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北原みのり「山口敬之氏と『慰安婦』問題」
フリージャーナリストの詩織さんが元TBSワシントン支局長で
ジャーナリストの山口敬之氏(51)から、意思に反して性行為
をされたと主張している問題。北原氏がこの問題について書く。
(中略)
妊娠の不安を訴える詩織さんに、
「あなたが不安なのはわかりましたから、こちらで出来る事は
喜んでします。しかし、問題に対処するには、一方的な被害者
意識を改めてもらいたい」
山口氏の傲慢な言いぐさに衝撃を受けるが、とても既視感があった。
というか、日本軍「慰安婦」にさせられた女性たち、そして声を
あげた彼女たちに日本社会がやってきたことと、山口氏の言い分
はぴたりと重なる。
1991年に被害女性が初めて声をあげて以来、女性たちは、事実認定
と謝罪・賠償を求めてきた。それに対し日本政府は一部事実認定を
したものの、正式な謝罪と賠償を避けた。しかもその後も
「証言はウソ」「強制はなかった」「あれは商売だった」などと
言いたがる政治家が次々に出てくる始末。さらに2015年の日韓合意
の時は、「和解には双方の歩み寄りが必要だ」と涼しい顔で「和解」
を歓迎したのは、右派の政治家というよりリベラルな言論人だった。
2年前、「事件」が起きたばかりの詩織さんのメールには、「あなたの
謝罪、反省の意をまず最初に聞きたい」と書かれていた。「事実を曲
げる人が一番嫌いです」ともある。それは、日本軍「慰安婦」にされた
女性たちが、ずっと声をあげてきたことでもある。
被害者が味わう悔しさ、加害者の涼しげな顔は、なぜこうも似ているの
だろう。「慰安婦」問題に関心があると言うと、歴史や政治の関心だと
思われがちだが、違う。「昔」のことじゃないから、関わらずにいられない。
女の尊厳を奪い続ける「男の言い分」に優しい社会は、戦前から変わってない。
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