06/11/22 21:08:28 jQQZ/INA
「名前は?」
まず初めにその質問をすると、
「志木です」
と、名乗った。
やはり知らない名前だったので、この若者とは初対面だ、と蒼珠は思うことにした。
「スフィアラボまでは?」
「まずはこの車でヘリの待機している場所へ。その後はヘリで一直線ですね」
「なるほど」
と、そこで蒼珠は車の速度メーターを見た。
100kmオーバー。
多分、一般人が乗っていたら、「降ろしてくれ!」と泣き叫ぶだろう。なぜならここは、高速道路でもない一般道なのだから。しかも、車は少ないがないわけではない。
しかし二人には心配する様子がまるでない。凄まじい速度を保ったまま、無茶なカーブをしても、眉一つ動かさない。
信号が赤になっている。しかし車は無視をして爆走だ。前に他の車がある場合は、反対車線に出て追い越すという荒業で進んでいる。
蒼珠としては、もっとゆっくり行けと思ってはいたが、急ぎなのだから仕方ないと割り切っている。
やがて、細い道に入った。さすがに速度は落としていた。住宅地をいくらか進むと、
「着きました」
二人は車を降りた。酔っている風もないのは、“彼ら”なのだから当たり前だ。
そこは、空き地だった。
なにもない。
177:イラストに騙された名無しさん
06/11/22 21:11:10 jQQZ/INA
「おい」
蒼珠は相方に呼びかけた。
「ヘリはどうした?」
「あるじゃないですか」
と、笑って答えた。
なにかが“ある”。しかし見えないのだ。蒼珠は空き地の中央に意識を集中させた。
うっすらと、ヘリの形が見えた。
「よくできた迷彩だな」
少し感心したように、蒼珠は言った。
「我々の技術力の結晶ですよ」
「これを一般人が見たら、遺産だと騒ぐかもな」
「さて」
いつの間にか無表情に戻っている志木は、肩をすくめた。
「早くお乗りください」
なにも見えない空き地の中央から、声だけがした。蒼珠と志木はそこへ向かい―消えた。
二人はヘリに搭乗したのだった。
やがてほんの少しの、よく耳を凝らさなければまったく聞こえないほどの音が空気を伝わり―それもすぐ消え去った。
178:イラストに騙された名無しさん
06/12/08 15:14:31 3dpIp2Kj
保守
179:イラストに騙された名無しさん
06/12/27 11:25:53 MFE6B9XL
定期保守
180:イラストに騙された名無しさん
07/01/02 17:43:10 aEWwWBPG
age
181:イラストに騙された名無しさん
07/01/10 20:22:23 9onalRh0
あげ
182:イラストに騙された名無しさん
07/02/01 20:11:43 RY3jjvKD
ほしゅ
183:イラストに騙された名無しさん
07/02/04 23:45:18 NZEnKZSV
ほ
184:イラストに騙された名無しさん
07/02/12 19:55:38 hlc2aP9K
シャナとAHEADクロス職人さんもう来ないのん?
185:32
07/02/14 00:44:03 RbM3hTfL
>>152
さて、とそう前置きして佐山が勢いよく起き上がる。
その顔や腹には打撲の痕があるが、それを意にも介さぬように両の手を大きく広げた。
「話を続けようか」
その様子にフレイムヘイズとその王は疑問を投げかけあう。
「アラストール、こいつ本当に徒じゃないの?」
『うむ……お主が加減をしていたわけではないのだな?』
起き上がるまでに五分ほど意識を失していたとはとても思えないきびきびとした様子だ。
これまでの鬱憤を晴らすかのように─実際晴らしていたのだが─、
先ほどまで殴っていた少女はジロリと胸の宝石に視線を投げ返す。
「あんな変人相手に加減なんてするわけない」
「失礼な、私は変人ではなく聖人だよ?
なにしろ生まれは聖夜なのだからね」
大げさな身振り手振りを交えてみせる少年の声に、意外な反応が返ってきた。
「聖夜?」
なんのことだろう、と長髪の少女は少し興味を持つ。
目の前の人間は明らかに変わったヤツだ。だからコイツには興味はない。
けれど、聖なる夜とはなんだろう?
「クリスマスを知らないのかね?」
コクリと頷き返す。
186:32
07/02/14 00:46:46 RbM3hTfL
「ふむ」
佐山は少し考える。これは絶好のシャッターチャンス、いやそうではない。
確かに今この部屋に仕掛けられた盗撮器具(主に自分の状態把握(常に健全)に使用)の使用は可能だ。
この素直に頷く少女という最高の画像は撮れるだろう。
(だが…それは今ではなくてもよい)
考えるのは少女の背景。”シャナ”あるいは新庄運切と呼ばれもしなかった『フレイムヘイズ』。
その心には聖夜という光景がない。
(戦いだけの生き方であったか、あるいはそれ以外を押し込めた生き方なのか)
前者と後者の違いは大きい。それは強制されたか、自らが選んだことかの違いだ。
それだけに、ここを見誤ってはならない。
佐山はその意思を強く持つと、
「ク」
『クリスマスとは、常世の休日の一つだ。
街は活気ににぎわい、人は贈り物をすることで互いの好意を伝え合う。』
「そうなんだ」
『うむ、……どうした佐山。口を開けたままで』
思い切り出だしをつぶされた。
187:32
07/02/14 00:52:05 RbM3hTfL
>>164-168
か、格好いい・・!
って、公開しないことに絶望した!
>>170
? ネタ元がわからないけど、参加者おめ。
>>174-177
これまたネタ元がわからないけれどいいですねぇ。
……最近小説全然読んでねぇよorz
>>184さん
存在証明。
一応まだ書いてはいるということでちょっとだけ書きました。
続きがいつになるかまだわかりませんが、もし待っててもらえるのならば…
がんばります。
188:184
07/02/14 01:18:11 dWRHOxir
キター!!!
いくらでも楽しみに待っていますとも!!
頑張ってください
できるだけ保守してみますw
189:名無しさん@公民館でLR変更検討中
07/02/14 23:59:18 dWRHOxir
ホッシュ
190:名無しさん@公民館でLR変更検討中
07/02/16 00:52:20 cAX335xF
華麗なる補習
191:名無しさん@公民館でLR変更検討中
07/02/16 23:25:06 cAX335xF
保守
192:名無しさん@公民館でLR変更検討中
07/02/17 21:43:04 hNu3dTl9
ほっしゅ
193:名無しさん@公民館でLR変更検討中
07/02/18 14:46:26 /tyNm5Wo
ほしゅ
194:名無しさん@公民館でLR変更検討中
07/02/19 02:26:06 BKCZLlWn
さらに保守
195:名無しさん@公民館でLR変更検討中
07/02/21 22:56:51 L8KdAr4z
ほしゅ
196:名無しさん@公民館でLR変更検討中
07/02/22 18:55:40 hBLpB2Cx
ほしゅ
しかし保守って何度もやる必要あるんだっけ?