04/02/09 18:48
やはりオレたちが小3のころの事件だ。
当時『ドンパッチ』というお菓子が流行した。
名前は覚えて無くてもみんな一度は食べたことがあるだろう。
それは一応キャンディーということになっていたが、実際はパサパサ、ポロポロとした粉だった。
口に入れるとツバで溶けてパチパチはじける炭酸粉。
そのパチパチぶりは激しく、たくさん食べると痛みすら覚える。
はじめはその刺激を楽しんでいたオレたちだったが、そのうち物足りなくなった。
刺激を失った遊びは男の牙を失わせる。もっと刺激を。
マサがドンパッチを鼻に入れてみよう。と言い出した。
自分の鼻の穴にドンパッチをどんどんつめこむ。
右の鼻がいっぱいになったらしく、左の鼻にも入れた。
そうとう刺激に飢えていたらしい。
とたんにマサの様子がおかしくなった。痛い痛いともがいている。
オレたちは笑った。アホだこいつ。
マサの苦しみようがだんだん激しくなってくる。
水で洗ってくるというマサをオレたちは止めた。水に溶けて、もっとパチパチするからだ。
しかたなく指でドンパッチをほじるマサ。が、鼻から抜いた指は血で赤く染まっていた。
4:大人になった名無しさん
04/02/09 18:49
ドンパッチの破壊力はすさまじかった。鼻をぶち破ってんじゃないかと思うほどだ。
鼻血で溶けてさらにパチパチするドンパッチ。
マサの痛がりようはもはや尋常ではない。どうしていいかわからないオレたちは、とりあえずマサを保健室につれていった。
『また、あんたたちか今日はどうし・・・』
両方の鼻の穴からパチパチと線香花火のように 血を吹き出すマサを見て保健の先生が凍りついた。
『なにしたの!あんたたち!』いつもは優しい先生が怒っている。シュンとなるオレたち。
『・・鼻にドンパッチをつめました・・』オレたちはまぬけな答えを真面目にかえした。マサは鼻うがいをしてる。
『だれがこんなひどいことしたの!』
『・・マサ君です・・』
誰に怒っていいか困る先生。マサがアホすぎたのだ。オレたちは悪くない。どうやら怒られないですみそうだ。
甘かった。オレたちは学校にオヤツを持ってきた悪い子として、放課後、反省文を書かされていた。
世の中の不条理を子供心に感じ、むかついた。
オレはマサの反省文をのぞいてみた。
『ボクがドンパッチを鼻につめたせいで、みんなに迷惑をかけました。保健の先生にも迷惑をかけました。
なんでも鼻につめるのは悪いことだとおもいました・・・』
オレにはマサがなにを反省しているのかわからなかった。
余談だが数年前ドンパッチは復活していたのだ。
だが、パチパチ度はひかえめになっていて物足りなかった。
そのうち見なくなった。残念。
5:大人になった名無しさん
04/02/09 18:50
小4の時の1月15日連休最初の日だっけかな?
いつものメンバー5人で俺の住んでたマンションで遊んでいた。
あん時はミニ四駆を廊下で走らせてて騒いでは管理人さんによく怒られたもんだ。
俺は改造が下手でいつも遅かった。そん中の香具師が肉抜きしてやるから貸してや
といわれて俺はどうしても1番になりたかったから貸して改造をお願いした。
休み終わったら学校に持っていくわと言われてかなり楽しみにしてた。
その休み明けそれが1月17日震災の日だった。
俺は電球の傘にぶつかって額を切ったがなんとか無事だった。
避難した公園にいつもの奴らが集まってくる4人揃ったが後1人こない。
心配になって4人とうちの親父とでそいつの家の前に行ってみた。
光景は悲惨なものだった。1階部分が見る影もなく2階しかなかった。
そいつの姉貴が2階で寝てたらしくて無事に出てきたがワンワン泣いていた。
「お母さん、お父さん、〇〇、何してんのよ早くねてらんと早く出てきてや。」
俺たちもその前で立ち尽くすばかりで何もできずそれぞれ親戚の家や知り合いの
家に避難することになってしまった。
そして2月に入っての新聞。死亡者名の欄にあいつと、あいつの両親の名前が載っていた。
俺はそれを聞いて地元にいったん戻った。2月20日の合同慰霊祭。あいつと対面したのはその日だった。
スプレー塗装が剥げてるボロボロのミニ四とメモをやつ姉貴が渡してくれた。
メモには「ちょっとオマケでスプレーもしといたで。これでお前もいっちょまえになれるな
次走るとき楽しみにしてるで」
「いつ走るねんや。アホが」涙で言葉はそれしかでなかった。
あれから9年、色あせてもう動くことはないだろうミニ四
今も部屋の机の上に置いている。