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昭和41年10月20日 読売新聞抜粋 (南海との日本シリーズ最終戦)
「ペナントレースでもやったことのない完投、しかも、完封を日本シリーズでやったんですからねぇ」
と北川コーチが感心したように首を振った。益田の先発を知って、この結果を考えた人はないだろう。
南海は思いがけない伏兵にも手も足も出ずやられ、巨人ベンチはうれしい誤算に大喜び。
九回表、先頭の中島が安打すると、ベンチから金田が飛び出し、ブルペンへ急ぐ。その金田をチラッと
横目に見ながら、益田はつづく森下を遊ゴロ併殺にうちとった。よしというように、左手を大きく振ってニッコリ
笑った。南海がボールを振ってくれたので助かった。3点でグッと楽になり、七回から完投できるのではないかと思った。
でも完封までは・・。苦しかったのはやはり八回。広瀬が2-3からボール球に手を出してくれたので、よかったですよ。
先発は試合前にいわれた。一回一回全力を尽くして投げ、フォークボールがよかったので完投できたのでしょう。」と、うれしそう。
一方、南海ナインは、敗戦の興奮もなく静かにロッカーへ姿を消した。4回KOされた先発皆川の「やるだけやったのやから」
の声を残して。