二度寝が習慣のアカガエル・お目覚め前線北上中!at LIVEPLUS
二度寝が習慣のアカガエル・お目覚め前線北上中! - 暇つぶし2ch1:きつねうどん ★
17/02/07 13:29:23.90 CAP_USER.net
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カエルといえば、冬の寒い時期は土の中にもぐって冬眠し、啓蟄も過ぎて暖かくなった頃にごそごそ這い出てくる習性はご存知の通り。ところがまだ厳冬期と言っていい2月の初め。突然田んぼのあぜからキロロ、キロロ、という少し細めのカエルの鳴き声が聞こえてくることがあります。それはアカガエルの声です。え,この時期にカエルが?と驚くかもしれません。実はアカガエルはある目的のために冬眠を中断してこの時期に起きだし、そして用を終えるとまた眠りにもどります。まるでトイレに起きて二度寝する人のような変り種のカエルなのです。何のためなのでしょうか。
ぐうたらだからにあらず!なぜ早春に卵を生むのか・生めるのか
ニホンアカガエル(日本赤蛙 Rana japonica/Japanese Brown Frog)は、カエル目・アカガエル科の日本固有種。類似種としてヤマアカガエル(山赤蛙 Rana ornativentris )があり、両種は北海道以外の日本全土に繁殖しています。北海道とサハリンには類似種エゾアカガエル(蝦夷赤蛙 Rana pirica )がいます。
その名の通り体色は背面や四足が赤みを帯びていて、朱色に近いものから黄土色、褐色に近いものまでバリエーションがあります。体長は4~8cmほど。背中はなめらかで、吻の先端が少しとがっています。水かきは後ろ足だけで、アマガエルのような吸盤はありません。
アカガエルたちは春まだ浅く凍える気候の1月~2月頃に冬眠から起きだして繁殖を行ないます。冷たい水の中でねぼけまなこで抱接(オスがメスを背後から抱きかかえて腹を強く押し、メスは卵塊を水中に放出、オスはその上から精子をかけて受精させる)を行い、メスは500個から、多いときには3000個ほどの卵塊を流れのない浅い止水域に産み落とします。
そして、卵を生むとまたカエルたちは、落ち葉や泥の中、水の底などにもぐりこみ、再び5月ごろまで眠りにつくのです。
産み落とされた卵はその後半月ほどで孵化しますが、気温が低すぎると孵化しないまま凍結して死んでしまったり、オタマジャクシのときに凍死してしまったりします。なぜアカガエルはそんな時期に卵を生むのでしょう。
アカガエルの仲間は先祖は北方系。両生類では少数派の寒冷地に適応して進化した種なのです。その性質が、冬の寒い時期の繁殖行動として残っているものと思われます。
その特性を利用して、アカガエルのオタマジャクシたちはスタートダッシュを狙うのです。この時期に産卵する両生類は、トウキョウサンショウウオ以外にはほとんどありません。他のカエル、両生類に先駆けて孵化することで、水草や藻類などの食べ物で競合することなく、基本食べ放題。また、後から産卵された両生類の卵を、成長したアカガエルのオタマジャクシたちが食べてしまうこともあります。
さらに、寒い時期には最大の天敵のヘビも冬眠中。ザリガニやヤゴなどの捕食者もいません。こうしたニッチな環境を狙って、早めに生まれてくるわけです。
稲作水耕とともに繁栄したアカガエル。でも今大ピンチ!
とすると、アカガエル最強!のように思われるかもしれませんがそうではありません。アカガエルは水の流れのない止水域に産卵する、と書きましたが、この止水が深いと産卵できないのです。底が深い泉や池、排水溝などでは産卵は出来ません。そして、アカガエルが産卵する時期には当然まだ田んぼには水が入っていない休耕期。アカガエルの親は、水が抜かれ、秋に土を返された田んぼのあぜの縁などに出来る深さ10センチほどの大き目の水溜りを探して、そこに産卵するのです。
日本の田はかつては湿田と呼ばれ、稲作の時期にはもちろん水を張り、水を落とした休耕期にも、じくじくとした水溜りが常時存在しました。が、近年の水田の圃場整備、用水くみ上げ方式からパイプライン方式への近代設備化により、不必要なときには水を完全に切り管理する乾田化が進行し、アカガエルの産卵にできる水溜りが激減してしまったのです。また成体のカエルは水田周辺の草原や林で生活します。かつては裏山と草場、小川や用水路、そして田畑が連続して里山を形成していましたがそれも道路などで分断されました。


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