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アースフィアクロニクルシリーズ あすか正太
「アースフィアの年代記(クロニクル)を知るものは幸福である。心豊かであろうから・・・。
私たちは、その記憶を記されて、この地上に生まれてきたにもかかわらず、(余りの地雷っぷりに)思い出すことのできない性を持たされたから。
それゆえに、(犠牲者を増やすべく)次の物語を伝えよう・・・。」
物語は平凡な少女アリスが、ひょんなこと(メール欄1)から魔王の力を得たことから始まる、とてもノーマルなファンタジーだ。
アリスは幼馴染で陽気な少年に片思いをしながらも、彼のあまりのアタックに体が拒否してしまうという純粋な感性をもったごく普通の少女だった。
しかし、魔王の力を得てしまったことで彼女は悪に狙われてしまうのだ。とても王道なつくりといえよう。
また、魔王の力特有の副作用に耐えながら戦う姿には思わずホロリときてしまうこともある。
さらに、彼女が魔王の心臓を得たことで得られた魔力は、しかしとても彼女一人では発動させることができない。
主に少年の力を借りて初めて強力な力が発動できるのだ。
主な仲間は四人、
幼馴染でアリスに協力を惜しまないちょっとスケベな少年、
特殊なスキルをもつ勇者、
月の女神様、
某国の王女である強力な治癒魔法の使い手
彼らと協力して世界を救う姿は圧巻である。
その展開といえばあまりの作者の感性に驚愕を禁じえない、まさか、2ページが……、まさか7文字で……、まさかあれほど連呼……
いや、これ以上の話はやめておこう。
読むものの楽しみを奪ってはいけない。
そう、最終決戦における各人の叫び、あるいはきめの一言など心に残るものがある。
読んだとき、きっとあなたは普段の読書とは違う何かを得ていることだろう。
アースフィアの年代記(クロニクル)を覚えているものは幸福である。心豊かであろうから・・・。
あなたの心が豊かであることを祈って私は紹介を終える。