07/01/26 18:30:10 6oPtfhDA
欠点がないだけではない。
この小説は、人々の夢もかなえてくれる。
あなたも、一度は考えたことがあるだろう。
「パズーが、飛行石を加工できる技術者ならば……」
あなたも、一度は考えたことがあるだろう。
「ドーラとシータを入れ替えたなら……」
誰しも一度は見るであろう数々の夢が、今ここに実現したのである。
天空の城ラピュタ。プロジェクトX。この二つの、どう見ても相反する二つのものを、
一つの物語の中で止揚することにより生まれる感動。
それが、この小説の中にある。
道具立ては、浅沼広太「神の手のネジマイスター」に似ていないこともない。
しかし、浅沼をはるかに凌駕するものを、
この「ストーン ヒート クレイジー」は確かに有しているのである。
何を有しているのか? それを知る喜びは、未読の読者にのみ与えられた
この世に並ぶものなき知の至福である。
読んでいないものは幸いである。これから知ることができるという幸福を手にしているのだから。
そして読み終えたものは幸せである。すでに知ったという幸福を手に入れているのだから……。