05/04/25 00:12:53
>>422
410と417で俺が書いたことは、
1.『半島を出よ』を近未来シミュレーション小説として読んで、
トリヴィアルなヲタ知識をもとに揚げ足取りをしてる人たちには、
内田樹の言うところの「リアリスト」像がよく当てはまる。
だから批判としてつまらない、ということ。
2.『半島を出よ』の読みどころは、従来の代表的な龍作品には
見られなかった「あらゆる立場の相対化の徹底」=「貴種流離譚の放棄
(ヒーローの不在)」という「変化」だということ。以上二点。
補足しておくと、1.で俺は『半島を出よ』について述べているのではないから、
『半島を出よ』を擁護するために、「意外と現実になるかもよ」とか
「瑣末なことにこだわるな」等とは、全く言っていない。
例えば『イン・ザ・ミソスープ』のフランクが、神戸の少年連続殺人事件を
予見していたといった意見があったけど、俺は全くそうは思っていない。
フランクは『コインロッカー・ベイビーズ』のタツオの末裔に過ぎないと思う。
つまり、龍は単に自分の関心と好悪に従って小説を書いてきたと思う訳で、
だからこそ、『半島を出よ』での「変化」が興味深かったということ。
結局422さんとは読み方自体が異なっているのだし、そんなものどっちが
いいとか悪いとかの問題じゃないしね。とはいえ、レスをもらったので、
もう一回立場を説明してみました。