05/04/23 04:10:47
整理すると、今は、「質が低下しているのに、活字の価値や権威を否定せず、
むしろ活字への回帰を訴えている」という状態である。
こんな状態で、仮に活字への回帰が起こってしまったら、恐ろしいことになる。
大衆は、自分たちにとって聞こえの良い本ばかり読んで、それを批判せずに
信じてしまう。
ネットならば、「嘘を嘘と見抜く」こともあるかもしれない。
ネタとして処理することもあるし、議論が起こって、真偽が判断されることもある。
でも、本の嘘を見抜ける人は、あまりいない。
正確に言うと、嘘を見抜こうとしない。
嘘が書いてある可能性すら考えない。
単純に「活字離れ」を批判しているだけではいけない。
その批判は、逆に、「活字さえ読んでいれば大丈夫。
活字には正しいことが書いてある」という間違った考えを、
世間に広めてしまう可能性がある。
だから、「活字離れは国をダメにする」という批判こそが、
国をダメにするかもしれないのだ。
必要なのは、「書を捨てる」ことでもなく、「本と友達になる」ことでもない。
本と一歩距離をおいて、本と付き合うことだ。その方法を教えるのは
親や教師なのだが、残念ながら、それを教えるだけの能力はないだろう。
嘘を嘘と見抜ける人じゃないと、ネットの利用は難しい。
活字だってもう同じレベルだ。