06/11/22 19:50:38 pkYgq52a
物語の主人公はしがない元・会社員。
長年の夢であった童話作家への道を今まさに踏み出さんとしたその一歩から物語は始まる。
つまり主人公はワナビである、なんとも身につまされる親近感を覚える設定ではないか。
しかし円谷作品オマージュらしく、この一歩目は宇宙より飛来した光の巨人との邂逅で躓くことになる。
その後重症を負い巨人との融合を果たした主人公は、同時期に地球へと飛来していた別の知性体と巨人との戦いに巻き込まれることになる。
まさしく王道、手に汁握る白熱の展開である。
しかも敵に使われる名称は「影」。
光の巨人と対比するに相応しい敵との死闘は興奮せざるをえない。
もちろん主人公を取り巻く人間関係、とりわけ女性陣も忘れてはならない。
後に電波教団に足を踏み入れかけるツンデレ風妻、その妹であり主人公に淡い恋心を抱くミニマム系女子高生、冒頭で出会うツンデレ風妻に似たクール系お姉様も忘れてはいけない。
3人の中でも義妹のコケティッシュな魅力はいくら語っても語りつくせないものがある。
物語の中盤、二人きりで訪れた温泉街の湖畔にて情熱的なキスを交わした二人。
その後の戦いを生き延びた義妹はついに主人公へその想いを告げる決心をする。
主人公の結婚式で着たドレスに身を包み、喫茶店へと主人公を呼び出した彼女の告白が成就するかは、ぜひ本編にて確かめて頂きたい。
そうした中で、「影」との戦いはより熾烈を極めていく。
いささか惰性らしきところはありながらも敵の教団本部へと消えた妻を求め、主人公と光の巨人はロケットパンチとか、ロケットパンチとかで並み居る敵をなぎ倒していく。
敵の攻撃により変貌してゆく世界、ついに肉体の限界を迎える主人公、そして衝撃のラスト。
SF者として鳴らした作者の放つサプライズは読者の心を魅了して止まないだろう。
ちなみに、物語序盤には濃厚なセックル描写が続く章も挟まれている。
物語にセクシーさを求めるあなたにも安心して楽しめるだろう。