05/03/21 14:28:04 BG+Erah0
ジョルジュ・ランジュランの作品集「蝿」を読む。
たいした作品ではないが「安楽椅子探偵」という犯人探しのミステリも収録されている。
表題作は、映画「ザ・フライ」の元ネタ(忠実な映像化ではない)。
70頁強程度の短編だが、比較的忠実に映像化された
英国ハマー・プロ作品のエッセンスの全てが原作にあったのだと良くわかる。
短いながら伏線も十分が効いたスリリングなSFミステリの趣がある原作が、
文学性の面から見てもはるかに上である。
作者ランジュランは既に忘れられた作家ではあるが、ロンドン育ちのフランス人
だけあって、英国の渋さと仏国のメランコリーが巧みに融合された独自のムード
がある作風は忘れ難いものがある。
ただし、「蝿」以外の本書収録作品は、見え見えな展開が多い糞ばかりなのが残念だ。
まさに2ちゃんねらーレベルと言い得る。
487:吾輩は名無しである
05/04/03 02:26:16 SqOq3Qj7
u8
488:名無しのオプ
05/04/04 15:34:25 5Ib8hC+q
この板って国産品愛好者が多いって言うか、
海外作品読む奴は少ないのかな?
国内編のスレに比べて伸びが悪過ぎ。
489:名無しのオプ
05/04/04 15:46:14 uKLwY/fQ
最近のお勧め
URLリンク(www.deeps.net)
490:名無しのオプ
05/04/04 17:32:52 HJ4VFIPe
「プレーグ・コートの殺人」 カーター・ディクスン(ハヤカワ文庫)
あの有名トリックの元ネタはこれだったのか!と妙な感動を抱いてしまった
怪奇ミステリ。作品の設定そのものがミスディレクションのようなもので、
その雰囲気作りが非常に上手いと思う。
ただ、訳文の問題なのか何なのか、導入部が読みづらいのには閉口。
491:読後感
05/04/04 18:10:07 8EEscopQ
>>488
120ぐらい溜まってるんでいつか書きます。
492:名無しのオプ
05/04/05 20:06:57 zAa4qpug
「剣の八」ディクスン・カー(ハヤカワポケミス)
形としては、ごくごく普通のパズラーといったところ。
肝心の「剣の八」に関する理由づけが脱力物だったり、ポルターガイスト騒動の
真相がアレだったりで、いささかまとまりに欠けるような印象が残る。
端々に諧謔趣味が見えるのは面白いと思うのだけど…。
493:名無しのオプ
05/04/06 16:41:59 9xkxdRwN
クリスティ「そして誰もいなくなった」ハヤカワ
いままで海外古典は疎遠していたけれど、思いのほか読みやすくて驚いた。
おそらく自分が読む最初で最後のクリスティになるだろうと思う。
494:名無しのオプ
05/04/06 17:00:14 Rv7yOyf6
もっと読めよw
495:名無しのオプ
05/04/07 01:20:43 UwTbyHe3
>>493
それ読んだ後は、若島正の
URLリンク(www.inscript.co.jp)
読んでおくといいよ。
496:466です
05/04/08 14:33:13 Y/uGOe6l
「女神の天秤」でマーゴリンにハマり、バリバリ読破中。
>>468さん、あなたは正しかった。
未読は「葬儀屋の未亡人」「野生の正義」だけ。
これを読み終わったら、あと何を読めばいいんだ・・・。
497:名無しのオプ
05/04/08 17:45:03 sXDiKG4y
>>495
リンク先をちょっと読んだら速攻でアクロイドのネタバレ喰らった。
ますますクリスティを読む意欲をそがれたよ。
古典は危険だね。
498:名無しのオプ
05/04/08 18:41:40 mlQB+PWr
>>497
( ´∀`)っABC殺人事件
499:名無しのオプ
05/04/08 23:43:25 e2I5utLj
フィリップ・クローデル「灰色の魂」読了。
人間と人生の重層的な交錯。悲哀。愚かさ。いとおしさ。言葉にならない思いが
凝縮されていた。読書というものを堪能し味わった。
どっしりと重くて暗いが、トマス・H・クックに共通する文章、
プロットの妙がある。ミステリー好きはもちろん、すべての読書好きにおすすめしたい。
500:名無しのオプ
05/04/09 07:47:52 07gks02V
最高の名作といわれている、Yの悲劇を何時になったら面白くなるんだろうと思いながら、
半分くらいまできました。
今のところ我慢して読んでるが、いつになったら面白くなるんだろ?
501:名無しのオプ
05/04/09 17:53:38 3pNddglT
>>500
もう少し我慢して読めば、真相に来たとき納得できる。
ネタバレされてから読んだ側から言えば、伏線は提示されているので
後半の推理を展開していくところまでガンガレ
502:名無しのオプ
05/04/09 20:05:19 yw75XSJx
age
503:名無しのオプ
05/04/09 20:11:46 yw75XSJx
「悠久の窓」ロバート・コダード 講談社文庫。
コダードは面白いね。ストーリーが目まぐるしく回転していって、
最後まで読ませる。ハリウッドの出来のいいB級サスペンスみたいな
ストーリーの仕上がりだ。
これに加えてダ・ヴィンチ・コードの便乗みたいな(W
キリスト教史の史実をからませて、物語に重厚さを持たせてる。
ほとんどイギリスの田舎が舞台なんだが、昔行ったイギリスを
思い出させてくれて、いい感じの小説だった。
504:名無しのオプ
05/04/09 20:24:25 SkOSEpda
>>500-501
てゆうか半分読んでもまだ面白くならないって事は肌に合わない可能性大…
これあくまでも自分の場合だが、最終的に面白かったと思える作品は
最初辛くても3分の1を過ぎたあたりでノってくる
といいつつ500氏には我慢して最後まで読んでもらいたいがな>Yの悲劇
500氏は普段例えばどーゆうの好んで読んでるんだろう?余計なお世話かw
505:名無しのオプ
05/04/09 20:34:35 6zhmw848
たしかに3分の1くらいは一つの目安かも。
「匣の中の失楽」の時は失望しっぱなしで読んでて
ラスト数十頁でこういうのもいいかなと思い直したりしたけど。
506:名無しのオプ
05/04/09 21:33:13 TQ+Zfj7g
>>500
私は最後まで読んでもちっともおもしろくなかった。「へぇ~…」みたいな。
これがそこまで評価されてる意味がよく分からない。
クイーンなら「エジプト十字架」が一番好き。
507:名無しのオプ
05/04/09 23:48:12 3pNddglT
犯人を知らされた時点で「はぁ?」ってなった人もいるのかも
前半でレーンが××の存在を一応尋ねてはいるものの、
あっさり流されているし
逆に「Yの悲劇」の真相があれだとしても、明かそうかどうか迷っている割には
引き伸ばしすぎだと思った
508:名無しのオプ
05/04/10 00:05:47 mSfs4SFB
>>496
マーゴリンのファンが増えてくれてうれしい・・・
リーガルサスペンスが嫌いじゃなかったら、
個人的にはスティーヴン・マルティニなんかがお勧めです。
(集英社文庫から出ているのがいいです)
509:名無しのオプ
05/04/10 05:28:36 HVnIgQvh
>>507さん、「××」をメール欄で教えてもらえませんか…
510:名無しのオプ
05/04/10 09:45:08 YvcQvpPp
500です。
我慢して最後まで読みたいと思います。
でも解説には、Yの悲劇って欧米ではそれ程評価されてないと書いてありますね。
511:名無しのオプ
05/04/10 10:03:16 fFPceCnz
こんなスレを探していた。2chにもこんなまともな場所があったのね。
僕がいまはまってるのは、グレッグ・アイルズの「神の狩人」。上巻を
読み終わったところだけど、凄くおもしろい。インターネット時代の
サイコ・キラー物だけど、こんな小説を読むと小説家はここまで出来る
ものなのか、と感嘆してしまう。これに比べると日本のミステリは児戯
に等しいのではないだろうか。もちろん、虚無への供物など、いくつか
の例外はあるにせよ・・・。
512:名無しのオプ
05/04/10 10:08:56 Qw+6kqLh
マルティニは確かに面白い。
「重要証人」なんか、ラストで口あんぐりだった。
自分も、クイーンなら「エジプト十字架」が一番好きだなあ。
513:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/04/10 12:08:35 jBpZNgYd
ニコラス・ピレッジ「カジノ」を読む。
前に紹介した「グッドフェローズ」(原題「WISEGUY」)と同じ著者の手になるもの
である。
東部のアトランティックシティーと並んで、ザ・カジノの呼称にふさわしい60年代から80年代前半までのラスヴェガスを舞台にしたノワールである。
主人公は、通称レフティ(左利きのため)ことハンデイキャッパー(賭け率設定係)
フランク・ローゼンタールである。
これにシカゴから来た生来のギャングスターとでも言うべきトニー・スピロトロ、
フランクの妻でカジノのダンサー兼雇われギャンブラーだったジェリ・マギーが
絡む。全て実話とのことだが、三角関係等もあって、映像化すれば安っぽい
メロドラマ的展開に陥りがちだが、他にもカジノに関連した多彩な人物が登場、
カジノにおけるスキミング(今話題の「ワード」だが、広義の概念のようだ)の
カラクリ等もスリリングに記述されており、乾いた語り口で最後まで読ませるものがある。
殺し等には無縁な主人公フランクだが、一人称で語られる時のフランク像と第三者の目
を通して(形式上ではフランクの上司となるカジノ経営者のアレン・グリック)見たフランク像のギャップが面白い。
例えばグリック自身も海千山千の不動産業者なのだが、やはり一応(?)堅気世界の住人
である彼の目から見たフランクはギャングそのものなのである。
行った者はわかると思うが、現在のヴェガスはディズニーランド賭博版というか、
健全化、明朗化された町へと変貌している。
こういった意味では、本書に記された内容は既に昔話となった面もあるのだが、
お台場にカジノが開設されることなどあれば、果たして本書の日本版のような作が
成立し得るだろうか。
514:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/04/10 14:00:04 0/r+C0S5
>>511
そのアイルズの作品は、安手の活劇に走り頂けないものがあった。
チャットでのやり取りもさほど目新しいものじゃない。
「虚無への供物」の方も遊び過ぎの乱歩賞落選作だし、
ミステリ板初心者?
515:名無しのオプ
05/04/10 14:16:14 iycBS60B
人が楽しく読んでるものにケチつけるなんて、心がせまいね。
馬をスルーできない自分も初心者だな。
516:ケーブルテレビ ◆XW5Lw080MY
05/04/10 14:18:24 MQTp+7dK
>>511
ここはある程度はまともです。
が、只1人、他人のレスをとことんけなして喜ぶ悪質なコテハンも在住しています。
特に初心者の(ように見える)レスにはそれが顕著ですのでお気をつけ下さい。
ちなみにあなたのレスの一行目は、どことなく噛みつかれそうな雰囲気がありますが、
もし噛まれても相手にせず、無視したほうがいいですよ。
517:名無しのオプ
05/04/10 19:30:08 HVnIgQvh
倉庫で見つけました。
>>195以降でYの悲劇が話題になっています。※ネタバレ注意※
どんでん返しのすごいミステリ
URLリンク(mentai.peko.2ch.net)
518:名無しのオプ
05/04/10 19:51:24 xqKUgRTz
「Yの悲劇」。自分の中ではアクロイド、黄色い部屋と並んで、
ネタバレくらって読む気なくした古典3部作。
だから代わりといっては何だけど「Xの悲劇」を読んだものの
それほど楽しめなくて、自分にはクイーンは合わないんだと悟った。
論理ずくであり得ない仮定を消去していくくだりに快感を感じられるか否かの
違いなのかもしれない。
同じ本格でも、視覚的インパクトのある殺人現場と怪奇ムードが楽しめるカーの
方が自分には合ってるんだと思う。
519:511
05/04/11 18:53:49 Ryi/g0pc
511です。まさにミステリ板初心者であることは確か。今まで哲学板
中心に見ていて、心底2chなんか・・・と思いかけていたところだった
ので、このスレは非常にまともに見えました(藁。「神の狩人」もまだ
読了していないので(どこの本屋でも下巻が見当たらない)514さんに
反論もしにくいですね。ただ、虚無が頂けない理由が「乱歩賞落選作だから」
という言い方には、笑ってしまいました。乱歩賞に当選すれば、それだけで
傑作? ありえないでしょう? アイルズの上巻は、私は好きですけどねぇ。
あきらかに、紋切り型の踏襲といえるし、映画化などをあらかじめ視野に
入れた作品とも言えるでしょうが、細部の書き込みなど素晴らしいものがある
と思いましたけどねぇ。
520:名無しのオプ
05/04/11 19:07:29 JWmClX9+
514はとにかく人に噛み付いて回る広域荒らしだからNGワード登録をお勧めします。
読んでもいない本をさも読んでいるかのように貶すのが得意だけど、実際は検索してかき集めた知識を
つなぎ合わせて断定的に書き込んでいるだけですよ。
尊大な口調の割りに、翻訳本、新刊本は驚くほど読んでいないので、「神の狩人」なんてまず間違いなく
読んでないでしょうな。読んでる人なら絶対に覚えているはずの質問―例えば「表紙の女性が持ってる
丸いものは何?」とか訊いても、絶対に即答できませんから。
521:名無しのオプ
05/04/11 19:42:58 MQaU9iln
アイルズか。
「24時間」はハリウッド的な大味なクライマックスも含めて楽しめたけど、
「ブラッククロス」はそのハリウッド的アクションと、ナチスの収容所での
ユダヤ人たちの悲惨な描写が噛み合ってなく、冗長でつまらないと思った。
それでアイルズはもういいかな、と思ったから「神の狩人」は未読。
インターネット&シリアルキラー、というとジェフリー・ディーバーの
「青い虚空」は読んでるんだけど、比べてみるとどうなのかな?
522:511
05/04/11 19:46:50 Ryi/g0pc
>>521
そう!まさに、あなたのおっしゃる理由で昨日「青い虚空」を
買いました!
523:511
05/04/11 19:55:01 Ryi/g0pc
>>513
映像化すればって・・・とっくに映画化されて何年も前に日本でも封切られた
じゃないの。
524:名無しのオプ
05/04/11 21:42:45 vh+ajw4v
>>523,511
>520
ミス板の常識です。
525:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/04/11 22:05:48 4H5YMejt
>>519
>「虚無への供物」の方も遊び過ぎの乱歩賞落選作
と記したとおり、
「虚無への供物」は乱歩賞を落選したから駄目なのではなく、
作者の遊び過ぎでミステリとしてのプロットが弱くなり、
落ちるべくして落ちたから駄目だと言うことである。
他板からの新人である以上、先達のレスはしっかりと熟読したまえ。
「虚無への…」が好きなら、竹本健治「匣の中の失楽」も読むといいよ。
ちなみに、「神の狩人」は絶版でしょ。上巻は店舗内の在庫だったのでは?
上巻を読んで面白いというのはわかるが、下巻(特に後半部分の展開)には
がっかりすると思うぞ。
君は見所がありそうな新人なので、以後「はいでっか」とか「ソクラテスマン」等の
ふざけた固定ハンドルを使用して当板で活動することをお勧めしておく。
526:名無しのオプ
05/04/11 22:18:10 mLZ6B0Ro
>>511さん
ま、こんな調子のコテハンなんですよ。読む者の心をささくれさせる混ぜっ返しが特徴です。
「見所がある」というのは「釣れやすそう」と同義です。ご注意を。
詳しくは下記HPを参照ください。
URLリンク(majin_kenkyu.at.infoseek.co.jp)
527:名無しのオプ
05/04/11 23:42:50 wruy2ukW
>>518
( ´∀`)っギリシア棺の謎
528:名無しのオプ
05/04/12 03:30:05 Keir7m01
クイーンを苦手な人は、短編から入ってみるといいのかも
…まだ短編読んでないので誰かお薦めをorz
>>509
URLリンク(images.google.co.jp)
です。この時点でレーンは犯人がもう分かっていたのではないかと
529:名無しのオプ
05/04/12 20:48:20 puRqrJO0
今、ローマ防止の謎を半分くらいまで読んだところなんだけど、
代名詞が誰を指してるのかわかりづらい。
警官の名前も覚えられない…挫折しそうorz
530:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/04/12 21:11:47 m5cGQGaa
>>528
創元推理文庫の「エラリー・クイーンの冒険」と「エラリー・クイーンの新冒険」を
読んでおけ。
絶対に手を出してはいけないのは、
同文庫収録のエラリー・クイーンの事件簿1、2とHM文庫の「クイーン検察局」。
>>529
頭悪過ぎ(w
531:名無しのオプ
05/04/12 23:01:56 NtLIjhAh
いままで書斎魔神って現物を見たことがなかったが、
実際目の当たりにするとショックだな。
532:ケーブルテレビ ◆XW5Lw080MY
05/04/12 23:12:05 I9VqwEC8
>>520
お気にめさるな。
例えば某Sという人物みたいに、漢字やひらがなさえ平気で間違えるほどのアホもいますからw
533:名無しのオプ
05/04/13 06:39:07 0g/ByhzA
『ペンギンの憂鬱』アンドレイ・クルコフ(新潮社)読了。
あまりにおもしろかったのでどっかにオススメ書いとこうと思って、
このスレを初めて訪れてみた(w
ペンギンを飼ってる小説家が主人公なのだが、
新聞の死亡記事を書く仕事を引き受けてから、良く分からない事件に
巻き込まれ始め、しだいになにやらでかい陰謀めいた出来事の
重要なこまを担わされてることに気づき始める・・・という感じの話。
村上春樹に似てるとか近いとかって書評が多いみたいなんだけど、
この作者の描きたいことは村上春樹よりずっとわかりやすくて、
どうしてペンギン(かわいい!)なのかもよーくわかるような気がする。
ミステリ的に読むと(最後に)主人公の置かれてる状況が判明するだけで、
事件全体の詳細が説明されるわけではないんだけど、
まぁ気にするな。
534:511
05/04/13 08:34:57 DJXibwwe
「神の狩人」の下巻は当分、入手できなさそう・・。魔人さんの話だと下巻は
期待ほどではない・・・という事ですね。それもありがちな話なのでおっしゃる
とおりかも知れません。下巻は何ヶ月か後で読むことにして、アイルズの別の
小説でも読んでることにします。(まあ、どこかの古本屋で見つけるまでという
事ですが・・・)それにしても、520氏の指摘されたあの丸いものは・・・?
実際に本を持っているぼくも、あれが何だか見当もつきません。言われた瞬間は
「トロフィーに違いない・・・」と思ったのですが、そうではない。
まさか三半規管じゃないよね・・・。なにか、謎めいた装丁ですね。
535:名無しのオプ
05/04/13 12:47:43 nq/ZK53c
『迷宮の暗殺者』デビッド・アンブローズ(VB)読了。
どこかでバカミスと評されてたので読んでみました。
アドレナリン全開で面白かったです。「バカミス」という評価は一種の
ワクチンみたいなものだったんだと思いました。
超人的な能力を持ったスーパーエージェントと夫の事故死の謎を追う女
性、裏で暗躍する謎の組織。そんな感じのお話。
アクション満載でストーリーに仕掛けがあったりしますがドンデン返し
やきれいなオチを期待する人には奨められないかも。
スパイ物の変り種として読んだ方がいいです。
正直チャーリー・モンクでシリーズ化して欲しいです。
536:名無しのオプ
05/04/13 15:30:59 TEcyJt2t
>>534
アンモナイトでしょう。でも、あなたはちゃんと本を所持して、読んでいることが判ります。
受け売りだけの誰かとは違ってね。
537:名無しのオプ
05/04/13 17:33:41 fmRN1kPC
リチャード・スターク「悪党パーカー/電子の要塞」
シリーズ邦訳最新作。
冒頭一行目から人を殺してる最中のパーカー、相変わらずだ。
今回は過去作「怒りの追跡」の後日談にもなっているそうだが、
未読でもちゃんとついて行けるので問題なし。
その引き続き登場する3人の人間関係は面白いが、
その他の脇役(犯罪組織のヤクザもの、ターゲットの大富豪と
その周辺人物、警官たちなど)は、多彩な割にはそれぞれの
人物描写の掘り下げと出番が少なくてちょっと物足りない。
その簡潔さがスタークの持ち味でもあるのだけれど。
個人的には、パーカー一味の新顔、ラリー・ロイドの人物像が面白かった。
この小説は、根っからのプロの犯罪者パーカーと、プロになろうとする
アマチュア犯罪者ラリーの対比が一番の読みどころかもしれない。
538:名無しのオプ
05/04/13 20:18:47 A3rNV6vV
>>534
読まないでいい加減なことをいう奴の言うことなんか信じないほうがいいよ。
539:名無しのオプ
05/04/14 06:51:41 9NsJFOIm
500です。Yの悲劇、読了!
真ん中あたりまでは確かに退屈だったんだけど、後半から徐々に盛り上がり、
最後は大満足。
プロットの巧みさに脱帽です。
自分の中では「そして誰も・・・」以来でしょうか。
540:ロム者
05/04/14 20:10:04 rVjDz+iQ
「反撃」リー・チャイルド著・講談社文庫
○元・米国軍人ジャック・リーチャーは、シカゴで片足の不自由な女性ホーリーに手を貸した。
その刹那、銃を持った男たちに急激され、二人は車に押し込まれる。
男たちの目的は?、誘拐犯の狙いホーリーは何者なのか???
今流行の「24」的物語。
始めにいろいろ小さな事件があって、徐々に全体が明らかになってくる。
裏切、失敗、ご都合主義、いろいろあって最後は国家の一大事・・・・
「24」に乗れなかった自分としてはこの作品も余り乗れず。
541:名無しのオプ
05/04/14 20:19:55 +QCLweyM
「死人はスキーをしない」 パトリシア・モイーズ(ハヤカワ文庫)
下りのリフトに乗って姿を現すという遺体登場シーンが印象的な正統派パズラー。
舞台となるスイスまでの旅程やスキー場の描写が生き生きとしていて、場面が目に浮ぶよう。
終盤でのチェイスシーンも非常に映像的で、派手さはないけど秀作だと思います。
主人公であるヘンリーとエミー夫妻のほのぼのとした会話が面白いけど、奥さんのエミーが
四十代という年齢とは思えない性格をしています。ちょっと理想化しすぎじゃないかしら。
542:ロム者
05/04/14 20:23:27 rVjDz+iQ
もう一つ。
「天使の悪戯」アンドリュー・テイラー著・講談社文庫
○晩秋のロンドンで四歳の少女ルーシーが何者かにさらわれた。
誘拐犯から接触が無いまま、翌日、切断された手が発見される。
果たして犯人の狙いは??
まず、設定が抜群。
誘拐された子供の父親が刑事、母親が神父。
時間が経つにつれ、叔父の神父に頼り始める父親、
時間が経つにつれ、神への信仰をなくしていく母親。
主人公が犯人を追い詰めて対決、勝利で万歳って作品じゃないので
好き嫌いがはっきり出る作品だと思う。
しかも三部作の一遍なので謎がいろいろ残る。
543:ロム者
05/04/14 20:33:42 rVjDz+iQ
失礼。
上記作品は「天使の悪戯」ではなく「天使の遊戯」でござんした。
544:名無しのオプ
05/04/14 20:45:22 u6z8Pwl+
>>542
>母親が神父
女性で神父になれるんだっけか?
545:ロム者
05/04/14 23:59:00 H4o12/IW
>>544
またも失礼。
主な登場人物には「セント・ジョージ教会の副牧師」とかいてありやした。
カトリックの教会では牧師にあたる職を神父とよび、
プロテスタントでは牧師というそうで、
また神父には女性はなれないし結婚も出来ないけど
牧師には結婚できるし女性でもなれるそうな。
546:名無しのオプ
05/04/15 00:42:00 aUUlgAHY
>>545
よかった、俺の記憶が正しくてw
でもその解説はいただけないな。
神父は神学校を卒業していないとなれないが、牧師は違う。
カトリックとプロテスタント以上に職の意味が異なるのだ。
547:511
05/04/15 10:50:51 cKFa25+O
なぜ、アンモナイトが・・・?
548:名無しのオプ
05/04/15 19:45:31 IAE5hp0K
「盲目の理髪師」 ディクスン・カー(創元推理文庫)
船上を舞台にした宝石盗難事件が中心的な謎となっている物語。
主人公を除いて登場人物が基本的に阿呆ばかりで、突拍子もない出来事が連発するドタバタ劇に
なっている。アメリカのくどいコメディ映画のようなノリなので、それを許せるかどうかで評価は変わる
と思う。個人的にはオーケーだったけど。
色々と伏線が張ってあるものの、話がこんがらがりすぎのような気も。
549:読後感
05/04/17 02:30:07 C77aW0eG
「幻想と怪奇-ポオ蒐集家-」早川書房
ホラーアンソロジー。
面白く読んだが内容が偏っている印象。
一番は…「夢売ります」かなぁ。
十四番は…「アムンゼンの天幕」かなぁ。
550:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/04/17 16:30:41 Wh32hwu6
「神の狩人」は入手難なようなので、結末を書いてしまってもOKか?
典型的な流行りものの読み捨てミステリであり、再刊される可能性は低いゆえである。
「猿の惑星」新訳を読む。
あまり「ミステリ」という観点からは語られることがない作だが、
SFミステリとして楽しめるものがあった。
しかし、作品全体のトーンは、派手な印象がある映画化作品とは異なり、
SF不毛地帯とも言い得るフランス人作家らしい思索的な寓話である。
アンテル教授が陥った状態がコルネリウスの説明だけでは、腑に落ちないものがあるのと、
何よりも、伏線が十分に効いた二重のドンデン返しも、映画のショッキングな結末
(有名な自由の女神のシーン、猿の惑星は地球の行く末だった)には及ばない感はある。
551:名無しのオプ
05/04/17 17:51:34 1jJQFzFt
>>550はルール違反ではないことを確認しておく。
ネタがミステリではないからというのがその理由。
552:名無しのオプ
05/04/17 17:59:08 kAih3Wtu
ネタばらし予告だろ
553:名無しのオプ
05/04/17 18:02:14 hOEtaVK/
ミステリじゃないんなら板違いで削除だな。
554:名無しのオプ
05/04/17 18:33:38 1jJQFzFt
>>553
そうともいえないな。ミステリじゃないがミステリ的に読む趣旨だからな。
ただしあくまでもミステリではないのでルールには抵触しないという寸法だ。
555:名無しのオプ
05/04/17 19:19:46 pLvBungq
本人がきっちり「ミステリ」と言い切っている以上、
ルール違反を承知でネタバレするつもりなのは明白だな。
556:名無しのオプ
05/04/17 19:34:52 1jJQFzFt
本人の意図にかかわらずミステリでないものはミステリでないのだ。
ミステリでないものをミステリとして読むというのは大いにありうるがな。
557:名無しのオプ
05/04/17 19:42:44 pLvBungq
キチガイが何を言おうが、ネタバレは禁止なんだよな、ミステリーじゃなくてもw
>メール欄以外でのネタバレは禁止です。
>目に付くところにネタバレを書き込むのは止めましょう。
>ネタバレを予告する書き込みも止めましょう。
>メール欄以外でのネタバレを目的としたスレッドを立てることは禁止です。
558:名無しのオプ
05/04/17 20:01:21 1jJQFzFt
未読者の可読性を損なうものがネタバレであり、そうでないものは断じてネタバレではない。
よって>>557の見解は拡大解釈なんだな。それがありなら何も書き込めなくなるぞ。
559:名無しのオプ
05/04/17 20:24:01 pLvBungq
俺様ルールを持ち出すなやw
書き込めなきゃ書き込むな。
メール欄も使えないほどの馬鹿なら来なくてもいいだろw
文句があるならローカルルールスレで提案するこったなw
560:名無しのオプ
05/04/17 22:16:57 VuQnWo46
みんなもうほっとこうよ・・・(´・ω・`)
561:名無しのオプ
05/04/18 16:36:00 9mdl2OW5
>>550
>「神の狩人」は入手難なようなので、結末を書いてしまってもOKか?
>典型的な流行りものの読み捨てミステリであり、再刊される可能性は低いゆえである。
アマゾンのユーズド本で簡単に手に入る。
そんなに入手困難本じゃないと思う。
著者のグレッグ・アイルズはまだ1~2年間隔で新刊が出されてるし、
最新の2004年に出た「戦慄の眠り」のカバーの折り返しの、
グレッグ・アイルズの作品リストには「神の狩人」のタイトルも入ってる。
再刊の可能性も低いとは必ずしも言い切れないと思う。
562:名無しのオプ
05/04/18 16:38:19 oOSxQN21
図書館で借りる奴だっているし
563:名無しのオプ
05/04/18 17:26:41 Rqn6zGzj
漏れが読むまで待って。>ネタバレ
564:名無しのオプ
05/04/18 20:59:43 zjEcJUTS
古書店で買う奴もいるだろうし、積ん読を崩す奴だっている。
焚書されたわけじゃないんだから、誰かしら読む可能性があるわな。
565:名無しのオプ
05/04/18 21:14:56 P6cC4bVJ
まあ2ちゃんねる認定発狂コテのネタバレ恫喝などはスルーということだ。
削除依頼も出てるみたいだし。
566:名無しのオプ
05/04/18 22:06:47 zjEcJUTS
>>565
削除依頼が通らないときは、依頼人のホストを晒して荒らしまくるらしいね。
もっともある板でそれを続けたら、その荒らしレスが簡単に削除されたらしいけど。
567:511
05/04/20 11:32:26 SGqH0eAA
魔人氏は、なぜ結末を書きたいのだろう? なにか論じたいことでも
特にあるのかな。 どこが駄目だとか。しかし、安手の活劇風とすでに
最初に言ってるではないですか。「戦慄の眠り」も十分おもしろかった。
たしかに下巻で、活劇風の展開になって来るが、事件になんらかの決着
をつける必要がある以上、具体的なアクションが必要になってくるだろう
し、ある程度活劇調になるのは、当たり前と思う。漏れは、1か月以内に
図書館で読むつもりなので、ネタバレは少々困りますな。
アイルズの小説は好きだが、魔人さんは気にいらないと言う。それなら、
魔人さんが特に、「これだ!」という作家を3人ほど挙げてみてもらえない
だろうか。必ず、読む。
568:名無しのオプ
05/04/20 18:30:07 BFiBkg04
魔神さんじゃないですが、横レス。>「これだ!」という作家
ネルソン・デミル!
出来れば「プラムアイランド」→「王者のゲーム 」の順で読んでみて。
アイルズよりデミルの方が面白いと自分では思ってる。
569:名無しのオプ
05/04/20 18:35:03 Mj+TtUYW
>>567
だからアイルズなんか読んでないっつーの。検索して適当に調べた付け焼刃の知識で
さも読んでるふりして他人のレスに噛み付くのが生きがいの荒らしなんだよ。
そうやって荒らしの相手をする君も、他の住人にとっては荒らしだということに気付け。
570:名無しのオプ
05/04/20 20:44:48 iHxsVU0x
>>568
デミルは「誓約」から、と言いたいところだが、ちょっと重いかもしれないので、
トマス・ブロックとの共著(最初はブロック単独名義だった)の「超音速漂流」が
入りやすいかも。
571:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/04/20 21:24:54 Mu+39RxL
>>567
了解した。「神の狩人」(下巻)などより遥かに面白い3作を紹介しておこう。
作家ということだと、どんな練達な者であっても、面白い作とつまらない作が
あるので、作品ということで紹介しておく。
ありがちな古典の類は外し、スレの趣旨に合わせて海外作品のみに絞った。
1 シンプルプラン スコット・B・スミス 扶桑社ミステリー
2 斧 ドナルド・E・ウェストレイク 文春文庫
3 殺人課刑事 上・下 アーサー・ヘイリー 新潮文庫
検索すれば、各作品に関する俺の論考が見つかるはずだが、ノーコメントの状態で
まず読んで欲しい3作だ。
うまくすれば、古本屋や図書館で全作ゲット出来る。
いずれも大人の鑑賞に耐え得る読み応えがある作品ばかりだ。
1は、サム・ライミ監督で映画化されており、これも面白いが、
原作の犯罪エスカレートぶりは映画の比ではない。凄い凄過ぎるぞ。
2は、通には高い支持を受けたベテラン作家によるクライムノベルの大傑作だ。
3は、ヘイリー追悼の意も込めて、晩年の作だがリアルな警察活動を描いて間断する
ところがない大作。
以上、心して読め!
572:名無しのオプ
05/04/20 21:36:52 Pohe46RH
>>569
>>567はまともにレスしてるから別に目障りじゃないけどな。
一頃のカースレみたく延々罵倒レス返すようじゃ困るが。
あ、別に魔人を肯定しているわけではないので。念のため。
573:名無しのオプ
05/04/20 21:40:19 gxN+iPBo
「死の会議録」 パトリシア・モイーズ(ハヤカワポケミス)
国際的な麻薬対策会議が行われているビルで通訳が殺された。
現場の状況から最重要容疑者にされてしまったティペット警部は、自らの無実を証明するために
奮闘するのだが、なかなか捜査がはかどらない。逮捕までのリミットは刻一刻と迫るのだった…。
…という展開なので時間制限のサスペンスになるのかと思っていたら、なぜかのんびりとした
観光案内付きのパズラーになっていた。相変わらずの柔らかい雰囲気は悪くないのだけれども、
今回は中途半端に甘ったるいロマンスが鼻について、そこが受け入れづらかったです。
トリック自体はありきたりで伏線の描写も露骨。パズラーとしてはもう一つでした。
574:511
05/04/22 09:07:46 GAhbg8Pc
>>571
・・・そうですか。その3作をとにかく読んでみます。でも、映画の
「シンプル・プラン」は確か観て、そんなに乗れなかったような薄い記憶が
あるので心配ですが。最近のミステリっぽい映画と言えば「ドックヴィル」が
強烈な印象がありましたので、未見ならぜひ観てみてください。
568さんや570さんが薦めてくれたネルソン・デミルも勿論読んでみます。
紹介してくれて嬉しいです。
魔人さんは、嫌っている人たちがいるみたいだけど何故なのかな? 私はここに
来たばっかりなので、いろいろ言われてもまだ、ピンと来ないのでねぇ。。。
575:511
05/04/22 09:34:54 GAhbg8Pc
あと、映画ではあのセバスチャン・ジャプリソが原作という「ロング・エンゲージメント」
もお勧めですねぇ。まあミステリというより戦争映画の大傑作なんですが。
同じ監督による「アメリ」をあらかじめ観ているとより楽しめるかも・・・
576:511
05/04/22 10:30:07 GAhbg8Pc
・・・魔人氏、まじで嫌われてるね。哲板にもびかぁ~という名物男がいるけど
そのミステリ版なのか? それにしても、ちゃんとした文章を綴る人物ではないか。
とても真似できないと漏れなんかは感心しちゃうけどな・・。
577:名無しのオプ
05/04/22 11:27:38 /Jxr9O2z
>511 一度だけレスするけど。。。
書斎魔神 ミステリ板住人
で、ぐぐってみて。
やつが今まで行ってきた、プロバイダからリアル・ゴルァされたほどの荒らし行為の数々がわかるから。
あと、あまり魔人魔人と書いていると、奴の自演キャラと勘違いされちゃうから御用心。
578:名無しのオプ
05/04/22 13:29:21 9yF445h9
「シンプル・プラン」の原作は面白かったなあ。
真ん中辺りと終盤は心臓バクバクさせながら読んでた。
579:名無しのオプ
05/04/22 14:24:00 s7iL60+H
>>569を無視して書き込んでいるんだから、511は馬の自演キャラに決まっている。
仮に本物の初心者だったとしても、馬と同列の荒らし。以後はスルーで。
580:名無しのオプ
05/04/22 16:14:45 fH8fEyFk
>>579
自分の罵倒レスが尊重されなかったから怒ってるの?
511はまともなやり取りをしているだけだろ。
虚心になれよ。他人の受け売りじゃなく。
581:名無しのオプ
05/04/22 16:18:01 s7iL60+H
発狂乙
582:名無しのオプ
05/04/22 21:23:07 +iu210/2
誰にも相手にされない孤独な中年が鏡相手にブツブツ話しているようなもんだ。
みじめな自演君はほっといてやろうぜ。
自分同士で会話するだけで充分だろうしさ。
583:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/04/22 23:35:29 CQQjZHz/
セバスチアン・ジャプリゾ好きなら、初期邦訳3作は必ず読んで欲しい。
「シンデレラの罠」「寝台車の殺人者」「新車の中の女」(全て創元推理文庫)
英国産パズル小説や米国産ハードボイルドとは全く異なる
これぞフランス・サスペンス・ミステリというムーディな魅力を満喫できる。
584:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/04/22 23:36:41 CQQjZHz/
ポール・ブリックヒル「大脱走」を読む。
ホラーはSF板の担当になったようだが、冒険小説はミステリ板担当ということなので、
この板で紹介したい。
言わずと知れたジョン・スタージェス監督作品の原作であるが、
戦争スポーツアクションである映画とは異なり、戦時下におけるリアルな
冒険ドキュメントとして読み応えがある作であった。
原作の読ませどころのひとつとなっているのは、映画では完全にカットされて
しまった終章、元スコットランドヤード刑事の英空軍特別調査付、バウズ中佐の
捕虜虐殺に関連した戦犯追及のくだりである。
わずか20頁弱のボリュームだが、書き込めばこの部分だけでも独立した長編足り得る
ほどの内容を伴うものであり、フォーサイスの「オデッサファイル」、
清張の戦後ドキュメント等のテーストに近いものを堪能出来る。
シビアでビターな展開は、映画の脳天気なラストがぶっ飛ぶ感がある。
大脱走に到るまでの、パスポートや制服の偽造、トンネルの偽装工作等は、
映画でも描かれていたが、この辺は倒叙ミステリと共通する細かいプロセスの面白さが
ある。
585:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/04/22 23:37:40 CQQjZHz/
登場するキャラクターは大きく脚色されているが、
トンネル掘削により出た土の処分方法等細部に原作の面白さが生かされてはいる。
ただし、本筋の脱走ネタで残念なのは、脱走に成功する3人のうちの1人、
ボブ・ヴァン・デア・ストックのエピだ。(映画ではジェームズ・コバーンの役柄)
18番目の脱出者である彼の逃避行は、まさに波瀾万丈そのもの。
これも一編の冒険小説足り得るものがある。
映画では、レジスタンスと出会うシーンまでしか描かれなかったのが残念だ。
なお、残りの2人はコンビ(映画では1人はチャールズ・ブロンソンが演じた)、
映画に描かれたとおり、比較的順調に船での脱出に成功している。
思うに、名作・傑作と言われる映画でさえ、原作と比較するとその創りの粗さが目立って
しまう感が強い。
「大脱走」の例を見ても、マックイーンのバイクによる逃亡シーン以外は、映画が原作に
優っている部分は皆無と言い得る。
映画は個性が強い魅力的なキャスティングだが、原作の登場人物たちはより多彩で個性に
富んでいる。
戦闘シーンをスペクタクルに出来るため、映画の強みが発揮できそうな冒険・戦争もの
でも、「史上最大の作戦」「遥かなる橋」「バルジ大作戦」「パリは燃えているか」等は、
原作の人間模様等を巡る濃い書き込みに比較すれば、退屈で凡庸な大作に過ぎないという
感がある。
「ナバロンの要塞」も、映画は原作にある男だけの実行部隊が醸し出す重量感
溢れるスリルには及ばない。
「戦場にかける橋」にも、原作のコンパクトにまとまったエスプリは生かされていない。
他のジャンルを見ても、ふと思いつく限りでも、「戦争と平和」「風と共に去りぬ」
「老人と海」「ゴッドファーザー」「ポセイドンアドベンチャー」等々、
全て原作の方が面白かったというのが正直な感想である。
586:名無しのオプ
05/04/23 00:21:02 Mcs6Fm6j
自分が存在する前にあったことを他人の言や周りの雰囲気だけで
鵜呑みにして何の疑問も持たずに対象を攻撃してはばからず、
少しでも気に食わない発言があると同罪とばかり痛罵する。
なにやら近頃のニュースを思い起こさせますなぁ。
587:名無しのオプ
05/04/23 00:26:37 HB+sNouM
近頃のニュースといえば一人八役をネット上で演じて嫌がらせを繰り返したやつとかもいたな
588:読後感
05/04/24 04:02:36 m38HBrR9
「最後の一ビン」スタンリイ・エリン
書評では前作「九時から五時までの男」より劣るという声を
ちらほら聞いたが、それはオーソドックスなプロットが多いからか。
好きなのは胸の空く復讐タンでラストの皮肉も効いてる「画商の女」と
最後の一撃が光る表題作。
さらに「内輪」を加えてベスト3としたいが、
程度の差はあれ誰でもこの作品の
主人公のような経験があるに違いない。
589:名無しのオプ
05/04/25 02:21:00 jU1N2FyK
久しぶりに海外オフやるらしいよ
590:名無しのオプ
05/04/25 17:30:50 G++05F1u
ぜひ魔神さんをSGとして迎えたいですね
591:読後感
05/04/27 09:59:34 SIgGyN7W
「終われないふたり」メアリー・リン・バクスター(ハーレクイン)
謎の電話に悩まされるジュリアーナ。
トークショーの司会を務める彼女には敵がいるのか・・・。
脅える彼女の許にやってきたのはかつて不幸な事故が原因で離婚した夫だった。
ロマンティック・サスペンス。
犯人も事故の真相も見当がつくが、一番気になるのはラストのバカっぽさ。
この流れでそれはないのでは・・・。不自然だし。
ラストで愛>キャリアを強調させてるのがよい。
「スーザンが復讐するとき」ジョゼフ・エイミエル(新潮社)
弁護士ダンは恋仲になった女性の弁護を担当することを決意する。
彼女の容疑は夫の殺害。無実を信じるダンだったが、
彼の行く手には巧妙な罠が待ち受けていた―。
同作者の「仮想結婚の終わりに」っていうロマンス小説をべた褒めしましてね、僕。
これも期待して読んだんですわ。
流石特定レーベル(上記)じゃないだけあって法廷シーンも
おざなりじゃなく描けている(と思う)。どんでん返しもあるし。
上下巻とか気にならんね。
592:読後感
05/04/27 10:00:29 SIgGyN7W
「裏切りの朝」ジョー・ゴアズ(角川書店)
8年の刑期を終えて出所したラニアン。しかし娑婆の空気を楽しむ間もなく、
得体の知れない美女や、保険調査員、殺し屋に付きまとわれる羽目になる。
連中の魂胆はわかっている―ラニアンが隠したダイヤが目当てなのだ。
ラニアンは追っ手を上手くあしらいながらダイヤを手にしようとするが・・・。
ゴアズは「脅える暗殺者」以来2作目。
ハードボイルド作家にしちゃロマンチストやなぁという印象。
しかし王道を楽しむというのも立派な読書作法ですぞ。
「あんな上司は死ねばいい」ジェイソン・スター(ソニーマガジンズ)
上司の嫉妬から職を追われバイトに汲々とするビル。
ある時痴漢に間違われて絡まれてしまったことから彼の人生は真っ逆さまに転げ落ちていく。
リストラ・ミステリーだって。ダグラス・ケネディと同系列か。
しかし、あっちはまだちょい光明がなくもないが、これはかなり悲惨だと思う。
この手のは大雑把な流れははなからわかってるから後はどう嫌がらせられるかだね。
うん、イヤだったw
593:読後感
05/04/27 10:02:19 SIgGyN7W
「殺人四重奏」ミッシェル・ルブラン(東京創元社)
1人の被害者に4人の容疑者。皆自分がやったと言って譲らない。
嘘つきは1人もいない。では真実はどこにある?
有名なフランス・ミステリーの古典ですね。
原理は見当つくけど、まあ、早い者勝ちなネタですな。
今読む必要はないかと。
「女テロリストを殺せ」ギイ・テセール(文芸春秋)
夫婦生活が破綻して失意のボーマンは上司に言われ、ある囮捜査に着手する。
それは敵の女スパイと関係を持ち、彼女を暗殺するというものだった。
作者はル・カレに憧れて本書を書いたらしいが、本当にうわべっつらをなぞった感じ。
「絶妙のどんでん返し」という惹句も見当外れでサブい。返ってませんからー残念!
しかし、不貞妻というシークエンス(使い方あってる?)についてはル・カレも
上辺だけかな?
594:読後感
05/04/27 10:03:40 SIgGyN7W
「フライアーズ・パードン館の謎」フィリップ・マクドナルド(原書房)
当主が次々と怪死するという曰くつきの館を買い取った売れっ子女流作家が
密室内で死亡した。死因はなんと溺死。
しかも死体が発見される数分前に電話口に出たという・・・。
管財人として館を訪れていたチャールズはこの奇々怪々な状況を打破すべく動き始める。
ミステリ界の3マクと(ry
Pマクキターと喜んだのも束の間。あのベタで通俗的なロマンスを久方ぶりに読めるという
期待はアッサリ裏切られました。プンプン。
驚くほどそっけなかったです、はい。
で、謎ですがあまりに突飛なためか分割されると途端にボロボロとなってしまう印象。
物が移動したり、音がしたり、手首が徘徊したりと小謎も微笑ましくはあるのですが・・・。
ハードカバーで買うほどじゃないですね。
あ、それから登場人物表がない!これ致命的ね。
つーかとっととmurder gone madを出せと小一時間(ry
595:名無しのオプ
05/04/28 02:59:55 pDyXbNKU
S・キング「ザ・スタンド」
核爆発って・・・なんじゃそりゃ。
メル欄が生きてたのは許せるけど、ロイドとかジュリーとかも最後見せ場欲しかった。
ラリーとかの死も結構スルーされてるっぽいし。
でも、なんだかんだで超面白かったw
596:名無しのオプ
05/04/29 09:00:37 Sac1AL5J
保守アゲ
597:511
05/04/29 11:54:05 pfgzpRNx
「シンプルプラン」読んだよ。確かに面白いね。特にこの題名が効いてるな。
ジリアン・ホフマンの「報復」読んだ。・・・なんだ、これ?
面白かったけど、ちゃんと終わっていないような・・。おかしいな。
続編がありそうな終わり方だが?
松岡圭祐「千里眼の死角」読了。今回も良かった。松岡のこのシリーズは
007の日本的な翻案と思われるが、成功しているのではないだろうか?
007を日本の風土に持ち込むとこういう風に変貌するというのが、
面白いね。松岡は、日本の作家のなかでは評価できるほうだな。
598:名無しのオプ
05/04/29 13:46:40 L906hNdf
コーネル・ウールリッチの「黒い天使」読了。
これってメール欄ってこと?
599:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/04/29 16:19:12 4n6yUDaB
アーサー・ヘイリー「最後の診断」を読む。
59年発表の作品だが、時を越えた面白さを持つエンタメである。
一時期はヘイリー専属の翻訳家という感さえあった永井淳(近年ではキング作品の訳で
有名。永井氏にとってキング作品を第2の鉱脈とすれば、第1の鉱脈だったのがヘイリー作品であると言い得る)の平易でこなれた訳文が、
わかり易さ、読み易さをモットーとしたヘイリー作品には、まさにどんぴしゃであった。
一応の主役はスリー・カウンティズ病院外科部長・病院医師会議議長のオドーネルだが、
物語の要所で場をさらうキーマンは病理部長の老医師ピアスンである。
専門家が読めば、医学に関する記述には陳腐化している部分もあるのだろうが、
多彩な人物(しかし、いわゆるエンタメに付き物のステレオタイプの悪人は登場せず、
一様に真面目な人物である点が好感を持てる)が織り成す人間ドラマは、
それを補って余りあるものがあるのではないか。
人間を書けないと批判されることが多いヘイリーだが、この作品は脇役まで目配りが
効いた丁寧な描写がなされており、
保育室担当の名無しの若いナース(実は非常に腕利き)なども非常に印象に残るキャラと
なっている。
メーンなキャラだけ見ても、オトール、ピアスンの他にも、
新任だが病理の斬れ者コールマン医師、美人女医(だが30後半女)のグレンジャー医師等、十分にキャラが立っている人物は枚挙に暇が無い感がある。
全ヘイリー作品の中でも屈指の面白い作品だが、まともに映像化されなかったのは、
クライマックスが検便シーンゆえ致し方あるまい。
600:名無しのオプ
05/04/29 20:00:21 cDqXfqgF
ade
601:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/05/01 16:06:17 fEwgJsJF
マーティン・クルーズ・スミス「ゴーリキー・パーク」を読む。
私のように年季が入った読み手であっても、未読の著名作品というのは
あるものだが、そのうちのひとつが本作であった。
ハードカヴァー刊行時に評判になった作品だが、その後のソ連邦崩壊等
により古びた印象があり、未読のまま今日に至っていた。
モスコーを舞台にした猟奇犯罪という謎の設定は興趣に富むものがあるのだが、
結局、全編通じて面白い点はこれだけであった。
えらく早い段階での犯人露呈、それなりの説得力はあるが地味な動機、
この手の大衆エンタメ小説にはお約束の謎めいた美女の登場、
安手のハリウッド映画まがいのNYから来た刑事との確執と友情等々、
先が読め過ぎる展開は、到底、まともな読書人の鑑賞に耐え得るものではない。
何よりも悪いのはアメリカ人作家の手になるものゆえ、
文中からロシアの空気といったものが全く伝わって来ないことである。
602:名無しのオプ
05/05/04 06:06:53 n+GKYxW3
「神の狩人」の前半は面白かったよ。
解決部になるとグリシャムのようになっちゃう。
でも上の部類ね。
603:名無しのオプ
05/05/04 06:37:05 PmoxBBlM
「猟鬼」のロシアの空気はどうですか?
604:名無しのオプ
05/05/05 19:39:21 pxICa35Y
「霧の中の虎」 マージェリー・アリンガム(ハヤカワ・ポケミス)
読了。
英国三大女流ミステリ作家らしいのでパズラーを期待して読んだらスリラーだった_| ̄|○
名探偵アルバート・キャンピオンのシリーズなのにキャンピオンが全然活躍してなかった。
というより、その他大勢の一人というレベルの扱いでした・・・。
605:名無しのオプ
05/05/07 14:22:39 62em3S02
アガサ・クリスティ『ひらいたトランプ』読みました
海外ミステリはちょっと苦手なのですが、訳も上手く、
ストーリーにも引き込まれ、一気読みしてしまいました。
ポワロはやっぱり(・∀・)イイ!!
どんでん返しがいっぱいあったのが、個人的に評価高いです
606:読後感
05/05/08 15:31:57 8R+3laGB
「ママは何でも知っている」ジェイムズ・ヤッフェ
評判通り粒揃いの傑作集。
質で拮抗しているなら量で判断ということで
「ママは憶えている」に一票。
607:名無しのオプ
05/05/10 16:29:27 YEyw9Mbz
N・ブレイク「証拠の問題」(ハヤカワポケミス)を読了しました。
以前に読んだ「章の終わり」「雪だるまの殺人」は余りに退屈、
「血塗られた報酬」は単なるサスペンスだったので、期待せずに
読んだのですが、これは良かったです。
英国の私立学校の雰囲気も捉えられていたし、犯人の造形もなかなか、
「凶器の隠し方」トリックも満足できるものでした。
608:名無しのオプ
05/05/12 21:55:42 /M+czMaO
グレッグ・アイルズ「戦慄の眠り」読みました。
「神の狩人」系統を再び期待していたので
かなり満足させられる出来でしたが
真犯人が××というのにはガクッとしてしまいました。
捜査チームがあらかじめ予想していた犯人像の中に
××というのがなければ、もう少し衝撃を味わえたと思うのですが。
609:読後感
05/05/13 22:32:14 PsQmPGTv
「クリスマスのフロスト」R・D・ウィングフィールド(東京創元社)
美しい娼婦の愛娘が学校からの帰路、誘拐された。
ワーカーホリックで下品なフロスト警部は新任の巡査と共に
捜査にあたるが・・・。
言われてるほどではないと思う。
読みやすいし、わらけるし、予てから警察小説というものに抱いていた
偏見がやや緩んだのは認めるけど。
続けて2、3と読もうとは思わんなぁ。
一人一人の堀下げが甘い。婦警とか。でも12歳のナイスバディには萌え。
「第五の墓」ジョナサン・ラティマー(早川書房)
失踪した娘を探しに来た私立探偵のカールだったが、着いた早々相棒の死を知らされる。
娘がいるのは怪しげな宗教団体の施設で、ギャングと組んで町を牛耳っている様子。
カールはボスの女に下心込みの義侠心を出し、彼女を使って対立するギャング同士の
抗争を煽るが・・・。
イマイチ。本当にかる~い感じ。ラストの真相もろくな伏線もなくいきなりだし。
代表作とは言えないのでは。「モルグの女」が面白いことを望む。
610:読後感
05/05/13 22:33:41 PsQmPGTv
「法の悲劇」シリル・ヘアー(早川書房)
バーバー判事の許に届けられた脅迫状。そして起こった交通事故。
最初意に介さなかった判事も次第に追い詰められ、自殺を図るようになる。
そんな夫を献身的に支える妻のヒルダにも、魔手が伸び、彼女は自分の手で
夫を守り抜くと誓うのだが・・・。
傑作と呼び声高い古典。
ぶっちゃけストーリーは大して面白いものではないが、プロットには脱帽。
ここまでやられたら見破れないに決まっている。自分も(メル欄)でははん、
と思ったがその後どんどんグラついてラストにはウホッってな感じですた。
しかし小説としては(ry
キャラの相関関係も詳述されないし、誰が主役かもわからんし。
でも何で(メル欄2)したんだろう。噛み合わないね。
「水平線の男」ヘレン・ユースティス(東京創元社)
プレイボーイの大学教授が撲殺死体で発見された。
痴情のもつれと見た警察は、軽率は記者の書いた記事に触発されて、
彼に恋焦がれていた女学生を拘束してしまう。
これに憤慨した女学生ケートは、件の記者を誘き出し共同で真相究明
にあたることを承知させる。
そして恋が芽生える、と。一見インテリで不器量なコがおっとびっくり大変身!
てな感じのロマンスものです。嘘です。それだけじゃありません。
ある有名なトリックの嚆矢らしく、後半過ぎてああこれかと気づきました。
某有名映画とネタが被るが、こっちが先ですよね?
絶版ミステリの最たるもののようですが、今更復刊しにくいよなぁ。
611:読後感
05/05/13 22:34:06 PsQmPGTv
「ボンデージ!」スパークル・ヘイター(新潮社)
美人キャスターロビン・ドナルドは、診察を受ける予定だった医師が殺害された事件に
巻き込まれ、特ダネを掴もうと現場に残されたマッチを手がかりにSMクラブを取材する。
すると第二の殺人が起き、死体には彼女の名刺が―。
嫌な上司・隣人・親戚に悩まされながらも取材を続けるロビンは何者かに拉致され、
恥ずかしい姿で監禁されてしまう!
二作目。なんか乗り切れない。もっと面白く読めていいはずなのに、と
アウトラインからは感じるのだが・・・。
ヒロインと彼女を巡る登場人物たちとの絡みが、描写不足なんだよなー。
37歳バツイチってことでイヴァノヴィッチと比較してしまうからなのかも
知れんが・・・(でも体はリタ・ヘイワースというのは違うw)。
9年越しの続刊というのもイマイチぶりを物語っているのでは。
612:名無しのオプ
05/05/18 16:12:02 RI67hn44
「幽霊の死」 マージェリー・アリンガム(ハヤカワポケミス)
今は亡き画家・ラフカディオ氏の未発表作品が一般公開される展覧会が催された。
ところが作品の公開されている部屋で停電が発生し、その闇の中で一人の画家が刺殺された。
状況から考えると部屋にいた誰かが犯人と思われるのだが…。
読了。
いかにも黄金期らしい設定の事件が発生して、期待してページを繰っていったら…とほほ…。
パズラーとしては完全に崩壊してます。探偵役のキャンピオンは信じがたい理由で犯人を指摘するし、
物語の終盤では目を覆いたくなるくらいの失態を演じることに。
実質的に犯人を追い詰めていたのが警部だったことを考えると、超人探偵が活躍する推理小説への
アンチテーゼとして書かれた作品だったのかも…?
613:名無しのオプ
05/05/20 19:16:41 lg7AWJdW
「噛みついた女」リンジー(新潮文庫)
原題から察するに、著者は犯人の内面を描きたかったんだろうけど…いまいち。
614:名無しのオプ
05/05/20 21:34:08 Auj83OCe
「ハマースミスの蛆虫」(創元クライムクラブ)
恐喝者を追い詰めていくサスペンスものだけど結構ご都合主義の展開だね。
これも「幻の名(迷)作」的な範疇かな。(故・瀬戸川猛資氏なんか評価してるけど
(最後の三行とか)どうなんだろ。)
615:読後感
05/05/20 21:41:30 n4iq0bxX
「あなたならどうしますか?」シャーロット・アームストロング(東京創元社)
本邦オリジナル短編集。
しょっぱな長~い「あほうどり」にゲンナリし掛けるも、読み進むにつれ夢中に。
ネタが被る某有名短編のことなんか吹っ飛ばす勢いの筆力は正しく魔女の手並み。
定員に入った「敵」を含む3篇の所謂アンファン・テリブルものも、
ハイスミスやクェンティンの様な類型的なものではなく、
深い考察(或いは独創)に裏打ちされていて、読み応えがある。
他にもプロットが巧みな「オール・ザ・ウェイ・ホーム」など良作が多いが、
一番のお気に入りはストーリー・トリック共に印象的な「生垣を隔てて」。
「プリーストリー氏の問題」A・B・コックス(晶文社)
冴えないプリーストリー氏は今日も友達から馬鹿にされている。
それでもじっと耐えるプリーストリー氏。
しかし、ある時悪巧みが好きな連中の罠に嵌り、女性と手錠で繋がれたまま
逃げ回るという残酷な実験の被験者にされてしまう!
ユーモアたっぷりに描くバークリー式三十九夜。
ヒッチはこっからパクったんでしょうかね?
初バークリー。スレ立てしたくせに短編しか読んでなかったとゆー。
とても楽しみだったんですが、今読むとムム・・・。
まあ、当時流行ったスクリューボールコメディ映画のノリなんでしょうけど。
ちょこちょこ笑える場面はあったけど、ラストは強引やなぁw
616:読後感
05/05/20 21:42:12 n4iq0bxX
「緑は危険」クリスチアナ・ブランド(早川書房)
病院で人が死ぬんです。
容疑者は医者や看護婦なんです。
ややドロドロしてるんです。
喰らえ!クリスチアナブランド!!!
ジェゼベルほどではなし。しかしラストのスリルの持たせ方は流石。
あとコックリサン警部が強引に監禁するのはワラタ。無茶だろw
そして、また出て参りましたブランド名物尻軽女。
何しろ右ページで恋人へ貞節を誓っといて左ページで間男に進んでチューすんだから。
しかも無表情。ある面でブランドの理想の投影なのかも知れないが、こちとらそんな
思惑にうかと乗るほどあほうではない。何しろ私はウッディー萌えだから!
だって40過ぎてんのに美脚なんだぜ?どうよ?
「読者よ欺むかるるなかれ」カーター・ディクスン(早川書房)
読心術師ペニイクを囲んでの夕べに齎された不吉な予言。
そしてそれが現実のものとなったとき、ペニイクは再び死の予言をする。
果たして殺人は本当に念力によるものなのか?
勿論違いますが。
冒頭の件が抜群にいいね。カーはこういう導入部や外郭を考え出すのは上手いと思う。
痕跡なき殺人というのはラジオドラマでもやってたけど、あっちのが良かったかな。
あと、タイトルの意味がようわからん。(メル欄)てことか?
617:読後感
05/05/20 21:42:45 n4iq0bxX
「ユダの窓」カーター・ディクスン(早川書房)
ジェイムズは恋人との結婚を認めてもらおうと、彼女の家を訪ねる。
父親と話している途中、不意に眠気に襲われたジェイムズはそのまま、
意識を失ってしまう。しばらくして目を覚ました彼が見たものは、
矢に貫かれて死んでいる父親の姿だった・・・。
犯人は桔梗だなっ!なんちゃって、テヘッ☆
カーの代表作ですね。トリックがすごいと。おまけに法廷劇ときてる。
意気込んで読みましたが、矢張りトリックは良かったですねー。
でも、カーに似合わないようなエロティックな場面もあり、
ちょっと面食らいました。まだ初期の頃だからかな。
「鏡よ、鏡」スタンリイ・エリン(早川書房)
冒頭、洗面所で死んでいる謎の女。凶器と思われるピストルの在り処は
息子しか知らない。そして残された意味不明のメモ。
一体何が起こっているのか?
つまらない。僕はこの手の作品にはっきりそう言える日本人です。
はちゃめちゃなプロットで見え見えの真相を隠そうとしてるだけ。
とりあえず元妻のオッパイがメロン並ということはわかった。
「空白との契約」はまともな出来だといいな。
618:読後感
05/05/20 21:43:09 n4iq0bxX
「オランダ靴の秘密」エラリイ・クイーン(早川書房)
まあ何つーか、アレだ。病院だ。そこでババアが殺されるわけだ。
んで、エラリイがしゃしゃって来ると。そういうこと。
横溝が好きだと言ってましたね(一番は「リーヴェンワース事件」らしいですが)。
ギリシャほど重厚でなく、読みやすい方だと言えます。
第一の殺人における極めて簡単な小手先トリックはお気に入り。タイミングという
不確定要素を度外視すれば理想的なものの一つです(「密室の妻」みたく)。
しかし、第二の殺人はいただけない。余りにも手がかりがあからさまで・・・。
619:名無しのオプ
05/05/22 15:45:35 nbEBsWTT
「死時計」 ディクスン・カー(創元推理文庫)
読了。
なんというか、カーの悪いところばっかり出たような大駄作。
捨てトリックで使うならまだしも、これが真相となると納得していいのやら。
カー作品はたいてい位置関係がつかみづらいのだから、せめて現場の地図を入れておいて
欲しかった。
620:名無しのオプ
05/05/23 19:26:26 pnwo/Lv9
「殺人ア・ラ・モード」 パトリシア・モイーズ(ハヤカワポケミス)
ファッション誌”スタイル”の副編集長ヘレン・パンクハーストは締め切りを翌日に控え、
最後の原稿を仕上げようと編集部に一人残っていた。
ところが明朝、印刷屋の人間が編集部を訪れてみると彼女は青酸カリを飲んで死んでいた。
彼女の魔法瓶に毒をもる機会がある人間は…。
ファッション界を描いている部分は面白いけど、ミステリとしてはいまいち。
登場人物にそれぞれ裏の関係があって、そのゴシップがメインになっているような気がします。
「死人はスキーをしない」の時に比べてティペットが尊大になっているように見えるのは、事件の
現場がホームグラウンドのロンドンだからかも?
621:名無しのオプ
05/05/25 19:50:24 rIk24kHP
「一角獣殺人事件」 カーター・ディクスン(国書刊行会)
唯一の入り口である橋が落とされ、孤立無援となった古城。
その二階の廊下を歩いていた男性が、突如として額を押さえながら階段を転げ落ちた。
階下で倒れている遺体を調べてみると、その額には角上の物体で刺し貫かれた跡が。
目撃者の証言によると、被害者に近付いた人間は誰もいないというのだが…?
クローズドサークルでこのオチというのは、ある意味凄い。ほとんど反則技。
あと、一角獣の仕業と思われた凶器が「なんじゃそりゃ?」と言いたくなる代物だったけど、
メインのトリックは面白いし、なんだかんだで伏線の回収具合も見事なものでした。
ただ、全体的にもう一押しが欲しかったような。
622:名無しのオプ
05/05/25 20:43:24 uyD8EPrY
アガサ・クリスティ『ホロー荘の殺人』
翻訳の拙さにヒイヒイ言いながら、何とか読了。
「濃くて強いコーヒー」・・・?強い・・・strongのことかー!
ストーリーの面白さに助けられた。
犯人を考える気力も無くすぐらい翻弄されてしまった。脱力。
623:読後感
05/05/27 21:14:47 otgzqUHX
「半身」サラ・ウォーターズ(東京創元社)
ロンドンの監獄を慰問に訪れた「私」はそこである女囚に出会う。
彼女は霊媒で、過去にある事件を起こしていた。
昔語りを聞くうちに彼女に惹かれていく「私」。
果たして彼女の能力は本物なのか?
このミス1位には2年連続で裏切られてきましたが、どうやら記録は更新されるようです。
何でこれが1位よ?フランス辺りで推理小説大賞でも獲っとけって感じ。
カットバックと知ったときからやな予感したんだぁ。
皆さん、読んじゃだめよ(って遅いかw)。
「マーチ博士の四人の息子」ブリジット・オベール(早川書房)
マーチ博士の家で働いているメイドのジニーは偶然ある日記を発見する。
その日記には何者かの異常な殺人の記録が綴られていた。
そして何者かは告白していた。自分は博士の息子の1人であると。
ジニーは何とかして日記の主を特定しようとするが・・・。
これもうちょっと短かったらよかったな。
流石に引っ張りすぎではないかと。切れ味が鈍るよ。
真相も想定の範囲内だったし。フランス人にゃこれが限度ってことでしょうか。
624:読後感
05/05/27 21:15:13 otgzqUHX
「魔性の馬」ジョセフィン・テイ(小学館)
ロンドンに住む孤児のファラーは、ある時出会った男から奇妙な話を持ちかけられる。
彼が目下行方不明中の資産家の相続人に瓜二つであることから、その人物に成りすまして、
家内に入り込めというのだ。
気の進まないファラーだったが、とうとう引き受けてしまう。
果たして彼を待ち受けるものとは―。
「時の娘」や「美の秘密」なんかとはまた違って青春小説の趣がある作品。
このプロットでハッピーエンドに落とすのはちと無理があるかもだが、
それは作者の優しさと好意的に解釈する。
ちなみにこのミスでのりりんが「今年の好感度NO1」とか言ってたけど、
アンタもそういうこと気にするんだねw
「けちんぼフレッドをさがせ!」ジャネット・イヴァノヴィッチ(扶桑社)
永年懸念していた事態の兆候がついに表れる。
愁眉の念を深めつつ、今後の推移を静観することに。
「そうよ、あたしには乳首があるのよ!文句ある?」はツボった。
625:読後感
05/05/27 21:15:35 otgzqUHX
「髑髏島の惨劇」マイケル・スレイド(文芸春秋)
呪われた島に集められた15人の男女。
彼らはおのおの探偵に扮して推理ゲームに参加するはずだったが、
ゲームは現実の殺人へと変わり、次々と意表をつくやり方で参加者が消されていく。
犯人は誰か?
「ねーパパぁ、髑髏島まだぁ~」
「っかしーなー、地図ではもう見えてるはずなんだが・・・」
という行楽にありがちな親子の会話が連想されるほど髑髏島が出てこない。
前半は何か刑事ドラマみたいな感じで検屍医との鞘当とか読まされる
(いや別にそれが悪いとは言わんが・・・ブツブツ)。
半分過ぎた辺りで漸く上陸。と思ったらページの都合でサクサク収穫されていく。
違うじゃんか!ヤバい状況に陥った面々が本性剥き出しにしていがみ合うのが
クローズド・サークルものの見せ場でしょ。それがないんだもん。
作中でも予告されてたあいつとあいつの殴り合いとか楽しみにしてたのにー。
でも、種々のトリックは結構凝っていて面白かった。その点は評価。
しかしこの作家(達)キャラに愛着ないよね・・・。
626:名無しのオプ
05/05/29 20:42:07 1Yv6Pzo1
「黄泉の国へまっしぐら」 サラ・コードウェル(ハヤカワポケミス)
おっちょこちょいの女性弁護士・ジュリアが、二ヶ月前の事件を急に蒸し返しはじめた。
その事件は富豪の孫娘がフラットの屋上から転落死死したというものだったが、それが実は
事故死ではなく他殺だったのではないかというのだ。
実際に現場を調べてみると、たしかに事故死しそうにないことが判明し…。
ヒラリー・テイマー教授の活躍するミステリ第2弾。
前作のようなかっちりとしたパズラーを期待していたら、かなり肩透かしな内容に脱力。
ミスディレクションが上手く機能していなくて犯人はバレバレ、転落死事件に関する真相も
底抜けなオチでした。
ただし、この犯人の動機は凄い。諧謔趣味に溢れていて、あまりのとんでもなさに笑えます。
ところで、あとがきを読む限り、訳者は完全にテイマー教授を男性と勘違いしてました…。
627:ロム者
05/05/31 00:06:00 4QwJc4fv
「戦慄の眠り」 グレッグ・アイルズ著(講談社文庫)
○誘拐した女性の瀕死の姿を描く謎の殺人画家。
過去に双子の妹を連続殺人犯に奪われた女性カメラマン、ジョーダン・グラス。
ある日ジョーダンは意外な場所で妹の姿を目撃する・・・・
上のほうで話題になってる「神の狩人」と同じ世界で展開する物語。
といっても、レンズ博士とD・バクスターのFBI凸凹コンビが登場するだけで続編ではない。
(多少の後日談のようなものはある)
「神の狩人」は面白かった派の自分としては全体的に物足りない作品です。
ある証拠から容疑者を絞り込むんだけど、そんなんでいいの??と思うような証拠だし、
犯人(というか真の犯人)も、うーーんってな感じ。
とりあえずマイルズ・ターナーを呼べ。
628:読後感
05/06/03 19:45:32 TwAOXPM7
「ホンキー・トンク・ガール」リック・リオーダン(小学館)
探偵見習いのトレス・ナヴァーは尾行中の女性を目の前で射殺され衝撃を受ける。
その女性はある新進若手歌手のバンドメンバーであり、エージェントはどこも
彼女の獲得に躍起になっていたことから、ナヴァーは独自の調査を開始する。
「ビッグ・レッド・テキーラ」の続編。このシリーズは好き。
今回の話も楽しませてもらった。かなり安定した実力を持った作家だと思う。
ただ前作の登場人物がほとんど出てこないのには面食らったけど。
カバーは凄いことになってるが、それは気にせず是非ご一読の程。
いやはや、女って怖いねぇ。
「日時計」クリストファー・ランドン(東京創元社)
夫婦で私立探偵を営んでいる主人公の元にもたらされたのは、
ある誘拐犯の居場所を突き止め、子供を救出することだった。
彼らは信頼できる友人とともに、写真だけを手がかりにして居場所を割り出し、
遠く辛い救出行に赴く。
今までに読んだことのないプロットだったので目新しさも手伝って読めた。
妻が嫌っている夫の親友。しかし主人公がしばらく別行動をとった後、
二人は仲良くなっていたとゆー。何かムズムズしますw
でも心配しなくてもダイジョーブ。別に用意してあるから(謎
サービスシーンなんかもあるんでお薦め?
629:読後感
05/06/03 19:46:21 TwAOXPM7
「カメンスキーの<小さな死>」チャールズ・マッキャリー(扶桑社)
「機関」の一員ポール・クリストファーは工作員からソビエトの作家カメンスキーの
原稿を受け取った。しかしその直後工作員は轢死してしまう。
出版を快く思わない人物による殺人か?ポール達の暗闘は続く。
ミスマガで直井明が連呼してる作家。アメリカの大物スパイ作家らしい。
しかしこれはラブ・ストーリィである。
工作員という夫の職業に理解が持てない妻。嫉妬などという感情とは無縁の夫。
そしてついに妻は夫がいない間は別の生活を営むと宣言する。
夫の見送りを済ませる妻の手首から外される腕輪。
その奇妙な夫婦生活はそれでも一定のバランスを保っているように思えたが、
やはりそれは一瞬の凪でしかなかった・・・。
ラストが泣かせる。
「私たちはとても愛し合っていたわ。これほど人を愛することはもうないでしょうね」
キャシーの目は乾いていた。クリストファーは泣いていた。
「それはドルでいくらになるんだい?」(うろ覚え引用)
ヒロインは登場するのがこれ一冊きりでなければエスピオナージュの3悪女に加えたいぐらいである
(ちなみに3悪女とは一般にスマイリー三部作のアン、プリンス・マルコシリーズのアレクサンドラ、
そしてスパイ9部作のフィオーナの3人を指す。覚えておくように)。
630:読後感
05/06/03 19:48:23 TwAOXPM7
「魔女が笑う夜」カーター・ディクスン(早川書房)
はずれに不気味な「後家」の石像が立っている村では、中傷の手紙が飛び交っている。
送り主は「後家」。そしてある夜、「後家」から訪問を予告された娘が寝室で悲鳴を上げた。
大勢が見張っていたにも関わらず、「後家」が目の前にいたというのだ。
そしてその直後、殺人事件が―。
カーのバカミスの代表作。俺は好きだなぁ。ってか、これバカミスか?
案外やれるんじゃね?寝起きっての考慮すれば十分実用に耐えうると思うがなぁ。
北村薫が「カーだから許されるトリック」とか言ったらしいけどそんなことないよ。
島荘の奇想トリックは島荘だろうと誰だろうと許せんけど、
これはカーじゃなくても許せる。
あとロマンス面でもまたやられた。でもあの画家だかは浮気してたと思うなw
「怪盗ニック登場」エドワード・D・ホック
価値のないものしか盗まない泥棒ニック・ヴェルヴェットの活躍を描く第一短編集。
大体この前提からして無理があるような・・・。
そのもの自体に価値がないばかりでは駄目で、金や宝石とのつながりもない
というのが条件らしい。そんなんじゃお前食っていけないだろw
それを確認するためにはあれこれ詮索しなきゃならないわけだし、
結果宝石が絡んでたら頂いちゃう
こともある。信用堕ちるわ、矛盾してるわでずんどこべろんちょ。
ただ、話自体は慣れると結構読める。軽い調子で。
好きなのは陪審員を盗む話かな。
これ同棲相手との間に何やら起こるらしいので続編も読もうと思う。いつか。
631:読後感
05/06/03 19:49:35 TwAOXPM7
「アフロディーテの誘惑」エリーズ・タイトル(扶桑社)
精神分析医のヒロインが猟奇殺人に巻き込まれ・・・。
別に語ることないなぁ・・・。
ブクオフに売ったら15円だったw
632:名無しのオプ
05/06/03 20:42:42 5YSFAXKA
>>630
なにやら起こる部分は未訳だと思われ。
「怪盗ニック対女女怪盗サンドラ」は終わった部分になってるし、それ以前はうまく行ってる話
633:読後感
05/06/03 22:05:30 hq/pan8C
そうだったのか…
どうやら長いお別れになりそうだぜw
634:名無しのオプ
05/06/04 12:30:22 47kPi2L+
>>633
プレイバックなしか。
話は変わるがホックはサム・ホーソーンものはどんどん出てるね。
635:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/06/04 13:00:31 Q0NSQJQr
エドマンド・クリスピン「大聖堂は大騒ぎ」(国書刊行会)を読んだ。
トリックはバカミス1歩手前という感じのもの。
クリスピンは、どちらかと言うと雰囲気で読ませる作家であり
(これは代表作「消えた玩具屋」に顕著である)、謎解きミステリとして
文句無しに推せるのは「お楽しみの埋葬」くらいである。
「白鳥の歌」「愛は血を流して横たわる」あたりも決して面白い作品ではない。
他作と比較して、本作におけるフェン教授はまるでHMまがいに言動が粗っぽい感じだが、
これは翻訳のせいであろうか。
「愛は…」で、清楚な女子高生にまでからかわれてしまう万年青年的なイメージ
からは、やや違和感がある。
少し余談めくが、本作には、オカルティズム色も濃厚だが、オクスフォード大出身で
上品な作風で知られているクリスピンと比較しても、カーがかなりストイックな作風
だったのだと再認識させられるものがある。
なお、対談形式による2ちゃんねるのカキコまがいのあとがきにはうんざりさせられる。
636:名無しのオプ
05/06/04 16:51:10 NwLv51gz
「図書館の死体」ジェフ・アボット(ハヤカワ)
最悪だった。タイトルに惹かれて読んではみたものの主人公のゲスぶりに気分が悪くなった。
常識を持ったまっとうな人間を装ってるくせに中身はくず男。そのくせなぜかモテる。
文章もくだらない比喩やユーモア(のつもり)ばかりで読んでて苦痛だった。
637:名無しのオプ
05/06/07 15:05:24 t9Wt5KL3
『殺人交叉点』フレッド・カサック
登場人物の会話でばればれ?でした。
それよりなにより、
ルユール夫人が気持ち悪くて壁に投げつけたくなりました。
『星を継ぐもの』 ホーガン
(´Д⊂ヽタイトルもストーリーもすべてが美しい。
感動。
638:名無しのオプ
05/06/07 17:06:48 YSrTIezN
>>637
文庫旧版「殺人交差点」の方で読んだんじゃないか?
639:名無しのオプ
05/06/07 17:52:35 t9Wt5KL3
637です。
旧と新があるのですね。
こちらのは、平岡 敦訳となっております。
640:名無しのオプ
05/06/07 18:07:32 YSrTIezN
>>639
あれっ、それは最新版だなー。気をつけて訳してあるって聞いたけど。
1 殺人交叉点 クライム・クラブ版
2 殺人交差点 創元推理文庫旧版
3 殺人交叉点 創元推理文庫新版
翻訳が3種類あって、俺の読んだ1は会話を慎重に訳してトリックに気づかせない、いい翻訳でした。
んで、2はトリックを理解していないとしか思えない超悪訳で有名。弁護士の台詞が(メール欄)w
これの評判が悪かったので(当たり前だ)改訳したのが3。かなり気を遣っているはずなんだが…。
君のカンが良すぎたのかも知れん。
641:名無しのオプ
05/06/07 18:42:40 t9Wt5KL3
>>640
637です。
絶対!クライム・クラブ版 探してきます。
それから怖いものみたさですが(;゚Д゚)創元推理文庫旧版も
読んでみようと思います。
ご紹介ありがとうございました。感謝です。
642:名無しのオプ
05/06/09 23:58:58 7U5FpI4z
まあ嘘だろうけどな
643:名無しのオプ
05/06/10 01:24:11 agtEV1F5
>>641
トリックを知った後じゃ無意味なんじゃない?
644:名無しのオプ
05/06/10 09:38:49 RFNCDjrQ
>>641
こちらに旧版との違いが出ています
URLリンク(www5a.biglobe.ne.jp)
「連鎖反応」のネタバレもされているのでもしそちらを読んでいなければ
読後にドゾー(連鎖~は殺人~改訳についてとは関係ありません)
645:名無しのオプ
05/06/11 01:53:22 FOu6PbCt
殺人交叉点よりも
連鎖反応のほうが面白いかも…
646:名無しのオプ
05/06/12 20:10:59 KNtm42dR
>>636
同感。あんなクソつまらん本が有名な賞を獲ってるらしいのは納得できん。
あれほど退屈な本には滅多に出合わん。
647:名無しのオプ
05/06/12 22:45:38 fFUs6qji
『毒入りチョコレート事件』 アントニイ バークリイ 創元推理文庫
事件の発端2割、犯罪推理研究会の綿々の推理による解決編8割という構成だったので
様々な事象が整理され片付けられていく様子をいくつも拝めてたいへん満足。
探偵役(たち)の推理によっていく通りもの現実が作られていくのはおもしろいね。
「読んでいて面白い」という点でみれば素晴らしい作品だと思う。
648:ロム者
05/06/13 00:34:11 o5I3R2pE
「容疑者」ヘザー・グレアム著 (MIRA文庫)
○ある日、愛する夫が突然凶弾に倒れた大富豪のスペンサー。
かつて強烈に愛し合った元恋人・私立探偵デイヴィットと共に犯人を探し始める。
全く知らない出版社だったが古本屋で100円だったので購入。
かなり読みやすくて、物語もなかなか面白い。
ただ、物語の大半が犯人探しより二人のラブストーリーに費やされているので
ミステリーとしては物足りない。
悪役もすぐ捕まったり、せこかったりと小物ぞろい。
649:名無しのオプ
05/06/13 20:46:36 zaixn3st
このように実際読めば読めるんだよな。
それをロマンスだのハーレクインだの銘打ってあるのが目に入ると、
下らん偏見が邪魔をするわけですよ。
コージーとかは好んで読んでるくせに。
650:名無しのオプ
05/06/21 23:22:35 aRUJZIbp
アガサ・クリスティ『愛国殺人』読みました。
翻訳はアレだけど、このタイトルの付け方には拍手を送りたい。
マザーグースの調べに乗って・・・と紹介されていたので
てっきり見立て殺人かと思ったのに違ってちょいガッカリ・・・でも良作。
アガサは何気に人物描写が上手いと思います
651:名無しのオプ
05/06/26 05:53:12 tcYH5lu7
エルモア・レナード「ラム・パンチ」
タランティーノの「ジャッキー・ブラウン」の原作といったほうが早い。
筋はほとんど映画と同じだが、主人公が黒人ではなく白人女性なのが一番の違い。
ロミー・シュナイダーあたりがぴったりのイメージのように思う。
その他は映画のイメージそのマンまでドンぴしゃり。
会話もストーリーも歯切れがよく、悪党たちの描写も面白い。
652:名無しのオプ
05/06/30 00:50:27 I3yjXZRy
とっとと書けや。
もっと俺を楽しませろ!
653:名無しのオプ
05/06/30 23:04:20 AI3NImb/
「カインの檻」ハーブ・チャップマン
「モンスター」ケラーマン
読んだ人いる?感想お願いします。
「カイン」は新刊紹介スレで評判よろしいので、どうかなと。
ケラーマンは質が落ちていく一方なので、久しく読んでないのですが
これは初期のサイコ系らしいんでちょっと期待。
654:名無しのオプ
05/06/30 23:45:36 I3yjXZRy
お前が読んで報告するスレなんだよ
655:名無しのオプ
05/07/01 00:35:48 M/SRWw0n
聞きたいんですが!ピンカートン探偵社で実際に調査員をしてたハードボイルド作家の名前を教えてもらえませんか?よろしくお願いします
656:名無しのオプ
05/07/01 00:46:28 HqQgieZH
ディーン・R・クーンツ『雷鳴の館』(扶桑社ミステリー文庫)
スーザンは見知らぬ病院のベッドで目覚めた。
医師からは、交通事故を起こして、長い昏睡状態にあったのだと説明される。
しかし、いろいろと解せないことがあった。
自分の仕事のことは何ひとつ思い出せない。
それに、19歳のときに経験した悪夢が、なぜかかたちを伴って、彼女を襲い始めた。
彼らは死んだはずなのに……狂気か、幻覚か、それとも?
リー・ニコルズ名義で発表された初期作品。
一応合理的なオチはつくのだが、真相に過剰な期待をしない方がよい。
ページをめくらせる力はあるので、何も考えずに読むのが正解だろう。
それにしても振り返ってみれば、
結局タイトル(19歳の悪夢の場所)にはほとんど収束していかないんだなぁ。
これって微妙にネタばれになるかしら。
657:名無しのオプ
05/07/01 00:47:43 irUBPxeK
>>655
ハメット
658:名無しのオプ
05/07/01 00:49:33 M/SRWw0n
657ありがとうございます!m(_ _)m
659:名無しのオプ
05/07/01 00:55:46 HqQgieZH
>>655
URLリンク(msd.no-ip.com)
660:名無しのオプ
05/07/01 14:04:19 uMOX3lzj
「カインの檻」
「モンスター」
「百番目の男」
「死刑劇場」
読んだ。カインは昨日読み終わった、鬼畜の犯人に振り回される話。鬼畜は悔い改めない、という事がワカリマ。
あとの3つなんだが、、、
微妙に話がこんがらがってよく思い出せません。
キチガイ兄が「百番目」で当たってる?
モンスターってアレでしょ、被害者の目を切りつけるヤツでしょ?
あれ?
661:名無しのオプ
05/07/02 20:38:39 PO3Y2x6x
『カーラのゲーム』読了。【8点】
ボスニアをめぐるパワーゲームに翻弄される男女の生き方と
友情・家族愛の冒険小説。
めまぐるしい視点の転換に最初はとまどったが、
慣れると小気味よい。正直ボスニアの情況には疎いんだが、
十分おもしろかった。後半のハイジャックよりも空襲・闇市での
カーラの生き延びる描写のほうがよかったけど。
662:読後感
05/07/04 14:57:49 NVV+ZMvQ
「幻想と怪奇 宇宙怪獣現わる」(早川書房)
長い話が多かったのがちょっとマイナスかな。
つまらなくはないけど。
気に入ったのは「その名は悪魔」と「トランク詰めの女」。
あと「かたつむり」は作者の意外な一面を見た気がした。
「ハリー」は既読なので飛ばしたが良作だとは思う。
663:名無しのオプ
05/07/04 15:36:48 PAWZsqtR
>>648
> ただ、物語の大半が犯人探しより二人のラブストーリーに費やされているので
> ミステリーとしては物足りない。
> 悪役もすぐ捕まったり、せこかったりと小物ぞろい。
だってMIRA文庫じゃないですか。ハーレクインの作家さんが書いてるんだから(w
664:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/07/09 12:03:37 xCcMwRw9
J・G・バラード「コカインナイト」を読む。
60年代ニュー・ウエーブSFの旗手だった作者だが、
本書は、スペインの架空の町(エストレージャ・デ・マル)を舞台にした
ミステリ風の作である。
ハードボイルド・ミステリ好き(ただし、70年代以降の退廃的・病的なムードの
作品群も許容範囲という者に限る。名無しのオップ、マッド・スカダー等々)
には見逃せないものがある。
ただし、翻訳者(慶應義塾大学文学部独文科中退)がSF畑のためか、
文体面では、ハードボイルドスタイルは抑え気味の感があるが、事件の解決そのものは
いかにも70年代ハードボイルドミステリ的である(従って、救いが無いとも言える。
まあ、バラード作品らしいとも言えるのだが)
この辺は、ジャンルが異なるとは言え、70年代アメリカSF批判の急先鋒であった
バラードが、アメリカのお家芸である西部小説の後継と言われる
ハードボイルド・ミステリ的作を書き上げたというのは、非常に面白いものを感じる。
665:名無しのオプ
05/07/11 19:07:37 2Dua/VE5
H・マクロイ「暗い鏡の中に」(ハヤカワ文庫)
米国の女子高で、女教師の分身、ドッペルゲンガー騒ぎが起こる。本人には全く身に
覚えのないことだったのだが、やがて悲劇が起こる。同僚の女教師が、その分身に
階段から突き落とされて不慮の死を遂げたというのだ。しかし容疑者となる教師は
遥か離れたニューヨークにいた。やはりこの世のものならぬ生霊の仕業なのか・・・。
・・・何やら結構な値段で取引きされているそうですが、俺は西武池袋線沿線の某古書店
のゴミ溜めのような所から発掘して100円で購入しました。
感想は・・・、うーん、絶版はむべなるかな、という出来。ドッペルゲンガーの真相は、
何だこりゃ!?、というレベル。
但し、結末の付け方は実に上手いもの。実はこうだったのだ、としながら、それでは
終わらず不気味な余韻を残して終わります。やはり、J・D・カーの某作品の影響を
受けているのでしょうか?
666:名無しのオプ
05/07/11 20:10:03 HH38LaXo
>>665
オカルト風味な題材を元にして物語を作るのが得意な人なので…
出来れば一番評価の高い「殺す者と殺される者」が見付かれば購入すべきかと
667:名無しのオプ
05/07/11 20:16:53 ksNC/RwO
見つからないだろ、それw
668:名無しのオプ
05/07/11 20:44:27 F4adoMLN
>>665
>>448
669:名無しのオプ
05/07/11 23:45:36 fFoPxwO1
「暗い鏡の中に」も
「殺す者と殺される者」も
「幽霊の2/3」も
図書館でリクエストしてもNGだったわ (ノД`)
670:名無しのオプ
05/07/12 00:13:11 Bge3e3iC
「羊たちの沈黙」読みました。
評判どおりおもしろい。が、描写が下手なのか、翻訳がうまくないのか、
ときどき今自分が何を読んでいるのか見失うときがありました。
集中できていなかったのかな?
おもしろかったので映画も借りてまた見てしまった。
映画の出来が素晴らしいことを再確認。
レクター博士の不気味さは映画が勝っているかも。
映画を見た人は読まなくていいんじゃないかとさえ思ってしまった。
671:名無しのオプ
05/07/12 13:43:28 TCoW0SZn
M・D・ポースト「アンクル・アブナーの叡智」(ハヤカワ文庫)
創元の「事件簿」を遥か昔に読んでいましたが、ハヤカワ版には、それと
ダブってない作品があったので購入。
トリックや伏線の敷き方など、現代の目から見ると、もうちょっと何とか
ならないのかな、と思える場合が多いのですが、主人公の造型が全てを
救っています。ダラシない連中を叩きのめし、読者にも気合を入れ直して
くれる主人公です。余りに素朴なタカ派的発言は、時代の制約としたい
ところ。
ベストは「養女」でしょうか。意表を突いたトリックが今も新鮮。
672:名無しのオプ
05/07/12 19:48:47 B3l2qPBj
>>669
そら新刊本じゃねんだから所蔵してないなら無理に決まってる。
都内に越してこい。
673:名無しのオプ
05/07/12 20:15:33 34oDaCJT
ヘレン・マクロイの短編はハズレがないわね。
短編集「歌うダイアモンド」はどれも(・∀・)イイ!!
674:名無しのオプ
05/07/12 20:18:42 B3l2qPBj
俺もそう思うんだが薦めた二人にゃあ不評だった
675:名無しのオプ
05/07/12 21:14:02 1y/UPiwV
javascript:A=(d=document.body).
innerHTML;AA=new Array
("「","<br> ∩___∩<br> | ノ ヽ
<br> / ● ● | ","。?」","クマー
<br> | ( _●_) ミ<br> 彡、 |∪| 、`\
<br>/ __ ヽノ /´> )<br>(___) / (_/
<br> | /<br> | /\ \<br> | / ) )
<br> ∪ ( \<br> \_)<br>");i=0;while(i<AA.length)
{r=RegExp(AA[i],"g");A=A.replace(r,AA[i+1]);i+=2;}d.innerHTML=A;focus(0);
(1)上記のものをメモ帳にコピペ。
(2)各行の右端でDeleteかまして改行解除。
(3)そうしたものをブラウザのアドレスんとこに貼って実行。
(4)今見ているページの「」で囲まれた部分が全部クマーの発言になります。
676:名無しのオプ
05/07/12 21:55:02 z6qjSSEU
>>670
「羊たち~」は翻訳が駄目だということを結構見かけます(2chでですが…)
677:読後感
05/07/14 23:08:55 WJeaNpCt
「輝く断片」シオドア・スタージョン(河出書房新社)
う~む、何か乗り切れなかった。
日常から非日常に移行していくんじゃなくて
はなから非日常スタートみたいな感じなんでどうも…
解説で言ってるほどミステリ寄りとは思えん。
いっち好きは表題作。次は「ニュースの時間です」かな。
678:名無しのオプ
05/07/16 20:26:38 0yKpp9GC
「鏡よ、鏡」 スタンリイ・エリン(ハヤカワミステリ文庫)
オチが簡単に読めてしまうので、読んでいてワクワクする部分はなかった。
しかし、「おまんこ」などの言葉が伏字もなしで堂々と記載されていることには、さすがに驚いた。
「ミステリの限界にいどむ衝撃の問題作!」という惹句は、あながち間違いでもないと思う。
679:名無しのオプ
05/07/17 00:53:48 XMGpZNY1
>>678
「おま●こ」は「マキシム少佐の指揮」にも出てくる
680:読後感
05/07/17 05:08:08 Ffh8W97/
2001出版の「神は銃弾」にもあった
681:名無しのオプ
05/07/17 12:52:43 qZkDdpNT
ブロックの砕かれた街にもでてくる
682:名無しのオプ
05/07/18 00:28:55 /oRBQs9m
「検屍官」パトリシア・コーンウェル
ページ数にして約半分消化したところ。
この段階で評価すべきではないとはわかっているのですが…
つ ま ん な い
683:読後感
05/07/19 18:14:20 ZFbK398f
「大尉のいのしし狩り」デイヴィッド・イーリイ(晶文社)
うむ。やはりこっちのがしっくり来るな。話も短いし読みやすい。
ビキニは表題作と「忌避すべき場所」「最後の生き残り」かな。
まだ存命なら是非日本の読者へメッセージを!
ただ装丁が最低。折角今まで何と無く統一取れてたのに台無し。
684:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/07/20 21:44:44 yo2l0zom
ボリス・アクーニン「堕ちた天使 アザゼル」を読んだ。
ロシア・ミステリの人気シリーズの第1作ということだが、
本邦で翻訳されているのは本作のみである。
プーシキンを読んでいるかのような落ち着いた語り口、主人公もロシア文学に
登場人物のような人間臭ささであり、この辺にロシアらしい独自の作風が形成されて
いる。
物語中盤からは純粋な謎解きミステリではなく、フォーサイス的なスリラーの
世界になってしまうのが残念だが、ミステリ不毛地帯であるロシア作品にしては、
予想外に面白く読み終えることが出来、特にショッキングなラストはある意味で
意外性に富むものがある。
若く勇敢だが、間抜けなところもあるエラスト・ファンドーリン君のその後の活躍が
気にかかるところではある。
685:名無しのオプ
05/07/27 23:24:19 wg0cbROo
今さらだけど、「隣の家の少女」ジャック・ケッチャム読みました
語り口が面白くてぐんぐん引き込まれた
かなりレベルの高い作品という気がする
でも
ラストもーちょっと工夫出来るんじゃないかな
686:名無しのオプ
05/07/28 03:04:12 8uBo/UNX
「アクロイド殺し」クリスティ
読みました。
あおり文句に期待してどんな斬新なトリックかと思ったら拍子抜け。
あんなん誰でも思いつくっちゅーねん。
ベタすぎて誰もやろうとしなかっただけで。
まったく関心できませんでした。陳腐です。
「エジプト十字架の謎」クイーン
読みました。
クイーンって始めて読んだんですが、確かに人気あるの分かります。
すごくスタンダードな感じがする。安心して読める。
上記アクロイドより遥かにいい。
まあこれもトリック自体はなんか察しがつきました。
687:名無しのオプ
05/07/30 12:32:28 MirBwmLu
はいはいすごいすごい
688:名無しのオプ
05/07/31 01:35:54 qUC7BTjD
コリン・デクスター『ウッドストック行き最終バス』(創元推理文庫)
論理のアクロバットが華麗な謎解きの世界を構築する
モース主任警部シリーズ第一弾。
机上の推理で犯人の条件をあげ連ね、
オックスフォード在住10000人の中から犯人を1人に絞り出す…
・・・自分は背筋が凍り、体中に電流が走り抜けました。
そして、仮説を立てては駄目だしの繰り返しで何がなんだか分からなくなるストーリーが、実にグッドです。
脳みそがうにうに刺激されまくりです。
これでもか!というほどの突っ込みどころ満載の連続推理が
まるで殊能氏の作品に出てくる石動戯作のよう。
論理と思い込みの迷宮につかりたい方におすすめ。
689:名無しのオプ
05/07/31 01:40:59 hv10XGBm
>>688
ハヤカワ文庫HM
690:名無しのオプ
05/07/31 01:43:10 qUC7BTjD
>>689
ミスしました。
>>688はハヤカワ文庫です。
691:名無しのオプ
05/08/01 11:05:52 YDzUFKWm
怪盗ルビィ・マーチンスンは延期ですか
久しぶりに読めると思ったのになぁ
692:名無しのオプ
05/08/20 03:26:47 HETlgDVK
>>688
俺もそれ、おととい読んだ。
衝動的な殺人ほど捜査が難しいというが、
それにさらに偶然が重なって、推論をほぼ不可能にしている。
こういうお膳立てをするだけで勝ったようなもの。
あり得ないシチュエーションで、読者と知恵比べをするために書かれた
ミステリに食傷気味だったから、すごく新鮮だった。
693:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/08/21 20:10:28 3LMRUkEQ
エド・マクベイン追悼の意を込めて、
87分署シリーズ中、未読の作品「血の絆」(第30作)を読んだ。
シリーズ中では中期に属する作品であり、このためか、娯楽性と多彩な人間ドラマを
散りばめたボリューム感を溢れる後期の作とは異なり、初期の美文調とドキュメンタル
な作風の融合という面の方が強く出ている小品である。
また、訳者井上一夫氏のあとがきでも触れられているとおり、マクベインというよりは、「暴力教室」の作者であるエヴァン・ハンター的テーマと世界を描いた作であり、
この点で、87分署シリーズの一編としてコンパクトにまとめるネタとしては疑問が
残らぬでもない。
また、ミステリとしては、筆者レベルのミステリ読みだとすぐに犯人と真相がわかって
しまうものであり、本編はリアルな筆致であるため、かえって、事件解決に到る極端な
偶然性の連続が不自然に目立ってしまい頂けないものがある。
だが、75年の作品とはいえ、若年層の心理と生態に着眼したテーマは、現代にも
十二分に通じるものがあるのは、エドの作家としての着眼点の「確かさ」をあらためて
確認させられるものがあるし、「妹萌え!萌え!」とか
「なんとも綺麗な女の従姉妹キター!キター!…」とか、
意味も無く叫んで喜んでいる新書駄本好きなミスヲタには、突き付けて読ませたい
部分はあるのだ。
694:名無しのオプ
05/08/22 22:35:57 ZoMkJquS
>>682
まったく同感。真犯人を知った時点で、つまんなさが怒りに変わります。
>>688
読者に対してフェアプレーかどうかは疑問だが、伏線を結構張っている
ので、再読の度に発見があり、何度も読み返せる。比較的、単純な事件なん
だけど、これを合理的に組み立てるには、まさに論理のアクロバットが
必要だ。他には無い、オリジナルな面白さがあるね。
695:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/08/23 22:38:10 KwXG/S3P
ジョンの如く「トリック」がアクロバティックなのは良しとしても、デクスターの場合、ウッドストック以上に一般的な評価が高いキドリントンも同様だが、
論理にアクロバティックな部分があるということは、論理に無理があるということでは
ないか。
そもそもキドリントンの場合など、完全にミステリとして反則技を犯しているわけである。
英国ミステリの雰囲気を味わうエンタメとして読むのであればともかく、
エル作品のような論理の妙味を期待すると大きく裏切られること必至である。
696:名無しのオプ
05/08/23 22:55:42 ZBjCFPkd
さあ、書斎さんと盛り上げていきまっしょい!!!
697:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/08/23 23:09:47 KwXG/S3P
>>696
他板住人だな(w、逝け。
698:名無しのオプ
05/08/25 14:07:13 02IKi9W+
/ ̄ ̄ ̄\
ミミミ 丶
ミミ /一◎-◎-)
(9 U (_ _) )
| ∴) ⊂フ ) <他板住人だな(w、逝け。
/ \_____/
/ ( / |
カクカク. / | | ヽ |
((/ l | ) |
(( / \ \_,,-ーー-
| `ーヽ \ \ `ヽ__ 人_
(、`ーー、ィ }ヽ ξ / ==== ∵\
`ー、、___/ノ ̄ヽ " ミミ∴ ======== )
| \_)\ .\ ≧ lヨ=lヨ≦)\ < さあ、書斎さんと盛り上げていきまっしょい!!!
\ ~ ) \ .\∴)(_ _) )ヽ_つ
 ̄ \_つ 3 ゞ)
699:名無しのオプ
05/08/27 02:18:47 Bj0Mydtc
>>695
「論理にアクロバティック」が必要でしょ。登場人物が嘘ついてたり、ホラ吹いてたり
してるんだから。それを、神視点ではないモースが試行錯誤して、真実に辿り着く事に
彼の小説の妙味がある。読者にも、モースと知恵比べできるチャンスは与えるが、モース
程、ブッとばないと真実に辿り着けないようにワザと書いてるんだから。
そんな695には中西智明の「消失!」がおすすめ。
フェアプレイ、論理的なすばらしい小説なので、決して床に叩きつけたくなることは
ないと思います。695さんには。
700:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/08/27 10:27:44 JDgv/+Vp
コリン(注 コリン星人ではない)のような作品の存在を否定しはしないが、
あれを論理的と言われると違和感大である。
そもそも、はなれ技(飛躍)を使用した論理なるものがあり得るのか、
それは、すなわち論理破綻を意味するのではないか。
>読者にも、モースと知恵比べできるチャンスは与えるが、モース 程、
>ブッとばないと真実に辿り着けないようにワザと書いてるんだから。
この論が読者にとって無理有り過ぎかと思う(w
論理の整合性などではなく、モース(=作者コリン)の俺様ルールに
思う存分翻弄される知的マゾの楽しみ、これこそコリン作品の魅力かと思うのだ。
701:名無しのオプ
05/08/27 11:04:58 P+iu0Mmv
ウッドストック行き最終バスはいったい名作なのか迷作なのか
702:名無しのオプ
05/08/27 20:06:33 VfT36l2K
どっちにしても面白いのは確か
703:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/08/29 23:41:35 9lCbhuva
エド・マクベイン「魔術」を読む。
これもおなじみ87分署シリーズ、88年発表の第40作、シリーズ後期に属する作品
である。本作は、ハロウィンの仮装強盗、魔術師の失踪とバラバラ死体の発見、
娼婦連続殺人犯への囮捜査という3つの事件を核として、
あの愛すべきリチャード・ジェネロの大捕物、同じく愛すべき(?)怪漢アンディ・
パーカーの単独行(?)等が絡むこのシリーズ名物の典型的なモジュラー・タイプの
警察小説である。
しかし、文庫解説者の絶賛にもかかわらず、残念ながら出来は良くない。
メーンの事件のトリックが、ミステリ読みにとってはあまりに見え見えであること、
事件の解決が御都合主義な偶然に頼り過ぎていること、
差別的な表現、露骨な性的会話等が目立ち不快感があること(この点についても、
池上冬樹の解説には疑問が残る点がある)等々、作品としての不満点は数多い。
キャレラ、マイヤー、クリングが活躍出来ず、ホース&ブラウンが肝心の場面を
地味な印象があるウィリス&オブライエンのコンビにさらわれてしまう。
そして、パーカーがおいしい所を取り、ジェネロが警官として男になるという異色の
展開が面白い程度か。
704:名無しのオプ
05/08/30 00:03:52 pAxXJuux
書斎さんはぐんぐん腕を上げてるね。このまま文庫解説を任されてもおかしくないよ!
705:名無しのオプ
05/09/01 01:30:32 y6RecLyu
P.ボアロー『殺人者なき六つの殺人』(講談社文庫)
全体で250Pしかないのだが、冒頭の銀行家夫婦射殺事件を皮切りに、6つの密室殺人が展開される。
探偵は無個性なホームズ型のブニュエル。
不可能性は満点なのに、それを強調することもなく、ばたばたと事件が起こっていって落ち着きがない。
何より容疑者がいないのが致命的(推理小説的に考えて、犯人の予測はすぐについてしまう)。
6つの殺人の因果関係はうまく構成できているだけに、惜しい。
706:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/09/04 15:18:50 kfSZV37/
ポール・アルテ「カーテンの陰の死」を読んだ。
この作者の日本初紹介となった「第四の扉」では、作者自身も崇拝するJ・Dの再来かと
思わせるほどの本格ミステリとしてのシャープな面白さを堪能したものである。
しかし、その後「死を招く」「赤い霧」は、正直言うてプロットもトリックも無理が
目立つ期待外れな出来であった。
その点、本作は久々にスマッシュヒットと言い得る面白さ、「赤い霧」がJ・D張り
の歴史ミステリ(残念ながらJ・Dの凡作程度の出来だが)と例えるのであれば、
本作は、まさにJ・D張りのバカミスモード全開な作で楽しめるものがあり、
状況設定は全く異なるが、どこか「墓場貸します」を想起させるものがある。
作中で説明も伏される黒猫のエドガーは勿論のこと、魅力的な下宿の大家はハドスン夫人、
検視官の名前がロースン、盲目の理髪師ならぬ美容師の登場等々の細かく散りばめられた
お遊びも私のようなミステリ通には嬉しいものがある。
707:「ドリームチーム・・」読みました
05/09/04 15:55:53 ZTbwqQs2
「ドリームチーム弁護団」シェルドン・シーゲル
講談社文庫。
私(主人公)は、四十台半ばの弁護士。今日、これまで勤めていた
有名一流法律事務所をクビになったところだ。
今後は、離婚した元妻に泣きついて、独立して弁護士事務所を
はじめるつもりだった。しかしその最初の依頼が、クビになった
法律事務所内で起きた殺人事件、その容疑者として逮捕された元同僚の
弁護とは。しかも、担当検事はその法律事務所の元ボスときてる。
ヤツはこの事件で名前を売り、政界進出を狙っているのだ。
・・上等じゃねえかっ! 本物の刑事弁護ってものを見せてやる!
私は元妻、しけた私立探偵をやってる弟らとともに、自称「ドリーム
チーム弁護団」を結成。弁護に乗り出す。
やがてはじまる裁判。しかし敵は検察側ばかりではない。呼ばれ
もしないのにしゃしゃり出てくる有名弁護士。何かを隠している
らしい被告人。そして次々と明らかになる意外な事実。
・・どうやらこの事件。一筋縄ではいかないようだ。
708:「ドリームチーム・・」読みました
05/09/04 15:58:17 ZTbwqQs2
ジョン・グリシャムを中興の祖とするリーガルサスペンスだが、
それに続いて続々現れた作品の中でも、傑作のひとつと言いたい。
リーガルサスペンスの醍醐味は丁々発止の法廷劇。だがグリシャムの
作品には意外に法廷シーンが少ない。これはグリシャム自身に
法廷弁護士としての経験が、あまり無いことにもよるのだろう。
その点、この小説は八百ページ以上のうち、後半の大部分が法廷劇。
「意義あり! 裁判長!」のセリフが飛び交う、迫真の法廷シーンだ。
作者のシーゲル自身は弁護士だそうだが、おそらく刑事弁護の経験が
豊富なのだろう。法廷シーンはディテールに至るまでリアルに描かれている。
長大な小説だが、主人公のべらんめぇ調の語り口も痛快で、飽きさせない。
そして最後のどんでん返しには、十分意外性がある。
面白いリーガルサスペンスを読みたい諸氏には、オススメ。
709:名無しのオプ
05/09/12 15:22:56 9FjUSO6n
「女執行人」シェリ・P・ゲラー
刑罰を逃れた児童性虐待の男達が謎の執行人に殺されていくって言う。
デビュー作だからなのか、全体的にミステリ色は薄いかな。前半で簡単に殺人が起こって、
後半は疑惑をかけられたヒロインを恋人が助けていくんだけど、もう、誰に感情移入していいのか
まったくわからんwwヒロインは噛み付いてばっかのなよなよだし、ヒーローは恋愛至上主義
だし、周りの人間も毒々しい。謎解き要素は0。そして長い。冗長気味。仕事しろ。
いい人はランダッツォだけかな。誰か読んで!そんであたしと同じ気分を味あわせてあげたい
710:名無しのオプ
05/09/16 03:35:42 C7519st5
ウィリアム・アイリッシュ『幻の女』(ハヤカワ文庫)
夜は若く、彼も若かったが、
夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった・・・
妻と喧嘩別れをした夜、男は奇妙な帽子をかぶった女と出会った。
気晴らしにレストランで食事をしカジノ座へ行き、酒を飲んで分かれた。
そして帰宅した彼を待っていたのは絞殺された妻の死体だった…
刻々と迫る死刑執行の日。
唯一の証人”幻の女”はどこに?
たんたんとした不気味な静けさの漂うサスペンスの傑作。
翻訳も素晴らしく、流れるように物語の世界に入り込めました。
目撃者から目撃者をつなぐ糸をすこしずつたどっていく過程で
幽霊のように浮かび上がっては消えていく、
幻の女の存在感がサスペンスの不滅の名作たる本作を彩ります。
ときおり見せる発想の転換・飛躍と意表をつく話の構成に
読後感は大満足であります!!
711:名無しのオプ
05/09/16 18:13:53 ccMZiUhO
恐怖の誕生日パーティってどんなラストだっけ??誰かメル欄かネタバレスレッドで教えて下さい。
712:名無しのオプ
05/09/16 21:55:10 b3vh6okw
>>710
"The night was young, and so was he. But the night was sweet, and he was sour."
いいよね。
713:名無しのオプ
05/09/17 00:54:24 HeoW4ae4
アラン・ディーン・フォスター『密林・生存の掟』(扶桑社文庫)
パプアニューギニア旅行中のアメリカ人若手実業家・ボハノンは、白人の美女とベッドをともにした夜、財産を持ち逃げされてしまう。
彼はかわりもののガイド・マクラケンを雇い、女を追って密林の奥に入っていく。
しかしそこは想像を絶する世界だった。
秘境冒険もの。つまらないわけではないが欠点も目立つ。
・展開が急ぎすぎで落ち着きに欠ける
・全体を貫く縦糸が弱い
・キャラが弱い
物語は、ボハノンが執拗に女を追いかけることで生まれる。しかしその理由が弱めで、縦糸として充分機能してない。
ガイドのマクラケンも、美女タイ・テニスンも、タイが慕うラグナロク・ステナマーも、さらにいえばボハノンも、相当変わった人物に書かれているが、生き生きしているかという点では今ひとつ。
ただし、ステナマーとボハノンの最後の対話は良い。こういうシーンが他にも欲しかった。
ここで明らかになるボハノンの過去を伏線にしていれば、縦糸の弱さは克服できたかもしれない。
714:読後感
05/09/17 01:03:34 +h8N6QOa
>>711
うろ覚えだが
715:名無しのオプ
05/09/17 11:47:46 BoUNLj4y
>>714
あ~なるほど~。思い出したー。㌧くす
摩天楼の身代金読んだよ。おもろい。ラスト好き。ただ、これメル欄も同じネタ使ってたよね。
716:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
05/09/19 11:58:10 qJaJEewq
異種各闘技戦も満載な青春冒険小説として見れば、この板の守備範囲内であろう
新潮文庫「姿三四郎」全3巻を都内某店の100円均一台にてゲットした。
おとなしい感じの学生(知的な風もあったので、日大や専修ではなく明治の学生かと思う)
が、第3巻をパラパラと見ていたので、可哀想だが少し睨みを効かせて横取りしました(w
早速、車中で読み始めたが、まあ、第1巻中盤くらいまで読んだ限りではつまらんね。