08/05/27 09:37:21
>>280
難問です。
自殺者がでるのはテレビが社会の縮図であることの証明です。相次ぐ不祥事や残酷な事件を生む殺伐とした雰囲気がテレビにもあるのでしょう。
そんな中で視聴者を楽しませる番組を作るのは至難の業です。わたしが答えられるのは、わたしが番組を作るときの心構えだけです。
昭和40年ごろ、局の先輩に「見ている人が恥ずかしくなるような番組が当たる」と言った人がいます。
事実、この人の番組はつぎつぎとヒットし、視聴率はこうすれば稼げるということを教えました。
これが現在のテレビの風潮の源流になったとわたしは考えています。
余談ですが、わたしは先輩の番組に誘われましたが、そういう番組が好きでなかったので断りました。
テレビを娯楽と考え、先輩の言葉を「見ている人が楽しい番組が当たる」と置き換えれば誰も反対できないのですが、現実は「楽しさ」よりも「刺激的な」番組で視聴者を引きつけようとしているように見えます。
この問題を考える一つの指針は井原高忠さんの「五つの大切」です。
「怖い」(スリリング)
「可愛い」(プリティ/ビューティフル)
「不思議」(なぜだろう)
「おかしい」(ファニー/ユーモラス)
「感動的」(エキサイティング)
この5つの要素を、単独でも、複数でも、うまく使って番組を作る、できるなら一つの番組の中に全部が入っているといい、というものです。
わたしがこれに付け加えたいのは次の四つです。
「パーソナル」(制作者の個性を生かす)
「オリジナル」(人と違う番組を作る)
「エンジョイ」(楽しみながら作る)
「フリー」(権威に負けない)
読み返すと、どれもが当たり前の事柄です。そんなことは分かってるし、やってますよという答えが戻るに違いありません。
あるいは、そんな作り方はもう古いと言われるかもしれません。でもわたしはこれを信じています。