06/02/14 20:55:25
吉屋信子作品で百合って言えそうなのは、そんなに多くないんだよね。
『花物語』(の後半)と、短編中編集『返らぬ日』、あとは、『屋根裏の二処女』くらい。
他の少女小説は、基本的には、複雑な家庭環境を持つ女の子の成長物語。
時代を反映したようなレトロなアイテムや景色がいいムードを出していて、文章も詩的だし、そういう面白さは大きい。
『屋根裏の二処女』は、百合小説ではあるけど、
大人向けに書かれたものだし、まだ長編に慣れてない初期のものだからか、文体が論文みたいでちょっと疲れるね。
前半は、主人公の生い立ちや引っ越しの理由が説明されてる心理小説という感じだな。
でも後半は、主人公とそのルームメイトがいい雰囲気になってくるから、ささいな事件でもハラハラするよ。