04/08/28 00:36
その人はいっこ上の先輩で同級生、後輩からも「たくちゃん」って呼ばれてた。
初めて話したのは小学校の運動会の時。俺の小学校は全学年ごっちゃまぜで行われる。
俺は青組みだった。その中に、明らかに体のバランスのへんな人がいた。それがたくちゃん。
たくちゃんは障害で生まれつき身長があまり伸びない。「小人病」らしい(本当にこんな病名あんの?)
たくちゃんは初対面の俺らにも明るく話しかけ、同級生にも人気があった。
それを気に俺はたくちゃんと仲良くなった。たくちゃんは俺んちの近くの団地に住んでいて、そこには
小さな公園もあった。そこは俺らの遊び場だった。ミニ四区やハイパーヨーヨー、ポケモン・・・・
学校が終わると、上級生も下級生も皆がそこに集まった。たくちゃんは話がうまく、誰にでもやさしい
初めて公園に来るグループにも積極的に話しかけてやる。俺たちはかなり仲良くなった。たくちゃんは
中学に上がると、部活などで公園にくることも無くなって一年間ぐらい会わなかった。
やがて俺も中学にあがったが、なんとなく知らない上級生といるたくちゃんには話しかけづらく
前みたいに楽しく話すようなことはなかった。関係は変わったがたくちゃんの身長は変わらなかった。
中学の卒業式の時に見たたくちゃんは俺の腰あたりに頭があった。そのうちたくちゃんは地元も高校に進学した。
一年後俺はたくちゃんとは違う電車で15分ぐらいのとこにある高校に進学した。
それからずっとたくちゃんのことなんて忘れていたと思う。
高1の二学期も、もう終わるかという頃、俺は地元の友達と遊んでた。皆で歩いていると、たくちゃんの通う学校の
前に同級生らしき人とたくちゃんがいたが、様子が少し変だった。