07/02/12 12:42:28 kvBd856X
『ゼロの使い魔』 ヤマグチノボル
私はあまり積極的に新しいジャンルに手を出すほうではない。
自分の好きな本を何度も読み返して満足する人間なのだ。
しかしそんな私でも飽きが来る時は来る。そこで最寄の書店に足を向けたのだが……
並んでいるライトノベルの中で一際目を引くものがある。
本書、『ゼロの使い魔』である。
それも当然、一巻から十巻までが平積みされ、帯には累計160万部突破の大人気シリーズと書かれている。
かく言う私も『ゼロの使い魔』のことは知人からその評判を聞き及んでいた。
曰く、ルイズたんハァハァ、と。そして既にアニメ化され、第二期も計画されているという。
私としてはそこまで評判のライトノベルを読まないわけにはいかない。
こうして私はゼロ魔の一巻を入手し、読み終えた。
さて、大まかにこの作品のあらすじを書き記すと、
高校二年生の主人公が魔法の存在が当たり前の異世界に召喚されドタバタをやらかすコメディ、ということになる。
見て分かるとおり、王道である。当然、主人公は不思議な能力に目覚める。
そしてこれはラブコメである。主人公の身の回りの同年代の人物は殆どが女性である。
魔法はへっぽこのツンデレヒロイン、グラマラスな色情狂、寡黙な読書家、自分を慕ってくれるメイドさん、など一通りそろえられている。
しかしそんな王道だらけの設定の中で、主人公にはその思考形態に異常性が感じられる。