04/07/19 16:57 Myv0TnbD
>>228
確かにマリみては、現実と引き比べると箱庭の中でのドタバタコメディ
としか言いようがないが…
それは冒頭の少し構えたような説明ですぐわかることで、それを
了解した上でその先を楽しめるかどうかが問題なのではないだろうか。
ほとんどの巻で、何がテーマとされているのでは、という考察が
比較的容易にできるように書かれており、これを考えながら読めるのが
良いところだと思う。
作者と読者の共同作業がやりやすくできた書かれ方で、娯楽性の
一つの源になっている。
しかもそのテーマというのが、改めて短い文章にまとめたとすると
かなり照れくさい種類のものを扱っていることが多い。その照れくささを
舞台設定が増幅しているのか、相殺しているのかは読む人によって違うと思うw
チャオ・ソレッラはこの姿勢が薄く、むしろイタくないところがインパクトが弱かったかと。
キャラクタはかなり偏奇だと思う。こういう場面では、成る程こう思う
だろうなぁというところもあるが、逆に、そういうものかも知れないなぁ
という程度の場面が多い。では納得いかないから面白くないのかというと
決してそんなことはない。むしろ、十人が十人納得するような造形は
最初から目標とされていないように思われる。
文章については、誰かが講談調なのではと言っていたのでナルホドと思ったのだが、
テンポは良く、よみやすい。凝った比喩が多用され、ひたすら丁寧で美しい日本語
を用いる三島とは対照的…いや比べること自体珍妙かもしれないがw
ちなみに「豊饒の海」は、第四巻に至り、で、オチは?と安直に求める
気持ちが満たされなかった記憶がある。