03/12/01 18:03 98QUCIyR
ボジョレーの季節でしょ。でも僕は下戸なんでイマイチわからんけど。
いまいち仲が良くなかった父が入院する前夜、まあいつまで入院するかわからないけど
一応、別れの杯だ、なんて冗談めかして言ったんだ。こんなの初めてのこと。
ワインが大好きだった父は、とっておいたビンテージ?を開けて僕と自分につぎわけ、
乾杯した。母も珍しいこともあるもんだと言って、これまた珍しく家の中で写真をとった。
父と初めて対座して酒を酌み交わすってのがなんとも居心地が微妙なもので、かといって
下戸なのですぐに酔ってしまい、父はカラカラと、これじゃあ酒でまだお前に負けること
はないなと笑っていた。
それで入院。末期の食道癌で家に帰ることなく闘病4ヶ月であっけなく逝った。
最初で最後の父と息子の晩酌だった。
父の遺品を整理していると、ワインが納屋からまだいくつか出てきた。僕は銘柄の良し悪し
は良く分からないが、ラベルを見てみると、何か文字がメモしてあった。
「●●(僕の名)大学卒業用」
「●●就職時用」
「●●結婚時用」
瓶を抱いて僕はずっと泣いてしまった。ワインをあける機会を奪った病気を恨んだ。
それ以来下戸ながら、月の命日には赤ワインを開けて、父を思い出すようにしている。
僕はもう結婚まですませ子供もできたが、父の残したボトルは空けてない。
もっと酒を教えてもらえばよかったと、本当に思う。