05/10/23 01:42:08
短編、とは違うがここに書いていいかな?(ダメならスルーで>all)
一般的な評価などは知らないが、
『アンダーグラウンド』の重要性は、語り尽くせないと思う。
オウム事件の後、日本社会が抱えこんだまま
誰も触わることができないでいた大きな裂傷の中に、
時機を逃さず踏み込んでいったその仕事は、感動的だった。
あるいは一種の責任感に駆られたのかもしれないと推察するが、
創作の形に熟すまで待てない焦燥(?)が逆に新たな手法を生んだのか、
ノンフィクションの新しい地平を拓いたようにも見えた。
もしあれが無かったら、
我々が負った傷は膿んで、深く広く浸透し、多様な慄きの尾を
社会のあらゆる層に残したまま21世紀まで持ち越しただろう、と
いまも確信している。
引き続き出た『約束された場所で』と、林郁夫著『オウムと私』、
この三冊が、俺的にはオウム事件レジュメになっている。