【百合の】吉屋信子スッドレ【華】at BOOK
【百合の】吉屋信子スッドレ【華】 - 暇つぶし2ch50:吾輩は名無しである
04/07/19 13:44
 

51:吾輩は名無しである
04/09/09 20:31
 

52:我輩は名無しである
04/09/09 22:05
「花物語」は必読。
「徳川の夫人たち」もできれば、お手にとってね。信子さんの理想の男性像がそこに居ます。
「女人 吉屋信子」吉武輝子・著は信子さんの伝記もの。現在はたしか文庫化されてるはずです。

53:うさぎ会長
04/09/14 01:39:03
花物語は信子さん20歳の作品だそうじゃないですか。
すばらしいですね。
そして 今、屋根裏の二處女を読んでいますよ。
ってゆうか
吉野さんってぇ~マリ見ての系譜ぅ~みたいなぁ~

54:吾輩は名無しである
04/09/15 02:10:43
この人真性レズビアンなのに、書いてる内容はレズ萌え男が喜びそうな百合もの。
てーことは、真性ゲイがやおい小説書いてるようなもんだろうか。
「ウソばかり書くな!」とか言って怒る真性レズビアンの人がいるかも?と思った。


55:うさぎ会長
04/09/17 20:56:59
さあ。。どうなんでしょう
今はとにかく心酔してしまっていて客観視できません。

56:うさぎ会長
04/09/17 20:59:14
花物語と返らぬ日を買ってきました。

57:吾輩は名無しである
04/09/17 21:12:02
>>43
・・ん、寂聴さんって、たびたびマスコミにも出てる尼さん?
まだ生きてる人だよね。

もっと大昔の小説かと思ってた・・。


58:うさぎ会長
04/09/17 21:34:52
信子さんの最晩年と寂聴の最初期ならかろうじて重なるのかも。。
だって、いうても、信子さん19世紀生まれですぜ?

59:うさぎ会長
04/09/17 23:10:07
今、屋根裏の二處女を読み終わりました。
よかった!!!!
よかった。。
これはハッピーエンドじゃないですか?
よかった~

また返らぬ日みたいだったら鬱すぎます。
後半になって、また、離ればなれか、、と、心配しましたが、
とにかく、よかった。わなないた。
そして余韻の恍惚をもってして物語を振り返れる。
最高でした。

60:うさぎ会長
04/09/18 02:40:55
正直、獄本野ばらの注釈はうぜえ

61:うさぎ会長
04/09/18 04:40:33
花物語をちょっと読んでみたけど
信子さんは長編の方がいいな
短編もいいけど 長編はぐぐっと入り込めるからな

62:吾輩は名無しである
04/09/19 02:50:07
花物語ではじめて吉屋信子読んでるんだけど、長編読みたい。
花物語読み終わったら全集買っちゃおうかな。

63:うさぎ会長
04/09/19 05:32:56
全集なんて売っているんですか、
僕は一冊づつ揃えていってるから非効率的かもしれない

64:うさぎ会長
04/09/20 04:35:03
寮舎の窓の さみどりの

カーテンひいて つとよれば

かなたの空は たそがれて

しのびやかなる ゆうぐれの

やさしく人を おとずるる

心にくきは かかるとき

たが鳴らすや ヴィオロンの

ゆく春なげく 歌の曲

そぞろに なみだわきいでて

かえらぬ日をば なつかしむ

わが胸にさく 思い出の

花のその名は

あわれ、つゆくさ


65:うさぎ会長
04/09/26 06:46:49
ほぼ全てアマゾンで買いました。
2万円近かったですけど

66:吾輩は名無しである
04/09/30 17:07:58
>>52
追加で田辺聖子さんの『ゆめはるか吉屋信子-秋灯(あきともし)机の上の幾山河』も。
吉屋さんの評伝であり、優れた作品紹介の本でもあるので必見です。(こちらの本も
文庫化されています。)

67:吾輩は名無しである
04/10/08 23:06:21
>>54
吉屋信子が百合萌えの本家ってだけ。もともと百合萌えの概念は女から。
男女同権観と共に男も百合に萌えるようになった。これは801にも言える。  
つまり吉屋→百合萌えであり、百合萌え→吉屋ではない。   
   

68:吾輩は名無しである
04/10/09 10:56:21
>>67 (すばらしい洞察: +1)
まぁわたしはマリみてから入ったへたれなのだが。

69:うさぎ会長
04/10/11 21:38:15
まとめて買うと、逆に、気分的に読みたくなくなるのが分かった

70:うさぎ会長
04/10/14 00:02:09
スレリンク(lesbian板)
相互りんく

71:吾輩は名無しである
04/10/19 10:48:55
>>69
まとめて買っておいて、年に数回訪れる、暇で暇でしょうがない週末に読むのがよろしい。

72:吾輩は名無しである
04/10/20 08:12:38
>>70
それって18禁なとこじゃない?
そんなリンク張るなよ。

73:うさぎ会長
04/10/20 22:50:44
ああ、そうか 申し訳ない

71さん そうします
あと
本棚にならんでるだけで こころがゆたかになるし

74:うさぎ会長
04/10/30 02:14:01
 

75:吾輩は名無しである
04/11/09 13:46:26
次の昼ドラ。

“ボタバラ”同様にドロドロ…フジ系昼ドラ「冬の輪舞」
URLリンク(www.sanspo.com)

76:吾輩は名無しである
04/11/09 13:48:18
原作は吉屋信子さん(故人)の少女小説「あの道この道」。
「牡丹と薔薇」にも影響を与えた作品で、昭和60年の
TBS系大映ドラマ「乳姉妹」(伊藤かずえ主演)の原作
ともなった。今回も時代設定を変えるなど、大胆に翻案している。

77:うさぎ会長
04/11/09 21:25:12
ほー
でも吉屋さんの小説って実写に合わないよ
中原淳一さんの絵柄で無音アニメにしたら合いそう

78:うさぎ会長
04/11/20 18:19:05
 

79:吾輩は名無しである
04/11/26 21:22:59
糞スレ死ね

80:うさぎ会長
04/11/26 21:25:05
いきなりかよ

81:吾輩は名無しである
04/11/30 14:50:39
>>77
『安宅家の人々』を翻案してドラマ化したら、ある意味現代の問題作という事になるかも。
(吉屋さんの方が某脚本家の何十年も前に知的障害者を登場人物にした作品を書いていた
というのに、話題にもならなかったのは…。)

82:うさぎ会長
04/11/30 22:55:24
花物語に部落の話もありましたね

83:うさぎ会長
04/12/08 20:52:47
 

84:吾輩は名無しである
05/01/09 09:51:25
「あの道この道」文庫化age

85:吾輩は名無しである
05/01/09 16:58:22
鎌倉の旧自宅に行ったことある人いる?
あそこいい感じだよ

86:無名草子さん
05/01/12 22:08:03
吉屋さん誕生日記念カキコ。

>85
私も今は吉屋信子記念館になっている旧自宅に行った事があります。
(5・6・10・11月の1~3日は一般公開されていますので。)
落ち着いた感じの所でした。

87:吾輩は名無しである
05/01/12 22:12:01
吉田五十八が作ったんだよね、あの家。


88:吾輩は名無しである
05/01/27 13:57:38
吉屋信子さん原作のドラマでレイプがありました!

89:無名草子さん
05/01/31 19:46:10
…昼のドラマ、一応吉屋さんが原作という事になっているけど、原作とは大幅に変えて
フジ系東海テレビドラマ枠お得意のドロドロ愛憎ドラマになっているのがどうも好きに
なれない。
そのせいで一部のテレビ雑誌では、吉屋さんがあの手のドロドロ愛憎ドラマの元祖の
ようにも書かれてどうにもやりきれない。…確かに一般向けの小説では女性同士が
1人の男性を巡る立場に立たされてしまう話があるけど、そんな女性同士の関係が
よくある嫉妬や対立ばかりでは無くて、時には共感や友情も成り立つ事を描いて
いるのが、吉屋さんの小説の真骨頂なのに、それも全く理解されてないのが…。


90:89
05/01/31 19:48:48
名前欄別板のままでした。スマソ。

91:うさぎ会長
05/02/26 01:26:41
おれもそう思う。

92:吾輩は名無しである
05/04/25 16:39:16
すでに既知かもしれないけど、
っ[展覧会情報]

------------------------
大正・昭和 女學生らいふ 展
 ― 華宵、淳一の挿絵と吉屋信子の少女小説

東京・根津の弥生美術館にて。
4/2 ~ 6/26
URLリンク(www.yayoi-yumeji-museum.jp)
------------------------


93:吾輩は名無しである
05/04/29 14:37:46
昭和48年7月11日、直腸ガンのため逝去。
昭和48年11月13日、サトウハチロー逝去。


94:うさぎ会長
05/06/21 18:24:31
うおーーーーーーーーーー
いかないと!!

95:うさぎ会長
05/06/25 05:54:27
いってきました。
おもしろかったです。

96:吾輩は名無しである
05/06/26 09:41:19
美しい乙女たちの言葉づかい
失われてしまった日本の美よ・・・

97:吾輩は名無しである
05/07/15 22:18:10
小林秀雄に叩かれたけど
文学的生命は小林の100倍はあるだろう

98:吾輩は名無しである
05/07/16 13:48:24
>97
小林秀雄が『女の友情』を叩いた文章は、今では存在も知らず興味を持って読む人も
いないだろうが、『女の友情』は読もうと思えば、今でも吉屋さんの全集で読むことが
出来る。

文壇での叩きは結局は一時のもので、本当に読者に愛された作家の作品の方が残る。
(それは最初の夫との離婚で、周囲に悪評を流された森茉莉も、その後に今も読者に
愛読されている作品を書き、その作品だけが残った、という事と似ているが)


99:吾輩は名無しである
05/07/19 22:03:06
>>98
全く同感。
賢しげな批評や批判は風化するが、良い作品はいつまでも残る。

100:吾輩は名無しである
05/07/20 05:40:52
でもあの読者との不健康な関係性を批判した小林の
文章は読んだ時は実に同感だった
だったがあんな批判に耐える小説なんてあり得ないともと思うようになった
純文学なんて物と読者の関係は手がこんでるだけ
もっと悪質

101:うさぎ会長
05/07/23 01:39:43
100おめ

102:吾輩は名無しである
05/07/23 02:38:38
今や小林秀雄と読者の関係性の方がずっと不健康だと思う

103:吾輩は名無しである
05/07/25 07:05:44
小林秀雄のその文章って今でも読める?

104:吾輩は名無しである
05/07/25 10:41:14
>103
実物は見ていないが『小林秀雄全集』に収録されているようだ。
図書館の蔵書検索で吉屋さんの名前で検索してみた時『小林秀雄全集』の中のある
巻も挙がっていたので、そちらに収録されているのではないかと。

105:吾輩は名無しである
05/08/20 20:08:13
吉屋スレあったんだね
すげー好きマジ好き。
休日の夕方涼しいところでゆったりこの世界観に浸りたい。

千葉の市川市民なんですが、中央図書館行ったら
当時発行された花物語おいてあってびっくりした。読みづらかったけどw
記念館いきたいなあ

106:吾輩は名無しである
05/09/03 00:42:22
へー、こんなスレあったんだ。自分は少女小説は、1つも読んだ事がないです。
『徳川の夫人たち(正・続)』、『徳川秀忠の妻』、『女人平家』、を読んだだけです。
独特の美文調が、好きだった。ほかにも、歴史小説は、書いているのでしょうか。

107:吾輩は名無しである
05/09/10 10:46:44
>106
吉屋さんは『女人平家』の次には北政所(寧々)を主人公とした小説(『太閤北政所』)
を書く心づもりがあったようですが、冒頭に手を付けられた所で亡くなられてます。

「松の枝が、眼の前に見えた。
 湖水は一枝の……   」

という数行だけでも作品に引き込まれるような冒頭で、小説にほとんど手をつける事
なく吉屋さんが亡くなられたのは非常に惜しまれます。(吉屋さん自身も「太閤北政所
は淀君、千姫も入れて真実伝として知性的に狂言綺語を避けてしかもイゲンをもって
書き記したい。日本の女性研究として」と日記に書かれているので、これまでにない
作品を書く意欲がかなりあったと想像されるだけに余計に…)

108:吾輩は名無しである
05/09/21 11:02:55
昔はこんな世界や文体に共感を寄せる女学生が現実に存在してたんだよなぁ。
漏れにとっては、その事実がすでにファンタジーだな。

109:吾輩は名無しである
05/09/24 16:11:01
逆に108がファンタジーという「現実」を知らないだけだと思う

110:吾輩は名無しである
05/09/25 02:14:57
>>109

何このバカな書き込み

111:吾輩は名無しである
05/09/25 03:27:56
>>110
バカかね?
「かくかくしかじかのファンタジーを抱く人間がいる」という現実のことなんだが。


112:吾輩は名無しである
05/09/26 09:43:36
>>111
馬鹿はすぐに熱くなるな。
頭冷やして、日本語勉強しる。

113:吾輩は名無しである
05/10/20 18:50:37
うわ、こんなスレあったのか。
ヲチさせてください。

高校の頃、国語の先生のうちに遊びに行って、
奥様(英語の先生)に「吉屋信子とか好きです」とかいったら、
にっこりと「そう、Y君、そういうのが好きなんだ」とにっこり微笑まれたのが忘れられない。

>>12
お友達になれそう。
もっともわたしはクララ白書→吉屋信子→マリみて→ひみつの階段のルートでした。
(別ルートでは、風と木の詩→JUNE→森茉莉→たくみくんシリーズだけど、それは内緒)

114:113
05/10/22 16:26:02
さげちゃいけませんね。
ただでさえ、マイナースレなのに。


115:吾輩は名無しである
05/10/25 01:43:45
つかこんな偉大な作家を百合萌えで読むなよキモいな

116:吾輩は名無しである
05/10/25 04:21:39
>>114
不調法でしたね。御免あそばせ。

>>115
あえて、「現代的」な文脈でご挨拶させていただきました。
粗相いたしました。

鎌倉文士ということで、こちらでご容赦を。
URLリンク(www.mars.dti.ne.jp)
ノウベル文学賞をお取りになりました川端先生の「乙女の港」をご存知でしょうか。


117:吾輩は名無しである
05/10/25 06:29:54
>>115
え?だって作者本人が少女同士の物語に萌えて書いてたんだろ?

118:吾輩は名無しである
05/10/25 11:34:34
>>117
ヒント:門馬千代

119:吾輩は名無しである
05/10/25 14:21:24
>>117
吉屋は通俗小説書きだけどお前はそれ以下の低俗な人間

120:吾輩は名無しである
05/10/26 00:22:42
>>119

現在の萌えラノベは低俗ってこと?
そう思ってんだとしたらあなたが一番の大馬鹿野郎だと思うけど…

121:吾輩は名無しである
05/10/27 23:17:45
このスレは間口が広いから、バカも大勢やってくる。
気をつけろ。

122:吾輩は名無しである
05/10/27 23:21:17
なぜゴリラに似てるのか。梶井基次郎と双璧。

123:吾輩は名無しである
05/12/05 19:33:38
いいスレだ。。。
うさぎ会長はもう来ないのかな。
『花物語』の『沈丁花」の巻がいい!

124:吾輩は名無しである
05/12/05 20:30:19
>122
その容貌がじつは吉屋文学の源になっているのですよ。

125:吾輩は名無しである
05/12/05 21:55:29
しかし百合もいいが薔薇も良い。


126:吾輩は名無しである
05/12/06 16:25:49
>>125
そこでヲマイラ、森茉莉ですよw

127:吾輩は名無しである
05/12/07 21:35:22
森茉莉と言えば、吉屋さんは彼女の作品を評価して「森茉莉さんのものはほんとに
楽しみ」と「思いきってビシャンとちがうものは楽しみですね」とある対談で語って
いた。

同じ対談で吉屋さんは、自分はこれから純文学をやろうか、とさらに「森茉莉さんの
ところへでも行こうかと思って」とも(彼女のような独特の世界を描いた作品を書き
たいという意味合いか)語っているが、もしそれが実現していたら、吉屋さんの書く
大人の女性と少女の同性愛的な話も生まれていたのだろうかと思うと興味深い。


128:名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中
05/12/31 12:41:49
保守

129:うさぎ会長
06/01/03 08:08:16
アマゾンのカートに入ったままの森茉莉も買ってみようかな

130:名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中
06/01/03 08:34:08
最近、群ようこの森茉莉関連の本を読んだが、面白かった。
禿しくスレ違いスマソ。

131:名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中
06/01/11 21:54:46
最近になって「ゆめはるか吉屋信子」(by 田辺聖子、朝日新聞社の文庫)を読んだ。
まだ読み終わってないが、
表紙の似顔絵がいいなあ。山口はるみさんという方が描いている、モダンガール風。

その似顔絵の元絵の数々は、一昨年出た、ゆまに書房からの復刻本5冊に載っている写真なのだが、
20代30代の頃ってほんと美人だったんだねえ吉屋先生。
なんかねえ、女優の桃井かおりさんとかに雰囲気が似たような、
ちょっとぽっちゃりしてるけど眉が濃く眼が大きくて、目鼻立ちがはっきりしてる美女。

実を言うと、ポプラ社文庫のカバーについてた
晩年のショートカットのおばちゃん写真しか知らなかったから、
すっごい衝撃だった。
ゆまに書房の本で見たときは・・・。

132:名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中
06/02/07 22:09:23
うさぎあげ

133:名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中
06/02/12 19:17:37
@

134:吾輩は名無しである
06/02/14 17:17:28
「花物語」は、百合要素がありますか?
(購入検討中です。)


135:吾輩は名無しである
06/02/14 18:23:37
>>134
「花物語」は、一般的には全部で52編が単行本化されているんだけど、
国書刊行会から出ている上中下の全3巻のうち、中巻後半から下巻にかけてが、百合的な作品も多くなるよ。
新学社から出ている全1巻のは、9編だけの抄録版だから、目的によってはあまりおすすめできる種類ではないな。

購入を迷ってるなら、図書館でさがして下見をするという方法もある。
どこの図書館にもたいていあるのは、
朝日新聞社『吉屋信子全集 第1巻  花物語/屋根裏の二処女』昭和50年3月(1975)
            花物語の収録作品:計50編(おしいことに百合色の悲話「桐の花」が入っていないのだが)

136:吾輩は名無しである
06/02/14 18:25:49
>>135
今それ読んでるのに未収録があるのか・・・

137:吾輩は名無しである
06/02/14 18:34:45
> 国書刊行会から出ている上中下の全3巻のうち、中巻後半から下巻にかけてが、百合的な作品も多くなるよ。
雑誌に連載されていた時期は、
大正5年(信子先生20歳)からの約10年間だけど、
後半の5~6年の分(つまり中巻後半から下巻にかけて)には、
信子先生の実生活の体験が、「花物語」に反映されている。
信子先生がすごく大事にしてた女友達との別れとか、
あらたな女友達の門馬千代さんとの出合いとかがあった時期だ。

138:吾輩は名無しである
06/02/14 18:46:26
この際だから、全3巻の収録作品:計52編を書いておくね。

 ・国書刊行会『花物語』全3巻 計50編  昭和60年5月(1985) .平成7年2月(1995)
         実業之日本社昭和14年版の復刻
上巻:計28編
  「鈴蘭」「月見草」「白萩」「野菊」「水仙」
  「山茶花」「名も無き花」「鬱金桜」「忘れな草」「あやめ」
  「紅薔薇白薔薇」「 山梔の花」「コスモス」「白菊」「蘭」
  「紅梅白梅」「フリージア」「緋桃の花」「紅椿」「雛芥子」
  「白百合」「桔梗」「白芙蓉」「福寿草」「三色菫」
  「藤」「紫陽花」「露草」 
中巻:計12編
  「ダーリア」「燃ゆる花」「釣鐘草」「寒牡丹」「秋海棠」
  「アカシア」「桜草」「日陰の花」「浜撫子」「黄薔薇」
  「合歓の花」「向日葵」  
下巻:計12編
  「竜胆の花」「沈丁花」「ヒヤシンス」「ヘリオトロープ」「スヰートピー」
  「白木蓮」「桐の花」「梨の花」「はまなすの花」「睡蓮」
  「心の花」「曼珠沙華」

 ・朝日新聞社『吉屋信子全集第1巻 花物語/屋根裏の二処女』昭和50年3月(1975)
収録作品:計50編(実業之日本社昭和14年版の上巻「山茶花」と下巻「桐の花」を除く)


139:吾輩は名無しである
06/02/14 18:55:26
ほるぷ出版 日本児童文学大系6(与謝野晶子・尾島菊子・野上弥生子・吉屋信子集)瀬沼茂樹編 昭和53年11月(1978)

 吉屋信子:『花物語』から 14編
       「鈴蘭」「月見草」「白萩」「野菊」「山茶花」
       「水仙」「名も無き花」「鬱金桜」「忘れな草」「フリージア(Freesia) 」
       「緋桃」「福寿草」「寒牡丹」「睡蓮」

      童話から3編         「銀の壷」「残された羊」「てんとう姫の手柄」、
      短編集『小さき花々』から2編 「素直な心のひと」「考へる子」、
      長篇「少女期」 


新学社文庫『花物語』昭和43年10月(1968)、昭和52年(1977)、昭和60年(1985)、平成8年(1996)

   「紅椿」「釣鐘草」「紫陽花」「睡蓮」「向日葵」
   「桔梗」「梨の花」「竜胆の花」「アカシヤ」
     計9編(新書 / 183p)装幀・扉板画:棟方志功 さし絵:柳井愛子 


140:吾輩は名無しである
06/02/14 19:34:56
横レスですが、花物語の百合要素は熱いよ!
例えば、「沈丁花」の巻は、妹の日記を盗み見した姉が、上級生(同性)への熱い想いを綴った文章を発見して衝撃を受ける場面があるんだけど、その日記かすごいの!

141:吾輩は名無しである
06/02/14 20:24:02
百合っぽさでは、下巻の「梨の花」が印象深いな。
二人だけで、廃屋の高い塔に登るお話。
二人の衣装の描写も、二人が眺める風景も、きれいで鮮やかで、
彼女達の思いの深さや気持ちの純粋さを強く訴えているような気がする。

あと、あまり百合色は深くないけど、下巻の「睡蓮」が好きだ。
画家をめざす二人の少女のうち、片方の展覧会入選で二人の友情にひびが入ってしまう話。

142:吾輩は名無しである
06/02/14 20:55:25
吉屋信子作品で百合って言えそうなのは、そんなに多くないんだよね。
『花物語』(の後半)と、短編中編集『返らぬ日』、あとは、『屋根裏の二処女』くらい。
他の少女小説は、基本的には、複雑な家庭環境を持つ女の子の成長物語。
時代を反映したようなレトロなアイテムや景色がいいムードを出していて、文章も詩的だし、そういう面白さは大きい。

『屋根裏の二処女』は、百合小説ではあるけど、
大人向けに書かれたものだし、まだ長編に慣れてない初期のものだからか、文体が論文みたいでちょっと疲れるね。
前半は、主人公の生い立ちや引っ越しの理由が説明されてる心理小説という感じだな。
でも後半は、主人公とそのルームメイトがいい雰囲気になってくるから、ささいな事件でもハラハラするよ。

143:134
06/02/15 10:59:49
>レス下さった皆さま
懇切なご指導、まことに有難うございます。m(_ _)m


144:吾輩は名無しである
06/02/15 16:15:44
私も最近読み始めたところです。
資料ありがたかったです。

145:吾輩は名無しである
06/02/18 13:11:18
>>142
ほかにも百合色の短編や中編はあるよ。一部の図書館で読めるぐらいの、埋れた作品だけどね。
「紫の手記」
『小さき花々』シリーズの短編。単行本化している10編より後に連載されたもの。
「讃美歌176」
単行本『乙面の曲』に入っている中編。


146:吾輩は名無しである
06/02/24 20:01:05
上中までは一気に読んだが
下が読み終わらない
眠くならないコツってある?

147:吾輩は名無しである
06/02/24 23:06:07
なんか後半の方が長いよね。

148:吾輩は名無しである
06/02/25 18:08:23
>>147
後半の方が長い、つまり、先へ行くほど、1話あたりの原稿枚数が多い。
まあ、長いストーリーになるのは、作者の筆がノっていたという証拠だよ。
あの出来事も描きたいこのシーンも入れておきたいってなもんで、作者的な思い入れが深い作品ってことなんだろうね。

「花物語」の最初の方は信子先生二十歳そこそこで書いてたので、
信子先生女学校の思い出をもとに作り上げてた部分が多かったんだろう。
「花物語」の後半は、二十代も折り返しすぎてから書いたもので、
職業婦人の女友達とかエスの親友とかの
リアル経験が織り込まれてるようだ。

149:吾輩は名無しである
06/02/25 18:08:56
>>146
私は寝る前の読書用にベッドへ持ちこんでいたこともある。
「花物語」に限ったことじゃないけど、
短編集ってのは、区切りのいいとこで寝れるからちょうどいいんだよね。
だけど、ハードカバーのぶあつい本だと持ちにくいんで、疲れる。
それで眠気が・・っていうケースも、確かにあったw

まあ、普通に室内で読んでる最中に眠くなるとしたら・・・
できるだけ明るい場所で読むことじゃないかな?

なるべくなら、朝日新聞社の全集よりは、国書刊行会の復刻版で読むといいよ。
挿し絵入りのは、やはり気分がいいよ。

150:吾輩は名無しである
06/02/25 18:26:48
>>148
図書館から借りてるんで
来月の20日までに読まないといけないんだけど、まだ半分も読んでない。
せめて屋根裏まではいかなくとも花物語だけは読んでしまいたいよ。

151:吾輩は名無しである
06/02/25 18:35:58
>>150
それは大変だな・・・がんばれ。
まあ、他の図書館で借り直すというのは可能ではないの?
公共図書館なら、都道府県内の別の図書館に置いてある本を
地元の図書館で手にするという方法もある。

152:吾輩は名無しである
06/02/25 19:22:11
>>149
その挿絵入りを買って寝る前にベッドで読んでる
オレンジの下巻
スイートピー以降の記憶がない
主人公の名前、ストーリーが出だしを読んでも
思い出せない
下巻最初から室内歩きつつ手に持って読み直すわ

153:吾輩は名無しである
06/02/25 19:24:10
>>150
金と手間を惜しまないならコピーをとってしまうといい。
しかし、コピー代を考えると、
今流通している上中下巻を買う方が安上がりかもしれない。
ネットで注文するのであれば、中古品もよく出てるので、
そっちのほうが安上がりかも。

私は吉屋信子少女小説のあれこれをネット経由で揃えている最中。
入手不可能なものはいくつかあるけどね。
花物語の特定のエピソードが取り込まれている長編は
意外と多いのみたいだ。
もうしばらくハマっていそうな気がする。

他の長編は一気に読んじゃったけど、
屋根裏の二処女は、難解だなあ・・
ようやく半分くらいまで読んだ所で止まってるorz

154:吾輩は名無しである
06/02/25 19:25:17
>>151
普段なら返してまたすぐ借りれるんだけど
来月20日に引越しするんですよね。
だから引越し先に図書館があればいいんだけどー。
確かに同じ都道府県内だから貸し借りはできるのかもしれない。
引越し先に図書館があって、花物語がなかったら
司書の人に聞いてみます。

155:吾輩は名無しである
06/02/25 19:26:38
>>153
ネットで探すのもいいかもしれませんね。
ありがとうございます。
>>138-139の情報を参考にしてみます。

156:吾輩は名無しである
06/02/25 19:39:42
>>152
ちょっと目次を眺めてみたら、
「スイートピー」が全巻のなかで一番長い話になってるね。
中巻下巻では、一編あたり20ページから30ページくらいのが多いのだけど、
下巻の>>123>>140 が言ってる「沈丁花」が49ページ、「スイートピー」が54ページか。
しかも、さし絵の多い「沈丁花」に比べると、
「スイートピー」はこれといったさし絵もないぞw

わたし的には「スイートピー」よりも、その1個前の「ヘリオトロープ」のが文体が難しくて、寝そうになった・・・


157:吾輩は名無しである
06/02/25 20:17:31
 古書検索サイト
楽天フリマ URLリンク(directory.rakuten.co.jp)
日本の古本屋 URLリンク(www.kosho.or.jp)
amazonマーケット URLリンク(www.amazon.co.jp)
Yahooオークション URLリンク(list4.auctions.yahoo.co.jp)

新刊でも買える本だと、花物語や屋根裏の相場は定価の6割位だな。
1冊あたり1000円から1300円位、三冊セットで3000円前後って感じ。

>>156
> わたし的には「スイートピー」よりも、その1個前の「ヘリオトロープ」のが文体が難しくて、寝そうになった・・・

こういうところにこそ
嶽本野ばら氏の解説がほしいもんだ。



158:吾輩は名無しである
06/02/25 20:39:10
>>154
全国公共図書館リンク
 URLリンク(www.jla.or.jp)
 URLリンク(www.jla.or.jp)

 上は、ひとつの図書館のHPごとに蔵書検索
 下は、ひとつの都道府県内から蔵書検索が可能


159:吾輩は名無しである
06/02/25 20:49:42
>>157
嶽本野ばら、乙女小説シリーズでは思い入れたっぷりの解説だね。
でも、「ヘリオトロープ」のあの文体については、どうかな?
「伴先生」「わすれなぐさ」「屋根裏の二処女」
三冊読んだけど
解説はファッション関係が中心、
古い時代の言葉づかいに関する解説は少なかったよ。

160:吾輩は名無しである
06/02/25 22:01:32
ちょうど今花物語上巻の「白百合」まで読んだ自分が通りますよ。

花物語が読み終わったらこのスレでもよく挙がってる「返らぬ日」、「屋根裏の二処女」ていうのも読んでみようかな。

161:吾輩は名無しである
06/02/26 06:06:19
久しぶりに読み返したくなった>花物語

>>160
「返らぬ日」はいいよ。ぜひ手に取ってみて。

古本で買った少女の友、中原淳一のさし絵に、元の持ち主による色鉛筆の着色があった。
そのおかげで安く買えたんだけどね、塗り方がきれいなので何だかうれしかった。
手持ちの花物語(国書刊行会)の単行本の各章の扉ページには、花のペン画が印刷されているけど、
ふと、塗り絵してみようかと考えた。
売り払うことはないだろうし、自分なりに気に入ってる本なので・・・
しかし、「白百合」とかはよく見かける花だからいいけど、
「釣鐘草」「鬱金桜」「秋海棠」なんかは、実物知らないから調べないといけないな。
「名もなき花」「燃ゆる花」「心の花」「日陰の花」あたりは、 何色にするべきかな?

162:吾輩は名無しである
06/02/26 21:03:40
>>161
かなりハマっておりますな。
でもそういう凝り方は好きですよ。

>>160
「返らぬ日」は、大正15年(作者30歳)に「令女界」という雑誌に連鎖逸されたもの。
読者層は女学校卒業前後から結婚前位。
「花物語」の連載誌だった「少女画報」や「少女倶楽部」よりは
大人っぽい雑誌だったようですな。
でも文章はわかりやすくてサクサク読めます。

「屋根裏の二処女」は、大正9年(作者24歳)に書下ろしの単行本で出たもの。
私小説というか、文章的にはちと理屈っぽくて、むずかしい所も多い。
でも後半になるといい雰囲気で盛り上るから、時間をかけて読むといいですよ。

163:吾輩は名無しである
06/02/26 22:56:31
中古本を探す場合は、>>157にあるような色々な店で比較してみるといいよ。
まずは、目当ての本の中古価格の相場を知っておくこと、
それと、稀少本かよく出回る本かの判断をすること。
あっちこっちで見かける本なら、あわてて買わなくても大丈夫。
めったに見かけない稀少本なら、見つけた時が「買い」。
どっちにしても、高価なものほど、けっこう長く在庫になってる。

吉屋信子さんの場合は、去年辺りからブームがひと息ついた所なので
今は、数年前に出た復刻本なら、中古でもけっこう出回ってる。
ただ、ゆまに書房の「返らぬ日」は、あまり見ることはない。
百合的にかなり読みごたえがあるせいだろうか?
この本は、新刊で手に入るうちに買っとくのがいいのかもしれない。

164:160
06/02/26 23:44:09
>>161-163
ありがとうございます。色々調べてみますね。

165:吾輩は名無しである
06/02/27 02:58:45
「紅雀」おもしろかったです。復刻リクエストのNO.1だったというだけあって
主人公がかっこいい。
「桜貝」「からたちの花」などを読んだことある人いますか?
復刻して欲しい・・・

166:吾輩は名無しである
06/02/27 12:39:41
>>163-164
「返らぬ日」
スーパー源氏 URLリンク(sgenji.jp)
で調べてみたら、ある古書店で 2000円を越えていましたw
(新刊の定価は1700円+税)

「返らぬ日」は、100ページくらいの中編小説(表題作)。
同時収録の短編や随筆にも百合物が多く、「日曜病」「五月と桐の花」は『花物語』の番外編みたいな味わいです。
それと、巻末に、吉屋信子先生の初刊単行本リストがあります。
昭和25年までの分なので、それ以降に書かれた2冊の少女小説がもれているのは惜しいですけど、
同時期に出た復刻本にはないリストですし、
大人向けの小説の方のファンの方も貴重な資料として手元に置くのかもしれません。

167:吾輩は名無しである
06/02/27 12:59:54
>>165
連投ですみません。
「紅雀」の主人公まゆみは、いい意味でプライドのある少女ですね。
読んでいて心地よいというか、百合要素は薄いけど、ストーリーもキャラ設定もすごく良く出来てると思います。

吉屋信子先生の長編少女小説の惜しいところは、
主人公と対照的なわがままな令嬢キャラが、ささいなきっかけであっけなく改心してしまう所w
百合要素が結構入ってる長編では、「わすれなぐさ」なんかもそうです。
陽子には、もっとドラマチックな事件がからんでほしかったりして。

この、あっけない会心という傾向は、同じ時期の吉屋信子先生以外の少女小説家にも多いのですよ。
連載中は毎号ストーリーを盛り上げるのがお約束で、でも連載期間が一年とか決まってるので、
最終回が近づくと急いで話をたたんでいかなくてはならないという事情もあったようです。

「桜貝」「からたちの花」あたりは、わがままな令嬢キャラが出てこないので、そういう傾向もないですね。
主人公が世間知らずなお嬢さんだったりして、その心の成長がじっくり描かれていて、読みごたえがあります。
復刻候補から漏れてる理由は少し想像できますが、それはまたの機会に。
「桜貝」は、大きな図書館にはあるようです。
同じ都道府県内で貸し借りするシステムを利用するといいかもしれません。

168:吾輩は名無しである
06/03/06 16:58:34
吉屋信子の少女小説をすべて百合だと思ってる人も居るんだろうな。



169:吾輩は名無しである
06/03/10 20:44:26
吉屋信子 生誕110年展
神奈川近代文学館、4月22日から

> 5月3日には、映画『下妻物語』の原作者として
> 知られる作家嶽本野ばらが彼女に関する講演を行う。

URLリンク(www.yomiuri.co.jp)

170:吾輩は名無しである
06/03/10 20:47:24
神奈川近代文学館HP
生誕110年 吉屋信子展-女たちをめぐる物語
URLリンク(www.kanabun.or.jp)

171:吾輩は名無しである
06/03/10 22:13:00
トイチハイチの作家!



172:吾輩は名無しである
06/03/11 02:36:07
そうか。生誕110年なんだ。
吉屋信子(1896年(明治29年)1月12日‐1973年 (昭和48年)7月11日)
ってことは、再来年2008年には、没後35周年なんだ。

まだ復刻されていない少女小説が刊行されるといいなあ・・・

ちなみに生誕100年の1996年には、
国書刊行会からの復刻版「花物語」上中下が10年ぶりの新装再刊。
没後30周年だった2003年には,
ゆまに書房から「返らぬ日」など5冊、「国書刊行会から「屋根裏の二処女」など3冊。

173:吾輩は名無しである
06/03/20 21:55:43
花物語(下)の睡蓮まで読んだ
後味悪い終わり方だった…

174:吾輩は名無しである
06/03/21 00:02:02
「睡蓮」は、貧富の差に関係なく良きライバルだったふたりの画家の卵の少女が、
片方の入選、片方の落選を機に、その友情が揺らいでしまうっての、ここまでは納得が行く。
でも、二人をきまずくさせる最終仕上げに、片方の少女の体の欠陥を持ちだすのって、なんか不自然に思えた。
むりやり不幸を作りだしてるような気がした。
そのエピソードなしでも、二人の友情が消えてゆくという展開には出来ただろうに。

まあでも、花物語は、ほとんどの作品がアンハッピーエンドだからなあ。。。。
メインキャラが幸福な気持ちをもって好きな相手と別れるとか、
お互いの思いが深く通じ合ってる状態で共に彼岸へ行く、
ってな終わり方も、けっこうあるけどね。

「睡蓮」に見られる、片方の入選、片方の落選を機に、その友情が揺らいでしまうっていう図式は、
後年の長編にも表われるよ。
『街の子だち』
  昭和9年  少女の友1月~12月号連載 
  三一書房.平成5年(1993)『少年小説大系25』収録
女学校の入学試験で、幼なじみの片方が不合格になり、別の女学校へ進むので、
友情がうすれてしまう悲しさがリアルに細かく描かれている。
でも、最終的には復活する。(基本的に吉屋信子長編少女小説は初期の短編とは違ってハッピーエンドになる)

「睡蓮」の不幸は『街の子だち』で昇華されたと考えるか・・・


175:吾輩は名無しである
06/03/25 22:48:16
とりあえず花物語読み終えた。

日陰の花に、

「環さんは、まるで早川雪洲とモンロー・ソルスベリーと(中略)感じのする方ね」

ってのがありますが、モンロー・ソルスベリーをいくら検索しても出てきません。
架空の人物なんでしょうか?

176:吾輩は名無しである
06/03/26 15:12:25
>>175
私にもわかんない。
前後関係から推察するに、1920年前後のサイレント映画時代の俳優ではないかしら?

国書刊行会『花物語』中巻p204「日陰の花」より 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ……環は不思議にも怪しき美しさを持つ少女だった。(中略)
 環そのひとには世の少女と異なって、どこかに雄々しい凛々しさが、姿形の中に現れていた。(中略)
 級の誰かが戯れて言うた。
 『環さんは、まるで早川雪舟とモンロー・ソルスベリーと井伊蓉峰 を臼の中でつきまぜて、お団子にして、
 その上へ福助の女形の柔らか味の黄粉を仄かにふりかけたような感じのする方ね』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『花物語』が書かれたのは、大正時代なんだよね(大正5年~14年、1916年~1925年)。
ここに引用した台詞に出てくる人物のうち、
早川雪舟はサイレント映画の頃にデビューした俳優。明治時代の末にアメリカに単身留学して大正時代にはハリウッドでも有名な映画スターになっている。
井伊蓉峰も、サイレント映画の頃にデビューした日本の俳優。
福助の女形というのは、歌舞伎役者の中村福助のことだが、大正時代だから五代目の中村福助ことであろう
(現在はこの人の孫が襲名して九代目)。

吉屋信子先生の他の少女小説にも、映画俳優の名前はしょっちゅう出てくる。
たとえば、初期長編『三つの花』(大正15年=1926年の連載作品、ゆまに書房から復刻あり)には、
主人公の一人幸子が、女優メアリー・ピックフォードが主演する映画「雀」を見に行って、
あらすじを詩にして朗読するシーンがある。
このあたりがサイレント映画の終盤で、日本でも昭和初期以降は、トーキーと言われる音声入りの映画が定着する。

177:吾輩は名無しである
06/03/26 16:37:26
Monroe Salisbury で検索かけてみな

178:吾輩は名無しである
06/03/26 20:56:53
>>177
お知らせサンクス、予想が当たったようだわ。
プロフィール=横顔がここにあった。
URLリンク(www.asahi-net.or.jp)

サイトによってはモンロー・サリスベリーという表記になるようで。

179:175
06/03/26 22:04:58
うわーめっちゃかっこいいですやん

>>176-178
ありがとうございました これで安眠できます

180:吾輩は名無しである
06/03/31 05:36:16
環という名前は、吉屋先生お気に入りだったのかな?
ほかにも出てくるんだよね。

『花物語』「日陰の花」 環 満壽

『乙女手帖』 環 則子 
 (これはあまりエス関係じゃないけど、則子があこがれる環が主人公となり、環の成長物語になっている)

『屋根裏の二処女』 章子 環=秋津さん
 (文中では秋津さんという書き方が多いのであまり目立たないけど、フルネームは秋津環)

あと、章子というのもお気に入りだったような気がする。

『花物語』「白芙蓉」 章子 静枝

短編『こねこと章子』 章子

181:吾輩は名無しである
06/04/07 01:10:31
ヌコタソ

182:吾輩は名無しである
06/04/17 21:16:13
吉屋信子 生誕110年展
神奈川近代文学館 4月22日~
もうすぐですね。


183:吾輩は名無しである
06/04/22 04:32:34
2月に出た、「黒薔薇」は4月の110年イベント合わせだったのか。
まだ買ってないけど、全集未収の短編集で、屋根裏の二処女の姉妹編という感じらしい。

184:吾輩は名無しである
06/05/18 05:14:50
>>183
「黒薔薇」買った。
内容はこれから読むんだけど、メインの長編は、読みごたえありそう。
信子先生の編集主宰個人誌だった「黒薔薇」の編集後記が全部まとまってるのは貴重だね。

185:吾輩は名無しである
06/05/22 02:05:08
>吉屋信子 生誕110年展
これにいった人いる?
自分は最終日に行くつもりなんだけど、人の入りとかはどうですか

186:無名草子さん
06/05/22 14:10:25
>185
>吉屋信子 生誕110年展
自分はゴールデンウィーク中に関西から上京して行った。
行ったのは5日でしかも天気も良い日で、横浜は人が多かったが、会場の神奈川
近代文学館の中はそれほど混んでなかった。
客は中高年の女性が多かったが、それ以外の年齢層の人や男性もちらほらと。

吉屋信子さんに関する品々が数多く出品されていて、生い立ちを語る展示では小学校の
時の成績表や、吉屋さんが裁縫の時間に作った財布も展示されていた。
吉屋さんの作った財布は、「世にもへたかすな作品」と現在その財布の持ち主の姪の
えい子さんにもエッセイで書かれたのも無理はないと思えるほど、刺繍の下手なのが
ガラスケース越しから見ても分かるような品だったが、まあ吉屋さんは裁縫は「大の
苦手」だったそうだからその点は差し引いて見て、また一方でそんな財布をえい子さん
の前で、祖母で吉屋さんの母親のマサさんが「大切そうに取り出し、もったいぶって」
えい子さんの母親に渡した、という話も思いあわせると、実物を見れたのは何よりだった。

この他吉屋さんの自筆原稿はもちろん、作品の掲載誌や連載されていた新聞、単行本、
小説のドラマ化・舞台化の際の写真やポスターなどが展示されており、さらに吉屋さん
に縁の深い女性たちに関しても展示で紹介されていた。
おそらく初公開と思われる資料や、めったに展示されない貴重な資料も数多く展示されて
いて非常にファンには興味深い内容の展覧会だったので、可能なら何回でも足を運んで損は
無いと思う。

187:吾輩は名無しである
06/05/22 21:04:45
>>186
レポート乙。
吉屋えい子さんの著書「風を見ていたひと」は私も読んだから
貴重なお財布の展示もなるほどと思いましたわ。

「吉屋信子展―女たちをめぐる物語」は、6月4日まで。月曜休館。

嶽本野ばら氏は、5/3の講演で「吉屋信子がいなかったら、ナナの隣にハチはいなかったんですよ」と語ったとのこと。
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)


188:185
06/05/22 22:52:25
>>186
レポありがとう。
遠方のため一日しか行けないんだけど、俄然楽しみになってきた。
「風を見ていたひと」は未読なんで読んでいきます。

>>187
嶽本さん、うまいこと言うな~
「飛ぶ教室」での吉屋信子に関するインタビューにも感心しきりだった。


189:吾輩は名無しである
06/06/26 01:45:42
ageておく。

190:吾輩は名無しである
06/07/11 00:31:38
吉屋先生の命日であるな。

191:吾輩は名無しである
06/07/18 23:50:17
そうであったか

192:吾輩は名無しである
06/08/12 10:14:12
hoshu

193:吾輩は名無しである
06/08/26 23:29:24
ユーミンのアルバム「紅雀」は吉屋信子の小説からとったらしい。
ユーミンもおんな同士の友情の歌が結構あるね。

194:吾輩は名無しである
06/09/05 15:41:09
「小さき花々」所載の「天国と舞妓」・・・うわぁぁぁーん・・・

それにくらべて「田舎の親類」、駄作とまでは言えないまでもベタベタの教訓小説。
戦前の女学生の教育のために作ったのだろうか。

195:吾輩は名無しである
06/09/21 07:27:12
hoshu

196:吾輩は名無しである
06/09/21 08:02:38


197:吾輩は名無しである
06/09/23 08:02:42
ちくま文庫からなんか出た

198:吾輩は名無しである
06/09/26 22:00:40
これか。

「吉屋信子集 文豪怪談傑作選」吉屋信子 著 東雅夫編

>【作品紹介】
>少女小説の大家は怪奇幻想短篇小説の名手でもあった。闇に翻弄される人の
>心理を鮮やかに美しく描きだす異色の怪談集。文庫未収録を多数収録。

…「少女小説の大家」と説明はどうかと思わないでもないが、これまで文庫
には収録されなかった作品もあるなら読んでみたい。

「闇に翻弄される人の心理を鮮やかに美しく描きだす異色の怪談集」とある
所を見ると『鬼火』や『海潮音』等が収録されてそうだが、他にはどんな小説
が入っているだろうか。


199:吾輩は名無しである
06/10/02 04:30:58
hoshu

200:吾輩は名無しである
06/10/15 18:05:46
>>198
「生霊」
「生死」
「誰かが私に似ている」
「茶碗」
「宴会」
「井戸の底」
「黄梅院様」
「憑かれる」
「かくれんぼ」
「鶴」
「夏鶯」
「冬雁」
「海潮音」

以下エッセイ
「私の泉鏡花」
「梅雨」
「霊魂」
「鍾乳洞のなか」

201:198
06/10/16 20:38:22
㌧クス。
『鬼火』が入っていないのは意外だが、別の出版社の文庫にも収録されている
から、重複しないでよいかも。
エッセイも収録されているのも予想外だが、そちらもこれまでの全集等で未収録
だったら是非読んでみたい。(「鍾乳洞のなか」は秋芳洞に行った時、林芙美子が
亡くなった知らせを受けた時の話だろうか)

202:吾輩は名無しである
06/11/04 23:59:14
保守

203:吾輩は名無しである
06/11/10 05:29:48
hoshu

204:吾輩は名無しである
06/12/27 21:41:55
補修

205:吾輩は名無しである
07/01/05 23:15:03
15日まで大阪の心斎橋そごうで開催の「田辺聖子の世界展」で、田辺聖子さん
が吉屋さんに著書(『私の大阪八景』)を進呈した際の、吉屋さんからの
お礼のハガキが展示されていた。
吉屋さんの作品も愛読している自分にとっては嬉しい展示だった。





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