だろう…などの声も聞こえてくる。
「あのガキが二日で葬式だァ?」
言葉の意味は理解できた。そして、あの二人がこんな所へ何をしに来たのかも大体理解できた。
が、一つ理解できない事がある。…二日で葬式を挙げなければならない理由だ。
いや、それも理解は出来た…が、あのガキを容易く殺せるような奴がそうそういるとは思えない。
ジャンガはタバサを馬鹿にしてはいるが、実力はそこそこ評価している。
と、ジャンガの耳に気になる会話が聞こえてきた。

「俺達の手で吸血鬼を見つけるんだ」

吸血鬼……その単語は学院の図書館などで此方の本を読むようになってから目にするようになった。
曰く、ハルケギニアで最も残忍で狡猾な妖魔。
日の光に弱く、日中は活動できない事を除けば弱点は皆無。
先住の魔法を用い、血を吸った人間一人を屍人鬼<グール>として操れる。
蝙蝠に化けたり、視線で相手を釘付けにするなどの超能力は持たないが、
その様姿は人間となんら変わりない上、血を吸う為の牙も自由に隠す事ができる。
またメイジのディテクト・マジックを初めとした、あらゆる呪文を用いても正体を暴けない。
恐るべき夜の人狩人<マン・イーター>…、それが吸血鬼―との事。

「キキキ…確かに、こいつは厄介かもなァ~?」
普通に相手と対峙するのなら、大抵の相手にはあのガキが不覚を取る事は無いだろう。
だが、吸血鬼は正体を隠す。しかも、なかなか尻尾を出さないという。
普通の人として近づいてきた吸血鬼に不意打ちで血を吸われ、屍人鬼にされるなり殺されるなりしたらお終いだ。
なるほど…ならば、あの使い魔の竜を騎士などに仕立て上げた理由も解る。
使い魔を自分よりも強い者に、自分を弱い者に見せかける事で相手=吸血鬼の目を欺こうと言うのだろう。
「まァ、どんな理由で吸血鬼退治なんかしてるか知らねェが……お手並み拝見といこうか?暇潰しには良いしな…キキキ」

村の一番高い場所にある村長の家へと通される二人を見つめながら、ジャンガは笑った。

88:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:38:06 iwyxUISH
sienndearu!


89:毒の爪の使い魔
08/10/05 20:39:52 idpnafxf
夜空を彩る二つの月…
それを適当な家の屋根に座り込んで見上げながら、ジャンガはワインを呷っていた。
「や~れやれ…、あれから調査の方はてんで進んでねェじゃねェか?
おまけに夕べは村長の家のガキが襲われる始末……案外情けねェな~?」
村長の家の方を見ながらジャンガは呟く。
―タバサとシルフィードが村に来てから、既にまる一日が経っていた。
タバサは従者と立場を偽りながら被害者の家々を調べたりしたが、手がかりはゼロ。
また、シルフィードを餌に吸血鬼を誘い出そうとしたが、吸血鬼は彼女の裏をかき、
村長の家に引き取られている少女=エルザを襲撃。
エルザは無事ではいたが、この事は吸血鬼の狡猾さを改めて認識させられる一件となった。
今日もタバサは従者として振る舞い、シルフィードに小突かれるなどされていた。
おそらくは、あれも吸血鬼を油断させる為の演技だろう。
さて、今度は釣れるか?…そんな事を考えるジャンガの視界に何かが映った。
「ん?」
何だろうと思い、目を向ける。―それは一人の男だった。年は四十近い、屈強な肉体を持った大男だ。
その男にジャンガは見覚えがあった。
「あいつは確か…アレキサンドル、とか言ったか?」
村はずれのあばら屋に吸血鬼と疑われているマゼンダと言う婆さんと二人きりで暮らしているはずだ。
昨日の昼間、その事で一悶着あったのだが、よくある事だとジャンガは気にも留めていなかったのだが…。
そんな彼がどうして”屋根の上”などにいるのだろうか?
それだけではない…、今の彼の様子は明らかに普通ではなかった。目は血走り、口の隙間からは牙が覗いている。
おおよそ知性という物は感じられない。…となれば考えられるのは屍人鬼<グール>だ。
「…あいつがそうかよ」
と、アレキサンドルは上った家の煙突に近づくと、懐から何か赤い布のような物を取り出し、煙突の中に突っ込んだ。
何をしているのか分からないジャンガは首を傾げる。中に入ろうとしているにしても、彼の体では煙突はあまりにも狭すぎる。
何より…その家は既に被害者が出ている家であり、村中の娘達は既に村長宅に全員避難している。…故に訳が分からない。
すると、事が終わったのか、アレキサンドルは煙突から手を出し、屋根から飛び降りた。
―見た目とは裏腹な身のこなしだ。流石は吸血鬼と言ったところか?
アレキサンドルがいなくなった後、ジャンガは煙突に近づき覗き込む。
月明かりに照らされた煙突の中に先程の布が引っかかっている。
何だろうとジャンガが手を伸ばそうとしたその時…

「きゃあああああ!」「いやああああああ!」

夜闇を引き裂く、悲鳴が聞こえてきた。
ジャンガは悲鳴に顔を上げる。どうやら村長の家から聞こえてきたようだ。
「ほゥ?今回も直接か…」
面白い劇を見に行くかのような気持ちでジャンガは屋根を蹴った。
屋根から屋根へと飛び移り、村長の家の近くの木に飛び移る。
村長の家の二階の窓が割れていた。そこには避難させられてきた村中の娘が居るはずだ。
またかよ…、そう思いながら見ていると、割れた窓から人影が飛び出す。―アレキサンドルだ。
地面に降り立つと獣の速さで駆け出す。
それを同じく窓から飛び出したタバサが空を飛んで追う。
次いで、家の玄関からはシルフィードが飛び出し、二人の後を追う。
ジャンガはそれらを見送りながら追うかどうかを考える。と、村中から騒ぎを聞きつけた人達が集まってきた。
避難していた娘達から事情を聞いた人々は怒りと言うよりは憎悪の表情を浮かべていく。
「やっぱりあの婆さんが吸血鬼だったんだ!」
「何が占い師だ!?騙しやがって!」
口々に怒鳴りながら人々はマゼンダ婆さんの居るあばら屋へと向かう。
タバサよりもそっちの方に興味を惹かれたジャンガも後を追った。

90:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:42:51 K52DNcFl
しえんだぁ!

91:毒の爪の使い魔
08/10/05 20:44:18 idpnafxf
灯された松明を掲げ、人々はあばら屋を完全に包囲した。
口々に怒鳴り散らしながら松明をあばら屋へと押し当てる。
火が燃え移り、あばら屋は瞬く間に炎に包まれていく。
「ざまぁ見ろ、吸血鬼!」
「俺達を散々騙しやがって、燃えちまえ!」
村人達の罵る声が響き渡り、あばら屋を包む炎は彼らの怒りを象徴するかのように勢いを増す。
その様子をジャンガはニヤニヤ笑いながら見守っている。
「キキキ、いいね~こう言うのは?見てて楽しいゼ」
と、そこへタバサがシルフィードと共に現れた。
燃え盛るあばら屋を見た彼女は唇を噛み、杖を振るう。
氷の渦が巻き起こり、それは瞬く間に竜巻となってあばら屋を覆う。
”氷嵐”<アイスストーム>……以前の決闘でジャンガは一度目にした事がある。―もっとも、受けたのは分身だったが。
今回は威力があれよりも劣っている気がするが…おそらく消火が目的だからだろう。
火が消し止められる。だが、既にあばら屋は完全に燃え尽きており、中の老婆がどうなっているかは一目瞭然だ。
人々の間から歓声が上がる。自分達を苦しめていた吸血鬼が燃え尽きたのだから当然だろうが。
だが、タバサは「証拠がない」と村人達と対立する。
と、そこへ薬草師のレオンが仲間を連れてやって来た。そして、タバサの前に何かを放り投げた。
それをタバサは拾い上げる。それは五サント四方ほどの赤い布切れで、タバサはその色に見覚えがあった。
「そいつが犠牲者の家の煙突の中に引っかかってた。マゼンダ婆さんの着物の切れ端だ…。
あの婆さんは煙突から出入りしてたんだ、枯れ枝みたいに細い婆さんなら煙突もすんなり潜れるだろうさ。
息子も屍人鬼<グール>だった…、これだけの証拠があって吸血鬼じゃないなんて、ある訳ないだろうが?」
レオンの言葉に人々は一様に「そうだそうだ」と言った。
そして村人達は安心しきった顔で家へと帰っていく。
使えねぇ騎士様だよ、などとタバサに非難の声を浴びせながら。
唯一、村長だけが彼女に礼を述べ、そして村人達の暴言を謝罪していたが…。
そんな村長の背後からエルザが見つめている。手に握られた杖を睨み、悲しそうに一言叫んだ。
「嘘つき!」

92:毒の爪の使い魔
08/10/05 20:47:22 idpnafxf
それから一時間後…

ジャンガは村長の家の屋根の上で寝転んでいた。
吸血鬼が退治された事で安心した娘達は既にそれぞれの家へと帰っている。
「だが…気になるな」
そう呟くジャンガはさきほどの光景を思い出していた。
レオンがタバサに投げ渡した赤い布切れ…マゼンダ婆さんの寝巻きの一部。
屍人鬼となったアレキサンドルが煙突に入れていたのはあれで間違いないだろう。
だが、そうなると気になる事がある。―何故、わざわざ自分の事を指し示すような物を残させたのだろうか?
アレキサンドルを屍人鬼にして操っていたのがあの婆さんならば、尚の事不自然だ。
「となれば…操った奴が他にいるって事か?」
そう言えば…さきほどエルザとタバサの二人が出かけていった。
「気が緩むのは勝利を得た直後…か」
ジャンガは立ち上がると四方を見渡す。その時、誰かの口笛が聞こえた。
こんな夜中に誰が…、そう思った時、玄関からシルフィードが杖を持って飛び出してきた。
「何だ?」
見ればシルフィードは可也慌てた表情をしている。そして辺りをキョロキョロと見回すと、手近な森の中へと走っていく。
その後をジャンガは静かに追った。



「ねえ、お姉ちゃん…私が人の血を吸うのとお姉ちゃんがムラサキヨモギを摘むの、どこが違う?」
「……」
二つの月が照らし出す森の中。そこは一面にムラサキヨモギが群生する場所だった。
そこに二人の少女の姿があった。
一人は枝に体を絡め取られ服を破かれ肌を晒している。
もう一人はその少女を見つめながら、どこまでも無邪気な笑顔を浮かべている。
「ねえ…答えて。どこが違うの?」
「どこも違わない」
タバサの返答が望む物だった為、吸血鬼エルザは顔を輝かせた。

93:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:48:46 BZ5sfd0W
支援

94:毒の爪の使い魔
08/10/05 20:51:55 idpnafxf
「ああ、お姉ちゃんはやっぱり解ってくれている。そうだよね、そうだよね、どこも違わないよね♪
嬉しい、私やっぱりお姉ちゃんが大好き。だから、血を吸ってあげる。そしてお姉ちゃんは、ずっと私の中で生き続けるの。
それって素敵……お姉ちゃんもそう思うでしょ?」
タバサは答えないかわりに睨んだ。そんなタバサをエルザはいとおしく見つめる。
その首筋へと牙を運び、噛もうとした―その時だった。

「あんまり調子乗ってんじゃねェよ…クソガキ」
「…え?」

耳元で声が聞こえたと思った瞬間―彼女の背中は大きく切り裂かれた。
血が噴出し、一気に体から力が抜ける。抵抗する事もできず、エルザは背中から地面に倒れこんだ。
天を向いたその視界に、月をバックに佇む二メイルはあろう影が目に入る。
その長身は亜人だった…、紫のコートと帽子と全身紫尽くめの猫の顔をした亜人だった。
見ると、その右の袖から伸びた真紅の爪からは赤い血が滴っている。それが自分の血である事をエルザは瞬時に理解した。
「だ、誰…?貴方は…亜人?」
エルザの弱々しい声にジャンガはニヤリと笑う。
「キキキ…それ以外の何だってんだ?」
「な、何で……こ、こんな事を…?」
「こんな事ォ~?」
「わ、私は…人間の血を吸わないと生きていけないの…。だから、今…お姉ちゃんの血を吸おうとしてただけ…。
ただそれだけ……何も、おかしな事はしてない…。なのになんで…どうして…こんな事を?
私…貴方の事を怒らせるような事…した?このお姉ちゃんと何か…関係でもあるの?」
エルザの言葉にジャンガは枝に絡め取られたタバサを見る。
所々肌が露になったタバサを見てジャンガは鼻で笑う。
「キキキ、いいザマだな?あの決闘の場にいた連中にこんなお前の姿を見せてやるのも楽しかったろうな~?」
ジャンガの言葉にタバサは睨みつける。
「あの子はどうしたの?」
「あン?あの竜か…。キキ、あいつだったら、森の外れで寝てるゼ?」
その言葉にタバサは顔面蒼白になる。それを見たジャンガは笑う。
「おいおい、何マジな顔してやがるんだ?別に比喩で言ったんじゃねェよ、本当の意味で寝てるんだよ。
ちょいとばかり邪魔だったんでな…キキキ」
それだけ言うとジャンガはエルザに視線を戻す。
「オイ?”何か関係があるの”と言ったよな…お前?あるゼェ~、こいつは俺の”玩具”<オモチャ>だ。
それにこれから先…こいつのする事にも色々と興味がある。だから、死んでもらっちゃ困るんだよな~?
だから、手を出したお前を殺す……何か間違ってるか?」
ジャンガの問い掛けにエルザは震えながら首を横に振る。

95:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:52:07 lPvSZC0n
支援。

>>79
だから、投下するなと言ってるだろ。<前スレ

96:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:53:25 hZqEn+6S
支援

97:毒の爪の使い魔
08/10/05 20:55:41 idpnafxf
「わ、解った…私、お姉ちゃんの血は吸わない……村からも出て行く…、だからお願い。私を見逃―」
「解ってねェな…お前?」
「え?」
エルザは呆然とジャンガを見る。
「餌横取りされた獣が、謝って餌を返した程度で許すと思ってんのか?」
その言葉にエルザは愕然とした。―目の前の亜人は自分を殺すつもりだ。
恐怖に駆られ、エルザは呪文を唱えようとする。
「ね、眠りを導く風よ……」
「ウゼェよ」
一言呟き、エルザの顔を踏みつけるジャンガ。
苦悶の表情を浮かべ、苦しそうな声を漏らすエルザの目を覗き込みながら笑う。
「よォ…お前は知ってるか?」
何の事か解らないエルザはジャンガを見上げる。
「人間は一体どれだけ刻まれても大丈夫なのかをよ?」
「そ、そんな事…知らない…」
「だよな?そうだよな!?キーッキキキキキキキキッ!」
高らかに笑うジャンガ。一頻り笑うと再びエルザの顔を覗き込む。
「だからよ…少し手伝ってくれよ。どれだけ刻まれても生きていられるのかを、俺に教えてくれよ?
な~に難しい事じゃないゼ。用はテメェが”吸血鬼の活け作り”になるだけだからよ…」
―エルザは言葉の意味を直ぐには理解できなかった。
意味を理解した瞬間、それまで感じた事の無い恐怖が全身を駆け巡った。
「そ、そんな……お願い、止めて!そんなの…そんなの嫌ーーーーー!!!」
エルザの絶叫が森に木霊した。そんな彼女の悲鳴もジャンガはどこ吹く風。
エルザの足を掴み、森の奥へと引きずっていく。

「今更喚くんじゃねェゼ……どの道、テメェは死ぬ運命なんだからよ…」

―その言葉がエルザへの死刑宣告となった。

98:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:55:44 s8tHOn33
さるさんかな?しえん

99:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:57:04 91/QMhDS
初期ガッツ並みにえげつねぇw支援

100:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 20:58:01 IOy0wCI+
何事もなかったかのように支援

101:毒の爪の使い魔
08/10/05 20:58:33 idpnafxf
「キキキ…今回は実に情けない結果に終わったなァ~?」
枝を切り落としてやった事で自由の身になったタバサをジャンガは笑いながら見つめる。
タバサは悔しげに歯を噛み締める。
「あの子は?」
「あン?吸血鬼のガキなら向こうでいい感じの刺身になってるぜ。まァ、まだ息はあるがよ…手も足も無ェからな。
後は獣の餌になるだけさ…キキキ」
楽しい思い出を語るかのような口調で話すジャンガにタバサは冷たい視線を投げかける。
「ああそれと、あの竜はさっきも言ったが向こうで寝てるゼ。行って起こしてやればいいさ。
にしても驚いたぜ…あの竜が喋るだけでなく、人間にも化けれるなんてな」
「見たの?」
「キキキ」
不味い奴に見られた……タバサは珍しく表情を強張らせる。
「言わないで」
「あン?何だって?」
「言わないで、誰にも」
タバサは正直、無駄だと思っていた。
「言ったら不味いか?…なら言わねェ」
「え?」
予想外の答えにタバサは呆気に取られる。ジャンガはニヤリと笑う。
「テメェは見ているだけで面白い玩具だ…、これからも楽しみたいんだよ…?
だから、これからもテメェには普通に過ごしてほしいんだ…解るだろ?だから言わねェ。キキキ」
それだけ言うとジャンガは踵を返して歩き去ろうとする。
その背に向かってタバサは言った。
「私は貴方の玩具じゃない」
ジャンガは振り向かずに口の端を吊り上げ、ゾッとする様な笑みを浮かべる。
「キキキ…、キィーーーッ!キキキキキキキィィィーーーーッ!!!」
さも楽しそうな声を上げて高らかに笑い、ジャンガは今度こそ森の中へと消えていった。

102:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 21:01:53 lPvSZC0n
しえn

103:毒の爪の使い魔
08/10/05 21:02:16 idpnafxf
以上、投下終了です。
この後ジャンガは散々迷った挙句、無事に学院に生還できたとしてください(笑)
あと、五回目の投下の中でアレキサンドルを屍人鬼と指摘してるのに吸血鬼と言っていますが、これは間違いです(汗)
「流石は吸血鬼と言ったところか?」の部分は登録の際、削除してください。

今回これだけ遅れたのは15巻を読んだ為です。
いや、あれのお陰で話のネタがまた浮かんできて、本来タルブで終わるはずの話を更に追加しようと思いまして。
んで、色々と見直していた結果遅れてしまいました。まぁ、この遅延に見合う良い話を書けるようがんばりますね。
では、今回はこれで。アデュー♪

104:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 21:04:34 K52DNcFl
>>103
乙かれー

105:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 21:07:05 TMocp27L
乙&GJ!! 長くなるのは良いことです!

106:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 21:10:18 2aVDKz5i
>>103
乙としかいいようがない・・

107:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 21:17:35 NH3OHI4A
刃向かう奴はフルボッコor死w
それがジャンガクオリティww
相変わらずの容赦ないジャンガ素敵です。
GJ


108:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 21:19:01 apF9AEnd
ジャンガの人乙です~。
この題材でロリカード、バージルの兄貴と見てきて、エルザがどう殺られるか楽しみな自分がいるw

109:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 21:23:10 s8tHOn33
姉妹スレのがかわいいから可哀想・・・とか思っちゃうとこも有るけどw
でも流されないジャンガいいね、このまま突っ走ってほしい、乙でした!!

110:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 21:28:36 bv/p5KTI
>>107
刃向かわなくてもやってるがなw

111:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 21:38:15 okxw+mTx
ジャンガの人乙
あの後村に戻って村人が無実のマゼンダ婆さん殺してた事をバラしてたりしないよね?
しないよね?

112:"IDOLA" have the immortal servant 0/7 ◆GUDE6lLSzI
08/10/05 21:44:13 WHP91BI2
ジャンガの人乙です。これは絶対にされたくない処刑法w

予約がなければ9:50から12話投下したいと思います。

113:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 21:45:11 okxw+mTx
ではしえん

114:"IDOLA" have the immortal servant 1/7 ◆GUDE6lLSzI
08/10/05 21:50:26 WHP91BI2
 魔法学院を出発して以来、ワルドはグリフォンを疾駆させっぱなしであった。フロウウェンとギーシュは途中の駅で馬を二度交換したが、グリフォンは疲れを見せずに走り続ける。
「ちょっとペースが速くない?」
 腕に抱かれるような格好でワルドの前でグリフォンに跨るルイズが言う。口調がくだけたものになっているのは、ワルドがそうしてくれと頼んだ所為だ。ルイズとしてもずっと敬語でいるのは気疲れするので、ありがたい申し出だった。
「ヒース……はともかく、ギーシュがへばってしまっているわ」
 乗馬というのはこれでかなりの運動量だったりする。馬を早く走らせる時はその負担を減らす為に、自らも馬に合わせて体重移動を延々と続ける必要がある為だ。
 フロウウェンは鍛えているからそうでもないようだが、ギーシュの方は肉体労働をあまり得意としていないらしい。
「これでも馬に合わせて遠慮しているんだよ。ルイズ。僕はラ・ローシェルの港町まで止まらずに行きたいんだが……」
「無理よ。普通は馬で二日かかる距離だもの」
「着いて来れないなら置いていけばいい」
「そういうわけにはいかないわ」
「どうして?」
 ルイズは困ったような表情を浮かべて答える。
「だって、仲間じゃない。使い魔を置いていくのも、仲間を見捨てるのも、メイジのすることじゃないわ」
「やけに肩を持つね。彼……ギーシュくんは君の恋人かな?」
「そっ、そんなわけないじゃない!」
 ルイズは首を横に振って抗議する。ひどい誤解だ。
「そうか。なら良かった。婚約者に恋人がいるなんて知ったら、ショックで死んでしまうからね」
 言いながらも、ワルドの顔には余裕の笑みがある。からかっているのかも知れない、とルイズは感じた。
 ワルドは自分の苦労話やルイズとの思い出などを交えながら、立派な貴族になってルイズを迎えに来るつもりだったと語る。
 その話を聞きながらも、どこか現実味が湧かなかった。
 ワルドのことは嫌いではないのだが、なんといえばいいのか。
 こう、記憶に残る憧れのワルドと、今のワルドが上手く重ならないのだ。あの頃のワルドに感じた憧れや頼もしさというのは、どちらかと言えば――
 振り返ってフロウウェンを見やる。深い青を湛えた瞳と視線が合うと、自分の使い魔は小さく首を傾げて見せた。
 そう。フロウウェンに対してそういう感情を感じる。それは異性としての魅力ではなくて、尊敬できる人物という意味でだ。
 では、過去の自分のワルドに対する感情も、恋慕のそれではなく、尊敬や憧れでしかなかったのではなかろうか。
 
 
「もう半日以上走りっぱなしだ。どうなってるんだ……どいつもこいつも化け物だ」
 力なく馬の首にもたれ掛かったギーシュは思わず愚痴をこぼした。隣を走るフロウウェンもグリフォンに乗っているワルドも涼しい顔をしている。
 乗馬というのは乗り手が重心を移動することで、走る馬の負担を減らしてやる必要がある。その為、見た目より遥かに運動量が多いのである。
 ギーシュは貴族である。そしてグラモン家という武門に生まれた者の嗜みとして、乗馬はお手の物ではあるのだが、半日以上も休み無く馬を走らせた経験などさすがに無かった。
「疲れたら手綱に掴まり、最低限に力を抑えたレビテーションを自分にかけるというのはどうだ?」
 フロウウェンが言う。
「……。いいね、それ」
 ギーシュは良いことを聞いた、とばかりに手首に手綱を巻き付け、自分にレビテーションをかける。彼の家族が見ていたら貴族として情け無いとギーシュに説教をするだろうが、馬の負担を効率的に減らすことができるのは確かだ。
 まだまだ移動に時間を費やすだろうから、延々レビテーションを続ければ精神力も尽きてしまうだろうが、これなら走らせながら休憩しているようなものだ。多少の体力は回復させられるだろう。
 
 
 馬を何度も替えて飛ばしに飛ばしたので、その日の夜には港町ラ・ロシェールの近くまでやって来ることができた。
 港町と言ってもラ・ロシェールは山の中にある。アルビオンは空に浮かぶ大陸だからだ。これはフロウウェンがシエスタとの世間話で聞いていた通りだった。ラ・ロシェールを更に進むと、シエスタの郷里であるタルブに到るらしい。
 峡谷に挟まれた街を月明かりで見て取ったところで、それは来た。
 突然崖の上から松明が投げ込まれた。訓練されていない馬が驚いて、前足を高々と上げる。フロウウェンは咄嗟に手綱を握って堪えたが、ギーシュは背から放り出された。
「奇襲だ!」
 松明を投げ込んできたということは、飛び道具で狙いを定めるのがその目的とする所だろう。

115:"IDOLA" have the immortal servant 2/7 ◆GUDE6lLSzI
08/10/05 21:51:19 WHP91BI2
 フロウウェンは体勢を立て直すと同時にデルフリンガーを抜き放っていた。
「よう。相棒。こりゃまた剣呑な場面だねえ」
 デルフリンガーが軽口を叩くが、フロウウェンは答えない。代わりに口元の笑みで答えた。間髪を置かずに、無数の矢の雨が降り注いで来る。
 全てはデルフリンガーでは裁ききれない。逡巡することもなく、引き付けてから炎のテクニック、ラフォイエによる爆風で吹き飛ばそうと、フロウウェンは指輪を付けている左手を前に突き出した。
 しかし、ラフォイエを使うよりも早く小型の竜巻が巻き起こり、向かってくる矢を全て散らす。
「大丈夫か!?」
 杖を掲げたワルドが問うてくる。今の竜巻は彼の作り出した物だろう。
「こちらは問題はない」
 崖の上を眺めるが、第二射が飛んでくる気配は無い。こちらにメイジがいると知って臆したのかも知れない。
「夜盗か山賊の類か?」
 ワルドの呟きに、ルイズが血相を変える。
「アルビオンの貴族の仕業かも……!」
「貴族なら弓は使わんだろう」
「頭数を揃える為に傭兵を使えば話は変わる。油断はせず、メイジもいる、と見て置くべきだと思うが」
 フロウウェンがつとめて冷静な声で言った。
 ともかく、あの距離にいる相手を攻撃できるのはグリフォンに跨るワルドだけだ。ワルドに視線を送ると、彼はそれだけで察したのか、それとも最初からそのつもりでいたのか、頷いて見せた。
 しかし、ワルドがグリフォンを飛び上がらせる事はなかった。羽音と共に悲鳴が聞こえてきたからだ。
 恐慌状態に陥った連中が何事か叫びながら矢を放つも、それは届かない。ワルドが先程そうしたように、全てあらぬ方向に吹き散らされた。次の刹那、竜巻が巻き起こって、崖の上の男達が弾き飛ばされる。
「おや。あれは『風』の呪文じゃないか」
 がらがらと音を立てて男達が崖下に落ちてきた。したたかに身体を打ち付けて呻き声を上げている。
 そうやって見上げていると、月をバックに見慣れたシルエットが姿を現す。
「シルフィード!?」
 それはタバサの風竜であった。崖の上の敵を一掃すると、地面に降りてくる。
 シルフィードの背中から軽やかな身のこなしで飛び降りる影一つ。それは――
「フ……ミ、ミス・ロングビル!?」
 ルイズが頓狂な声を上げた。
「今晩は。ミス・ヴァリエール」
 フーケはすました様子で平然と言った。ルイズはフーケを指差して、ぱくぱくと、口を魚の様に開閉させるが言葉は続かない。
 続いて赤い髪の少女がひょいと、地面に飛び降りる。キュルケである。
「いや、連れて行けって言われた時はわたしもびっくりしたけどね」
「キュ、キュルケもなの? どうしてここに!?」
「どうしてって、助けに来たんじゃない。朝方、窓から見かけたから急いでタバサを叩き起こして後をつけたってわけ。その時にミス・ロングビルに見つかってね。一緒に行くってことで、こうなったわけよ」
 風竜の背に跨るタバサはパジャマ姿だった。本当に叩き起こしたと言うのがぴったりな姿だ。それでもいつも通り、本のページをめくっている辺りはさすがと言えよう。
「これでは何時ぞやの顔ぶれだな」
 フロウウェンが呆れたように言う。これ以上を望めないほど頼もしい援軍であったが、タバサとキュルケはともかく、フーケまで来るとは。
 フーケはフロウウェンと視線が合うと、ふいっと不機嫌そうな表情を浮かべて目をそらしてしまう。
「ツェルプストー。あのねえ。これはお忍びなの」
「お忍び? それならそうと言えばいいじゃない。とにかく感謝なさいよね。あなた達を襲った連中を捕まえたんだから」
「そ、そうだった。お前たち! 何故僕らを襲ったんだ!?」
 ギーシュは、口々に罵りの言葉をこちらに投げ掛けている男達に詰め寄った。
「別にわたしはあなたを助けに来たんじゃないのよ。ねえ?」
 キュルケはしなを作ってワルドににじり寄る。
 そういうことか、とルイズは頭を抱えた。
「おひげが素敵よ。あなた、情熱はご存知?」
 しかしワルドはにべもなくキュルケを一瞥した後、左手で押しやった。
「あら?」
「婚約者が誤解するといけないのでね。それ以上近付かないでくれたまえ」
「なあに? ルイズの婚約者だったの?」
 言いながら、キュルケはワルドをよくよく見詰めて、気付いた。随分と冷たい目をした男だと。
 同時に、ルイズに同情した。婚約者に微笑みかけながらも、その瞳は冷たいままなのである。
 つまらない男だ、とキュルケは鼻を鳴らし、それっきりワルドへの興味を失った。

116:"IDOLA" have the immortal servant 3/7 ◆GUDE6lLSzI
08/10/05 21:52:28 WHP91BI2
「子爵、あいつらはただの物取りだと言っています」
 ギーシュが戻ってくる。
「ふむ……なら捨て置こう」
 ワルドが言うと、グリフォンに跨って出発の準備を始めていた。
「物取り……か」
 フロウウェンは目を細めて呟いた。
 貴族派に雇われて襲ってきたなら、正直にそうだと答えるわけも無い。
 アンリエッタの言っていた、ゲルマニアとの同盟を阻む手紙。
 その情報が、何らかのルートから貴族派に漏れているようなことがあれば、彼らはトリステインからの使者に最大限の警戒を払うだろう。
 とは言え、この場で男達の口を割らせるには、それこそ拷問にでもかけなければ無理な話だ。そんな手管は自分の主義には合わないし、そこまでやって得られる情報が多いとも思えない。
 考え過ぎか、とフロウウェンは男達へ冷やかな視線を送って頭を振った。
 ワルドの言う通りだ。アルビオンの貴族派が差し向けたのであれば、もっと強力な布陣を敷くだろう。
「今日はラ・ロシェールに一泊して、朝一番の便でアルビオンに渡ろう」
「ア、アルビオン?」
 ワルドの言葉にフーケの表情が凍りつく。
「心配はいりません。ミス・ロングビル。いざとなったらこのギーシュ・ド・グラモンが貴族派の手からお守りしましょう」
 ギーシュは自分の胸に手を当てて、自信満々に言う。
「あ、ありがとう。ミスタ・グラモン。わ、わたくしそんな危険な所に行くなんて知らなかったものですから。ほほ、ほほほ。おほほほほほ」
 まともにうろたえたのは失態だったが、その申し出をこれ幸いと、フーケはギーシュの言葉に合わせて笑うのだった。
 
 
 ラ・ロシェールで一番上等な宿、『女神の杵』亭に泊まることにした一行は、一階の酒場でめいめい羽を伸ばしていた。
 そこにワルドとルイズが帰ってくる。
 ワルドは困ったような表情、ルイズは怒ったような表情を浮かべての帰還である。どうも乗船の交渉は捗々しくなかったようだ。
「アルビオンに向かう船は明後日にならないと出ないそうだ」
「急ぎの任務なのに……」
 ギーシュの表情が少しだけ緩む。明日は休んでいられるということだ。
「あたしはアルビオンに行ったことが無いからわかんないけど、どうして明日は船が出ないの?」
「明日が『スヴェル』の夜だからでしょう」
 フーケが素っ気の無い口調で答えた。『スヴェル』の夜とは二つの月が重なる夜のことだ。
「うん。『スヴェル』の夜の翌日の朝が、アルビオンが最もラ・ロシェールに近付く時なんだ。さて。今日はもう寝て身体を休めようじゃないか。部屋を取った」
 ワルドは鍵束を机の上に置く。
「キュルケとタバサは相部屋だ。そして、ギーシュとヒースクリフが相部屋。ロングビルは一人部屋。それから僕とルイズは同室だ」
 全員の視線がワルドとルイズに集まる。意に介したふうもなく、ワルドが言った。
「婚約者だからな。当然だろう?」
「そんな! ダメよ! まだわたしたち結婚してるわけじゃないじゃない!」
 一瞬呆気に取られたような表情を浮かべたルイズだったが、真っ赤な顔になって抗議する。
「大事な話があるんだ。二人きりで話がしたい」
「は、話だけよ! それが終わったらロングビルの部屋に行くから! いいい、行くから! ぜぜぜぜ絶対だから!」
 フーケと同室というのも歓迎したくない状態なのだが、男と同衾というのは尚更遠慮したいルイズであった。
 一人の方が気軽で良いとフーケは思っていたが、慌てるルイズを見ては苦笑いを浮かべるしかない。
「仕方ないな。僕の小さなルイズは。無理強いして嫌われたくは無いしね」
 余裕の笑みでワルドはルイズを見やった。

117:"IDOLA" have the immortal servant 4/7 ◆GUDE6lLSzI
08/10/05 21:53:28 WHP91BI2
 
 
 フーケが部屋に腰を落ち着けてワイングラスを傾けていた頃、扉がノックされた。
 ルイズが戻ってきたのかと思って扉を開くと、そこに立っていたのはフロウウェンだ。
「こんな夜中に忍んでくるとはどういう風の吹き回しだい?」
「そんな艶のある話だったらオレとしても嬉しかったのだがな。ま、そんな歳でもないさ」
 苦笑いを浮かべて冗談を言うフロウウェン。
「少し話をしたい事がある」
「ま、いいけどね」
 大方、どうして自分が着いてきたのか訊ねたいというところだろう。フーケはフロウウェンを部屋の中へ通した。
「あんたもやるかい?」
 グラスを用意しながらフーケは問うた。
「そうだな。一杯だけ貰おうか」
 テーブルを挟んでフーケの向かいに腰を落ち着ける。
「お前が来るとは思わなかった」
 それは当然の疑問だった。何と受け答えしたものか、とフーケは頭を捻る。
 実際の所、自分が何故来てしまったのか、明確な理由を説明できないのだ。学院を出て行く一行の姿が気になった事は確かだが、心配するような間柄ではないはずだ。
 だが、偶々追おうとしているキュルケとタバサを見かけると、同行を申し出ていた。それからオスマンに休暇を願い出た。
郷里に顔を見せるといって、ウエストウッド村に帰郷することはこれまでに度々会ったから、オスマンは快く承諾してくれた。
「あんたには借りがあるからね。何かキナくさい空気が漂ってたから、上手くすりゃ貸し借り無しに出来るかもって思ったのさ」
 結局、いい答えも思い浮かばず、道中シルフィードの背の上でキュルケに答えたのと同じ答えをフーケは返した。
「あれらは利害が一致しただけだ。礼を言われるような事柄ではない」
 利害が一致したから彼女の正体を学院の者達に明かさなかった。同じ理由から、惚れ薬で酔っ払われたままではまずいから、解除薬を作る為に奔走した。それだけのことだ。
 だからフロウウェンは言った。
「案外、義理堅いな」
「……そんなんじゃないさ」
 本当ならそれらを借りだ、などとフーケも思ってはいなかった。口実として都合が良かったからそう言ってみせただけなのだ。
「詮索する気は無いのだが、元々アルビオンにいたのだろう?」
 切り出し難そうにフロウウェンは言う。
「まあね。行き先がアルビオンだって知ってりゃ来なかったさ」
 惚れ薬でおかしくなった時もジェームズ一世に対する愚痴を零してしまったし、先程もアルビオンという言葉に過剰に反応してしまっていた。フロウウェンが何か察したとしても不思議はない。
「勘付いてるなら話が早いけど、あたしゃ、最後まで付き合うつもりはないよ。どこで昔の知り合いに会うか、分かったもんじゃないからね。適当なとこでずらからせてもらう」
「それは構わない。ただ少し―」
 目を細めてフロウウェンは言った。
「お前に悪い気がしてな」
「なんでだい?」
「アルビオンの王家はお前の敵だろう?」
 フーケは呆気に取られてフロウウェンを見やった。それが気になってわざわざ自分の所に来たというのか。
 フロウウェンの行動がアルビオンの王家に手助けすることになるから? だから自分に負い目を感じるというのか?
「は、ははは……っ! あっはははは!」
 無性におかしくなって、フーケは哄笑を上げた。
「まあねえ。確かに恨んだ事もあったけどねえ」
 ひとしきり笑った後で答える。
「あたしにとっちゃ、とっくに終わった過去なんだ。復讐なんて考えるぐらいなら、すべき事は他にある。王家の連中が、生きようが死のうが、知ったことじゃないのさ」
 フーケはグラスに注がれたワインを呷る。
「ま、この場にジェームズ一世がいて、誰も見てないような状況なら遠慮無く踏み潰させてもらうかもしれないがね。その程度の優先順位なのさ。だから……あたしに気兼ねなんざ、するこたないさ」
 冗談とも本気とも付かないフーケの言葉だった。それから、急に真剣な面持ちになって言う。
 自分が同行する気になった、本当の理由に思い当たったからだ。
「この際だから言っとくよ? あんた、そんなお人好しだと、いつか寝首をかかれるか、体良く誰かに利用されるだけだよ。あたしに飲ませたあの薬も、実は何てことのない代物なんだろ?」
 フロウウェンはモノフルイドの正体には答えず、静かに笑みを浮かべるだけでそれに答えた。

118:"IDOLA" have the immortal servant 5/7 ◆GUDE6lLSzI
08/10/05 21:54:48 WHP91BI2
 それからワインを口に運んで、嚥下すると呟く。
「利用される……か。確かにな」
 フーケの言葉は当たっている。
「オレがそうなるのは別に良い。自分で選んでいることだ」
 遠くを見るような目でフロウウェンが言う。フロウウェンには自分の甘さが原因で、部下達にまで累が及んでしまった過去がある。
 パイオニア1の移住計画が、本当はどんなものか、本星にいた部下に連絡して探らせたのだ。
 だが、後に発覚して粛清と暗殺の嵐が吹き荒れた。D因子に侵され、実験材料とされた身では死者と同じだ。何もできなかった。二度は、繰り返すまい。
「あの嬢ちゃんがそうされるのは許せないってとこかい?」
「……そうだな。今度はしくじらないようにしたいものだ」
 フロウウェンの瞳はただ、深い色の青を湛えている。グラスの中身を飲み干すと、もう用は済んだ、とばかりに彼は立ち上がった。
 フーケは大きく溜息をつくと、その背に向かって言った。
「……マチルダだ」
「ん?」
 言われたフロウウェンは怪訝そうな顔を浮かべて肩越しに振り返る。
「あたしの、昔の名前さ。気遣ってくれた礼っていうか、少しは手の内を明かさないと不公平だから……なんて柄でもないけどさ。あー……ったく! 酔っ払ってんのかね、あたしは!」
 頭をぐしゃぐしゃと掻いて、フーケ……マチルダは言った。
「他の奴には言うんじゃないよ!」
「解った」
 フロウウェンは穏やかな笑みで頷くと、マチルダの部屋を出て行った。
 あんな風に釘を刺さずとも、あの男は誰にも言わない。そういう義理堅い古風な男だという確信があった。性格が父に似ていると思ったのは、勘違いではなかったから。
「ほんとに……酔っ払ってんのかねぇ。あたしは」
 僅かにグラスに残ったワインを飲み干して、彼女は呟いた。
 
 
 フロウウェンがマチルダの部屋を訪れて酒を酌み交わしている頃、ワルドとルイズもまた、杯を交わしていた。
 ルイズの才能。それをワルドは、恐らく誰よりも高く評価している。他には無い稀有な才能だ。
 もしかしたら彼女は『虚無』かも知れない。魔法を爆発させてばかりで系統も知れないルイズを見て、ワルドは何時だったか、ふとそんな風に思ったのだ。
 であれば、レコン・キスタに引き込めば同じ『虚無』の系統であるクロムウェルは、正しく彼女を導いてくれるだろう。それはゆくゆくは自分がレコン・キスタ内で足掛かりを固めていく強力な武器となる。
ともすればクロムウェルに取って代わることもできるし、そんな手に出ずともクロムウェルの後継者となることもできるだろう。いや、やってみせる。
 よしんば『虚無』でなかったとしてもヴァリエールの由緒ある血筋は魅力的なものだ。
 ワルドにはルイズと懇意にして痛むものがない。使えないなら捨てればいいだけだ。いずれトリステインとてレコン・キスタの軍門に下るのだから、その家名を恐れる理由すらもワルドにはないのである。だから、躊躇もない。
 しかし、決して少なくは無い金を払ったというのに、あの傭兵の連中の体たらくと来たら無い。ルイズをグリフォンに乗せたまま、連中を一蹴することで自分の実力を存分に見せつけてやろうと思ったのに。
 あれさえ上手く行っていればルイズももっと自分への評価を高くしていただろう。
 自分はルイズの婚約者でありながら長く放置していたという負い目がある。だからルイズは昔のように自分に甘えたりしないのだろう。そんな風にワルドは考えていた。
 ワルドは己の容姿が恵まれていることを自覚している。世間知らずのルイズを誑し込むぐらいはわけもないと思っていたのだが、ルイズはどうも昼間からあまり乗り気ではない。
 それは放置していたことや、傭兵をけしかける策が上手く行かなかったことだけが原因ではないように思える。
 ルイズ生来の気位の高さというのもあるのだろうが、もしかすると誰か意中の相手がいるのだろうか。あのギーシュという貴族の少年か? いや、昼間の態度を見る限りそうではなさそうだ。

119:"IDOLA" have the immortal servant 6/7 ◆GUDE6lLSzI
08/10/05 21:55:50 WHP91BI2
 では、あの使い魔というのはどうだろう。年齢的には考えにくいが、グリフォンの背の上で物憂げに使い魔の表情を窺っていたことも知っていた。
 少しだけ会話の流れを誘導して、ルイズに探りを入れてみる。
「きみはね。他の誰にもないオーラを放っていたんだ。それは君が他の誰にもない特別な力を持っているからさ。僕だってスクウェアの端くれだからね。それがわかるんだ」
「まさか」
「まさかじゃないよ。例えばそう、きみの使い魔」
「ヒースのこと?」
「そうだ。彼は相当強いんじゃないかな?」
 ヒースクリフ・フロウウェンという男。あれは相当な使い手だ。勿論、平民にしては、だが。
 体つき。物腰。傭兵に襲われた時の落ち着き払った対処。それらがフロウウェンの実力が並のものではないことを、ワルドに告げていた。
「そうね」
 答えるルイズはどこか嬉しそうな響きを声に含ませている。相当使い魔のことを信頼しているらしかった。
「メイジの実力を見るには、その使い魔を見よ、と言うぐらいだ。人を使い魔を召喚したというのも例がないし、それが実力者であれば、きみが特別だという証明みたいなものじゃないか」
 正確には例が無いわけではない。一つだけ類似するケースをワルドは知っていた。
 始祖ブリミルの使い魔。
 『虚無』に興味を抱いて調べていた文献から、ワルドはそれを見出し、その記述からコルベールと同じ推論に至っている。
「……ワルド。でも、わたしね」
 ルイズは一転して暗い表情になった。
「使い魔に釣りあった実力じゃないと思うの。あの人がいなければ、この任務に志願なんてできなかっただろうし」
「いいや、ルイズ。それはきみには才能があるからだと、僕は考えている。きっときみは始祖ブリミルのような偉大なメイジとして歴史に名を残すだろう。僕は、そう予感しているんだ」
 熱っぽい口調でワルドは続ける。
「この任務が終わったら僕と結婚しよう。ルイズ」
「え……」
 ワルドの申し出に、ルイズはきょとんとした表情を浮かべた。
「僕は、魔法衛士隊の隊長で終わる気は無い。いずれは国を、このハルキゲニアを動かすような貴族になりたいと思っている」
「で、でも……」
 男性から婚約を申し込まれるなど、ルイズには経験が無い。だから戸惑いが先に来てしまって「この国を動かすような」とはワルドが言わなかったことに、ルイズは気付かなかった。
「でも、なんだい?」
「わ、わたし……まだ」
「もう子供じゃない。もう十六だ。自分のことは自分で決められる年齢だし、きみの父上だって許してくださってる。確かに、きみをほったらかしにしていたのは事実だ。それは謝るよ。
婚約者だなんて言えた義理じゃないけれど、それでも僕にはきみが必要なんだ」
「ワルド……」
 それはどうして、だろう。ワルドのような、何でもできて、誰からも認められるような男が、どうして自分を必要とするのだろう。
 偉大なメイジになれると思っているから?
 そんなはずはない。自分は『ゼロ』だ。
 特別な才能といえばグランツが使えたことぐらいだけれど、あれは表に出せるものではない。
 では自分の家名?
 いや、家督を継ぐのは長女のエレオノールか、その伴侶だ。三女の自分にはそんな価値などないし、ヴァリエール家とワルド家は元々懇意にしている。
 だとしたら同情だろうか。
 それこそ、考えたくは無かった。
 プロポーズされて嬉しくないわけではないのに、どうして裏を探ってしまうのだろう。
 自分が長い間『ゼロ』だと蔑まれてきて卑屈になっているからだろうかと、ルイズは少し悲しくなった。
 いずれにしても、こんな気持ちでワルドに返答することはできない。プロポーズされたからには、誠意をもって答えなければいけない。
「ワルド。わたし……まだあなたに釣り合うようなメイジじゃないし、もっともっと、修行して……」
 そうだ。もっと立派な貴族になれば、引け目を感じない。裏などを考えなくて良い。しっかりとした結論を出せる。
 在りし日のワルドだったら自分は頷いていただろうに。どうしてこんなにもあの頃のワルドと違って見えてしまうのだろう。
 それは多分、自分が今は『ゼロ』と、痛いほど解っているからだと、ルイズは自分自身に結論を見出した。

120:"IDOLA" have the immortal servant 7/7 ◆GUDE6lLSzI
08/10/05 21:57:07 WHP91BI2
「あのね、ワルド。小さい頃思ったの。皆に認めてもらうような立派な魔法使いになって、父と母に誉めてもらうんだって。まだ、わたし、それができてない。だから……」
 俯くルイズに、ワルドは目を細めて笑みを投げかける。
「……わかった。取り消そう。今返事をくれとは言わないよ。この旅が終わる頃には、きみの気持ちを取り戻して見せるよ」
 引き下がってくれたようなので、ルイズは小さく頷いた。
「それじゃあ、今日はもう休むといい。疲れただろう」
 それからワルドはルイズに近付いて、唇を合わせようとした。
 ルイズの体が強張って、その腕がワルドの体を押し留める。ワルドが動きを止めると、ルイズの手は彼をそっと押し戻した。
「ルイズ?」
「ごめん、でも、その、あの……」
 口篭るルイズに、ワルドは苦笑いを浮かべた。
「急がないよ、僕は」
 そう言って、ルイズから離れる。
「ごめんね」
 ルイズは半ば逃げるように部屋を出て、自分の寝泊りする部屋へと向かう。
 解らなかった。あんなにワルドは優しいのに、どうしてだろう。
 本当は全然優しくないなんて、どうしてそんな風に思ってしまったのだろう。あんなに、憧れていたのに。
 子供の頃と同じままでいられる筈が無い。
 それは当然なのに、どうしてそんなことがこんなにも悲しくて、寂しいのだろう。
 
 
「おはよう。ヒースクリフ」
「おはよう。ワルド子爵」
 朝早くにワルドがフロウウェンとギーシュの相部屋を訪れてノックすると、すぐにフロウウェンが出てきた。とっくに起きて身嗜みを整えていたらしい。
「きみは強いらしいね。ルイズから話を聞いたが」
「少々は剣の嗜みがあるが」
「これから僕らはアルビオンに向かうわけだろう? 実戦の勘って奴を養っておきたくてね。ちょっと手合わせ願いたい。昨晩の連中ではどうにも消化不良だったからね」
「修練を積んだメイジの戦い方には、オレも興味がある。願っても無い」
 その対応に、ワルドの方が面食らう。特に気負った所もなく、フロウウェンが答えたからだ。
 相当場慣れしている印象だ。どういう経歴の男なんだろう。この使い魔は。
 そんなことを億尾にも出さず、ワルドは笑って見せた。
「そうこなくてはね。着いて来てくれ。この宿は昔、アルビオンの侵攻に備える為の砦だったんだよ。中庭に錬兵場があるんだ」

121:"IDOLA" have the immortal servant ◆GUDE6lLSzI
08/10/05 21:58:03 WHP91BI2
以上で12話目の投下終了です。

122:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 21:58:56 37wHcTQ9
乙です。しぶくて良いな。

123:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 22:04:54 hkYvaiMo
投下ペースはええ
そして面白い。乙でした。

124:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 22:13:55 sn+LpVT4
ゼロのヒグイデ・・・・無理か

125:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 22:17:40 NH3OHI4A
フロウウェンの人乙です。次回にwktk

>>110

Σ( ̄□ ̄;)!!


126:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 22:18:20 hr0/YA+M
乙でしたー。
いつもながら、ワルドは腐ってるなあ。もっとも、その腐り具合がワルドの魅力の一つでもあるのですが。

127:蛇の使い魔 ◆FkZGcfA2Hg
08/10/05 22:28:38 K52DNcFl
22:35より投下します

128:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 22:30:20 bv/p5KTI
待たされたな!(スネーク風に)

129:名無しさん@お腹いっぱい。
08/10/05 22:34:22 SB9K1fvx
おっさんのオンパレードだなw
支援

130:蛇の使い魔 ◆FkZGcfA2Hg
08/10/05 22:35:47 K52DNcFl
それでは開始


「私が詔を?」
「うむ。アンリエッタ姫殿下直々にお願いされてのう。
 どうじゃ?無理にとは言わないが。」

ここは学院長室。
二人の人影はルイズとオスマンである。
二人の間には国宝である『始祖の祈祷書』。

話があると呼び出されて頼まれたのは、王家の結婚式に参加し、そこで詔を詠んで欲しいというものだった。
無論、結婚式というのはアンリエッタのもの。
詔の草案についても考えて欲しいとの依頼だ。

「ミス・ヴァリエール、王族の結婚式に立会い、そこで詔を詠みあげるなど普通なら一生に一度もないものじゃ。
 本当に名誉な事だよ?受けてはくれんかのう。」

たしなめるように語るオスマン。
ルイズもそれ程嫌ではなさそうで、断ろうとは思っていないようだ。

「もちろん、お受けしますわ。」

古い友人が自分を頼ってくれている。
少し前ではそんな事は考えた事もなかったことに気がついた。
その頃は自分が魔法が使えない事にもっとも苦しんでいた頃だった。
今も魔法が使えない事が歯がゆく感じた事はある。
だが、使えないなら使えないなりにやれる事があると、『あいつ』に教えられた。
それに頼ってくれている人がいるならその頼みを断りたくはなかった。

「快く引き受けてくれるか。よかったよかった。姫も喜んでくれる事じゃろう。
 …おお、そうじゃ思い出した。君に手紙がきておるよ。」

祈祷書とともに渡された一通の手紙は、ルイズにとってとても嬉しいといえるものではなかったそうな。


げんなりした表情で手紙を見つめる。

―請求書―

なんど見てもそう書かれている。
見間違いではない。

「……どうしよ。」

この前の任務で破壊してしまった『女神の杵』の修理費の請求が来たのだ。
高い。高すぎる。
そりゃ、宿一軒、全壊させたわけではないが、破壊したのだから修理費だって高い。
当然、自分だけで払える額じゃない。

「……はぁ。」

深くため息をつく。
親に頼ることは出来ない。
頼れば原因を追求される。極秘の任務であるが故話せない。
理由を話せないのに金など貸してくれようか。

そして、姫に直談判と言うこの手。
まず使えないだろう。公式な支援が当てに出来るのなら、そもそもルイズたちにこの任務を頼まない。
スネークなら「割に合わない仕事だな。」とか言い出しそうだ。


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