04/10/10 11:39:24
解説乙。今ピアニスト読んでるよ。
登場人物は30代後半のピアノ教師。強権的で娘を管理したがる母親がいる。
しかし二人の関係は簡単な憎悪関係でも支配関係でもなく、娘は洋服を買うなという母を殴るし
娘のほうも恋人(になる男)ほっといて二人だけの世界に閉じこもりたいとも考えたりする。
恋人(かなり年下)との関係もスムーズでなくちょっとマゾッホっぽい関係になったりもする。
全編現在形で書かれるが時折どうやらエリカの少女時代らしい彼女(太字)の章も紛れ込み、
なんとなくクッツェーの少年時代っぽい雰囲気。
やたら登場人物に醒めた描写で、氾濫しまくる動物のメタフォアもあって妙に非現実感を漂わせる。
それから会話文も「」がない。
「言葉の熱心な女性歯科医であるエリカは、小さなハンマーで現実を叩いて落とす。」
みたいな言い回しとか結構好きだな。