06/02/05 21:12:48 8PI4Kotn
坂本龍一。この人は自ら「メジャーとマイナーの交換こそがブルース」と言っているが、これは明らかに民衆に
分かり易く説明しているだけであり、長調と短調という実に基本的な視点で結果を当てはめただけの言葉に
過ぎないということを気付かなくてはならない。
坂本龍一の言う、メジャーとマイナーの交換というのは結果としてメジャーとマイナーの交換をしているように見えるだけで、
もっと大きな視点で見ると、彼はディミニッシュの使い方が実に巧みだということが判る。そのディミニッシュの解釈によって
生まれる音列(モード)から構築されるダイアトニック・コード群がメジャーとマイナーの交換に繋がるだけのことなのである。
例として、構成音がC,E,GというCメジャー・トライアドを例に挙げると、このメジャートライアドから上下に短三度、あるいは
増四度の関係にあるメジャー・トライアドをポリ・コードとして構築した場合、次の通りになる。
C,E,G E♭,G,B♭
C,E,G A,C#,E
C,E,G F#,A#,C#
ポリコード化することで6音の音列が生まれることによって生み出される音階の可能性が広がり、おおむねこれらは
コンビネーション・オブ・ディミニッシュ・スケール、ブルース・スケール、ディミニッシュト・スケール、チュレプニン音階、
または半音が2音以上続くような音階に発展させることができる。
このようなディミニッシュを巧みに利用する方法は、銃に平均律の世界ならではの世界であり、調律(音律)がどのような
音律であろうと、自然倍音列の高次倍音は、近似的な音にしかならず、この近似的な音を如何に基の音律と補強させる
解釈で大きく変わるのである。