05/10/18 07:21:03 D8Ul523F
俺には昔、幼なじみのお姉ちゃんがいた。とは言ってもその頃俺は小学1年生でお姉ちゃんも1つ年上なまだ子供だった。
そのお姉さんとは親同士も仲がよく、毎日一緒に遊んでいた。会う度、彼女は飴を俺にくれた。今思うとあれが初恋だったかもしれない。
俺が小学生になってしばらく経った時、いつものようにお姉ちゃんに手を引かれて学校に行っていた。
でも、通学途中に同じクラスの男子に会った。彼らは女に手を引かれて登校している俺を笑った。俺は今までそんなの全然気にした事が無かったが、
急にその事がとても恥ずかしいことだと思った。
そしてお姉ちゃんの手を振り払い一人で走って登校した。
一度だけお姉ちゃんの方を振り返ると呆然としていたが、すぐに俺を追いかけようと走り出していた。
俺はスピードを上げた。そして、その日の朝のHR(この頃はHRとは呼んでないけど)先生が言った。
今日の朝、2年生の○○さんが事故に遭い、即死だった、と。
俺は凍りついた。俺とお姉ちゃんの仲がいいのを知っていた先生は、
俺に早退する事を勧めてくれ、すぐに病院に送ってもらった。
病院には両親がいた。そして…。その後のことはよく覚えていない。
翌日、葬式の準備をしている時にお姉ちゃんのお母さんに呼ばれた。
渡したいものがあるとのことで、お姉ちゃんの部屋に案内された。
お姉ちゃんの机の上には俺あてにお誕生日おめでとうと書かれた手紙と綺麗に包装された箱があった。
そのとき、俺は初めて泣いた。ずっと泣き続けた。
そしてその時、誓った。俺はもう誰も好きにならない、誰かを好きになる資格はないのだと。
それから20年、今では私は2児の父。我が子にあげる飴はウェルダースオリジナル。
なぜなら彼もまた特別な存在だからです。