06/08/27 09:03:13
「せっかく高いカネをはらってまで親に絵の道に進ませてもらったのに、十代の終わりの頃には、生活のたしに末端のイラスト描きの
仕事を引き受けつつも、すでに絵だけでは生活できないと自暴自棄になっていたことがある。絵では自らが
何かを生み出す才能が無いことには気づいていたんだ。…挫折、といえるまでの努力もしなかった。だから
こそ、今の私は古物の世界に居て。H氏との出会いやU氏との出会いが、どっちつかずだったフラフラした自分の人生の転換期となっ
た。それから絵を描くという行為は、もはや自分にとって『趣味』になった。でも、やっぱり何かを描くのは好きで、今もホロ苦い気
分になったりもする。。あの頃の、伊坂芳太郎になりたかった私はもう居ないけど、今は今で好きな物を好きなように、伊坂の粗悪で
劣化したような画風は当時のまま進歩ないけれど、それでも、絵を完全に捨てきれなかった私は、何にもと
らわれず、自由に何かを描き続けている」