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［ベルン／ワシントン １９日 ロイター］ スイスは、銀行大手ＵＢＳに米国人富裕層が持つ
約４４５０口座の情報を米当局に提出することで合意した。
スイス政府とＵＢＳは、課税逃れをした疑いのある米国人顧客情報の引き渡しをめぐる問題で、
米政府とすでに和解に達している。
スイス政府はまた、ＵＢＳ以外の銀行の口座情報の提供を求める米当局の要請についても
手続きを進めることに合意した。
米内国歳入庁（ＩＲＳ）のシュルマン長官は１９日、記者団に対し「きょうの発表で、どの金融機関を
利用していようが、ＩＲＳは金融機関と個人の双方を追及することをいとわないという意思が示された」
と述べた。
長官によると、情報が提出されるＵＢＳの約４４５０口座の預金総額は一時１８０億ドルに達していた。
米当局は、他のどの外国銀行の名前も調査対象として挙げていないが、ＩＲＳはスイスとの合意を前例に
今後の調査を進めるとみられている。
これとは別に、米政府はＵＢＳに対し５万２０００人分の米国人顧客名簿の提出を求める訴訟を
起こしていたが、今回の合意で訴訟は事実上決着した。
これを受けて、ＵＢＳが今後罰金を支払うことはなくなった。
今回の合意で、金融危機や訴訟で傷ついたブランドイメージの回復を図ることができる、
との見方も出ている。
１９日のニューヨーク市場でＵＢＳ株は２．８９％下落。欧州市場では０．９５％安で引けていた。
今回の顧客情報開示は、スイスの銀行の守秘義務の伝統を打ち破るもので、他のスイス銀行も
調査対象となる可能性が指摘されている。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは１９日、米当局による税務調査で、ＵＢＳ以外にも
欧州の銀行の名前が挙がっていると報じた。スイスのクレディ・スイス、ユリウス・ベア、
チューリヒ州立銀行、ユニオン・バンケール・プリヴェ（ＵＢＰ）が含まれている。