06/02/04 21:46:32 3m+I16ml
そして主人公である先輩の魅力は、僕という別人によって語られている。
他人が語り手を褒めるのではなく、語り手が他人を褒める。
これは、一人称小説での『語り手=主人公』を崩すことで成り立った、画期的な手法ではないか!
今流行りの『風の(ry』に対するアンチテーゼとも取れる。
新人でありながら流行を批判する、作者の気合いが見えてくるようだ。
人格・性別が入れ替わっているのに、まるで始めからそうだったかのように錯覚する話の流れは、
作者がデビューしたての新人でありながら、非凡な才を秘めていることの表れである。
決して御都合主義などではない。それこそまさに錯覚だ。
『かしまし』大ヒットを予言するかのように出版されたこの作品。
人格入れ替わりや性転換に興味が無くても、ぜひ読んでもらいたい。
ちなみに、以上は一巻のみの内容紹介である。