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「飛翔せよ、閃光の虚空へ!」キャサリン・アサロ
この小説の白眉は、なんといってもカバーにある。
URLリンク(www.sff.net)(デカいので注意)
早川書房の「若い層にも海外SFに親しんでほしい!」という心の叫びが、イヤッッッてほ
ど伝わってくる、素晴らしい表紙ではないだろうか?
ここに描かれているのは、銀河に君臨するスコーリア王圏の女王にしてサイボーグ戦士
のソースコニー・バルドリア。
こんな美少女が敵方の世継ぎと恋に落ちる、スペオペ版ロミオとジュリエットといえば、
興味を持つ方も結構いらっしゃるのではなかろうか。
だが、ひとつ考えてみてほしい。
そんなアリガチなハナシなら、わざわざ海外小説を訳さなくても、すでにあるライト
ノベルの数々を読んでいれば事足りる。
この小説がそれら国産小説と一線を画しているところは、主人公の年齢設定にある。
実はこのヒロイン、見た目は若いが実年齢は48歳、しかもバツニ!
勿論酸いも甘いも噛みわけつつ恋愛したい若さも持っている年齢であるからして、「戦闘
マシーンだった少女が、初めて抱いた恋愛感情に身もだえする」或いは「何世紀も生きて
悟りの域に達した外見美少女の戦士が、かつての甘い記憶を思い出す」みたいな萌え展
開などあるはずもなく、繰り広げられる恋愛模様はまさにハーレクイン。
これは正に、「若者に、大人だって恋愛したいんだ、という気持ちを分かってもらおう!」と
いう早川の素晴らしい心遣いと言えるのではないだろうか?
URLリンク(www.sff.net)
作者自身も「I love it.」とカバーを絶賛、まさに早川渾身の企画である!