05/12/02 23:28:00
以上は、あくまで一般論。漱石のみならず心の病は作家につきもので、現在も
危険域にある人々は多いはずだが、たまたまの読後感から
当スレで村上氏を例示してしまった、ファンの皆さんにはお詫びしたい。
>>271 村上の創作作品でつまらんレベルのものは記憶にない。今回、旧作に
比してのパワー低下ぶりが気にかかった、ということだ。
作家として大江&村上が当代の双璧であることは疑いないし、読者の中には
既に書かれた作品群で十分と思う向きもあるのだろうが、一方の大江もかつて
酷い心的病弊から再起した過去があり、その体験が、伊丹十三事件の致命的な
ダメージすら超克できる耐性をもたらす結果となっている。大江より若い村上が
生半可にポシャッていいわけはない。
「これが自分だ」と認識しえている自分など、ほんの表層に過ぎず、現実の
人間存在は摩訶不思議なものだ。自分では全く意識しえない深層に、病因も
再起の治癒力も、真の生きるエネルギーも、潜んでいる。
、 (趣旨違いの長文連書・陳謝)