05/05/06 01:39:25 qNaN+4xn
「おかゆな国」 ―Shooting Angel―
ある日のよく晴れた夕暮れのことです。
僕が自室で宿題でもしようと机に向かった途端、机の引き出しがものすごい勢いで飛び出して来た
のです。僕はみぞおちを強打してイスごと後方へはじき飛ばされました。
そして、その中からぴょこんと出てきたのは、毛皮のついた帽子をかぶった、ボーイッシュな女の子。
彼女こそ、僕を守るために×××××からやってきた天使だと言い張る少女、キノでした。
あおむけに倒れた僕に向かって、彼女は身を乗り出し、にっこりと微笑みかけてきたのです。
僕は息を飲み、トリハダを立てました。突然こんな自分の妄想から抜け出したような可愛らしい少
女に微笑みかけられて茫然としない男が、はたしているでしょうか。
大きくて意思的な瞳。一生ふにふにしていたくなるようなふっくらとして、それでいてすっきりとしたほっ
ぺ。……身長のわりに、胸はあまり発育していないようです。
キノはコートの裾をひらめかせ、引き出しからジャンプ。その時しりもちをついた彼女が見せてくれたモ
ノを、僕は生涯忘れないでしょう。
「あぁぁっ！」
僕は思わず声を上げました。彼女は可愛らしいおへそと、びっくりするぐらい細い腰をあらわにして、
そのなめらかな肋骨は……
「きゃッ！！」
キノは顔を赤らめ、とっさに自分のおなかを隠します。
そして、
「……ぬ？」
彼女はパースエイダーを引き抜き、僕の顔に向けました。その凶器は＜どがん！＞という音と共に
僕の視界を黒く染め、鼻をとばし、顔面をえぐり取りました。
僕はそのままどさりとあおむけに倒れました。その時見た、あの光のトンネルの事を、僕は生涯忘れ
ないでしょう。
「あぁぁ……ッ！ご、ごめんなさい！！」
彼女は可愛い声で悲鳴を上げ、そして、
とかれふ まかろふ けれんこふ 右手のかのんで 見敵ひっさつ～♪
彼女はそのハンド・パースエイダー『カノン』を魔法のアイテムのように（中略）
―これは、天使のキノと人間の僕が繰り広げる、愛と感動に血塗られた物語。