08/04/10 17:55:31 2aJUepss
去年の12月のことだ。
私はパン好きな彼のために、クリスマスプレゼントにMKのホームベーカリーを買っておいた。
だけど、結局それを彼に渡すことはなかった。
クリスマス前に些細なことで大喧嘩し、そのまま喧嘩別れしてしまったのだ。
はじめは怒りで「せいせいした」なんて思っていた私も、それから2ヶ月もたつと
彼を失った喪失感を覚え始め、ただただ後悔するだけの毎日を過ごしていた。
彼のために買ったホームベーカリーも自分で使っている。
パンを焼くたびに彼のことを思い出して空しくなる。
そんなある日、いつものようにパンを焼いていると、突然彼から電話があった。
近所の公園で待っているから、もしよければ会って話ができないかと。
私は携帯を握りしめ、すぐに外に飛び出した。
あまりに慌てていたため、ホームベーカリーのコンセントを
足に引っ掛けて抜いてしまったが、いまはそれどころではない。
公園に全速力で駆けつけると、彼が小難しいそうな顔をして立っていた。
「やあ・・・元気してた?」
「うん・・・」
気まずい沈黙。
伝えたいはいっぱいあったはずなのに、いざ彼を前にすると何も口から出てこない。
でも、彼の目を見てすぐにわかった。彼も私と同じだ。謝りたいんだ。
そこでとっさに出てきた言葉があった。
「あ!!パン!」
え?っと彼が驚いた顔をする。
「いま・・・うちでパン焼いてるんだけど、よかったら・・・食べにこない?」
「・・・あの・・・いいの?」
「ほら・・・バレンタインデー・・・だし・・・」
家につくと、コンセントが抜けてたせいで、ホームベーカリーは止まってしまっていたけど
MKに独立工程機能があったから、途中から再開させて、ちゃんとパンを焼きあげることができた。
二人で一緒に食べた焼きたての食パンは、今まで食べたどんなパンよりも美味しくて
暖かいパンに二人とも心ほぐされ、その後はちゃんと話をすることができました。
ありがとう・・・MK。
おかげで、私達の関係も再開できそうです。
もっててよかった。