06/03/19 05:02:03 iY/+FhVB
サンダーバードには、「メカを本物にみせよう」などという意図など、最初から無いよ。
IRメカの非現実的なデフォルメされたフォルムと、生身の人間を排してぎこちない
頭でっかちのマリオネットがドラマ部分を演じている事でそれは明らかだ。
ど田舎の電波状態最悪の状況で見ようが、40年前のNational嵯峨1000で見ようがあれを
人間が実物大のメカを乗り倒してるなんて勘違いする馬鹿はおらんがな。
サンダーバードの魅力は、大方の特撮ドラマに共通した生身の人間と明らかなミニチュア
の組合せが演じるミスマッチ感(どっちらけ感と言ってもいい)を上手に解消し、作り物の
人物と作り物のメカが同化した独特の異世界を多分意図的に産み出す事に成功している。
逆にたまに出てくる人間の手のアップの方に変な違和感を感じるほどだ。
サンダーバードの真の凄さは、そんな共通理解事項によりかかり、手抜き特撮で誤魔化す
いじけた姿勢が微塵もないところだ。
・巨大ジェット機の胴体着陸で路面との接触で火花が散ったり
・それをサポートする運搬車(ってのかあれ?)の車輪が摩擦で焦げて煙を発する様や
・コンドーム利用だといういかにも重量物を支えているという事態を納得させるサスペ
ンションの効き具合
・本物のロケットエンジン使用のなびかないロケットの噴煙
・火花だけが盛大に飛び散る花火の爆発ではなく、噴煙と火炎を伴った破壊力のありそ
うな爆発
といった、アクシデントを構成するディテールのリアルで緻密な描写の積み重ねで緊迫感を
表現しているところが見事だ。
ミニチュアが演じているのは承知の上で、なおかつ凄えなあと感嘆せざるを得ないよ、俺は。